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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第42回 ANIMA MUNDI / The Lamplighter (Cuba / 2013)

本連載では「ミュージシャンの視点からプログレッシブ・ロック作品を捉える」ことに重点を置き、フランスのプログレッシブ・ロックレーベルMusea Recordsからシンフォニック・ロックアルバムでデビューを果たしたnetherland dwarfが、同じ時代を生きる世界中の素晴らしいプログレッシブ・ロックアーティストたちの作品を、幅広くご紹介します。「ミュージシャンの視点」とは言っても、各コラムは平易な文章で構成されていますので、楽器が弾けない、専門用語は分からないという場合でも、心配せずにご覧下さい。

第42回 ANIMA MUNDI / The Lamplighter (Cuba / 2013)

1970年代がそうであったように、2000年以降のプログレッシブ・ロック・シーンにおいても、アートワークには作品の世界観を視覚化する重要な役割が与えられ続けているでしょう。70年代プログレッシブ・ロックの名作を手がけたアートワーク・デザイナーたちの中には、新世紀以降も活動を続ける人物が存在します。例えば、70年代にYESなどの作品を担当したRoger Deanは、2000年以降もYESやASIAの作品に個性的なアートワークを提供し続けていますし、70年代にGENESISやVAN DER GRAAF GENERATORの作品を担当したPaul Whiteheadは、2000年以降イタリアのSUBMARINE SILENCEや同じくイタリアのALEX CARPANI BAND、あるいはフランスのECLATやアメリカのHOLDING PATTERNといったアーティストたちの作品に携わってきました。その一方で、新世紀以降のプログレッシブ・ロック・シーンには新たな才能も登場しています。

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スウェーデンのプログレッシブ・ロック・グループALGARNAS TRADGARDのメンバーとして70年代から活動していたJan Ternaldは、自身がミュージシャンでありながらアートワークにも才能を発揮し、ALGARNAS TRADGARDはもちろん、同郷Bo Hanssonの作品にも優れたアートワークを提供しました。しかし、Jan Ternaldが注目を集めたのは2000年以降、KAIPAやTHE FLOWER KINGSといったスウェーデンを代表するグループのアートワークを担当して以降でしょう。なお、スウェーデン以外のグループでは、ポーランドのSATELLITEや、SATELLITEのドラマーを中心とするPETER PANよる作品も手がけているようです。また、2010年以降ではポーランドのLeszek Kostujを挙げておきたいところです。Leszek Kostujは、ポーランドのLOONYPARKやオランダのCHRISといったアーティストたちの作品にアートワークを提供していますが、イタリアの古参シンフォニック・ロック・グループLE ORMEのアートワークで知られるWalter Mac Mazzieriにも通じるその作風は、プログレッシブ・ロック・リスナーの購買意欲を刺激することでしょう。そして、「21世紀のRoger Dean」と評されるEd Unitskyを忘れてはなりません。イギリスのTHE TANGENTやイタリアのMOONGARDEN、スウェーデンのTHE FLOWER KINGSやフィンランドのSAMURAI OF PROG、あるいはアメリカのSTARCASTLEやオーストラリアのUNITOPIAなど、様々な国々のアーティストたちに作品を提供しており、更なる活躍が期待されています。今回は、そんなEd Unitskyによるアートワークを採用したキューバのシンフォニック・ロック・グループによる4作目のアルバムを取り上げます。

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同じ南米ではあるものの、ブラジルやアルゼンチンと違って、キューバにはプログレッシブ・ロック・グループがほとんど存在しないと考えられていたはずです。事実、国民的グループであるSINTESISによる78年作『En Busca De Una Nueva Flor』が、イタリアン・ロックを彷彿とさせるサウンドで高く評価され、南米プログレッシブ・ロックのマスト・アイテムとされている以外は、同国がプログレッシブ・ロック・ファンの間で話題に上ることはほとんどありませんでした。そんな中で、新世紀の同国からANIMA MUNDIが登場した衝撃は、非常に大きかったことでしょう。ANIMA MUNDIは2002年に『Septentrion』でアルバム・デビューを果たしたわけですが、彼らがプログレッシブ・ロック・ファンに注目されることになったのは、2008年のセカンド・アルバム『Jagannath Orbit』でした。アメリカのSPOCK’S BEARDやスウェーデンのTHE FLOWER KINGSといった、プログレッシブ・ロックの新世代を代表するグループたちの作品に勝るとも劣らない鮮やかなシンフォニック・ロックを収めた同作によって、彼らは世界中のプログレッシブ・ロック・ファンに強烈なインパクトを与えることになったのです。

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さて、ANIMA MUNDIによる本2013年作『The Lamplighter』には上記の通り、Ed Unitskyによるアートワークが採用されていることもあって「トップ・グループ仕様」を強く感じさせますが、そのアートワークは本作のアルバム・コンセプトを見事なまでに視覚化しています。ふたつの組曲を中心とした大作主義的な構成によってリリースされた本作でも、彼らが作り出すメロディアスなシンフォニック・ロックは健在であり、上記のTHE FLOWER KINGSに迫る出来栄えという評価にも、素直に頷くことが出来るでしょう。ANIMA MUNDIの「音楽的支柱」は女性キーボーディストVirginia Perazaによるオーケストレーション・センス、そしてギタリストRoberto Diazによるメロディアスなプレイ・スタイルにありますが、彼らが一般的なシンフォニック・ロック・グループと決定的に異なるのは「精神的支柱」、つまりそのサウンドに、ある種の神秘性が秘められていることではないでしょうか。その質感は、例えばユーロ・プログレッシブ・ロックにおける厳かな宗教色などとは雰囲気を異にするものです。煌びやかなサウンド・メイクの中にもスピリチュアルなテイストが(恐らくは無意識のレベルで)織り込まれていることは、彼らが「宇宙霊魂」を意味するラテン語をグループ名に冠していることにも繋がるでしょう。

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ANIMA MUNDIの他にも、2000年以降の南米プログレッシブ・ロック・シーンでは、コロンビアのJAEN KIEFやペルーのFLOR DE LOTOなど、プログレッシブ・ロックに関する話題を聞くことが少なかった国々からユニークなアーティストたちが登場し、それぞれに注目を集めています。プログレッシブ・ロック先進国のアーティストたちはもちろんですが、こういった予想だにしない国々からのプログレッシブ・ロック・アーティストの出現にも、大いに期待したいところです。

「netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』連動 Ed Unitskyのアートワーク」 を読む
「netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』連動 Roger Deanの2000年代」 を読む
「netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』連動 Paul Whiteheadの2000年代」 を読む




netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第1回 netherland dwarf / tortoise walks forever (Japan / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第2回 CHRIS / Snow Stories (Holland / 2012)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第3回 GRENDEL / The Helpless (Poland / 2008)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第4回 ANUBIS / Hitchhiking To Byzantium (Australia / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第5回 AGUSA / Hogtid (Sweden / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第6回 SANHEDRIN / Ever After (Israel / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第7回 AMOEBA SPLIT / Dance Of The Goodbyes (Spain / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第8回 MAGENTA / The Twenty Seven Club (UK / 2013)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第9回 TOHPATI ETHNOMISSION / Save The Planet (Indonesia / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第10回 HIDRIA SPACEFOLK / Astronautica (Finland / 2012)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第11回 QUATERNA REQUIEM / O Arquiteto (Brazil / 2012)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第12回 SETNA / Guerison (France / 2013)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第13回 FLOR DE LOTO / Nuevo Mesias (Peru / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第14回 TRANSATLANTIC / The Whirlwind (Multi-National / 2009)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第15回 KARFAGEN / Lost Symphony (Ukraine / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第16回 SENSE / Going Home (Canada / 2007)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第17回 ARANIS / Roqueforte (Belgium / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第18回  SIKUS BOLIVIA / E.C.L.I.P.S.E. (Bolivia / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第19回  LITTLE TRAGEDIES / At Nights (Russia / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第20回  NUCLEUS TORN / Neon Light Eternal (Switzerland / 2015)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第21回  MERRY GO ROUND / Merry Go Round (Italy / 2015)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第22回  WOBBLER / Afterglow (Norway / 2009)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第23回  MEDIABANDA / Siendo Perro (Chile / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第24回  FIVE-STOREY ENSEMBLE / Not That City (Belarus / 2013)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第25回  GLASS HAMMER / If (USA / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第26回  SEIN / La Flor Y La Mierda (Argentina / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第27回  CICCADA / A Child In The Mirror (Greece / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第28回  CAST / Originallis (Mexico / 2008)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第29回  AFTER CRYING / Creatura (Hungary / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第30回  MARTIGAN / Vision (Germany / 2009)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第31回  ROBERT REED / Sanctuary (UK / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第32回 DEWA BUDJANA / Zentuary (Indonesia / 2016)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第33回 HOSTSONATEN / Summereve (Italy / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第34回  PAMPA TRASH / Ya Fue (Argentina / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第35回  ANIMA MORTE / The Nightmare Becomes Reality (Sweden / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第36回  LOST WORLD BAND / Solar Power (Russia / 2013)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第37回  SUPAY / Senales (Peru / 2013)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第38回  THE PROG WORLD ORCHESTRA / A Proggy Christmas (USA / 2012)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第39回  NOSTRADAMUS / Testament (Hungary / 2008)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第40回  TEMPUS FUGIT / Chessboard (Brazil / 2008)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第41回  DRUCKFARBEN / Druckfarben (Canada / 2011)

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ANIMA MUNDIの在庫

  • ANIMA MUNDI / WAY

    キューバの新鋭、2010年作、ファンタスティックかつダイナミックなシンフォニック・ロックの傑作

    キューバのグループ、2010年作3rd。出世作となった前作『JAGANNATH ORBIT』からさらにスケールを増した印象。70年代プログレの遺伝子を受け継いだファンタスティックなキーボード、YESを彷彿とさせるゴリゴリとしたベース、伸び伸びとメロディを奏でるギター、ナチュラルな歌声とエモーショナルな歌い回しが心に染みるヴォーカルとキャッチーかつ詩情に溢れたメロディ。そして、26分を越える楽曲を一気に聴かせる構成美。これは素晴らしい作品です。シンフォニック・ロック・ファン必聴の傑作。

  • ANIMA MUNDI / LAMPLIGHTER

    キューバ出身の新鋭プログレ・バンド13年作、シンセ、フルート、ギターらによる零れ落ちんばかりの叙情美とスケール感溢れる演奏に、胸震わせる傑作!

    キューバ出身の新鋭プログレ・バンド、13年作。2つの組曲からなる壮大なコンセプト作。冒頭からのゆったりとしたテンポの中で、幽玄のフルート、満点の星空を描くかのように優美なシンセ、あまりにエモーショナルな泣きのギターらが織りなす、瑞々しく零れ落ちんばかりの叙情美に満たされたこの演奏。未だ見ぬ幻想世界が眼前にゆっくりと広がっていくような演奏に思わず胸が震えます。本作から加入したヴォーカリストも、力強さと繊細さを兼ね備えた見事な歌唱を披露しており、作品世界に豊かな表情を与えます。この映像喚起的な高い表現力を持つアンサンブルは、間違いなくFLOWER KINGSやHOSTSONATENと言った大御所バンドに匹敵するもの。演奏がダイナミックに動き出すパートでは、GENESISを受け継ぐファンタスティックに躍動するシンセ、エモーショナルな中にもキレのあるギターらによる、ひたすら高みへと上り詰めていくかのようなドラマティシズムいっぱいの演奏に興奮必至。全編にわたり聴かせる、フルオーケストラばりに分厚く荘厳なシンセも圧巻の一言です。まるで良質なファンタジー映画を存分に楽しんだような感動と充実感を与えてくれる、かつてないスケール感にあふれる傑作です。これはオススメ!

  • ANIMA MUNDI / I ME MYSELF

    圧倒的なスケールで描かれる「幻想」と「ドラマ」、キューバの新鋭による2016年作5th、これは傑作!

    02年にデビューしたキューバのプログレ新鋭バンド、2016年作5th。青白いようなトーンで深く沈み込むようにたなびくシンセ、しとやかに紡がれるピアノ、透明感あるトーンのエレピ、メランコリックなアコギの爪弾き。とても「キューバ」とは思えない深遠な響きに驚きます。そんな幻想のパートと対照的に、ここぞでモダンなヘヴィネスを注入するヘヴィなエレキ・ギターとダイナミックなリズム隊も印象的。そして、「静」と「動」の対比が見事なアンサンブルを背景に、ハイ・トーンのハートウォームなヴォーカルが「詩情」と「ドラマ」を描いていきます。ピンク・フロイドからの影響も感じさせる映像喚起的でリアリスティックなパートもまた特筆で幻想とリアルの間の振幅もまた見事。なんというスケール。これはずばり傑作です。

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文・市川哲史

文・深民淳

文・舩曳将仁

文・netherland dwarf

文・後藤秀樹

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