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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第36回 LOST WORLD BAND / Solar Power (Russia / 2013)

本連載では「ミュージシャンの視点からプログレッシブ・ロック作品を捉える」ことに重点を置き、フランスのプログレッシブ・ロックレーベルMusea Recordsからシンフォニック・ロックアルバムでデビューを果たしたnetherland dwarfが、同じ時代を生きる世界中の素晴らしいプログレッシブ・ロックアーティストたちの作品を、幅広くご紹介します。「ミュージシャンの視点」とは言っても、各コラムは平易な文章で構成されていますので、楽器が弾けない、専門用語は分からないという場合でも、心配せずにご覧下さい。

第36回 LOST WORLD BAND / Solar Power (Russia / 2013)

弦楽器奏者や管楽器奏者を擁する変則的なメンバー編成が珍しくないプログレッシブ・ロック・シーンにおいて、フルートを個性とするグループに比べればその数こそ少ないものの、優れた音作りを披露する実力派が定期的に登場してきたのが「ヴァイオリン・ロック」と呼ばれるカテゴリーでしょう。ヴァイオリン・ロックはその前提に、ヴァイオリン奏者がインストゥルメンタルの楽曲をリードする、もしくは楽曲の中で大きな存在感を示し技巧的な演奏を行うといったイメージが強いため、ヴァイオリン奏者を擁した編成のグループ全てが該当するわけではありませんが、ともあれプログレッシブ・ロックがその歴史の中でロック・スピリットに溢れた素晴らしいヴァイオリン奏者たちを輩出してきたことは間違いありません。

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1970年代のプログレッシブ・ロック・シーンにおける代表的なヴァイオリン奏者としては、イギリスではKING CRIMSONへの参加で知られるDavid Cross、女性ヴォーカリストSonja Kristinaを擁するCURVED AIRのメンバーとして登場し、リーダー・グループDARRYL WAY’S WOLFを率いたDarryl Way、そして同じくキーボード奏者を兼任する形でCURVED AIRに加入し、78年にはU.K.を結成したマルチ・プレイヤーEddie Jobsonが挙げられます。また、イタリアでは、PREMIATA FORNERIA MARCONIのメンバーとして活躍するも全盛期にあったグループから脱退し、地中海音楽とロックを融合させる傑作を発表したMauro Paganiが別格の知名度を誇っていますが、イタリアン・ロックの中には個人名が取り上げられることこそ少ないものの、ヴァイオリンの響きが冴え渡るQUELLA VECCHIA LOCANDAのような例も存在します。さらにフランスでは、MAGMAへの参加で頭角を現し、関連グループであるZAOやSURYAでも活躍したDidier Lockwood、THE MAHAVISHNU ORCHESTRAなどを経てソロ・アーティストとしても成功を収めたJean-Luc Ponty、そしてTRANSIT EXPRESSへの加入でフレンチ・ジャズ・ロックの傑作を生み出したDavid Roseが広く知られてきました。今回は、そんな歴史を受け継ぐロシアのヴァイオリン・ロック・グループLOST WORLDを取り上げます。

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さて、2000年代のロシアン・プログレッシブ・ロック・シーンにおいてLITTLE TRAGEDIESと共に代表格と評されるのが、モスクワ音楽院で高度な音楽教育を受けたミュージシャンたちによって結成されたLOST WORLDです。マルチ・プレイヤーのヴァイオリン奏者Andy Didorenkoを中心として、フルート奏者、キーボーディストという変則的な編成で活動を開始した彼らは、2003年にデビュー・アルバム『Trajectories』をリリースし、ロック・フェスティバルなどで経験を積んでいきました。その後、2006年のセカンド・アルバム『Awakening Of The Elements』が老舗レーベルであるフランスのMusea Recordsから世界配給されたことでプログレッシブ・ロック・ファンから注目を集めたものの、セカンド・アルバムまでの彼らはドラマーの不在をプログラミングによって補っており、「ロック・バンド」としての体制を整える必要があったのでしょう。2009年にリリースされたサード・アルバム『Sound Source』ではドラマーが新たに加入し、それに伴ってグループ名を「LOST WORLD」から「LOST WORLD BAND」へとリニューアルしました。また、後述の2013年作『Solar Power』発表後の2014年には、プログラミングのリズム・セクションを生演奏に差し替えるなど、多くのパートを新たに録音し直したセカンド・アルバムを『Awakening Of The Elements Revisited』として再リリースしています。

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4枚目のスタジオ・アルバムとなる2013年作『Solar Power』は、オリジナル・メンバーであるヴァイオリン奏者Andy Didorenko、フルート奏者Vassili Solovievに加えて、新たにドラマーが加入し、トリオ編成で製作されています。なお、オリジナル・メンバーであるキーボーディストAleksandr Akimovは、プロデューサーとしてグループに関わっているようです。彼らの最大の魅力は、メンバーの高い音楽スキルに裏打ちされたドラマティックな楽曲構成ですが、アンサンブル楽器ではなくソロ楽器としてヴァイオリンを扱っているにも関わらず、一辺倒なサウンド・メイクを回避した構成力のある楽曲を生み出せるのは、ヴァイオリンに加えてエレキ・ギター、アコースティック・ギター、ベース、そして本作ではキーボード・パートまでを一手に引き受けているAndy Didorenkoのマルチな才能と、卓越したバランス感覚によるものなのでしょう。または、裏方に徹するAleksandr Akimovの貢献も少なくないはずです。ワールド・ミュージックにも通じるようなシネマティックなサウンドで幕を開ける本作においてもその点は変わることなく、ソリスト・タイプのスリリングな技巧を残しながら、しかし過度な自己主張に陥ることなく、あくまで楽曲主体のサウンドを構築しています。一方で、本作での大きな変化としては、緊張感を持ったインストゥルメンタル楽曲が全編を支配していた前作までと違い、ヴォーカル・バラードが用意されていることが挙げられるでしょう。アルバム全体の緩急までを考慮に入れた創作は、彼らの持ち味であるダイナミックなインストゥルメンタル楽曲を前作以上に際立たせ、作品全体の質を大きく向上させています。

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ヴァイオリン奏者を擁する編成のグループは、新世紀のプログレッシブ・ロック・シーンにも一定数存在するものの、そのほとんどはアンサンブル楽器やアクセント的な扱われ方に留まっているような印象を持つでしょう。そんな中にあって、LOST WORLD BANDの存在は圧倒的に映るはずです。彼らは、他の追随を許さず2000年代のヴァイオリン・ロック・シーンを駆け抜け、正式デビュー10周年となる節目の2013年に本作をリリースしましたが、その内容は、彼らの独走状態が今後もまだまだ続くことを予感させるに充分なものとなりました。




【アーティスト・インタビュー】LOST WORLD BAND

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キング・クリムゾンからの影響が感じられる硬質でアグレッシヴなサウンドをベースに、クラシカルなヴァイオリンやフルートが疾走するテクニカル・アンサンブルが痛快な、現在最も注目すべき新鋭の一つですLOST WORLDの魅力に迫るインタビュー!



netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第1回 netherland dwarf / tortoise walks forever (Japan / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第2回 CHRIS / Snow Stories (Holland / 2012)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第3回 GRENDEL / The Helpless (Poland / 2008)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第4回 ANUBIS / Hitchhiking To Byzantium (Australia / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第5回 AGUSA / Hogtid (Sweden / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第6回 SANHEDRIN / Ever After (Israel / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第7回 AMOEBA SPLIT / Dance Of The Goodbyes (Spain / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第8回 MAGENTA / The Twenty Seven Club (UK / 2013)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第9回 TOHPATI ETHNOMISSION / Save The Planet (Indonesia / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第10回 HIDRIA SPACEFOLK / Astronautica (Finland / 2012)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第11回 QUATERNA REQUIEM / O Arquiteto (Brazil / 2012)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第12回 SETNA / Guerison (France / 2013)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第13回 FLOR DE LOTO / Nuevo Mesias (Peru / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第14回 TRANSATLANTIC / The Whirlwind (Multi-National / 2009)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第15回 KARFAGEN / Lost Symphony (Ukraine / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第16回 SENSE / Going Home (Canada / 2007)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第17回 ARANIS / Roqueforte (Belgium / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第18回  SIKUS BOLIVIA / E.C.L.I.P.S.E. (Bolivia / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第19回  LITTLE TRAGEDIES / At Nights (Russia / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第20回  NUCLEUS TORN / Neon Light Eternal (Switzerland / 2015)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第21回  MERRY GO ROUND / Merry Go Round (Italy / 2015)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第22回  WOBBLER / Afterglow (Norway / 2009)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第23回  MEDIABANDA / Siendo Perro (Chile / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第24回  FIVE-STOREY ENSEMBLE / Not That City (Belarus / 2013)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第25回  GLASS HAMMER / If (USA / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第26回  SEIN / La Flor Y La Mierda (Argentina / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第27回  CICCADA / A Child In The Mirror (Greece / 2010)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第28回  CAST / Originallis (Mexico / 2008)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第29回  AFTER CRYING / Creatura (Hungary / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第30回  MARTIGAN / Vision (Germany / 2009)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第31回  ROBERT REED / Sanctuary (UK / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第32回 DEWA BUDJANA / Zentuary (Indonesia / 2016)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第33回 HOSTSONATEN / Summereve (Italy / 2011)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第34回  PAMPA TRASH / Ya Fue (Argentina / 2014)

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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第35回  ANIMA MORTE / The Nightmare Becomes Reality (Sweden / 2011)

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LOST WORLDの在庫

  • LOST WORLD / AWAKENING OF THE ELEMENTS

    06年リリースの2nd、圧倒的なダイナミズムを持った驚異のロシア産シンフォ・プログレ!

    ロシアのグループ、06年作2nd。テクニカルかつ流麗なギターと、緊張感と叙情性を巧みに使い分けるヴァイオリン&フルートをフィーチャーした壮大なシンフォ・プログレ。とにかくすべてのパートがテクニック抜群。演奏の強度が半端ではなく、「動」と「静」の振れ幅がとんでもないことになっています。複雑なリズムを刻むスリリングなギターと狂気をはらんだ鋭角なヴァイオリンが襲いかかったと思えば、メロディアスなフルートが軽やかに飛翔する。圧倒的なダイナミズム。シンフォ・プログレの傑作。

    • SPCD005SAMUM PUBLISHING

      ペーパーケース仕様。新装の2014年盤で、06年のMUSEA盤ではプログラミングだったドラムとストリングスを新たにレコーディングしたニューエディション。さらに、バンドによるリミックス&リマスター!

      レーベル管理上、ペーパーケースの状態がよくありません。スリ傷や圧痕など不良がある場合がございます。ご了承ください。

  • LOST WORLD / SOUND SOURCE

    ロシアのシンフォ・グループ、傑作2ndに続く、09年作3rd、文句無しの傑作、鮮烈!

    90年代初めから活動するロシアのシンフォ・グループ。高い評価を得た06年作2ndに続く09年作。ヌケが良く疾走感溢れるリズム・ギターとアグレッシヴなリズム隊が築くスケールの大きなキャンバスの上を、ヴァイオリンとギターが奔放に美しいメロディを描き、そこに流麗なピアノが鮮やかな色を付ける。聴いていて思わず笑みがこぼれる躍動感いっぱいのアンサンブル。まさに「鮮烈」の一言。ただ、ゴリ押しで畳みかけることは決してなく、どんなにアグレッシヴなパートでも、静謐とも言えるような格調高さを常に感じさせるのが特筆もの。前作同様に「静」と「動」の対比鮮やかで、「静」のパートでは、フルートが柔らかに舞い、優美なメロディを描く。ファンタスティックなシンフォを軸に、「太陽と戦慄」期クリムゾンのような硬質なヘヴィネスや、ディシプリン期クリムゾンのような浮遊感とサウンドのエッジをうまく織り込み、なおかつ全体的には優美さでまとめ上げるセンスは超一級。サウンド・プロダクションも抜群で、モダンなビビッドさとビンテージな温かみとのバランスが絶妙。これは傑作です!

  • LOST WORLD / IN CONCERT

    ロシアのシンフォ・グループ、鮮烈な09年モスクワでのライヴ

    ロシア出身、90年代以降のプログレ・シーンを代表するグループの一つ。09年の本国モスクワでのライヴを収録した2010年リリースライヴ盤。フルートが柔らかく舞う幻想的なイントロでしっとりとスタート。アコギがサウンドの空間を左右に広げ、クールなシンセによる一瞬の静寂をはさみ、KING CRIMSON「Great Deceiver」ばりにヴァイオリンが疾走するアグレッシヴなパートへと雪崩れ込む!この「静」と「動」の対比の鮮やかさこそ、このグループの持ち味で、ライヴでも見事ダイナミックなサウンドを聴かせています。「ダークネス」と「格調高さ」が共存した色彩豊かなサウンドもさすがのスケール感。圧倒的な構成と演奏力を見せつけるシンフォ・ファン必聴のライヴ盤!

  • LOST WORLD / SOLAR POWER

    現代ロシアを代表する3人組プログレ・バンド、前作を上回る密度と緊張感がみなぎる13年作4th!

    現代ロシアを代表する3人組プログレ・バンドによる13年作4th。シャープで安定感のあるドラム、テクニカルに躍動するベースを土台に、キーボードがリズム隊とは異なる変拍子でミニマルかつエスニック調のフレーズをかぶせ、緊張感を生み出す。そこにどこまでも伸びやかに、そして鮮烈に奏でられるヴァイオリン!芯のある太いトーンのギターやフルートもからみ、「静」と「動」を対比させながら流れるように畳みかけます。目の覚めるような完璧なオープニング・ナンバー。ただただ心が躍ります。2曲目以降も、切れのあるヴァイオリンが疾走するクラシカル・シンフォから、ヘヴィーにうねるギターが炸裂する70年代中期クリムゾン的ヘヴィー・プログレ、フルートをフィーチャーした民族調テクニカル・アンサンブルまで、1曲の中でめくるめく展開しながら、ハイテンションで駆け抜けます。終始テクニカルで展開が多いながらも、決して大味になることなく、精緻で格調高く気品に満ちているのがこのバンドの凄いところ。その点で、ジェントル・ジャイアントをも凌駕していると言っても決して過言ではありません。傑作3rdをさらに上回る、素晴らしすぎる傑作!

  • LOST WORLD / OF THINGS AND BEINGS

    現代ロシアを代表する3人組プログレ・バンド、2016年作5th、圧倒的にまばゆくテンションみなぎるサウンドで駆け抜ける一大傑作

    現代ロシアを代表するのみならず、ヴァイオリンをフィーチャーした新鋭プログレ・バンドとして屈指と言えるクオリティを持つトリオ、2016年作5thアルバム。オープニングから、舞踏音楽も取り込んだ躍動感いっぱいのリズム・セクションをバックに、ヴァイオリンが鮮やかなトーンでまるで天空を駆け抜けるかのように鳴り、エレキ・ギターが追随しながら疾走感を加える。イマジネーションいっぱいにめくるめく鳴り響く管楽器も凄いし、アコギとフルートによる静謐なパートの奥ゆかしさも特筆。ロシアが生んだクラシック音楽の巨匠ストラヴィンスキーが蘇り、交響楽団とテクニカルなプログレ・バンドを従えた、といった感じのまばゆすぎるアンサンブルにただただ心躍ります。何という完成度。2016年のプログレ作品の中で間違いなくトップ3に君臨することでしょう。ずばり傑作です。

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文・深民淳

文・舩曳将仁

文・netherland dwarf

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