2017年11月24日 | カテゴリー:「rabbit on the run」 netherland dwarf,ライターコラム
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本連載では「ミュージシャンの視点からプログレッシブ・ロック作品を捉える」ことに重点を置き、フランスのプログレッシブ・ロックレーベルMusea Recordsからシンフォニック・ロックアルバムでデビューを果たしたnetherland dwarfが、同じ時代を生きる世界中の素晴らしいプログレッシブ・ロックアーティストたちの作品を、幅広くご紹介します。「ミュージシャンの視点」とは言っても、各コラムは平易な文章で構成されていますので、楽器が弾けない、専門用語は分からないという場合でも、心配せずにご覧下さい。
12月と音楽というワードから連想されるのは、やはりクリスマス・ソングです。ブリティッシュ・プログレッシブ・ロックにおける最も有名なクリスマス・ソングは、EMERSON, LAKE & PALMERのベース・ヴォーカリストGreg Lakeが1975年にシングルとしてリリースし、その後、EMERSON, LAKE & PALMERの77年作『Works Vol 2』にも収録されることになった「I Believe In Father Christmas」であり、同楽曲は当時、国内シングル・チャートの2位にランク・インしています。しかし、実は同楽曲においてGreg Lakeが意図したのは「クリスマスの商業化に対する批判」であり、作詞を担当したPete Sinfieldは「純粋さや、子供時代に信じていたことの喪失」をテーマに製作を行っていました。そういった意味で、同楽曲がクリスマス・ソングに分類されるかどうかは賛否が分かれるところかもしれませんが、ともあれ、クリスマス・ソングひとつを取っても「オーソドックス」な仕上がりにならないということは、プログレッシブ・ロックならではのエピソードでしょう。
クリスマス・ソングにおける最も「オーソドックス」なナンバーと言えば、クリスマス・キャロルです。クリスマス・キャロルを取り上げた経験を持つプログレッシブ・ロック・アーティストの数は少なくないはずですが、クリスマス・キャロルが収められたクリスマス・アルバムとしては、例えばEMERSON, LAKE & PALMERのキーボーディストKeith Emersonによる88年作『The Christmas Album』やYESのヴォーカリストJon Andersonによる85年作『3 Ships』、あるいは同じくYESのベーシストChris Squireによる2007年作『Chris Squire’s Swiss Choir』やRENAISSANCEのヴォーカリストAnnie Haslamによる2000年作『It Snows In Heaven Too』などがマスト・アイテムとして知られているでしょう。彼らが発表したクリスマス・アルバムにはクリスマス・キャロルの有名楽曲が散りばめられ、また、シンフォニックなサウンド・メイクやアコースティックなアレンジが施され、12月のプログレッシブ・ロック・シーンを華やかに、あるいは厳かに彩ってきたのです。なお、上記のアルバムに収録されたクリスマス・キャロルには重複も多く見られるため、それぞれのアーティストによるアプローチの違いを聴き比べる楽しさも味わうことが出来るでしょう。
さて、THE PROG WORLD ORCHESTRAなるグループによるクリスマス・アルバム『A Proggy Christmas』は、2012年に突如リリースされました。しかし、彼らの正体はアートワークからも明らかでしょう。アメリカのプログレッシブ・ロック・グループSPOCK’S BEARDのメンバーとして90年代のシーンに登場し、SPOCK’S BEARD脱退後はソロ・アーティストとして、あるいはモンスター・グループTRANSATLANTICやFLYING COLORSの中心人物として活躍を続けるNeal Morseが、関連アーティストたちと共に立ち上げたプロジェクトなのです。過去にも、カバー楽曲をボーナス・ディスクに収録するなどサービス精神旺盛な内容でファンを楽しませてきたNeal Morseらしい企画という印象を持ちます。本作にはTRANSATLANTICやFLYING COLORS人脈の他、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロックを代表するグループであるGENESISを支えたギタリストSteve Hackettもギター・ソロで参加しているようですが、Steve Hackettは上記のChris Squireによる『Chris Squire’s Swiss Choir』にも参加していたことが思い出されます。
本作『A Proggy Christmas』は、2011年11月にNeal Morseがファン・クラブ限定でリリースした多重録音による同名アルバムを、収録楽曲をマイナー・チェンジしバンド体制で再録音した作品となっているようです。しかし、Neal Morseは自身のデモ音源なども積極的にCD化していますから、あるいはソロ名義による限定盤の方は本作のデモ盤に当たるのかもしれません。「英国賛美歌の父」アイザック・ウォッツ作詞、「米国賛美歌の父」ローウェル・メイスン作曲による「Joy To The World」で幕を開ける本作は、オープニングからNeal Morseのオリジナリティーが際立つシンフォニック・ロックが展開されており、リラックスした空気感こそあるものの企画盤の安易さとは無縁の高水準な内容となっています。Neal Morse関連作には欠かすことの出来ないドラマーMike Portnoyが、本作でもほとんどのドラム・パートを受け持っているものの、その他のミュージシャンたちはあくまで数曲ずつのゲスト参加となっており、実質Neal MorseとMike Portnoyを中心に製作が進められたのでしょう。メンデルスゾーン作曲の「Hark! The Herald Angels Sing」や、ウクライナ民謡を基に司祭ミコラ・レオントヴィチが手がけた「Carol Of The Bells」などのスタンダード・ナンバーを、SPOCK’S BEARDやTRANSATLANTIC直系のダイナミックなシンフォニック・ロックに生まれ変わらせてしまうトップ・ミュージシャンの手腕には、脱帽という他ありません。プログレッシブ・ロック・シーンにおけるクリスマス・アルバムの歴史に、また新たな定番アルバムが誕生しました。
最後に、『A Proggy Christmas』に参加するも名だたるミュージシャンたちの陰に隠れてしまっている印象のBill Hubauerについても取り上げておきます。Bill HubauerはNeal Morseのソロ活動を支えるキーボーディストであり、コンサートにおいても堅実なサポートで評価を獲得していますが、元々はアメリカのシンフォニック・ロック・グループTEN POINT TENのメンバーとして活動を展開していました。TEN POINT TENが2003年にリリースした4作目である『12 25』はクリスマス・アルバムの隠れた名盤であり、収録楽曲のいくつかは『A Proggy Christmas』とも重複する、一聴の価値ある作品となっています。
「netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』連動 クリスマス・アルバム総括」 を読む
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