2018年7月25日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
今日は、イエス『危機』が好きな人におすすめの、クリアでテンションいっぱいのファンタスティック・プログレを特集してまいりましょう。
ポイントは、ゴリゴリとアグレッシヴにランニングするベース、キレのあるメロディアスなギター、そして青空へと吸い込まれていくようなキャッチーなメロディとハーモニー。
イエス『危機』を出発点に、そんな心躍るプログレを世界中からピックアップいたします。
では、早速、イギリスから出発!
プログレ最高峰のイエス『危機』。よくこんな奇天烈な音楽が生まれたものだ!イントロから凄い。ピチャピチャ水が跳ね回るようなキーボード、影響元不明の奇想天外ギター、突拍子なく切れ込んでくるハーモニー!
元イエスのギターPeter Banks率いるグループで、イエスとパイロットを足して二で割ったような爽快な逸品!
イエスのファンは必聴ですね。同じくロジャー・ディーンのジャケ、キャッチーなメロディとゴリゴリとスピーディーなアンサンブル、そしてドラマティックな展開!これぞ英ファンタスティック・プログレっ!
ジェネシスやイエス直系のファンタスティックな演奏と、10ccやパイロットばりのポップ・センスとの絶妙なブレンド!このドライヴ感とキャッチーさときたら!
ファンタスティックなんだけど淡くて、坊やは泣きそうだし。これぞ英国のジャケ。音もそのままで、イエスのドライヴ感とキャメルの叙情美に英国的な牧歌性を加えた、愛すべきファンタスティック・プログレ。
ゴリゴリと疾走感溢れるベースなど初期YESやFLASHに通ずる「ドライヴ感」、ヴァイオリンによる切々とした「リリシズム」、リリカルなピアノとメロトロン風キーボードによる「ファンタジー」!
さぁ、英国を後に、ファンタスティックでドライヴ感いっぱいのプログレの宝庫、北欧へ!
「北欧らしいコロコロとしたファンタスティックさ + 英ハード直系のメランコリー = これぞ北欧プログレ!」なるほど、QUATERMASSのプロデューサーが手がけたスウェーデンのプログレ・トリオなのね。
これはずばり「イエスやジェントル・ジャイアントなど英プログレ」 meets 「ELOやパイロットなど英ポップ」。ダッチ・プログレ恐るべし。
お次ぎは東欧へ!
ルーマニアのグループ、75年作。
英フラッシュやキャパビリティ・ブラウンに通じるニッチ・ポップ/プログレ風味にフルートをフィーチャーした逸品!
さぁ、オセアニア〜北アメリカ〜南アメリカへと駆け抜けていきますよ〜。
イエスのベーシスト、クリス・スクワイアがハード・ロック・バンドを結成してVertigoからリリース!って感じのグループを、な、なんとニュージーランドで発見っ!
YESとRETURN TO FOREVERを掛け合わせたようなサウンドだって? な、なるほど・・・。
いよいよアメリカへ到達。イエスやジェントル・ジャイアントに影響を受けたハード・ドライヴィンかつキャッチーなプログレ・ハード名作がたくさんありますね!
「アメリカのイエス」と言えば?このグループが筆頭格ですよね!
イエスへの愛がこれでもかと溢れるアンサンブル!ものすごい躍動感!
クリムゾンのイアン・マクドナルドのプロデュースでデビューした米シンフォの隠れた名盤。ジャケからして秘宝臭ぷんぷんですが、音もイエス&ジェネシス直系のファンタスティック・プログレでたまりません!
YESのスケール感いっぱいのファンタジーとGENTLE GIANTの先の読めない超絶技巧アンサンブルの完璧な融合・・。もはや隠れた名盤とは呼べないアメリカ産テクニカル・シンフォの傑作ですよね!
南米からも一枚!
「青空」というより、ジャケの通りの「星空」がぴったりな荘厳かつテンション溢れるファンタスティック&ハードなアンサンブルが魅力。
ラストは、新鋭から2枚をご紹介しましょう。
ロシアの新鋭。
全パートのどこを切り取ってもメロディが溢れ出る、と言っても過言ではないメロディアスぶり!これはGENESISやCAMELやYESなど70年代プログレの遺伝子を受け継いだ正統派プログレとして一級の出来映え!
「クリアでテンションいっぱいのファンタスティック・プログレ」特集の締めは、やはりこの一枚でしょう!
ま、まさか、あの『LOVER’S END』を超えるとは・・・。覚醒したソングライティング、より一体感を増した演奏、アイデアみなぎるアレンジ。恐るべき才能。
いかがでしたか?
僕らの心をつかんで離さないキャッチーなメロディとハーモニー、そしてクリアで躍動感いっぱいのアンサンブル。
みなさまにとって心躍る一枚が見つかれば嬉しいです。
COLOSSEUMのDave Greenslade、Tony Reeves、KING CRIMSONのAndrew McCulloch、SAMURAIのDave Lawsonというテクニシャンが集結し、ギターレスのダブル・キーボードの強みを生かしたプログレッシブ・ロックを聴かせたイギリスのグループの73年デビュー作。彼らの作品の個性と言えるキーボードはピアノ、オルガン、メロトロンを中心にクラシカルな雰囲気ではなく、ブルージーないぶし銀のプレイを基本にポップ・テイストを乗せた素晴らしいアプローチを披露。スリリングなパフォーマンスも見せますが、アンサンブル主義のさじ加減が絶妙であり、英国的なマイルドさとファンタジアに溢れています。適度なユーモアを含んだ作風も個性的な、次作とあわせて名盤と言えるでしょう。
紙ジャケット仕様、04年デジタル・リマスター、定価2940
盤質:無傷/小傷
状態:
帯有
若干タバコ臭ありその他は状態良好です
紙ジャケット仕様、04年デジタル・リマスター、定価2940
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
紙ジャケに小さい圧痕あり
紙ジャケット仕様、04年デジタル・リマスター、定価2940
盤質:無傷/小傷
状態:
帯有
紙ジャケに若干折れあり、その他は状態良好です
紙ジャケット仕様、04年デジタル・リマスター、定価2940
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの72年作5th。その内容は前作「こわれもの」と並ぶ、プログレッシブ・ロック史に留まらず70年代ロック史に残る屈指の大名盤であり、20分近い表題曲をメインに据えたコンセプト・アルバムとなっています。Keith Emersonと人気を分かつRick Wakemanによる華麗なキーボード・オーケストレーション、カントリーからフラメンコまでを自在に操る個性派ギタリストSteve Howeの超絶プレイ、難解な哲学詞を伝えるハイトーン・ボーカリストJon Anderson、テクニカルでタイトなBill Brufordのドラム、そしてリッケンバッカーによる硬質なベースさばきを見せるChris Squire、今にも崩れそうな危ういバランスを保ちながら孤高の領域に踏み入れた、まさに「危機」の名に相応しい作品です。
アイルランドのプログレバンド、74年3rd。その内容は「太陽の王子」を主人公に展開されるファンタジックなコンセプトアルバムであり、甘くポップセンスに溢れたメロディーとドラマチックなトータル性が素晴らしい好盤となっています。シンフォニックロックバンドとして大きく成長を遂げ、壮大なバロックサウンドを描いた前作と比べると、ずいぶん親しみやすい音へとシフトしておりキャッチーなパートが目立つようになったほか、そのコンセプト性もあってか、リズミカルで軽快な曲調を中心に収録。前2作で彼らのトレードマークの1つであったストリングスセクションはシンセサイザーに置き換えられており、そのことが楽曲の持っているポップな魅力をより一層強固なものにしています。また、演劇性にも富んでおり、御伽噺のような英国然とした世界観でファンタジックに聴かせる1枚となっています。
05年にデビューしたスウェーデンのグループ。2010年の『LOVER’S END』でブレイクし、2013年1月には来日。ライヴ・アルバム、ミニ・アルバムをはさんでリリースされた2013年作。フル・スタジオ・アルバムとしては通算4作目。
聖歌隊のように壮麗なコーラスではじまり、キーボードとリズム・ギターが高らかに静寂を突き破ると、高音域に向かって伸びやかに飛翔するリード・ギター、コロコロと叙情がこぼれ落ちるピアノがとめどなくメロディアスなフレーズを奏で、ムーン・サファリならではのアンサンブルに胸が高鳴ります。歌メロもこれでもかとキャッチーで切なくて、豊かなコーラス・ワークも相変わらず絶品。これまでのムーン・サファリの良いところを全て盛り込んだような完璧なオープニング!リード・ヴォーカルのPetterが作曲で、彼らしい躍動感みなぎるメロディがとめどなく溢れた名曲です。
続いては、もう一人のソングライターでKey奏者のSimon Akessonの曲で、これがまた素晴らしい!10ccの「アイム・ノット・イン・ラヴ」を彷彿させるような陰影あるヴォーカル・パートではじまり、うっとりしているとこれでもかの急展開の幕開け。クイーンばりのオペラチックなパート、ジェントル・ジャイアントばりの変拍子でテンションみなぎるパート、ダークに渦巻くオルガン・プログレなパートを織り交ぜながらめくるめく展開します。後半は、ムーン・サファリらしくリリカルなフレーズと美しすぎるヴォーカル・パートの応酬で盛り上げ、まるでアルバムのフィナーレのようにとめどなく盛り上がっていきます。す、すごすぎるぞムーン・サファリ!
次の曲も凄くって、クリムゾン『レッド』ばりのヘヴィなパートではじまり、クイーンというかジェリーフィッシュのようなコーラス・パート、そこからのまさかのジョージ・ハリスン風スライド・ギターが飛び出して、溢れ出るアイデアとそれを流れるように聴かせるバンドの一体感にはただただうなるばかり。
歌心いっぱいの小曲2曲をはさんでからのSimon作曲によるラストの2曲がまた素晴らしくて、ソングライターとしての覚醒を感じます。詳細にレビューしたいですが、あまりにレビューが長すぎちゃうので、聴いてのお楽しみに!
『LOVER’S END』であれだけの高みに上りつめた後で、次の展開はどうなるのかと思っていましたが、まさか『LOVER’S END』が序章だったとは・・・。ビートルズで言えば、『ラバーソウル』の後の『リヴォルヴァー』ぐらいの尖りっぷり!恐るべし才能。バンドの最高傑作であり、00年代以降のプログレ最高到達地点と言っても過言ではない大傑作!圧倒的なメロディ・センスはジャンルを超越していて、プログレ・ファンのみならず、キャッチーなメロディが好きなポップ・ファンも間違いなく心躍ることでしょう。これは必聴です!
ロシアの新鋭グループ、2011年のデビュー作。もうオープニング・ナンバーのイントロからキてます。リック・ウェイクマンとアンディ・ラティマーが共演!?っといった感じで、マイルドなトーンの流麗なギターとクラシカルなピアノが美しい旋律で幕を開け、一転して、マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』を彷彿とさせるような緊張感あるピアノに切り替わったかと思うと、ドラムが走りだし、視界が一気に広がり、ギターとキーボードから次々とメロディが溢れ出る!この展開に心躍らないプログレ・ファンは居ないでしょう。さぁさぁ、ヴォーカルはどんな感じかな、と待っていると、透明感のある歌声と包み込むような歌唱が素晴らしい男性ヴォーカルが伸び伸びと美しいメロディを歌い上げる。バックではコロコロとリリカルなピアノがサポート。それにしても、全パートのどこを切り取ってもメロディが溢れ出る、と言っても過言ではないメロディアスぶり!これはGENESISやCAMELやYESなど70年代プログレの遺伝子を受け継いだ正統派プログレとして一級の出来映え!往年のプログレ・ファンは必聴の大傑作です。
75年作の2nd。リリカルなピアノと優美なアコースティック・ギター、そして英国叙情に溢れる柔らかなメロディと豊かなハーモニー。1stの延長上にある英国叙情派フォーク・ロックを土台に、シンフォニックなキーボードをよりフィーチャーし、ドラマティックな作風に変化。ゴリゴリと疾走感溢れるベースなど初期YESやFLASHに通ずる「ドライヴ感」、ヴァイオリンによる切々とした「リリシズム」、リリカルなピアノとメロトロン風キーボードによる「ファンタジー」など、楽曲にメリハリが付いた分、メロディ・ラインやフレーズの歌心が一層際立っています。特に旧アナログB面のすべてを使った大曲『REASON WHY』は、叙情的かつダイナミックに展開する名曲。大英帝国プログレのファンは必聴の愛すべき逸品。
アルゼンチンのシンフォニック・ロック・グループ、74年作の1st。ダークでテクニカルなキーボード、スティーヴ・ハウからの影響を感じさせるテンション溢れるギターをフィーチャー。変拍子を多用してアグレッシヴに畳みかける、スリリングかつ荘厳なシンフォ・プログレを聴かせています。ヴォーカル・メロディーは、いかにも南米らしい叙情性が魅力的。南米シンフォの名作。
ニュージーランドのグループ、76年の唯一作。ブルース色の無いメロウかつハード・エッジなギター、くすんだトーンのオルガン、クリス・スクワイアを彷彿とさせるゴリゴリのランニング・ベースを中心とする英プログレ直系のアンサンブルを聴かせています。Vertigoあたりのグループに通ずる陰影に富んだ哀愁溢れるメロディ&ハーモニーも印象的。せわしなくリズム・チェンジしながら畳みかけるドライヴ感溢れる楽曲、オルガンをフィーチャーしたミドル・テンポの荘厳な楽曲、スリリングなリフ主体のストレートなハード・ロックを聴かせる楽曲、ジャジーなタッチの洗練されたアンサンブルを聴かせるメロディアスな楽曲、哀愁のメロディに溢れた黄昏色の楽曲など、どの曲も叙情性溢れるメロディとアンサンブルが堪能できる佳曲揃い。派手さはないものの、じっくりと聴き応えのある味わい深い好盤です。
ルーマニアのグループ、75年のデビュー作。再発レーベルからのインフォにはジェスロ・タルやグレイヴィー・トレインが引き合いに出されていますが、吹き飛ばすアグレッシヴなフルートなど、確かにその通り。個人的には、ブルースがベースにありつつもエッジの立ったトーンで鋭角に切り返すギターやゴリゴリとシャープなベース、ハイ・トーン寄りのニッチ・ポップ・フレイヴァーもあるルーマニア語のヴォーカル、憂いある豊かなコーラスあたり、英国のフラッシュやキャパビリティ・ブラウンなどを彷彿させます。格調高いクラシカルなピアノに艶やかなストリングスが入るバラードも魅力で、3曲目「Speranta」は、プロコル・ハルムやイ・プーもびっくりの気品ある美メロ名曲。フルート入りの英プログレやユーロ・ロックのファンはもちろん、英ニッチ・ポップのファンにもオススメしたい好グループ。秘宝臭ぷんぷんのジャケの通りの名作!
そのバンド名どおり、「英国らしさ」を最もイマジネーション豊かに音像化した一枚ではないでしょうか。魔法のようにファンタスティックなメロトロンのプレイも圧巻の大傑作!
GTR153
2790円 (税込3069円)
在庫あり
CAMELの影響を感じさせるファンタスティックな叙情性が最も際立っているのがこの3rdなんですよね。すでにフラワー・キングスに繋がるサウンドがあちこちで聴けるのもポイント。
SPV80572CD(TEMPUS FUGIT)
2190円 (税込2409円)
在庫あり
当局の検閲によって4曲のみがEPリリースされるに留まった幻のアルバムが完全版として復活。エストニア最高のバンドたる実力を発揮した、YESにも通じるファンタジックで構築性に富んだサウンドが素晴らしい!
VV001(VAIGUVIIUL)
2690円 (税込2959円)
在庫あり
そのバンド名どおり、「英国らしさ」を最もイマジネーション豊かに音像化した一枚ではないでしょうか。魔法のようにファンタスティックなメロトロンのプレイも圧巻の大傑作!
BVCM37613
1990円 (税込2189円)
そのバンド名どおり、「英国らしさ」を最もイマジネーション豊かに音像化した一枚ではないでしょうか。魔法のようにファンタスティックなメロトロンのプレイも圧巻の大傑作!
BVCM37613
1790円 (税込1969円)
まだまだこんな凄いバンドが居たとは!幻の英プログレ・グループが発掘!スティーヴ・ハウばりのスリリングなギターと性急に畳みかけるアンサンブル!ずばり素晴らしい!
SJPCD337(ANGEL AIR)
1990円 (税込2189円)
売り切れ
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