2021年より運営するノルウェーの新興リイシュー・レーベルNORSKE ALBUMKLASSIKERE。
この2年間で400タイトル近いリイシューを行なっている、カケレコでも今最も注目しているレーベルです。
そのラインナップを見てみるとプログレ、ロック、フォーク、ポップス、オルタナなど幅広く取り揃えられており、人口540万ほどの小国ノルウェーに、これほどの知られざる作品が眠っていたのかと驚かされます。
それでは、プログレ作品を中心にディープなノルウェー・ロック探求をお楽しみください☆
まずは、最新入荷のタイトルからご紹介!
北欧産とは思えぬ濃厚なファンキー・グルーヴがカッコいいテクニカル・ジャズ・ロックで、その筋の定番Herbie Hancock『Head Hunters』にかなり影響を受けてそう。
グルーヴィに跳ねまわるクラヴィネットとジャジーなフルートの絡みが絶品ですなぁ。
上でご紹介したジャズ・ロック・バンドVANESSAを率いたサックス奏者の1stソロ。
実験的でありつつ音の透明度の高さも魅力の音空間を、変幻自在のプレイで駆け抜けるサックス。
アヴァンギャルドな音像の中、不意にハッとするような美しい瞬間が訪れて耳を捉えます。
ビートルズやヴァニラ・ファッジからの影響をクラシックやジャズの高い素養によって料理したようなサウンド!?
実際ビートルズ・カバーも素晴らしい出来だし、このノルウェーの幻のオルガン・トリオ、オススメです。
ジャズ・ファンクとフュージョンを折衷したようなコシのあるグルーヴ感覚と爽やかな抜けの良さが同居したアンサンブルに、味のある母国語ヴォーカルが乗る個性的なサウンド。
叙情的な曲ではハンガリーのOMEGAを想起させる哀愁も漂う、マイナーだけど趣ある好盤です。
MOOSE LOOSEやTeje Rypdalらとのユニットで知られるドラマーの1stソロ。
洗練を極めた演奏に甘く伸びやかなヴォーカルと清涼感あるコーラスが乗る、素晴らしい完成度のAORナンバーが並びます。
ノルウェーの地にこれほどの極上AOR作品が残されていたとは!
当時テリエ・リピダル夫人だったノルウェーの女性シンガー!
テリエも参加したソフト・ロックとAORの中間と言える爽やかさと哀愁が入り混じる演奏に、ほのかにノスタルジーを纏った彼女の歌いっぷりが映えます。
こちらは77年作。
往年のフレンチ・ポップからカーペンターズまでを想起させる、どこかノスタルジックな聴き心地が素晴らしい女性ヴォーカル・ポップス好盤です☆
もちろん他にも、比較的有名な作品から初CD化のマニアックな逸品まで多数取り揃えておりますよ~☆
ノルウェーのプログレ・バンドが残した唯一作。
哀愁と憂いに満ちた英ロック憧憬の曲を聴かせたと思ったら、地中海フレイヴァー薫るジャズ・ロックが飛び出したり、北欧然とした静謐なナンバーを繰り広げたりと変幻自在。
一貫してキャッチーなメロディも素晴らしい~。
フルートが妖しく彩る鬱蒼とした森の中をイメージさせるフォーキー&ブルージーなハード・ロックは、初期ジェスロ・タルから少しアクを抜いた感じ?ノルウェー・ロック黎明期の名盤ですね!
ヘヴィなギターリフとアグレッシヴなオルガンを中心に、リリカルなピアノ、哀愁のアコギも織り交ぜたドラマティックなサウンドが魅力。ノルウェー・ロック黎明期の名盤である1stも良いですが、この2ndの憂いあるサウンドも最高!
ジャケは恐ろしげだけど、英ヴァーティゴ作品を想わせるハード・ロック・サウンドと、後期ビートルズを想わせるポップ・ロック・サウンドが同居したナイスなメロディアス・ロック作品なんです!
ハモってハモって泣きに泣きまくるツイン・リードのギター、優美なフルート、ファンタスティックなキーボード!いかにも北欧的な人なつっこいメロディも胸に染みるし、ノルウェー産叙情派シンフォの傑作!
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NWOBHMに通ずるエッジの立ったアグレッシヴなギターリフ、強烈に哀愁を帯びた泣きのメロディ。アメリカのWINTERHAWK辺りが好きなら是非おすすめの、哀愁たっぷり絶品北欧ハード!
ソリッドに繰り出すギターリフを軸に、テクニカルなオルガン、変拍子を織り交ぜたスリリングなリズム隊が絡むテンション抜群のノルウェー産ハード・プログレ快作!
77年に残された唯一の作品。
溢れ出すメロトロン、宇宙の深遠を描くシンセ。ドラムは初期クリムゾン彷彿だし、リッケンバッカーはゴリゴリしてるし、歌はG.レイクに似てるし。でも、演奏がバタバタしてる感じはVERTIGOレーベル風でもあって…。
つまりこのノルウェーのバンド、必聴です。
このオープニング・ナンバーを聴いて心躍らないプログレ・ファンはいないと断言!クリムゾン、ジェネシス、ジェスロ・タルからの影響が色濃いファンタスティックなノルウェー産プログレ!
JEFF BECK GROUP彷彿のソウルフルなブルース・ロックで幕を開けたと思ったら、初期KING CRIMSON的な仄暗い叙情性と哀愁を持ったサウンドが広がってきて、メロトロンもたっぷり鳴り響きます。レイクばりの朗々とした歌唱も素晴らしい北欧プログレ逸品!
ファンキー&ダンサブルに心地よく跳ねるドラム、Percy Jonesばりにうねるベース、ギラギラしたプレイで絡み合うサックス&ギター&キーボードが繰り広げるテクニカルなジャズ・ファンク/フュージョン、76年作。
一聴ではクラブでも重宝されそうな踊れるグルーヴを聴かせているようでいて、さりげなく突っ込まれる変拍子に足がもつれそうになる感じ。
RTFファンからハービー・ハンコック『HEADHUNTERS』ファンまで是非!
名門バークリー音楽院で学んだノルウェーのギタリストによる、知られざるジャズ・ロック/フュージョン作。
テクニカルながらも淡い色調の音使いで、北欧然とした品のある佇まいを崩すことなく進行するアンサンブルが実に素晴らしいです。
「英フォーク三美神」がお好きなら、このノルウェーのバンドは要チェック。演奏の荘厳さ、そして女性ヴォーカルの気品。「崇高」という言葉がぴったりな北欧エレクトリック・トラッドの名作です。
フェアポートやスティーライ・スパンが好き?それで英国以外の作品にも興味がある?なら、このノルウェーのグループは是非聴いて欲しいです。力強く厳かな女性vo、温かみあるフィドルや哀愁を誘うフルート、煌めくマンドリンらが織り上げるエレクトリック・トラッド傑作!
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SEELEYE SPANを愛する方にオススメの、欧州トラッド・フォーク作品を見てまいりたいと思います☆
どっしりといなたく刻むリズムに乗り、ギターとフィドルとフルートが哀愁いっぱいに絡み合い、ノルウェー語の女性ヴォーカルが厳かに歌い上げる、逞しさと憂いが溶け合ったエレクトリック・トラッドが胸を強く打つ名品!
北欧の小村で村人が楽しげに踊る情景に流れている音楽そのものといった風情の、賑々しくも哀愁たっぷりのトラッド・フォークにグッと来ちゃいます。STEELEYE SPANやDULCIMER、仏MALICORNEなどがお好きなら是非。
この5thは全体的にロック色が強めなのが特徴。力強いアンサンブルと芯のある女性ヴォーカル、優美ながらスリリングなヴァイオリンとでびしっと決めて強い印象を残します。トラッドとダイナミックなロック・サウンドとが見事に調和したエレクトリック・トラッドの好盤!
なんとトレードマークだったヴァイオリンを封印していますが、代わりにエレクトリック・ギターとマンドリンが前面に出ていて、変わらぬ哀愁のエレクトリック・トラッドを奏でます。
中近東風のフレーズを奏でるシタールやタブラと、北欧らしいミスティックで透明感がある女性Voや気品あるオルガンの素晴らしき出会い。エキゾチックさと格調高さが絶妙に調和した、ノルウェー産アシッド・フォーク名品!
ダイアー・ストレイツのようなノルウェーのバンドだって!?たしかにカントリーやブルースを土台にしたルーツ・ロック・サウンドに哀愁あるギターが良い味を出しています。これは好バンド!
PROCOL HARUMに影響を受けた、クラシカルなオルガンとR&Bフィーリングが調和したポップ・ロックが素晴らしい!英ロック・ファン必聴レベルのこんなナイスなバンドがノルウェーにいたなんてっ!
軽快なパブロック、PARLOUR BANDのような陰影あるフォーク・ロック、”ウエストコースト・テイストの英ロック”な趣のナンバー、そしてQUEENまで彷彿させる劇的なコーラスが冴え渡るナンバーまで、非常に完成度の高いブリティッシュナイズド・ロック!何とノルウェー出身!?
手数多いジャズ・ロッキンなドラミング、ワウの効いたグルーヴィなプレイからエモーショナルな泣きのプレイまで自在なギター、流麗に駆け抜けるピアノらが躍動する1曲目から最高!ノルウェー産だけど、これが英バンドならもっと有名になってただろうクオリティだなぁ。
あの鬼才ギタリストTerje Rypdalの奥方でもあったシンガーの80年作。英ジャズ/ロックのいぶし銀名手達が脇を固めたディスコ・ファンク作で、姉御タイプの気風の良さに微かな哀愁を漂わす彼女の英語voが良い!
ジャジーなリズム・セクションと、オルガンとギターのサイケデリックな絡み、そして初期SAMLA MAMMAS MANNAやWIGWAMを思わせるユーモラスなポップ・センス。ノルウェー・ロック黎明期の愛すべきグループだなぁ。
ノルウェーの知られざるバンドによる78年作。英SMOKIEあたりに通じるモダン・ポップ・テイストを土台に、レゲエ調、ディスコ・ファンク、カントリー、ノリの良いストレートなロックなど、表情がクルクルと変わるサウンドが魅力です。LAのセッションマンばりの演奏力にも注目!
FACES+ゴージャスなブラス・セクションと言える1曲目、SANTANA彷彿のラテン・テイストな3曲目、ファルセットvo&コーラスが映えるメロウ・フュージョンな4曲目など、ブラス・ロックというスタイルの中で様々なサウンドに挑戦。ノルウェー語のいなたいヴォーカルも堪らない75年の最終作2nd!
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トラッドの賑々しさと荘厳さ、ブルースの土臭さ、それらを渾然一体にして聴かせるプログレッシヴ感覚を備えた個性派バンド。ヘロヘロなようで時に妙に雄々しく、神秘的にして怪しさ満点、さながらJETHRO TULLとSAMLA MAMMAS MANNAが共演したかのような凄い世界観!
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前作と同じくJETHRO TULLを彷彿させるいなたいフォーキー・ブルース・ロックに、今作ではゴテゴテとシンセの装飾を施したサウンドメイクが何とも衝撃的。前作にも匹敵する強烈な音世界です。異端の北欧プログレ怪作!
シャープなキレの良さを持つリズム・セクションに乗って、伸びやかにフレーズを紡ぐギターと洒脱に音を散らすエレピ&幻想のカーテンを引くシンセらが最高に心地よい音空間を作り上げます。これぞフュージョンという、爽やかでクリアな音だけで作り上げられた極上の一枚!
ノルウェーのマイナーなマルチ・プレイヤーによるユニットなのですが、『Moonmadness』+『Incantations』+ニューエイジ・テイスト、と言えそうなシンフォニック・ロック逸品。
北欧の雪深い自然情景を思わせるような幻想の音世界が広がります。
こちらの82年2ndも並々ならぬ一枚です。
Mike Oldfield『Discovery』『Island』あたりのサウンドを、繊細で幻想的なタッチによって北欧流儀に描き出したような82年作!
ファンキーなMAHAVISHNU ORCHESTRAと言えるテクニカル・ジャズ・ロックの1曲目から最高だなぁ。緊張感はそのままに、淡く揺らめくエレピやエフェクターを駆使して「氷のような音」で弾くギターが北欧的なイマジネーションを広げる以降のナンバーも素晴らしい。
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マハヴィシュヌ・オーケストラの1st『内に秘めた炎』を起点に、マクラフリンばりの知的で狂暴なギターが聴けるアルバムを探求♪
ノルウェーVertigoよりリリースされた76年2nd。空間を感じさせる深みある音作りは初期WRあたりに通じる印象ですが、マクラフリン彷彿の超絶ギター&クラシックの素養も見せながらシャープに切り込むヴァイオリンによるスリリングな掛け合いもカッコ良い!
ドン・チェリーとの共演盤を残すノルウェーのサックス奏者によるアフロ・フュージョン作。ガンビア出身パーカッショニストを擁し、パーカスと民族的なチャントによる濃厚なアフロ・フレイヴァーと、シャープなサックスを軸とするアーバンなフュージョン・サウンドが見事に調和!
90年のノルウェーに、こんな強烈な作品が存在したとは…。
パンクの衝動、メタルの重量感、ゴシック・ロック特有の仄暗いロマンティシズムを練り上げて生み出された孤高の北欧プログレッシヴ・ロック!
いかがでしたか?
北欧のプログレ/ロックと言えばスウェーデンやフィンランドに注目が集まりますが、ノルウェーにもこれほどハイレベルな作品がひしめいていたんですね~。
気になる作品を見つけていただけたら幸いです☆
ノルウェーの名シンフォニック・ロック・グループ、80年作の1st。キーボードにギターにフルートにヴォーカルに、もうどこを切り取っても溢れ出る叙情美。ハモってハモって泣きに泣きまくるツイン・リードのギター、優美なフルート、ファンタスティックなキーボード、いかにも北欧的な人なつっこく胸に染みるメロディ。5曲目『PIMPERNELLE』でのコロコロとした音色で丁寧に紡がれるギター&キーボードは、これぞ北欧シンフォの魅力たっぷり。ずっと浸っていたいと思わせるメロディの洪水。グッときて、ジーンときて、心に響きまくる叙情派シンフォの名作。
後にPOPOL ACEと改名するノルウェーのグループ(ドイツのグループとは同名異)、72年作のデビュー作。KING CRIMSONやP.F.M.に通じる引き締まったドラム、GENESISの通じるファンタスティックなキーボード、溢れ出るメロトロン、JETHRO TULLに通じるフルート、グレッグ・レイクとイアン・アンダーソンを足して二で割ったようなヴォーカルが印象的。オープニング・ナンバーを聴いて心躍らないプログレ・ファンはいないと断言できます!溢れ出るメロディ、美しいアンサンブル&展開、変拍子に心躍りまくり。北欧シンフォ屈指の傑作!
ノルウェーのグループ、74年作1st。NWOBHMに通ずるエッジの立ったアグレッシヴなギターリフ、強烈に哀愁を帯びた泣きのメロディ、線は細めながらエモーショナルで胸を打つヴォーカル、後ノリの沈み込むようにタメの効いたリズム隊。そして、時折アクセントとして挿入されるクールなトーンのキーボードやピアノ。マイナー調のハード・ロックが好きな方は間違いなく気に入るでしょう。聴いていて、アメリカの名グループWINTERHAWKを想い出しました。
スウェーデンのグループ、76年作。ソリッドかつ切れのあるギター・リフを中心に、テクニカルなオルガン、変拍子を織り交ぜたスリリングなリズム隊が絡むテンション溢れるハード・プログレ。全曲スウェーデン語。
70年にデビューしたノルウェーの女性ヴォーカリストで、あの名ギタリストTerje Rypdalの奥方でもあった彼女の75年作。当時の夫Terjeも3曲でギターを弾いています。色彩感あふれるギター、キラキラしたキーボード、甘くロマンティックな管弦アレンジによる、ソフト・ロックとAORの中間と言えそうな爽やかさと哀愁が入り混じるサウンドに、ほのかにモンドな香りを纏った彼女の歌いっぷりが映えます。ノルウェー語のちょっと野暮ったい響きがまた素敵な、ノスタルジー漂う愛すべき歌曲集!
70年代前半に活動したノルウェーのハード・ロック・グループ、ヴァーティゴよりリリースされた73年リリース3rd。オルガン、シンセの淡い音色が印象的な英ヴァーティゴ作品を想わせるハード・ロック・サウンドと、後期ビートルズを想わせるポップ・ロック・サウンドが同居したメロディアス・ロック作品。メロディ、アレンジ、演奏ともかなりのレベルに達しています。名作!
公式音源は映画のサントラに提供した曲のみというノルウェーの幻のトリオ。69年〜70年に彼らが残していた音源を発掘してまとめた編集盤。メンバーはクラシックや現代音楽の教育を受けたようで、ビートルズ、ヴァニラ・ファッジ、ザッパからの影響が色濃いサイケデリックな楽曲に、格調高いストリングスが施されたサウンドは発掘音源とは思えないクオリティ。ジャズ・ロックをやってもテンションみなぎる演奏ができそうなほどにキレ味&安定感ともに抜群の演奏も特筆。初期ソフト・マシーンやキャラヴァンやウィグワムに比肩するセンスとテクニックと言っても過言ではないでしょう。ビートルズ「A Day In The Life」「Strawberry Fields Forever」、ジョン・レノン「Isolation」などカヴァーも白眉。オススメです。
名門バークリー音楽院で学んだノルウェーのギタリストによる80年デビュー作。テクニカルながらも淡い色調で気品高く紡ぐフュージョン/ジャズ・ロックの逸品です。手数多く刻みつつ涼しげなシンバルワークも魅力的に聴かせるドラム、伸びやかなフレージングが心地よいベース、滲むようなタッチの可憐なエレピ、アーバンな雰囲気のメロディアスなテナー・サックス。そして主役のギターはフュージョン・タッチのテクニカルなソロから北欧の情景を映し出すようにデリケートなプレイまで自在な振れ幅で活躍します。すべての楽器が、北欧然とした品のある佇まいを崩すことなくアンサンブルを描いているのが素晴らしいです。マイナーな作品ながら、これは北欧フュージョン/ジャズ・ロックの中でもかなりの名盤ではないでしょうか。
ノルウェーのジャズ・ロック・グループによる76年2ndアルバム。ファンキー&ダンサブルなリズム感覚で心地よく跳ねるドラム、Percy Jonesばりにうねるベース、ギラギラしたプレイで絡み合うサックス&ギター&キーボードが繰り広げるテクニカルなジャズ・ファンク/フュージョン。一聴クラブでも重宝されそうな踊れるグルーヴを聴かせているようでいて、さりげなく突っ込まれる変拍子に足がもつれそうになる感じ。RTFファンからHerbie Hancock『HEAD HUNTERS』ファンまで、是非!
ノルウェーのハード・ロック・グループ、70年作1st。叙情性溢れるオルガン&フルートをフィーチャーした、同時期の英国ロックに通じる陰影に富んだサウンドが特徴です。フルートが妖しく彩る鬱蒼とした森の中をイメージさせるフォーキー&ブルージーなハード・ロックは、初期ジェスロ・タルから少しアクを抜いた感じ。メロディー、アレンジ、演奏ともにハイレベルな好グループ。派手さはないものの、聴くほどに味わいが増す逸品です。
後にPOPOL ACEと改名するノルウェーのプログレ・グループ、POPOL VUH名義では最終作となった74年作2nd。JEFF BECK GROUPあたりを思わせるソウルフルなブルース・ロック・ナンバーで幕を開けますが、その後は1曲目を受け継ぐファンキーなノリの良さを随所で見せつつ、全体として初期KING CRIMSONに接近した仄暗い叙情性と哀愁を持ったサウンドを聴かせます。ズッシリ刻むタイトなリズム・セクション、泣きを含んだエモーショナルなギター、そして叙情的なナンバーで存在感を見せるメロトロンらがドラマティックに織り上げるサウンドはかなりの完成度です。1曲目を筆頭にソウルフルに歌い上げるタイプと思ったら、Greg Lakeばりの朗々とした歌唱もまた素晴らしい、歌唱力と表現力に秀でたヴォーカルも特筆。北欧プログレとしてのファンタスティックさでは1stに譲りますが、英プログレ・ファンによりオススメできるのは本作だと思います。名作!
ノルウェー出身のフュージョン/ジャズ・ロック・グループの79年1st。シャープなキレの良さを持つリズム・セクションの上で、伸びやかにフレーズを紡ぐギターと洒脱に音を散らすエレピ&幻想のカーテンを引くシンセらが最高に心地よい音空間を作り上げます。これぞフュージョンという、爽やかでクリアな音だけで作り上げられた極上の一枚!
ノルウェーのジャズ・ロック/フュージョン・グループによる74年1st。1曲目は手数多くもズシズシと迫りくる存在感抜群のリズム・セクションに乗って、スリリングな音運びのエレピとマクラフリン直系の狂暴かつ知的なギターがソロを回す、ファンキーなMAHAVISHNU ORCHESTRAと言えるテクニカル・ジャズ・ロックで度肝を抜きます。2曲目は緊張感はみなぎっているものの、淡く揺らめくエレピやエフェクターを駆使して「氷のような音」で弾くギターが北欧的なイマジネーションを広げており見事。MAHAVISHNU ORCHESTRAの影響が濃い火花の散るようなアンサンブルが基本ながら、各楽器は涼しげで透明感ある音色というのが面白いところであり、いかにも北欧のグループという味わいです。
ヴァイオリン奏者を含むノルウェーのプログレ・グループが76年に残した唯一のアルバム。哀愁ほとばしるヴォーカルとクラシカルなタッチのキーボードが印象的な、英国ロックに通じる憂いにグッとくるナンバーからスタート。英ロック影響下のスタイルなのかと思っていると、続いては地中海フレイヴァー漂うアンダルシア地方のスパニッシュ・プログレっぽいジャズ・ロックが飛び出して驚き。3曲目でようやく北欧然とした繊細でひんやりとしたサウンドが現れます。どこの国のグループなのか分からなくなる内容ですが、そのどれもが本場に引けを取らないほどに完成度が高いのが素晴らしいところ。随所でクラシカルに躍動するヴァイオリンはとにかく見事だし、メロディは一貫してキャッチーで聴きやすいのも魅力的です。これは特に英国ロック好きの方に聴いてみて欲しいサウンド。たった一枚に終わったことが惜しまれる名作です。
ノルウェーのジャズ・ロック/フュージョン・グループによる、ノルウェーVertigoよりリリースされた76年2nd。新たにヴァイオリニストが加わっていますが、音楽性は前作のMAHAVISHNU ORCHESTRAからはやや離れ、フュージョンらしい滑らかなタッチが強まっています。とは言え変わらずマクラフリンを意識した随所で速弾きを交える超絶ギターは健在だし、クラシックの素養も見せながらシャープに切り込むヴァイオリンのカッコ良さも特筆もの。その合間を縫うように躍動するエレピのクールな音運びにも注目です。空間を感じさせる深みある音作りは初期WEATHER REPORTあたりに通じる印象ですが、ソロパートにおける各楽器の切れ味の良さは前作以上かもしれません。北欧ジャズ・ロック/フュージョン屈指の一枚でしょう。
73年デビュー、ノルウェー出身のブラス・ロック・バンドによる最終作となった75年2ndアルバム。ハード・ブラス・ロックと言えた重厚感ある前作と比べ、幾分メロウでポップになったサウンドが特徴的です。FACESにゴージャスなブラス・セクションが入ったような1曲目、SANTANAを思わせるラテンっぽいノリで聴かせる3曲目、ファルセット・ヴォーカル&コーラスをフィーチャーしたメロウなフュージョンの4曲目など、ブラス・ロックというスタイルの中で様々なサウンドに挑戦している印象です。面白いのが、前作よりも歌をメインに聴かせていることで、ノルウェー語のどこかのんびりした語感が強調され、かの国らしい「いなたさ」もアップしている点。もちろんそこが愛すべきポイントです。でもラストでは、1stを思い出させる硬派なブラス・ジャズ・ロックで盛り上がり、やはりカッコいい!前作と共にユーロ・ブラス・ロックの好作品。
ノルウェー出身、ジャズ・ロック・バンドMOOSE LOOSEやTeje Rypdalらとのユニットなどで知られるドラマー/コンポーザーによる83年作。JUNIPHER GREENEやRUPHUSで知られるFreddy Dahlがヴォーカルを務めたAORアルバムで、MOOSE LOOSEのギタリストやベーシスト、腕利きホーン・プレイヤー達による洗練を極めた演奏に、AOR然とした甘く伸びやかなヴォーカルと清涼感あるコーラスが乗る、非常に素晴らしい完成度のAORナンバーが並びます。メロディアスな旋律を描くギター、美麗なシンセやピアノも見事ですが、ここぞという場面で高らかに響き渡るホーン・セクションの活躍も聴き逃がせません。北欧ノルウェーの地にこれほどの極上AOR作品が残されていたとは驚き。名盤です。
68年に結成されたノルウェーの4人組バンドによる75年唯一作。手数の多いフィルインを叩き込むジャズ・ロック・タイプのドラミング、ワウの効いたグルーヴィなプレイから泣きの表現に長けたエモーショナルなプレイまで自在なギター、流麗に駆け抜けるピアノらが躍動する1曲目から最高。爽やかなコーラスワークを伴い疾走する前半と、泣きのギターが主役となる叙情的な後半というドラマティックな構成があまりに素晴らしい1曲にいきなり持ってかれます。ブリティッシュ・ロック・ファンなら早くもここでガッツポーズでしょう。以降は絶妙に肩の力の抜けたパブ・ロッキンなサウンドが中心となり、こちらもまた素晴らしいです。時にうっすらと広がる奥ゆかしいメロトロンにも注目。英語ヴォーカルなのも相まって、マイナー英バンドの発掘盤と言われても不思議に思わないほどの内容となっています。収録時間の短さが惜しいところですが、これは英ロック・ファンは要チェックの一枚ですよ!
ノルウェーのジャズ・ロック/フュージョン・グループによる75年1stアルバム。北欧産とは思えぬ濃厚なファンキー・グルーヴがカッコいいテクニカル・ジャズ・ロックで、近いのはやはりその筋の定番Herbie Hancock『Head Hunters』、というかかなり影響を受けていそうです。そんな中で、グルーヴィに跳ねまわるクラヴィネットにジャジーなフルートが絡んでくる展開はなかなか独特。終始熱気を放ちつつも「饒舌」と表現できる見事なサックスのプレイも聴きモノです。いくつかの曲ではAREA「La Mela Di Odessa」も思い出しました。強度抜群のファンキー・ジャズ・ロックに痺れること必至の快作。上記『Head Hunters』がお好きなら是非!
Don Cherry & Ed Blackwellとの共演アルバム『Tamma With Don Cherry & Ed Blackwell』でその名が知られるノルウェー出身サックス奏者Erik Balke率いるアフロ・ジャズ/フュージョン・グループの79年唯一作。ガンビア出身のパーカッショニストをメンバーに擁しており、パーカッションと民族的なチャントが織りなす濃厚なアフロ・フレイヴァーと、シャープなサックスを軸とするアーバンなフュージョン・サウンドが見事に調和を果たしていてこれは素晴らしいです!
70年にデビューしたノルウェーの女性シンガーで、あの鬼才ギタリストTerje Rypdalの奥方でもあった彼女の80年作。Paul Westwood(b)/Bob Sydor(sax)/Charlie Morgan(dr)/Nico Ramsden(g)ら英ジャズ/ロックのいぶし銀メンバーが脇を固めた、ディスコ・ファンク・アルバムとなっています。名手たちによるタイトかつ跳ね感満点の職人的アンサンブル、ロマンティックなストリングス・アレンジ、そして姉御タイプの気風の良さに微かな哀愁が漂う彼女の英語ヴォーカル。それらが組み合わさって最高に心地よいディスコ・ファンクを作り上げています。同時期の英米のディスコ・ファンクと比較しても何ら見劣りしない内容の好盤です。
70年に結成されたノルウェーのグループが、77年にリリースした1stアルバム。トラッドの賑々しさと荘厳さ、ブルースの土臭さ、それらを渾然一体にして聴かせるプログレッシヴ感覚を備えた、なかなか一筋縄ではいかないサウンドです。ドコドコと土着的な響きのドラム、ブルースとサイケが溶けあったような酔いどれギター、奔放に弾きまくるギターに代わり旋律を奏でるベース、ノルウェー語で何かを喚く絞り出すようなヴォーカル。ヘロヘロなようで時に妙に雄々しく、神秘的にして怪しさ満点なこのサウンドは、『AQUALUNG』あたりまでのトラッド色を持ったJETHRO TULLとSAMLA MAMMAS MANNAが共演したような凄い世界観。頭のネジが一本吹っ飛んでいったような、少しもまともじゃないサウンドを繰り広げています。必聴。
ノルウェー出身のマルチ・プレイヤーPetter Espen Guthによるソロ・ユニット、80年1stアルバム。マイナーなアーティストですが、これはかなりの才能。ヴォーカルとドラムを除く全楽器を自身で担当し、CAMELとMike Oldfieldを融合させてアンビエント/ニューエイジに寄せたようなシンフォニック・ロックを創り上げています。ナイーヴで透明度の高いシンセサイザー・サウンドに、Andy Latimerを思わせる叙情溢れるエモーショナルなギターが乗り、北欧の雪深い自然情景を思わせるような幻想の音世界が広がります。ヴォーカル・パートはポップかつドリーミーな儚さが滲んでいて、これもCAMLEまたはBJHに通じる印象です。アルバムで言えば、『Moonmadness』+『Incantations』といった感じ?知られざる北欧シンフォの名品!
ノルウェー出身、北欧トラッド・フォークを代表する名グループ、80年作5th。トラッドのインスト曲を挟みながら前作に比べると全体的にロック色が強めなのが特徴。特にトラッドを土台にしたダークな雰囲気の2曲目がかっこよく、2分半ほどの短い曲ですが、力強いアンサンブルと芯のある女性ヴォーカル、優美ながらスリリングなヴァイオリンとでびしっと決めて強い印象を残します。トラッドとダイナミックなロック・サウンドとが見事に調和したエレクトリック・トラッドの好作!
70年デビュー、当時は名ギタリストTerje Rypdalの奥方でもあったノルウェー出身女性シンガーの77年作。ストリングスも優雅に響くソフト・ロック調の甘やかなサウンドと、独特の哀愁が漂う少しハスキーな声質を持つ彼女の歌声が、ノルウェー語の「いなたい」語感とも相まって、ノスタルジックな聴き心地をもたらします。フレンチ・ポップのような愛らしさを持ちつつ、CARPENTERSにも通じるポップスとしての親しみやすさとドラマチックさも感じられて、英米ポップス的親しみやすさと非英語圏ならではの異国情緒が調和していて実に良い味わいです。ユーロ女性ヴォーカルとして、彼女はもっと知られて良い存在だと思います。好盤です。
67年にデビューしながらもシングル・リリースのみで解散したノルウェーのロック・バンドが、再結成してリリースした74年1stに続く75年2ndアルバム。前作はクラシカルなオルガンワークとR&Bテイストを有したPROCOL HARUM影響下の愛すべきポップ・ロックを聴かせましたが、今作はそれに輪をかけてお見事な内容。伸び伸びと軽快なパブ・ロック風ナンバーやPARLOUR BANDのようなリリカルで陰影あるフォーク・ロック・ナンバー、”ウエストコースト・テイストの英ロック”という趣のO BANDばりにスタイリッシュで抜けの良いナンバー、そしてCAPABILITY BROWNやQUEENを思わせるドラマティックなコーラスワークが冴え渡るナンバーまでも披露する、非常に完成度の高いブリティッシュナイズド・ロックを楽しませてくれます。これは文句なしに名盤!
ノルウェーのトラッド・フォーク・グループ、78年の4thアルバム。男女ヴォーカル、ダルシマー/マンドリン/バンジョーを兼任するマルチ・プレイヤー、フィドル/ハーモニウム奏者を含む7人編成に、クルムホルン、ルネサンス期のダブルリード楽器コルナムーゼ、バロック期の木管楽器ランケットなど古楽器を操るゲストプレイヤーを迎えて制作されています。そんな各種の管弦楽器が賑々しく交歓する祝祭感溢れるトラッド・ミュージックがとにかく絶品。シンプルなリズムに乗って芳醇な音色で駆けるフィドル、そこにアコギとマンドリンが瑞々しいタッチで合わせ、男女ヴォーカルがハートフルなノルウェー語で表情豊かに歌います。これはまさに北欧の小村で村人が楽しげに踊る情景に流れている音楽そのものといった風情のサウンド。エレキギターもこれしかないという哀愁を帯びた味わいあるプレイでアンサンブルを支えます。最終曲で聴ける古楽器による荘厳なアンサンブルは、フランスのMALICORNEなども彷彿。FAIRPORT CONVENTIONやSTEELEYE SPAN、DULCIMERなどの英トラッド・フォーク好きの方にもオススメの一枚です!
80年代初頭に結成されたULTIMA THULEを前身とするノルウェー出身プログレ・グループによる90年2ndアルバム。前身はパンク/メタル系バンドだった事もあり、耽美かつパンキッシュな鋭角さも持つ男性ヴォーカルとヘヴィでダークなアンサンブルがオカルティックな世界観を形作る、ゴシック調のプログレを展開。パンクの衝動、メタルの重量感、ゴシック・ロック特有の暗いロマンティシズムなど、彼らが辿ってきた音楽性を総動員した結果、孤高のプログレッシヴ・ロックを創り上げてしまった、そんな作品です。
ノルウェー出身のマルチ・プレイヤーPetter Espen Guthによるソロ・ユニット、82年の2ndアルバム。『Moonmadness』+『Incantations』+アンビエント/ニューエイジ・テイスト、と言えた前作の延長線上にあるイマジネーション溢れるシンフォニック・ロックを聴かせます。シンセの音色や打ち込みのリズムに80年代的な要素が強く感じられますが、Mike OldfieldやCAMEL的な叙情性は健在。Mike Oldfieldで言えば『Discovery』『Island』あたりの80年代後半作品に通じています。北欧の雄大な雪景色が見えてくるような繊細かつクリアなサウンドメイクは、やはり前作同様に一聴の価値ありです。
ノルウェーのジャズ・ロック・バンドVANESSAを率いたサックス奏者/マルチ・プレイヤーによる79年1stアルバム。ソプラノ&テナー・サックスの他に、フルート/ハーモニカ/ギター/シンセ/ギターシンセ/パーカッションを駆使して単独で作り上げた作品です。シンセと打楽器をメインに用いて作り上げられたアヴァンギャルドながら北欧産らしい透明度の高い音空間の中を、時にミステリアスに時に哀愁いっぱいに変幻自在なプレイで駆け抜けるサックス。実験性の濃い音楽性ですが、不意にハッとするような美しい瞬間が訪れて聴く者の耳を捉えます。実験的とはいえ音作りに突飛さはなく、その神秘的な世界観に身を任せてじっくりと堪能することができる一枚です。
ノルウェーのグループが残した79年リリースの唯一作。ジャズ・ファンクとフュージョンを折衷したようなコシのあるグルーヴ感覚と爽やかな抜けの良さが同居したアンサンブルに、母国語の味わいあるヴォーカルが乗る個性的なサウンドを聴かせます。もちろんテクニックは抜群で、特にベースは時にキーボードやギターを食わんばかりに躍動していて痛快。ギターが泣きのプレイを炸裂させる叙情的なナンバーでは、切々と歌うヴォーカルも相まってハンガリーのOMEGAを想起させる哀愁が漂ってきて堪りません。技巧的で洗練された演奏と哀愁の母国語ヴォーカルの組み合わせが面白い逸品です。
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