2024年10月24日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
今回は、現プログレ・シーンでも屈指の活躍ぶりを見せている多国籍プロジェクト・バンド、SAMURAI OF PROGを特集してまいります!
まずは、今年届けられた2枚のスタジオ・アルバムをご紹介!
Roine Stolt、Christina Booth(MAGENTA)、Clive Nolan(PENDRAGON)ら豪華ゲスト参加、2024年の第2弾アルバム!
張り詰めた気品に満ちたヴァイオリン、哀愁の旋律を奏でるシンセ、畳みかける泣きのギター。あまりに壮大な導入部で早くもノックアウト必至です。
これはクラシカル・シンフォとして他の追随を許さないスケールと完成度!
2024年1枚目のアルバムも、殺人事件の謎に迫る探偵の物語を描いた、推理小説ばりのオリジナル・ストーリーが展開される力作。
CAMEL/GENESIS影響下のファンタスティックなサウンドにvlnやfluがクラシカルな格調高さを加える、キャリア初期に回帰したような絶品シンフォニック・ロック!
登場人物によるセリフの掛け合いで進行するロック・オペラ的要素も素晴らしい~!
それでは、改めてSAMURAI OF PROGというバンドに迫ってまいりましょう。
中核メンバーはこの3人。
リーダーであるMarco Bernardは、フィンランドで活動するイタリア人雑誌編集者/ミュージシャン。フィンランドのプログレ・ファンジン「COLOSSUS」の編集およびその関連企画として、フランスの大手レーベルMUSEAとのコラボレーションで、各国の実力派バンドが楽曲を提供する完成度の高いオムニバスCDシリーズを手掛けた実績で知られます。
フィンランド出身ドラマーKimmo Porstiは、MaahinenやMist Seasonといったプログレ・グループを率いてきたベテランで、作曲はもちろんミキシングやマスタリングといったエンジニア仕事もこなすマルチ・アーティスト。
自身のプログレ・バンドResistorも率いるアメリカ人マルチ・プレイヤーSteve Unruh。90年代終盤よりソロワークも並行しており、すでに10枚のソロアルバムを発表。彼も豊富なキャリアを誇ります。ギター、ヴァイオリン、フルート、ベース、ドラムス、キーボード、そしてシタールやマンドリンなども操る才人です。
この3人が、往年のプログレ名曲の数々をカバーする企画として発足させたのがSAMURAI OF PROGでした。ただ、彼らが単なるカバーバンドと一線を画するのが、各国より集結した実力派ミュージシャン達の夢の共演が繰り広げられる一大プロジェクトである事。
Marcoがオムニバス企画で培った各国バンドとの人脈をフル活用し、元LATTE E MIELEのkey奏者Oliviero Lacagnina、KAIPA~THE FLOWER KINGSのRoine Stolt、ENGLANDのkey奏者Robert Webbらをはじめ、各国で活躍する新旧のプログレ・ミュージシャン数十名と共に、ハイクオリティなサウンドメイクで往年のプログレ名曲を蘇らせてきました。
近作では完全オリジナル楽曲の作品を発表するようになり、ますますその音楽性を深めている彼らのディスコグラフィを見てまいりたいと思います!
GENESISより「Before The Lamia」「Lamia」、YESより「Starship Trooper」、ELPより「Jerusalem」、PINK FLOYDより「Dogs」、THE FLOWER KINGSより『World Of Adventures』、MARILLIONより『Assassing』、ARTI E MESTIERIより「Gravita 9.81」という、英~ユーロ・プログレ・ファンにはたまらない選曲で聴かせるデビューアルバム。「Lamia」や「Dogs」にRoine Stolt、「Dogs」にGuy LeBlanc、「Assassing」にハンガリーのYESTERDAYSを率いるAkos Bogati-Bokorらが参加しています。
唯一のオリジナル曲である、メランコリックな叙情あるれる「The Promise」も素晴らしい一曲ですね。
2枚組となった本作でも、GENESIS「Dancing With The Moonlit Knight」、YES「Time And A Word」、GENTLE GIANT「Aspirations」、PFM「Traveler」、KING CRIMSON「One More Red Nightmare」、VDGG「Darkness」などなど往年のプログレを堂々たる完成度のカバーで楽しませてくれます。
さらには、なんとスペインのシンフォ・グループCRACKの「Descenso En El Maelstrom」やSANDROSEの「To Take Him Away」といったチョイスも含まれていて、生粋のプログレ好きによるカバー企画であることが窺えますね。
そんな中でも最大の目玉が、ENGLANDの「Three Piece Suite」。まさかのオリジナルkey奏者Robert Webb本人がメロトロン含むキーボードを担当するという夢のカバーが実現していて聴き所となっています!
プログレ・カバー・プロジェクトとして好評を得た彼らは、オリジナル曲中心のアルバム制作に乗り出します。そうして届けられたのが14年の3作目『IMPERIAL HOTEL』です。
この1曲目から、まるでイングランドそのものかと思うような気品あるファンタジックなシンフォニック・ロックが溢れ出してきて至福。作曲は、アルゼンチンの人気バンドJINETES NEGROSのキーボーディストOctavio Stampaliaです。
でも本作にはさらに驚きのナンバーが収録されているんです。アルバムタイトルからピンときたプログレ・ファンの方も多いでしょう。
本作唯一のカヴァー曲は、ENGLANDがかつて作った28分を超える幻の未発表大曲「Imperial Hotel」。それも本家Key奏者のRobert Webbに加え、本家ギタリストだったMartin Hendersonがバック・ヴォーカル参加という力の入りようです。
他のゲストも実力派揃いで、KENSOの清水義央(g/key)、ANGLAGARDのLinus Kase(key)、GLASS HAMMERのKamran Alan Shikoh(g)、WILLIOWGLASSのAndrew Marshallなどが参加しており、テクニカルかつ表現力の高いプレイで彩りを加えています。
もちろん「IMPERIAL HOTEL」はプログレ・ファンなら感動必至と言って間違いありませんが、何より素晴らしいのはこの大作が浮いた感じに全くなっていない各オリジナル曲のレベルの高さでしょう。
イングランドの14年作と言われても納得してしまうかもしれないクオリティの高さを誇る名作です。
そんな素晴らしい内容を誇りながら入手が難しくなっていた上記3作品ですが、2018年にリリースされたBOXに完全収録されました!さらには大ヴォリュームの未発表音源も追加されていて要注目です☆
4枚目となる本作のテーマは「70年代プログレの遺産の発見」。これは前作で取り上げたENGLANDの未発表曲「Imperial Hotel」の路線を押し進めたもので、70年代の米シンフォ名バンドによる未発表曲を、オリジナル・メンバーをゲストに迎えて録音しちゃおう、という素晴らしすぎる企画となっています!
PAVLOV’S DOG、CATHEDRAL、LIFT、QUILLとチョイスがまた絶妙で、このバンドに未発表曲があるなんてよく知ってたなぁ、というレベル。
カバーという形ではあるものの、往年の名バンドによる未発表の楽曲を聴くことができる点で、70年代プログレ・ファンにとっても注目すべき作品だと言えるでしょう!
この5thでは、ついにオリジナル楽曲のみとなりましたが、そのクオリティはすでに円熟の域に達していると言って問題ありません。
HOSTSONATENのkey奏者Luca Scherani/オーストラリアUNITOPIAのヴォーカルMark Trueack/LATTE E MIELEのOliviero Lacagnina/WHITE WILLOWのJacob Holm-Lupo/ECHOLYNのBrett Kullなど、ゲスト陣も相変わらずの豪華さで、スケール大きくどこまでもファンタスティックなシンフォニック・ロックを構築。
かつてのカバー・プロジェクトではなく、実力派シンフォニック・ロック・グループとして評価されるべきことを堂々と証明した力作となっています。
翌年リリースの本作も、変わらずのどこまでもスケール大きくファンタスティックに広がる正統派シンフォニック・ロックを楽しませてくれてます。
現各国プログレのオールスターと言えるゲスト陣も凄まじく、LATTE E MIELEのkey奏者Oliviero Lacagnina、MUSEO ROSEMBACHで知られる名ヴォーカリストStefano “Lupo” Galifi、TAPROBANのkey奏者Stefano Vicarelli、LA TORRE DELL’ALCHIMISTAのkey奏者Michele Mutti、元STERN MEISSENのサックス/key奏者Marek Arnold、ECHOLYNのギタリストBrett Kull、オーストラリアのUNITOPIAに在籍したヴォーカリストMark Trueack、さらにアルゼンチンからは現2大シンフォ・バンドNEXUSとJINETES NEGROSの各メンバーなどが参加。
たびたびSAMURAI OF PROGにゲスト参加していた名キーボーディストGuy LeBlanc(2015年死去)に捧げられたCAMEL『ICE』の見事なカバーも必聴です。
未発表曲と新曲で構成された変則的なアルバムながらトータルでも極めて高い完成度を誇る一枚に仕上がっています。
そして、7作目にして会心の傑作となったのが、カケレコ国内盤としてもリリースしたこの『TOKI NO KAZE』。
本作の特徴は何と言ってもあのスタジオ・ジブリの作品世界に触発された作品であること。
各曲で聴ける宝石のように輝かしく温かなファンタジーが広がるアンサンブルからは、圧倒的なスケールで聴き手に押し寄せるシンフォニック・ロックをメインとしていた従来から、作品テーマを受けてより繊細な表現を目指したことが窺えます。
リリシズムが零れ落ちるような演奏と共にピアノスト/シンガーの富山優子氏が日本語で歌う6曲目なんて、本当にジブリ作品で流れていてもいいような完成度で驚き。他にもジブリ諸作品で印象的だったモチーフが各曲に散りばめられていて、お好きな方なら聴きながら思わずニンマリとしてしまうでしょう。
最終曲ではイタリア新鋭IL TEMPIO DELLE CRESSIDREの美声女性ヴォーカルEliza Montaldoの日本語による慈しみに溢れた歌声が感動を呼びます。いつもながら豪華ゲスト陣にも注目で、LATTE E MIELE、HOSTSONATEN、KARFAGEN、GLASS HAMMER他、北欧から南米まで各国から実力派が集結。
従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった紛れもない傑作となりました。
ここからはもうリリースペースが尋常じゃなくなります。
なななんと、サイド・プロジェクトを含めて計6作品がリリースされました!!
SAMURAI OF PROG名義では2作品をリリース。最初は過去楽曲のリメイクながら素晴らしい出来栄えを誇るコチラ!
16年作『LOST AND FOUND』に収録されていた約1時間に及ぶ超大作ナンバーが、完成度を大きく増して蘇る!
ピーター・ガブリエル直系の新ヴォーカルによってファンタジック度が劇的にアップしたサウンドは、初期GENESISファンにも直撃!
大作主義から離れ、10分以内の楽曲で構成されたボーナス・アルバム的性格の一枚ですが、クオリティはすさまじいのがこの作品。
新境地と言える、『コンチェルト・グロッソ』ばりの極上のクラシカル・シンフォが飛び出してきてもうビックリです。
各国プログレ・シーンから集結した多彩なメンバーにも注目ですが、中でもKAYAKの中心メンバーTon Scherpenzeelの初参加が特筆!
SOPの2人による別働プロジェクトからも2タイトルが出ました。いずれもSOPの作品と言っても問題ない完成度でビックリですよ!
ベーシストMarcoとドラマーKimmoの2人を軸に、ゲスト・プレイヤーを交え制作された本作がテーマとするのはスウィフトの「ガリヴァー旅行記」。
SOPの19年作『Toki No Kaze』で披露した繊細な「静」の表現力を生かした、オルガン、ギター、ヴァイオリンらで紡がれる艶やかで気品に溢れたサウンドを中心に聴かせます。クラシカルな深みある表現を織り交ぜた奥ゆかしいタッチで物語を描き出す演奏が見事ですね。
ラストでは従来のSOPを想起させるシンセが高らかに響くファンタジックなシンフォニック・ロックが登場し一気に盛り上がるドラマチックなアルバム構成も特筆すべき点。
サイド・プロジェクトという位置づけながら、SOPの進化の延長線上にある作品というべき完成度の高いサウンドを閉じ込めた傑作です!
さらにデュオ名義での2作目も2020年にリリースされました。短いスパンでのリリースながらそのクオリティはまったくもって申し分なし!
EL&Pとリック・ウェイクマンとKANSASを掛け合わせたようなワクワク感!クラシカルかつファンタスティックに紡がれるシンフォ・サウンドに胸がいっぱいになります。
『地球』というタイトル通り、国境を超えて集ったミュージシャンたちがスケール大きく描き出した傑作!
そのSAMURAI OF PROGの2人とKAYAKのTon Scherpenzeelが組んだこの新プロジェクトも素晴らしい作品でした。
SAMURAI OF PROGの2人とKAYAKのレジェンドTon Scherpenzeelが組んだ夢のプロジェクトだって!?
たおやかな気品に包まれた中世エッセンスが豊かに香り立つシンフォニック・ロックが息をのむほどの素晴らしさ。
陰影たっぷりのヴァイオリン、切ない旋律を奏でるフルートやリコーダー、哀愁のクラシック・ギターなどが織りなす奥ゆかしく幻想的な中世風サウンドと、色彩感あるエレキギターやキーボードが美しく調和するアンサンブルは驚くべき完成度で、共演歴があるとはいえこれが4人での最初の作品とはとても思えないほどです。
独特の哀感を湛えたイタリア語女性ヴォーカルもいいなぁ。
これはずばり傑作ですよ。
そして、SOPのドラマーKimmo Porstiはソロ・アルバムも発表。これもまた優美かつ奥深いサウンドの逸品なんです。
CAMEL彷彿のファンタジックで気品たっぷりのシンフォニック・ロックに、ジャズ/フュージョン的な滑らかさ、北欧フィンランドらしい神秘的な民族音楽エッセンスを加えた独自のスタイルは非常に完成度高し。
SAMURAI OF PROGのドラマーによる息をのむような傑作!
1年の間にこれだけのハイクオリティな作品群をリリースしてしまうクリエイティヴィティはすさまじいですよね。
そして21年も止まらないSAMURAI OF PROG。今度は関連作と合わせて4作品をリリース!!
あのグリム童話を題材に紡ぐ21年作!ロシアのLITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDが共演したようなアグレッシヴなナンバーからENGLAND直系のファンタスティック・チューンまで、魔法のように変幻自在な音世界に魅了されます!
新旧イタリアン・ロックの実力派が大挙参加した21年リリース第2弾。
NT『CONCERTO GROSSO』やQUELLA VECCHIA LOCANDA、Mauro Paganiがお好きな人は必聴のヴァイオリン・クラシカル・シンフォ傑作!
SAMURAI OF PROGの2人によるユニットですが、これは本家SOPに引けを取らぬスケールと完成度!
「ロビンソン・クルーソー」を題材に描かれるサウンドは、『CONCERTO GROSSO 1&2』にGENESIS/CAMEL的ファンタジーを注ぎ込んだかのよう!?
人気グループSAMURAI OF PROGのドラマーによる21年作。CAMEL影響下の気品高いファンタジックなシンフォとジャズ/フュージョン・タッチの緻密でテクニカルなインストを組み合わせた、硬軟自在のしなやかな音世界で魅了する力作!
さらに、すでに入手が難しくなったタイトルを含む17~20年作の4タイトルを収めた、18年の第1弾に続く第2弾ボックスもリリース!サービス精神が半端じゃない!!
入手が難しくなっていた作品も含む、2017年~2020年までの4作品を収録。各国プログレの実力派ミュージシャン達を巻き込んで、スケール大きく展開する怒涛のシンフォニック・サウンドをたっぷり堪能できる待望のボックスセット!
2年間で11枚に及ぶ作品群をリリースしてしまうこのクリエイティヴィティ、もう敬服するしかありません。
特にその全てに参加するドラマーKimmo Porstiの大活躍っぷりと言ったら!!ワーカホリックが心配になるレベル!?
リーダーであるMarco Bernardが編集担当を務めていたフィンランドのプログレ・ファンジン「COLOSSUS」と、仏MUSEAレコードの共同企画としてリリースされていたオムニバス『THE SPAGHETTI EPIC』シリーズの第4弾を、SAMURAI OF PROGが単独で制作。
テーマはもちろん過去作と同じ「西部劇」!
格調高くも熱量いっぱいに畳みかけるシンフォ・サウンドと、ウェスタン映画の場面を想起させるSEが絶妙にマッチした痛快作です!
2022年に入ってもその勢いはとどまる事を知りません。前作に続く22年作第二弾がこちら!
今回はSFチックなジャケが特徴的ですが、それを反映したスペイシーなキーボードワークを聴かせながら、いつもどおりフルートやピアノが悠久のロマンをかき立てる、壮大にして繊細な表現も行き届いた絶品シンフォ!
さらに、22年作ならサイド・プロジェクトのこの作品も素晴らしかったなぁ!
まるで1000年前にタイムスリップしたような気分にさせる、中世エッセンス香り立つシンフォニック・ロックは、前作以上にスケール大きくイマジネーション豊かに広がってきてもう絶品。
GRYPHONやENIDがお好きな方なら、このサウンドきっと気に入ってくれるはず!
そして2023年もオリジナル・アルバムにサイト・プロジェクトにと、大充実の活動を展開しました。
前作のSF的世界観から、典雅で壮麗なクラシカル・シンフォへと堂々回帰した23年作!
17世紀フランスのバスティーユ牢獄に収監された謎多き人物「鉄仮面」、およびそれを題材にしたアレクサンドル・デュマの同名小説にインスパイアされたコンセプト・アルバムとなっています。
元LATTE E MIELEのkey奏者Oliveiro lacagninaが全編作曲を担当、LOST WORLD+LITTLE TRAGEDIES+SOLARISと言える聴き応えのサウンドには、プログレ・ファンなら歓喜の声を上げること請け合い!
SAMURAI OF PROGのリーダーが、初となるソロ名義作をリリース!
「ピーターパン」を題材に、初期SOPに回帰したかのようなENGLANDやGENESISへの憧憬が滲むシンフォを素晴らしい完成度で聴かせます。
『GARDEN SHED』好きならこれは是非!
さらにはドラマーによるユニットもハイクオリティな23年作をリリース♪
ニューエイジやワールド・ミュージック色も薫るイマジネーション豊かなシンフォニック・サウンドに古楽器も交え、マイク・オールドフィールドのファンにもアピールする音世界を描く23年作!
23年の極めつけとして、直近の彼らの作品を一気に楽しみたい時にうってつけのボックスセットもリリースされました♪
21~22年リリースの4タイトル『THE LADY AND THE LION』『THE WHITE SNAKE』『THE SPAGHETTI EPIC 4』『ANTHEM TO THE PHOENIX STAR』を収録した4枚組ボックス。
NEW TROLLS『CONCERTO GROSSO N.1』やハンガリーのSOLARIS、ロシアのLOST WORLD BANDやLITTLE TRAGEDIESなども彷彿させる迫力満点のクラシカルなシンフォニック・ロック路線を繰り広げた完成度の高い作品群を一気に楽しめるお買い得ボックスセットです!
プログレ・シーンの重要ミュージシャン達を数多く巻き込んで歩んできたSAMURAI OF PROGというプロジェクトの素晴らしさ、感じていただけたでしょうか。
カバー・プロジェクトとして始動した初期、往年のバンドの未発表曲を発掘し蘇らせてきた中期、そしてカバー・プロジェクトとして得た豊富な経験をオリジナル楽曲に注ぎ込み完成度の高いシンフォ作品を作り上げてきた後期と、それぞれに魅力的な活動でプログレ・リスナーを楽しませてくれるエンターテインメント性にも優れた存在と言えるのではないでしょうか。
そして各メンバーのソロ/ユニット活動でも本家SOPに迫るクオリティの作品をリリースしているのがまた凄いですよね。
次は一体どんな一手を打ってくるのか、楽しみに待ちたいところです♪
イタリア/フィンランド/アメリカのミュージシャンによって結成された多国籍シンフォニック・ロック・グループ、単体では廃盤状態となっている、11年作1st『UNDERCOVER』、13年作2nd『SECRETS OF DISGUISE』、14年作3rd『IMPERIAL HOTEL』の初期3作品をセットにした18年リリースBOX!往年のプログレ名曲の数々を各国のゲストを迎えてカバーした1st&2ndには、バンドを全面バックアップするENGLANDのkey奏者Robert Webbをはじめ、FLOWER KINGSのRoine StoltやJonas Reingold、NATHANMAHL〜CAMELのGuy LeBlanc、GLASS HAMMER〜YESのJon Davison、ハンガリー新鋭YESTERDAYSの中心メンバーBogati-Bokor-Akos、FONDERIAのkey奏者Stefano Vicarelliなどなど圧巻のメンツが参加。ENGLANDの幻の大作「IMPERIAL HOTEL」のカバーとオリジナル曲で構成された3rdには、本家であるRobert Webb、KENSOの清水義央、GLASS HAMMERのギタリストKamran Alan Shikoh、現ANGLAGARDのLinus Kaseらが名を連ねます。1stと2ndには新規リミックスと新規録音が追加されており、さらにELP「悪の教典」やLATTE EMIELE「Rimani Nella Mia Vita」など合計1時間を超える未発表曲9曲をボーナス・トラック収録。本BOXならではの追加要素も満載した注目のBOXです!
フィンランドのプログレ・ファンジン『COLOSSUS』の編集者であり、雑誌主催のトリビュート盤でも活躍するフィンランド在住のイタリア人Marco Bernard(B)を中心に、MIST SEASONでも活躍するフィンランド人ドラマーKimmo Porsti、プログレ・バンドRESISTORも率いるギター/ヴァイオリン/フルート/ヴォーカルの米国人Steve Unruhによる多国籍トリオ・グループ。19年作7th。本作の特徴は何と言ってもあのスタジオ・ジブリの作品世界に触発された作品であること。コロコロと愛らしく鳴るピアノや、美しい詩情を湛えたフルート、悠久を奏でるように格調高いヴァイオリンらがデリケートに紡ぎ上げる、宝石のように輝かしく温かなファンタジーが滲むアンサンブルが素晴らしい!圧倒的なスケールで聴き手に押し寄せるシンフォニック・ロックをメインとしていた従来から、作品テーマを受けてより繊細な表現に力を入れている印象を受けます。リリシズムが零れ落ちるような演奏と共にピアニスト/シンガーの富山優子氏が日本語で歌う6曲目なんて、本当にジブリ作品で流れていてもいいような完成度で驚き。他にもジブリ諸作品で印象的だったモチーフが各曲に散りばめられていて、お好きな方なら聴きながら思わずニンマリとしてしまうでしょう。最終曲ではイタリア新鋭IL TEMPIO DELLE CRESSIDREの美声女性ヴォーカルEliza Montaldoの日本語による慈しみに溢れた歌声が感動を呼びます。いつもながら豪華ゲスト陣にも注目で、LATTE E MIELE、HOSTSONATEN、KARFAGEN、GLASS HAMMER他、北欧から南米まで各国から実力派が集結。従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった傑作です。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】紙ジャケット仕様、定価2990+税
レーベル管理上の問題により、紙ジャケットに若干スレがある場合がございます。予めご了承ください。
フィンランド/イタリア/アメリカ出身のミュージシャン3人を中心とする人気シンフォ・グループの20年作8thアルバム。LATTE EMIELEのkey奏者Oliviero Lacagninaや元STERN MEISSENのサックス奏者Marek Arnold、IL TEMPIO DELLE CLEESIDREの女性ヴォーカルElisa Montaldoら過去作でもお馴染みのゲストに加え、本作ではあのKAYAKの中心メンバーTon Scherpenzeelも参加!過去作ではファンタジックで幻想的なシンフォ・サウンドを鳴らしてきましたが、本作はモーツァルトをはじめとする古典クラシックのモチーフを散りばめた、本格派クラシカル・シンフォニック・ロックを繰り広げていてビックリ。格調高く重厚なヴァイオリンの響きをバックに、陰影に富んだピアノとメロディアスに歌う芳醇なトーンのギターが絡み合い、荘厳なコーラスが湧き上がる2曲目なんて、NEW TROLLSの『CONCERTO GROSSO N.1』がお好きなら感動ものでしょう。そんなクラシカルな曲の合間に登場する、前作『TOKI NO KAZE』の続きのようなシンセやオルガンがファンタジックに溢れ出すナンバーも絶品です。丹念に歌い上げる哀愁の男性ヴォーカル、Elisa Montaldoによる儚げな美声ヴォーカル、そして柔らかな歌声が心地よい富山優子氏の日本語ヴォーカルと、多彩なヴォーカル陣も特筆。ボーナス・アルバム的位置づけとなっており、従来のような大作こそありませんが、本格的なクラシックのエッセンスを発揮した新たなSAMURAI OF PROGの一面を見せてくれる充実の必聴作!
フィンランド/イタリア/アメリカ出身のミュージシャン3人を中心とする人気シンフォ・グループ、2021年作。前20年作にも参加したKAYAKを率いるレジェンドTon Scherpenzeelが引き続き参加するほか、同じくKAYAKの現ヴォーカリストBart Schwertman、そしてお馴染みとなったメンバー、Rafael Pacha(g/LAST KNIGHT)、Octavio Stampalia(key/JINETES NEGROS)、Alessandro Di Benedetti(key/MAD CRAYON)らが集結。今作の題材はあのグリム童話です。前作『BEYOND THE WARDROBE』で提示した、ヴァイオリンやピアノが格調高く押し寄せる優雅なクラシカル・エッセンスを随所に効かせつつ、GENESISやENGLANDを受け継ぎファンタスティックかつクリアに突き抜けるSOP節のシンフォニック・ロックは、もう感動的な素晴らしさ。注目は2曲目、キレのあるヴァイオリンと哀愁たなびくシンセが緊張感あるプレイを応酬させるアンサンブルがまるでロシアの両雄LITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDが共演したみたいな凄まじさで圧巻。そうかと思うとTon作曲の3曲目では、歌うように雄弁でメロディアスなギターと可憐に舞うフルートが導くENGLANDやKAYAK直系の心躍るファンタスティック・チューンが飛び出します。とにかくアグレッシヴにもリリカルにも変幻自在で、表現力の幅広さが半端ではありません。新境地だったクラシカルな前作を経て、独自のスタイルに一層磨きをかけたSOPサウンドに終始魅了される一枚!
フィンランド/イタリア/アメリカ出身のミュージシャン3人を中心とする人気シンフォ・グループ、前作『The Lady And The Lion』に続く2021年作。グリム童話を題材にした2部作の後篇となります。今回もHOSTSONATEN、LA MASCHERA DI CERA、MUSEO ROSENBACH、MAD CRAYON、LA COSCIENZA DI ZENOなどイタリアを中心とするグループからの実力派ゲストを迎えて制作。マウロ・パガーニ1stの「Europa Minor」をクラシカルに寄せたような鮮烈なヴァイオリンが駆け抜けるオープニングから圧巻。流麗なオルガンとピアノを伴って、気品高くも情熱的でキレのあるヴァイオリンがこれでもかと躍動するこの堂々たるクラシカル・シンフォの1曲目、NEW TROLLS『CONCERTO GROSSO』やQUELLA VECCHIA LOCANDAあたりがお好きな方は堪らないでしょう。4曲目もイタリアン・プログレ・ファンなら感動もので、ギター、オルガン、フルート、ヴァイオリンらがダイナミックに渦巻くクラシカル・ヘヴィ・シンフォと言うべきアンサンブルに乗って、LCDZのAlessio Calandriello、LMDCのヴォーカルAlessandro Corvaglio、MUSEO ROSENBACHの名ヴォーカルStefano LUPO Galifiが三つ巴で歌い合う興奮の展開へとなだれ込みます。Galifiはミドルからハイトーンへと歌い上げる時のゾクゾクするような歌い回しが70年代と少しも衰えておらず素晴らしい。これはもうイタリアン・ロック・ファン必聴と言っていい一枚でしょう。クラシカル・シンフォニック・ロックの快作!
フィンランド/イタリア/アメリカ出身のミュージシャン3人を中心に結成された多国籍シンフォ・グループの2022年作。本作は、リーダーであるMarco Bernardが編集担当を務めていたフィンランドのプログレ・ファンジン「COLOSSUS」と、仏MUSEAレコードの共同企画としてリリースされていた『THE SPAGHETTI EPIC』シリーズの第4弾。前3作は複数アーティストが参加したオムニバス作品でしたが、今回はSOP単独での作品となります。タイトルやジャケットからも分かるようにウェスタン映画を題材にしたコンセプト作で、従来のSOPらしいファンタスティックさと荘厳さが入り混じるスケール大きなシンフォを聴かせつつも、口笛/風/銃声/酒場での様子などを表現するSE、掛け声、荒野を馬で駆けるような勇ましいリズム隊のプレイ等が挿入された演出も楽しい一枚となっています。近作と同じくロシアのLITTLE TRAGEDIESやハンガリーのSOLARISを想起させる、アグレッシヴにうねるシンセを主役にヴァイオリンやフルートも躍動するシンフォ・サウンドをメインに格調高く熱量高く畳みかけていくサウンドはいつもながら圧巻。そんな圧倒的スケールにシンフォと西部劇テイストというミスマッチなはずの要素がちゃんと共存しているのが特筆。普段のSOP通りであるはずの泣きのギターが醸し出す哀愁やピアノの流麗なタッチが、西部劇的世界観にマッチして聴こえてくるのがとても面白いです。異色のテーマを扱った作品ですが、これまでのSOPを気に入っているなら本作も絶対楽しめます!
プログレ・ファンにはお馴染みの存在となった、フィンランド/イタリア/アメリカ出身のミュージシャン3人を中心とする多国籍シンフォ・グループ、23年作!従来作にも参加していた元LATTE E MIELEのキーボーディストOliviero Lacagninaとのコラボレーションとして制作されており、全作曲を彼が担当。今回は17世紀フランスに実在した正体不明の囚人「鉄仮面」およびそれを題材にした文学作品に着想を得たコンセプト・アルバムとなります。前作は異色のSF的世界観を持つ作品でしたが、本作では従来のSOPスタイルを踏襲した典雅で壮麗なクラシカル・シンフォニック・ロックを展開。息をのむほどに表現力豊かなヴァイオリンがリードするクラシカルなパートはロシアのLOST WORLD BANDやLITTLE TRAGEDIESを、ギターとシンセ&オルガンが劇的に交差するスケール大きくも物悲しい哀愁を帯びたパートはハンガリーのSOLARISを彷彿。やがて両者が交わり一体となって迫りくるサウンドは、プログレ・ファンなら歓喜がこみ上げてくることでしょう。物語をシアトリカルな歌唱で表現するヴォーカル陣の好演も、聴き手を作品世界に引き込む役割を担います。プログレ名曲のカバー企画からスタートして、それらの名曲にも肩を並べるほどのクオリティを持つサウンドを作り上げた彼らを称賛せずにはいられません。上記したグループのファンのみならず、あらゆるプログレ・ファンに体験して欲しい音世界です!
人気多国籍シンフォ・グループ、21〜22年リリースの4タイトル『THE LADY AND THE LION』『THE WHITE SNAKE』『THE SPAGHETTI EPIC 4』『ANTHEM TO THE PHOENIX STAR』を収録した4枚組ボックス。NEW TROLLS『CONCERTO GROSSO N.1』やハンガリーのSOLARIS、ロシアのLOST WORLD BANDやLITTLE TRAGEDIESなども彷彿させる迫力満点のクラシカルなシンフォニック・ロック路線を繰り広げた完成度の高い作品群を一気に楽しめるお買い得ボックスセットです!
フィンランド/イタリア/アメリカ出身のミュージシャン3人を中心に結成された多国籍シンフォ・グループ、24年作!22年作『AUTUMN TO THE PHOENIX STAR』にて全曲の作詞作曲を手掛けた伊マルチ・プレイヤー/コンポーザーMarco Grieco(MACROMARCO)が再び全ての作詞/作曲を担当し、いつも通り各国のプログレ・バンドから多数のゲスト・ミュージシャンが参加。殺人事件の謎に迫る探偵の物語を描いたコンセプト・アルバムで、犯行シーン、各容疑者の描写、そして解決パートへと至る、推理小説を音像化したようなオリジナル・ストーリーが展開されます。CAMEL/GENESISを土台にしたファンタジックで輝かしいアンサンブルにヴァイオリンやフルートがクラシカルな格調高さを添える、2010年代の作風に回帰したようなスケール大きくも温かみあるシンフォニック・ロックが絶品。登場人物によるセリフの掛け合いで進行するロック・オペラ的要素も素晴らしく、演奏陣も終幕に向けて物語を劇的に盛り上げていきます。CAMELファン、GENESISファン、そしてシアトリカル・ロックやロック・オペラがお好きであればきっと気に入る一枚です!
フィンランド・伊・米出身のミュージシャン3人を中心に結成された人気シンフォ・グループ、2枚目の2024年作!前24年作『A QUIET TOWN』にて作詞/作曲を務めた伊マルチ・プレイヤー/コンポーザーMarco Grieco(MACROMARCO)が今回も全曲作詞/作曲を担当。そしていつも通り各国から多数のゲストを迎えていますが、本作のゲストはいつもに増して豪華。御大Roine Stolt、MAGENTAの女性シンガーChristina Booth、PENDRAGONで知られるClive Nolanというメンツに加え、AFTER CRYINGやKAYAKからもメンバーが参加しています。タイム・マシーンによって類人猿の時代から現代まで人類の歴史を辿るコンセプト・アルバムとなっており、今回もクラシカルな弦楽を全編フィーチャーしながらとんでもないスケールで展開。張り詰めた気品に満ちたヴァイオリンに導かれて、シンセが哀愁を帯びた旋律を奏で、さらに泣きのギターが畳みかける、あまりに壮大な導入部で早速ノックアウト。SOLARISやLITTLE TRAGEDIESを彷彿させつつ、彼らをも凌ぐかもしれない素晴らしさです。ロマンティックに歌う男性ヴォーカルも素晴らしい、クラシカル・シンフォとして完璧な一曲目はずばり必聴モノ。2曲目ではいよいよRoine Stoltのギターが炸裂。序盤・中盤・ラストと圧倒的表現力でエモーショナルに紡ぐ劇的なギターが堪能できて、曲のクオリティを数段跳ね上げていてさすがです。Clive Nolanは5曲目でヴォーカル参加。初期Steve Hackettの作風に通じるファンタスティックな中に少しエキセントリックな要素を持つ曲調に、味わくも力強い歌声を乗せます。そしてラスト8曲目、アコギの爪弾きをバックに物悲しい表情で歌い出すChristina。MAGENTAでの彼女とはまた異なる魅力を放つ歌唱に惹き込まれます。盛り上がる演奏に合わせてハイトーンで気高く歌い上げる中盤からラストにかけても感動的。そんなゲストの活躍を最大限に生かす、楽曲の良さと土台であるクラシカル・シンフォとして隙のない完成度に唸らされてしまう傑作!
多国籍シンフォ・プロジェクトSAMURAI OF PROGのイタリア人ベーシストMarco Bernardとフィンランド人ドラマーKimmo Porstiの2人、SOP作品でもお馴染みのスペイン人ギタリストRafael Pacha、そしてKAYAKの中心メンバーTon Scherpenzeelという4人が結成した新プロジェクトの2020年1st。たおやかな気品に包まれた中世エッセンスが豊かに香り立つシンフォニック・ロックが息をのむほどに素晴らしいです。陰影たっぷりのヴァイオリン、切ない旋律を奏でるフルートやリコーダー、哀愁のクラシック・ギターなどが織りなす奥ゆかしく幻想的な中世風サウンドと、色彩感あるエレキギターやキーボードが美しく調和するアンサンブルは驚くべき完成度で、共演歴があるとはいえこれが4人での最初の作品とはとても思えないほど。独特の哀感を湛えたイタリア語女性ヴォーカルも、作品世界にベスト・マッチの落ち着いた歌唱を響かせます。このサウンド、ENID、GRYPHONなどがお好きならきっと気に入るはず。傑作です。
多国籍シンフォ・プロジェクトSAMURAI OF PROGの中核メンバー2人によるサイド・プロジェクトの2021年作。今作で題材となっているのが「ロビンソン・クルーソー」。20年作『BEYOND THE WARDROBE』より迫力あるストリングスをフィーチャーしたクラシカル・シンフォ路線へと舵を切ったSAMURAI OF PROGと呼応するように、こちらのユニットも従来より気品高いクラシカルな色合いを強めています。そのサウンドはまるでNEW TROLLS『CONCERTO GROSSO 1&2』にGENESIS/CAMEL的なファンタジーを注ぎ込んだかのよう。ヴァイオリンによる荘厳なリフレインをバックにフルートが物悲しい旋律を紡ぐ重厚な導入から、ドラムがなだれ込みシンセがアグレッシヴに疾走し、一気にダイナミックに動き出すアンサンブル。いきなりの壮大すぎる音の流れに圧倒されます。2曲目ではそんなクラシカル・シンフォにGENESIS的な英国的叙情性が加わり、ヴィンテージ・テイストを帯びた色彩豊かなサウンドが繰り広げられ悶絶。3曲目の流麗かつファンタジックなピアノ独奏ナンバーも素晴らしい。エマーソンが弾きそうなフレーズを柔らかく繊細なタッチで綴る演奏が特筆です。ずばり本流のSAMURAI OF PROGにまったく引けを取らない完成度の逸品!
フィンランドの最重要プログレ・プロジェクトとして知られるTHE SAMURAI OF PROGの中心メンバーでありMIST SEASONやPAIDARIONのメンバーとしても知られるKimmo Porsti、そして、スペイン出身のギタリストRafael PachaによるユニットRAFAEL PACHA & KIMMO PORSTIは、2022年に初の連名作『Views from The Inner World』を発表し各方面から高い評価を受けました。早くも届いた第2弾アルバム『Sea Of Mirrors』には、独特の爽やかさとスケール感を持ったシンフォニック・ロックが収められています。王道のシンフォニック・ロック・サウンドに加えて、アイリッシュやケルティック・フォーク、そしてRafael Pachaの出自とも無関係ではないスパニッシュ・ロックなども巻き込み、ニューエイジやワールド・ミュージックにもつながるような素晴らしい音楽に仕上げています。本作ではKimmo Porstiはドラムに加えてギター、ベース、キーボードなどを、そしてRafael Pachaは、ギターやベースに加えてリラやマンドリン、ヴィオラ・ダ・ガンバなどの楽器もプレイ。そのことからも分かる通り、音楽的な方向性はMike Oldfieldに近いシンフォニック・サウンドと言えるかもしれません。ともあれ、THE SAMURAI OF PROGやその周辺プロジェクトがお好みの方は、楽しめること間違い無しの素晴らしいアルバムです!
人気多国籍シンフォ・グループSAMUEAI OF PROGを率いるイタリア人ベーシスト/コンポーザー、23年の初ソロ名義作!SOPの同僚Kimmo Porsti&Steve Unruhは勿論、SOP関連作品の常連であるスペイン出身ギタリストRafael Pacha、LATTE E MIELEのkey奏者Oliviero Lacagnina、現KAYAKのギタリストMarcel Singorほか数十人のゲストが参加します。タイトルから想像できる通り本作の題材は「ピーターパン」。近年のSOPでは管弦を取り入れて絢爛でスケール大きなサウンドを聴かせていますが、本作ではここぞで管弦の流麗な調べを配しつつも、初期SOPに回帰したかのようなENGLANDやGENESISなどへの憧憬が滲む英国的な香り豊かなシンフォニック・ロックを完成度高く聴かせます。フルートとヴァイオリンが気品高く掛け合うクラシカルなメインテーマを軸に、ファンタスティックなシンセやコロコロと愛らしいピアノ、高らかに響くホーン(シンセ?)などが次々と飛び出す胸躍るような導入から完璧。出色と言える3曲目なんかはGENESIS「In The Cage」やENGLAND「Three Piece Suite」あたりを彷彿させる英国度100%の堪らないナンバーに仕上がっています。もう一つの注目がラスト・ナンバーで、Marcoが在籍したイタリアのバンドELEKTROSHOCKが79年にリリースしたアルバム『ASYLUM』のタイトル・ナンバーを、当時のギタリストを迎えて蘇らせた一曲。Hackett&Banksを意識したkey&gのコンビネーションとヴァイオリンの絡みが素晴らしい、初期GENESISがヴァイオリニストをフィーチャーしたようなサウンドが楽しめます。GENESISファンそして『Garden Shed』を愛する方には是非一度聴いてみて欲しい力作です!
SMAURAI OF PROG第4のパーマネント・メンバーと言って差し支えない活躍を見せるスペイン出身ギタリスト/マルチ・奏者、23年ソロ作。SOPのMarco Bernard/Kimmo Porstiらがゲスト参加。一聴しての印象は、ずばり「現代のMike Oldfield」。ギター/キーボード/ベース/パーカッション/笛類/マンドリン/ブズーキなどをマルチに操り瑞々しいタッチで編み上げるアンサンブルに乗って、ゲスト奏者によるバグパイプやヴァイオリンが勇壮に鳴り渡る、ケルティックなインスト・シンフォニック・ロックが絶品です。M.Oldfieldに比べると緊張感はさほどではなく、より大らかでシンフォニックな聴き心地が特徴的。SOP周辺のみならず、もっとプログレ・ファンに注目されるべき才能を備えたマルチ・プレイヤーです。
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