2024年6月5日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
一筋縄ではいかない、ひねたメロディセンスやアレンジメントがお好きな人にはたまらない、70年代英国のモダン・ポップやプログレ・ポップ。
10cc、SPARKS、ROXY MUSIC、SAILOR、PILOT、SAD CAFE、CAPABILITY BROWNあたりがその代表格と言えますが、魅力的なモダン・ポップ/プログレ・ポップを聴かせるのは何も英国のバンドばかりではありません。
英国勢を手本として時にその国ならではのエッセンスも組み入れた、世界各国のモダン・ポップ/プログレ・ポップを見てまいりたいと思います♪
最初に直近入荷より注目のタイトルをご紹介!
このカナダのマイナー・バンドは激烈にオススメ!
これぞ隠れた名盤。
LIGHTHOUSEやPRISMのメンバーが結成したカナダ人バンドなのですが、とんでもない一枚でした…。
SAD CAFEやO BAND彷彿のフックに富んだメロディ、タイトでキレの良い演奏、華のあるコーラスワークなどをウエストコースト・ロック風の爽やかさが覆う、極上プログレ・ポップ!
続いてはフランスから届いた、23年初CD化のこの素晴らしきマイナー盤をご紹介♪
60-70年代のフランスで国民的人気を誇ったSSW、Christopheのバックを務めていたメンバー達が結成したバンド。
こちらは76年に残された唯一作ですが、これが「ATOLL+10CC」って感じのサウンドでびっくり!
ピアノが華麗にリードするクラシカルなモダン・ポップ的スタイルと、耽美でどこか薄暗い仏プログレらしい質感が素晴らしく調和した1曲目「Jimmy」から名曲です!
それでは改めて、まずは本場英国発のとりわけニッチなアルバムを厳選ピックアップ☆
リリカルな英ロック名盤を残したパーラー・バンドの後身グループと言えば?ファンク・テイストを大胆に導入した、グルーヴィ―かつゴキゲンなロック・チューンが満載の好盤74年作!
ヒプノシスの唇ジャケで有名なCAPABILITY BROWNのメンバーによる後継グループなだけあって、美メロ&ハーモニー満載の極上モダン・ポップ!PILOTや10ccやBADFINGERやQUEENのファンには是非聴いてほしいっ!
けたたましく鳴らされるファズギターのリフ、エネルギッシュなリズム隊、はじけるピアノ、バブルガムなメロディとガッツあるハイトーンのヴォーカル&ハーモニー。プレ・グラムのパワーポップから、ホリーズばりに胸キュンメロのハード・ポップまでキャッチーすぎる佳曲満載の70唯一年作!
心が弾むメロディにポップ&メロウなコーラスやストリングス!ついついリピートしてしまいます。
70年ワイト島フェスでは栄えある一番手を務めた、Andy Bown率いるグループ。恐~い金ピカ顔ジャケからは想像がつかないけど、これがとっても愛すべき名品なのです!MOVEファンからFACESファンまで、一聴の価値ありですよ~♪
これはビートリッシュな英ニッチ・ポップの極めつけですね。なぜかフランスでしかリリースされなかった幻の作品。田舎のバッドフィンガーって感じで胸キュン必至!
グリーンスレイドやイアン・ハンターのバンドで活動した人物なのですが、この81年ソロ、クリス・レインボウやロイ・ウッドなど米憧憬の英ポップSSW好きならきっと気に入るはずのキャッチーかつ気品あるモダン・ポップ/パワー・ポップ好盤!
ビートルズ~ELO~10ccの流れを受け継ぐ英国はバーミンガム出身のポップ・バンド。75年のデビュー作!10ccやコーギスやパイロットやアラン・パーソンズ・パイロットあたりが好物な方には間違いなくオススメ!ジャケもいいなぁ。
DickenことJeff Pain率いる、英国の隠れた名ポップ・ロック・バンド、77年2nd!ひねくれたメロディ・センス、グラム/ハード/カントリーまで取り込む貪欲さ、おまけに何故かツインドラム編成だったりと(その上ジム・ケルトナーとサイモン・フィリップスが参加!)、一筋縄では行かなすぎる堪らんグループ!
これぞ「プログレ・ポップ博覧会」!?ビートルズから後期ジェネシスにSTYXにスーパートランプ、そして90年代のジェリーフィッシュまでを混ぜ合わせた珠玉の米国パワー・ポップ!
SUPERTRAMPやSTYXやELOやPILOTが好きなら、このバンドも要チェック!ビートリッシュなエッセンスも感じる気品たっぷりの管弦楽器アレンジを施した、瑞々しすぎるサウンドに胸キュン必至の米パワー・ポップ18年作!
ビートルズの覆面バンドと噂になったことで知られるカナダのグループと言えば!?なるほど、ポール・マッカートニー直系の人懐こいメロディが堪らないなぁ。あのカーペンターズも取り上げた名曲「Calling Occupants」収録。
元々は変態的ジャーマン・プログレ・バンドだったんですが…本作で聴けるのはキャッチーで洗練されたパワー・ポップ的サウンド。でもクオリティは申し分なし!?デヴィッド・ボウイや英ニッチ・ポップのファンは騙されたと思って聴いてみて!
ドイツを代表するELPタイプのキーボード・プログレ・バンドとして名を馳せる彼らですが、この最終作はむしろニッチ・ポップ/ハード・ポップとして聴いたほうが楽しめるキャッチーさが前面に押し出された作品!ジャケもいかにもそっち系な感じですし。
ジャケットが渋すぎですが、SAILORや初期SAD CAFE、Roy Woodあたりが好きならこのオランダのバンド、気に入ると思います♪
トラフィック(特にデイヴ・メイスン)やフェアフィールド・パーラーやピンク・フロイドのフォーク・ロックな楽曲あたりが好きなら、このオランダのマイナー盤は掘り出し物間違いなし!
最近のアーティストで、往年のニッチ・ポップに影響されたサウンドをお探しならコチラ。オランダの天才マルチ・ミュージシャンが2010年作2nd。ジェネシスが好きで、ニッチ・ポップ(特にクラトゥ!)も好きならド直球ですよ!
ほんのりユーモラスな牧歌性、人懐こいキャッチーなメロディ、時折疾走を始めるジャジーで精緻なアンサンブル。カンタベリーや英ニッチポップに通じるフィンランド・ロックの代表格で、VIRGINよりワールドワイドにリリースされた名作ですね。
上記作品が気に入ったなら、翌年に同じくVIRGINよりリリースされた本作も是非。英国人らしいひねりあるポップ・センスを持ったJim Pembrokeのメロディ・センスと、プログレ~ジャズ~フュージョンのセンスが効いたエスプリに富んだアンサンブル。前作と合わせて北欧が世界に誇るニッチ・ポップの逸品ですね。
ジェスロ・タルばりにフルートが吹き荒れたり、イ・プーもびっくりの美メロバラードを聴かせたり、キャパビリティ・ブラウンばりのニッチ・ポップがあったり、このルーマニアのグループ、良い!
もしポール・マッカートニーがカンタベリー出身で、ジョン・レノンじゃなくロバート・ワイアットと出会っていたら?って感じのマジカルすぎるこの作品、もう聴きました?
極上のメロディとイギリスのSTACKRIDGEや北欧のWIGWAMに通ずる牧歌性やユーモアの効いたアンサンブル。辺境ニッチ・ポップの秘宝ここにあり!ジャケも辺境臭ぷんぷん☆
ラストは新鋭より、2つの注目アーティストをご紹介☆
ベルギー出身のプログレ・ポップ・グループによる23年作6th。
元KAJAGOOGOOで近年はSteve Hackettとの活動でよく知られるNick Beggsが今作もベース/スティックをプレイしています。
サウンドの方は、ずばり「現代のアラン・パーソンズ・プロジェクト」と呼んで差し支えない非常に高品質な職人的プログレ・ポップ好盤!
ポーランドからも大変面白いアーティストが登場しています。1st~3rdをピックアップ!
このデビュー作の時点ではまだポップさは影を潜めており、現代ポーランドらしいプログレを展開。
フロイド「Breathe」を思わせる音世界に、AMAROKのMichal Wojtasがギルモア・リスペクトなソロを乗せるこの1曲目、ずばり絶品。
ポーランドのフロイド憧憬マルチ・プレイヤーが、3人のギタリストをフィーチャーして作り上げた22年1st!
「ん?このアーティスト、何かヘンじゃない?」と思ったのがこの2ndアルバム。
『1979-1982』というタイトルどおり、80年前後のNWエッセンスを取り入れたポップな音作りに、前作を引き継ぐフロイド調のメランコリーを淡く纏わせたスタイルが、ありそうで他にはない感じ。
フロイド的サウンドを担うAMAROKやMILLENIUMからのゲスト陣の好演もさすが~。
前作で片鱗を見せていた独自のポップ性が開花したと言えるのがこの24年3rd!
まさにユニット名「STRANGE POP」を体現した、ポーランドらしいメランコリーや薄暗さ、NW的エレクトロ・テイスト、妙にポップで浮遊感あるメロディなどが組み合わさった孤高の音世界が見事です!
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親しみやすくキャッチーなメロディと実験精神炸裂する捻くれたアレンジが共存した、”実験ポップ・マエストロ”たちの作品をピックアップ!
BEATLESの覆面バンドと噂されたカナダのグループ。雑誌などのビートリッシュなポップ・アルバム企画では常連中の常連と言える76年作の名作1stと、よりプログレッシヴなサウンドを聴かせる77年作2ndをカップリングした2in1CD。やはり1stが出色の出来で、PILOTなどにも通ずるパワー・ポップなバンド・アンサンブルと、メロトロンやストリングスをフィーチャーした優美なアレンジとが絶妙にブレンドしたサウンドは絶品。
ヴォーカルやギターなどCAPABILITY BROWNの主力メンバーにより結成されたグループ。76年作1stと77年作2ndとをカップリングした2in1CD。美しいツイン・リード・ギターとドラマティックなコーラス・ワークによるポップ・プログレ、ヌケの良いギター・リフとキャッチーなメロディ&ハーモニーによるハード・ポップ、粘っこいファンキー・ロック、英国らしい憂いのあるメロディと流れるようなアンサンブルが胸にしみるフォーク・ロックなど、どの曲も印象的なメロディと味わい深いアンサンブルが絶妙な佳曲ぞろい。CAPABILITY BROWNのファンはもちろん、PILOTや10ccやBADFINGERやQUEENなどブリティッシュ・ポップのファン、ニッチ・ポップのファンはかなりグッとくるグループです。おすすめ
のちにプログレ・ハード・バンドPRISMを結成するヴォーカリスト/ヴァイオリニストのHenry SmallとキーボードのJimmy Phillips(Jim Grabowski)、末期LIGHTHOUSEに在籍したドラマーBill Kingらカナダ人メンバー4人で結成、アメリカを拠点に活動したバンドによる76年1st。いやはや、これは驚くべきハイクオリティなプログレ・ポップですよ!英国で言えばSAD CAFEやO BANDやCAPABILITY BROWNの後身KRAZY KATあたりを彷彿させる、フックに富んだメロディライン、タイトでキレの良い演奏、全編を彩る華のあるコーラスワーク。それらを抜けが良く爽やかなウエストコースト・ロック流儀で仕立てたような極上サウンドに、聴いていてワクワクしっぱなし!演奏面で際立つのがキーボードの活躍で、転がるような軽快さと気品を合わせ持ったピアノにスペイシーなタッチで軽やかにリードを取るシンセ、そしてメロトロンっぽい音も含んで多彩に鳴らされるストリングス・シンセと、本作のカラーを決定づけています。もちろん確かな技巧で演奏を緩急自在にコントロールするリズム隊、涼やかな音色で西海岸風テイストを付与するギター、気持ちの良いハイトーンで歌い上げる実力派のヴォーカル、そのヴォーカルがここぞで披露する哀愁のフィドルも素晴らしく、どれが欠けてもこの奇跡的なサウンドは生まれなかっただろうと確信します。これぞ「隠れた名盤」。激カケレコメンド!
イギリスのグループながら、フランスでしかリリースされなかった幻の作品。仏EMI COLUMBIAからの73年の唯一作。ジョージ・ハリスンを彷彿させる柔らかなアコギとスライド・ギター。そこに絡む、ハード・エッジなグッとくるエレキ。そして、ハートウォーム&スウィートなヴォーカル、憂いいっぱいのキャッチーなメロディ、豊かなハーモニー。バッドフィンガーあたりのビートリッシュなバンドが好きなら、間違いなく胸キュンしてしまうでしょう。ストリングスのように鳴らされるメロトロン、リリカルなリコーダー、格調高いハープシコードによる気品あるバラード、バッドフィンガーばりのパワー・ポップもまた魅力。ビートリッシュなバンドのファンから、フェアフィールド・パーラーやムーディー・ブルースあたりのポップな英ロック/プログレのファンまで、これはかなり掘り出し物の好グループ。いいです!
Yoni Rechterなど、後々もイスラエルの音楽シーンで活躍を続ける名ミュージシャンが複数在籍した70年代イスラエル・ロックを代表するグループ。73年作の1st。ずばり好グループです!有名なグループで例えると、WIGWAMに近い印象。60年代ブリティッシュ・ポップのDNAを受け継ぐ優美でキャッチーなメロディ、卓越したコーラス・ワーク、カンタベリーを彷彿とさせるエレピや流麗なギターなどジャズ・ロックのエッセンス、そしてシリアスになり過ぎないユーモアや遊び心。これだけのグループがほとんど知られていないということに驚くほどの完成度。カンタベリー・ミュージックや北欧プログレが好きな方は是非、聴いてみてください!本当に素晴らしいです。あまりのワクワク感に笑みがこぼれます。
イギリスはジャージー島で結成され陰影溢れるブリティッシュ・ロック名盤の72年唯一作を残したPARLOUR BAND。彼らがドラマー変更に伴いバンド名を”A BAND CALLED O”と改め制作した74年作。英国叙情が匂い立つようなリリカルな作風だったPARLOUR BANDから一転、ファンク・テイストを大胆に取り入れたグルーヴィ―かつゴキゲンなロック・チューンが並びます。前任者よりソリッドで勢いのあるドラミングを土台に、ワウを効果的に用いたエッジの立ったカッティングが印象的なギターと、その合間を縫うようにエレピ&クラヴィネットでクールに音を刻むキーボード、そしてS.マリオット彷彿のR&Bなコクを含んだヴォーカルらがタイトにアンサンブルを組上げており、職人的ともいえる隙のない演奏は見事です。マリオットっぽいヴォーカルが映えるHUMBLE PIEカバー「RED LIGHT MAMA RED HOT!」を皮切りにファンキーなアレンジが中心ですが、華やかなコーラスワークが彩るCAPABILITY BROWNの後進KRAZY KATやROCOCOあたりに通じるモダン・ポップ、終盤に現れる前身PARLOUR BAND直系の憂いを帯びたブリティッシュ・ロックなども大いに聴き所となっています。R&B/ファンク・テイストあるロック・サウンドがお好みの方はもちろん、上記モダン・ポップ・ファンにもオススメしたい、高品質なブリティッシュ・ロックの逸品!
2010年デビュー、ベルギー出身のベテラン・スタジオ・ミュージシャンが結成した新鋭プログレ・ポップ・グループ、23年作6th。2ndアルバム以降参加する、元KAJAGOOGOOで近年はSteve Hackettとの活動でよく知られるNick Beggsが今作もベース/スティックをプレイしています。彼らがリスペクトを公言するALAN PARSONS PROJECTへの憧憬に溢れた、ファンタジックさとブリティッシュな薫り高さすらも感じさせる端正かつ緻密な音作りが魅力のプログレッシヴ・ポップを、本作でも存分に楽しませてくれます。エッジのある攻撃的な音は一切登場せず、淡く幻想的なサウンドで終始メロディアスに聴かせるスタイルは、ただただ「心地よい」の一言に尽きます。ずばり「現代のAPP」と呼んで差し支えない、非常に高品質な職人的プログレ・ポップ好盤!
ポーランドの新鋭マルチ・プレイヤーMichal Dziadoszによるソロ・プロジェクト、22年のデビュー作。ヴォーカル/シンセ/フルート/リズム・セクションを本人が務め、AMAROKのMichal Wojtas、SEASONALのMaciej Schon、現COLLAGEのMichal Kirmucら3人のプレイヤーが各曲でギターを弾いています。1曲目からPINK FLOYD「Breathe」を思わせる霧がかったようなミステリアスな音空間が広がり、実直で落ち着いた印象の英語ヴォーカルが歌い出します。その世界観にこれ以上相応しいプレイはないと言えるほど、ギルモア・リスペクトな絶品ギターソロを響かせるMichal Wojtasもさすがです。全編フロイド影響下のメランコリックでダークな色調を持った音作りですが、2曲目でのPINK FLOYD+REDIOHEADと言えるサウンドや、2曲のインスト・ナンバーにおけるシリアスなアンビエント・タッチなど、フロイド・フォロワーに留まらない才能を随所に垣間見せます。これは期待の新星!
フランスが誇る名SSW、Christopheを支えたスタジオ・ミュージシャン達によって結成されたプログレ・バンドの76年唯一作。一聴して思い浮かんだフレーズが「ATOLL+10cc」。ピアノが華麗にリードするクラシカルなモダン・ポップ的スタイルと、仏語ヴォーカルも映える耽美でどこか薄暗いフレンチ・プログレ的質感とが素晴らしく調和した1曲目「Jimmy」から相当な名曲です。スリリングかつ妖艶なギターが快走する曲後半は10cc「Blackmail」を思い出させて、影響はかなり受けていそうに思います。以降はカラフルなシンセも活躍しだし、ATOLLの『TERTIO』『ROCK PAZZLE』あたりのナンバーをモダン・ポップ風に鳴らすとこんな感じになりそう、というナンバーが多数。フランスらしいアーティスティックで幻想的な雰囲気を纏いつつもあくまでキャッチーに進行する、プログレとモダン・ポップが見事な融合したサウンドに終始唸らされます。ただただセンス抜群、一作品を残すにとどまったのがあまりに惜しまれる傑作!
ポーランドの新鋭マルチ・プレイヤーMichal Dziadoszによるソロ・プロジェクト、23年2nd。前22年作ではピンク・フロイドに大きく影響を受けたスタイルでしたが、今作は『1979-1982』というタイトルにも象徴されるように、80年前後のNW的スタイルも取り入れたよりポップなサウンドを練り上げています。そこにフロイド調のメランコリーを淡く纏わせたサウンドメイクがまた良い塩梅で、前作でもナイスなギターソロを聴かせたAMAROKのMichal Wojtas、リック・ライトが乗り移ったようなさすがのシンセを響かせるMILLENIUMのkey奏者Ryszard Kramarskiら、絶妙なフロイド・テイストを担うゲストの活躍も聴き逃がせません。聴き手をノスタルジックな気分に浸らせてくれるような愛すべき一枚!
ポーランドの新鋭マルチ・プレイヤーMichal Dziadoszによるソロ・プロジェクト、24年作3rdアルバム。各曲のギターソロをゲスト・プレイヤーが担当する以外は全てを自身で演奏しています。前作『1979-1982』の路線を踏襲する80sニューウェーブ的なエレクトロ・テイストを盛り込みつつも、中心にあるのはポーランドらしいメランコリックで薄暗いサウンド・メイク。そこに妙にポップで浮遊感あるメロディが乗るスタイルは、いやはや何とも個性的。まさにその名の通りSTRANGE POPです。上手いとは言い難くも何だか味のあるヴォーカルも、このサウンドに無くてはならない要素に思えます。前作の時点で他にはない面白い事をやってやろうという野心が垣間見えましたが、いよいよその本領が発揮されたかのような内容と言えるでしょう。これは実力派揃いの現ポーランド・シーンでもとりわけ注目に値する存在です。
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