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ウクライナ出身の才人Antony Kalugin率いる注目グループ、KARFAGEN特集!

今回は、ウクライナ出身のコンポーザー&ミュージシャンAntony Kaluginによるソロ・プロジェクトKARFAGENを特集いたしましょう。

Antony Kaluginは、KARFAGENの他にも、SUNCHILD、HOGGWASHを率いて活動し、一年に一枚以上のハイペースで作品のリリースを続ける多作家であり、現代プログレ・シーン屈指のミュージシャン。1981年にキエフに継ぐウクライナ第二の都市ハルキウで生まれ、少年時代の1994年に学校の友人達とKARFAGENを結成しました。その後、建築関係の大学に入り、バンドとしての活動は休止しますが、KARFAGENでのデビューを夢見ながら作曲活動を続けます。結成から12年経った2006年、KARFAGENとして待望のデビューを果たすわけですが、若き日の結成からずっと大切に温め続けてきたKARFAGENというプロジェクトは、音楽家としてのAntony Kaluginそのものと言えるでしょう。

そんなAntony Kaluginにとっての大きな転機は2001年にありました。自宅スタジオにてそれまでの活動の集大成と言えるソロ・アルバム『WATER』を完成させるとともに、フラワー・キングス『レトロポリス』を聴き、はじめて「プログレッシヴ・ロック」と出会います。その後は、まさに新生Antony Kaluginとして、ソロワークの軸となっていたニューエイジ的サウンドを起点に、ピンク・フロイドやキャメルやフォーカスなど、往年のプログレッシヴ・ロックからの影響を消化しながら、映像喚起的かつ幻想性溢れるサウンドを指向していきます。

プログレとの出会いから5年。リリースされたKARFAGENとしての念願かなったデビュー作が『CONTINIUM』です。

『CONTINIUM』(2006年1st)

大地の脈動のように静かに鳴り響くキーボード、リコーダーや打楽器による土着的なフレイヴァーなど、ニューエイジ風のエッセンスを一方に、もう一方には、コロコロとリリカルに奏でられるシンフォニック&ファンタスティックなキーボード、アンディ・ラティマーばりの伸びやかなトーンで流麗に紡がれるエレキ・ギターのリードによるヴィンテージ・プログレのエッセンスを配した雄大で幻想美たっぷりなアンサンブルが印象的。そのサウンドは、まるで「キャメル meets アディエマス」。

ニューエイジ色とシンフォニック・ロック色とを見事に調和させ、ジャケットのイメージ通りの清廉なサウンドへとまとめあげる唯一無比のスタイルがこの時点で見事に完成しています。アディエマスのカール・ジェンキンスやフラワー・キングスのロイネ・ストルや、あとはアラン・パーソンズなど、アレンジャー/プロデューサーとしての視点を持った名手達を彷彿させる素晴らしい才能と言えるでしょう。一音一音にキラキラと光が宿っているようなピアノなど、クラシック音楽の豊かな素養と演奏者としての卓越したテクニックも印象的です。

ウクライナの国旗にある青と黄色は、抜けるような青空と穀倉地帯の色。豊かな大地に育まれた感性がみなぎる鮮烈なデビュー作です。

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デビュー作から1年で早くもリリースした2ndが『SPACE BETWEEN US』。

『SPACE BETWEEN US』(2007年2nd)

ニューエイジとヴィンテージなシンフォニック・ロックとが見事に融合した1stの音楽性はそのままに、ゲストによるアコーディオンやジャズ・ギターをフィーチャーするなどアレンジの幅が広がり、核にある「透明感」を「幻想性」や「温かみ」が包み込んでいる印象です。しとやかな叙情性は、中期キャメルやアラン・パーソンズ・プロジェクトも彷彿させます。

一部、女性によるコーラスが入りますが、明確なヴォーカルはなく、基本的には前作と同じくオール・インスト。音像の美麗さ、テーマのメロディの美しさ、緻密な構成は相変わらずで、1stからわずか1年というスパンとは思えない、Kaluginのコンポーザー、アレンジャーとしての並外れた創造性が発揮された名作です。

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なお、1stと2ndは、未発表曲やデモを加え、新たに2枚組『KEY TO PERCEPTION』としてリリースされています。

2ndリリース後は、SUNCHILDとしての活動もスタートし、08年に1st『GNOMON』、09年に2nd『INVISIBLE LINE』をリリースするなど精力的に活動を続けます。そして、2010年、KARFAGENとしては前作から3年ぶりにリリースした3rdが『SOLITARY SANDPIPER JOURNEY』です。

『SOLITARY SANDPIPER JOURNEY』(2010年3rd)

ジャケの印象がだいぶ変わりましたが、サウンドの方も、ニューエイジ色は薄まり、キャメルやカイパに通じるファンタスティックなシンフォニック・ロックへと一気にシフトしました。

北欧の70年代プログレに通じるコロコロとした音色のキーボードは、箱庭のように愛らしくファンタスティック。本作よりギタリストAlexandr Pavlovが参加していて(ここから2013年作『ALEATORICA』まで3作品に参加)、アンディ・ラティマーやスティーヴ・ハケットのDNAを確かに継いだ歌心溢れるリード・ギターを聴かせています。彼の参加でこのサウンドになったのか、このサウンドを目指して彼を起用したのか、どちらかは分かりませんが、彼のギターは間違いなく本作のファンタスティック・プログレを彩る大切なピースになっています。

キーボードとギターが紡ぎだすリリカルなリードの応酬はシンフォニック・ロック・ファン垂涎で、時に重なり奏でられるツイン・リードなんてもうグッときっぱなしです。

そして、さらに特筆なのが、女性ヴォーカルの起用。1st、2ndではコーラスが一部入る以外は基本的にオール・インストでしたが、本作では3曲でリード・ヴォーカルが入っています(英詩)。ケルティックなフレイヴァーもある凛とした透明感ある美声がKaluginが生む美麗な音世界に見事にマッチしていて印象的です。

前作にあったジャズのエッセンスは本作でも健在で、軸となるファンタスティックなエッセンスにあわさることで、カンタベリーにも通じる流麗なアンサンブルとなっていて、サウンドに奥行きを与えています。Kaluginがフェイヴァリットとして、パット・メセニーやコリン・バスをあげているのも納得。

MOON SAFARI『Lover’s End』をはじめ、2010年にはプログレ新鋭の名作が続々とリリースされましたが、その中でも屈指と言える名作と言えるでしょう。

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SUNCHILDとしての活動と平行しながら、経った1年で早くもリリースした4thアルバムが『LOST SYMPHONY』。2010年と2011年は、KARFAGEN、SUNCHILDの両方が作品をリリースしているので、2年で4作品の多作っぷり。恐るべしKaluginのイマジネーション!

『LOST SYMPHONY』(2011年作4th)

ファンタスティックなプログレへと変化した前作の延長線上にあるサウンドで、アコーディオンやナイロン弦ギターやオーボエ(のようなキーボード?)などをフィーチャーし、刻まれた年輪のような深みと温かみとともに幻想性が増している印象です。

アンサンブルのダイナミズムも特筆で、タイトで力強いリズム隊が次々に繰り出す変拍子、そこで小刻みなフレーズで躍動するキーボードやギターやヴァイオリンなど、プログレとしての強度はここまでの作品で一番と言えるでしょう。

キーボードの音色も素晴らしく、オルガンとメロトロンの中間に位置するようなコロコロと愛らしくもツンツンと尖ったトーンはこれ以上ないほどに「ファンタスティック」。

前作では女性ヴォーカルを起用して、ケルティックな「透明感」も印象的でしたが、本作は、バンドによるオール・インストで、これまでの「雄大な大地」を感じさせるような要素は薄まり、ジャケのイメージ通りに、中世の部屋に迷い込んでしまったような、そこで暮らす芸術家の頭の中へとフォーカスするような、そんなサウンドが印象的。

キャメルやカイパのファンには宝物と言える名作です。

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2012年は、SUNCHILDとして5th『ISOLATION』をリリースし、翌2013年にリリースした5thが『ALEATORICA』です。

『ALEATORICA』(2013年作5th)

中世ファンタジー小説的だった前作とは打って代わり、多数の管弦楽器奏者や民族楽器奏者を迎え、「エスニック・シンフォニック・ロック」と言えるサウンドへと変化しました。オープニングから、ロシア式アコーディオン「バヤン」による物悲しい旋律が溢れるパートと、シンフォニックなキーボードとエッジの立ったギターが重厚に鳴るパートとが見事に対比させられていて、バヤン、フルート、サックスが躍動感いっぱいに次々とソロを取る展開に痺れます。

ヴィンテージなシンフォニック・ロックのエッセンスと民族フレイヴァーとの二軸が生むダイナミズムがデビューから変わらぬKARFAGENの真骨頂で、シンフォニックに振れた前々作、前作を経て、本作では、エスニックへと再び揺れ戻ったわけですが、そんな振幅を経るたびに、振れ幅が大きくなり、よりスケールが増している印象。民族楽器が生み出す旋律はエスニック&フォーキーそのものなのに、野暮ったさはまるでなく、洗練されたシンフォニック・ロックとして見事にアレンジされています。恐るべしAntony Kaluginのセンス。

ウクライナの原風景は日本人には馴染みがあまりないと思いますが、個人的にはこの音楽を聴いていて、モンゴルの風景を思い出しました。モンゴルの家「ゲル」、そこで暮らす民族衣装と独特の帽子に身を包んだ人々。そんな風景。でも、音はすごくファンタスティックでキラキラしていて、うーむ、最高。KARFAGENにしか生み出せないオリジナリティという点で過去最高で、ウクライナ産シンフォニック・ロックここに極まれり!

「バヤン」は全編でフィーチャーされていて、キーボード・プログレならぬバヤン・プログレとしてもプログレ史上に間違いなく残るべき傑作です。

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前作から、ギタリスト、ドラマー、ベースをはじめ、Antony Kalugin以外の主要メンバーを刷新して録音され、2014年にリリースした6thが『MAGICIAN’S THEATER』。

『MAGICIAN’S THEATER』(2014年作6th)

メンバーチェンジでどんなサウンドに変化しているのかワクワク聴いてみると、おぉ、オープニングからキース・エマーソンばりの高らかなキーボードがそそり立ち、リズム隊は実に重くソリッドだし、不穏でテンションみなぎるフレージングで暗黒を描くギターは荘厳だし、これまでにないほどロック的ダイナミズムいっぱいのサウンドにびっくり。

ハイライトは、21分を超える組曲「Magician’s Spell」で、「オルガン meets メロトロン」な音色のキーボードが奏でる幻想美、バヤンによる哀愁、エスニックな音階も駆使しながらエッジの立ったトーンで駆け巡るエレキ・ギターによる荘厳さとヘヴィネス、アコギの静謐なアルペジオによる気品、たなびくシンセによる幽玄さ。それらがめくるめく連なりながら、ラストのサックスによる伸びやかなテーマへと向かい、様々なストーリーを描いていきます。前々作『LOST SYMPHONY』での「中世的」シンフォニック・ロックと前作『ALEATORICA』での民族楽器をフィーチャーした「エスニック」シンフォニック・ロックとを見事に融合させつつ、新機軸のヘヴィなダイナミズム、さらに初期のニューエイジ色もブレンドしたバンドの集大成と言える大曲と言えるでしょう。

世界各国から続々と優れた作品が登場する群雄割拠と言える現代のプログレ・シーンにおいても屈指のイマジネーションと構成を持つ傑作となりました。

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『7』(2015年作7th)

『MAGICIAN’S THEATER』では、ナイロン/アコースティック・ギターのクレジット(1曲のみエレキのクレジット)だったMax Velichkoがリード・ギタリストとなり、リズム隊は、旧作へ参加したこともある旧知のメンバーを迎え、ヴォーカリストとして新たに紅一点Olha Rostovskaを加え、5人編成で制作され、2015年にリリースされた7thが『7』。

その他、お馴染みのバヤン奏者Sergii Kovalovをはじめ、オーボエ奏者、フルート奏者がゲスト参加しているのも特筆。

年々ヘヴィさを増した前作とは対照的に、静謐とも言えるサウンドが印象的。

オープニングを飾る28分を超えるタイトル・トラックを聞きながら浮かんだキーワードが「アブストラクトな幻想美」。様々な楽器の色彩豊かな音色が組み合わさりながら、映像喚起的で、幻想性溢れるサウンドを描いていく感じは、フラワー・キングスに近いかも、と感じました。

上下動するミニマルなフレーズなどアブストラクトなシンセを背景に、透明感あるエレピ、幻想的なハモンド、柔らかに伸びるムーグ、優美なメロトロンなどが温かな音色を添えて描き出されるキーボード・アンサンブル。そこに、まるでロイネ・ストルトばりに伸びやかに奏でられるエレキ・ギター、そしてバヤンやフルートによるエスニックなフレーズが合わさったサウンドは、ウクライナ生まれのKARFAGENならではの美麗さ、素朴さ、温かみに満ちています。

ドラムというより打楽器と言った方が良いニュアンスのリズムにバヤンがゆったりと奏でられる民族音楽的なパート、メロトロンとバヤンとがツイン・リードを聴かせるハートフルなパート、ナイロン・ギター、リコーダー、オーボエによる神秘的なパートなどを織り交ぜるアレンジもまた見事。

Kaluginはリード・ヴォーカルも取っていて、囁くように歌われるヴォーカルはメランコリックで美しくてびっくり。3曲目では、女性ヴォーカルとのコンビネーションも光っています

Kaluginならではの、様々な音色を有機的につなげていくセンスが、アルバム全編で溢れています。デビュー作での「シンフォニック・ロック meets ニューエイジ」と言えるサウンドを、抽象化しつつも親しみやすく美麗なサウンドへと仕立てた唯一無比の逸品です。

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『SPEKTRA』(2016年作8th)

別プロジェクトSUNCHILDと並行して活動しながらも、年一ペースでアルバム・リリースを続ける驚異的なクリエイティビティは、またもや『SPEKTRA』という渾身の傑作を生みだします。

前作でもその萌芽が見られた、フラワー・キングス的な映像喚起性と視界が大きく開けるようなスケール感をまた一歩押し進めたサウンドが特徴。

透明感のあるピアノや華やかなトーンのシンセたやロトロンによるファンタスティックなキーボード・アンサンブル、まるでロイネ・ストルトばりの伸びやかでメロディアスなリード・ギター、そして、変拍子によるキメを効果的に配置したドラマティックな展開。

ジャケットの雰囲気にビビっときたなら、このハートウォームでいてクリアな広がりを持つシンフォニック・サウンドは間違いなくあなたが求めるものでしょう。

しっとりと爪弾かれるアコギやむせび泣くヴァイオリンによるアコースティックなパートも良いし、壮大な混声合唱をフィーチャーしたクラシカルなパートも素晴らしいし、持ち味の一つとなったバヤンによるエキゾチックな味付けも良いし、多彩なアレンジもまたKaluginの豊かな才能の一端を示しています。

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『MESSAGES FROM AFAR: FIRST CONTACT』(2017年作9th)

17年にリリースされたこの9thアルバムは、彼の別働プロジェクトSUNCHILDによる18年作『MESSAGES FROM AFAR: THE DIVISION AND ILLUSION OF TIME』とのクロスオーバーを試みた意欲作。

内容は、近作に顕著だったフラワー・キングスを彷彿させる作風を、透明感、熱量、スケールあらゆる点で大きく進歩させた傑作。

冒頭から透明感溢れるシンセが美しく折り重なり桃源郷的サウンドを描き出していく展開に早くも耳を奪われます。

ロイネ・ストルトと比べても遜色ない繊細かつ熱くフレーズを紡ぐギターも素晴らしすぎるし、全体としても演奏の密度と熱量、スケールの大きさは既にTHE FLOWER KINGSに匹敵します。

エレクトロニクスも用いられていますが、バンド・アンサンブルの中に有機的に溶け込ませるセンスが抜群で、往年のプログレを強く意識しながらもスタイリッシュに聴かせるモダンでクリアな音像を構築。
また随所で聴ける東欧出身の彼らしい欧州トラッド的な荘厳な民族色も感動をもたらします。

ギターがエモーショナルなプレイで演奏を盛り上げ、キーボードが疾走感あるプレイで曲進行を牽引する、ユニークなスタイルも揺るぎない個性を生んでいて見事。
もうフラワーキングスに肩を並べてると言って何の問題もなさそうな完成度に達した一枚でしょう!

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『ECHOES FROM WITHIN DRAGON ISLAND』(2019年作10th)

そして!長らく年一ペースでリリースしてたKARFAGENが久々に2年近いインターバルを経て完成させたのが、記念すべき10thアルバム『ECHOES FROM WITHIN DRAGON ISLAND』です。

本作は、「ジキル博士とハイド氏」「宝島」などで著名なイギリスの作家/詩人R.L.スティーヴンソンが残した詩作品を題材にしたコンセプト・アルバム。

前作でTHE FLOWER KINGSに匹敵する途方もなく壮大でエネルギッシュなサウンドを提示した彼らですが、本作はずばり「THE FLOWER KINGS + GRYPHON」!

前作を引き継いでスケール大きくダイナミックな構成で描かれるシンフォニック・ロックに、これまで以上に民族エッセンスを豊かに含んだ管弦楽器が色彩を加える、この匂い立つように芳醇なサウンドのなんと素晴らしいこと。

特にエッセンスとしての用い方に留まっていた管楽器の活躍度が飛躍的にアップしていて、欧州トラッドの哀愁味に加え英国トラッド的端正さをも感じさせる音色はGRYPHONを彷彿。
従来作にあったゴリゴリとヘヴィなパートはほぼ登場せず、終始優美な音だけで構築された、まるで丹念に作り込まれた手工芸品のように柔らかく優しげな輝きを放つサウンドがとにかく感動的に響きわたります。

そして、繊細なタッチながらも熱い叙情美をまとったプレイが胸に残るギターと、ファンタジックかつスリリングにフレーズを繰り出すシンセが一体となって駆け抜けるスタイルは、初期ジェネシスすら彷彿させる完成度でさすが。ちょっと「Supper’s ready」の前半を思い出しました。

前作が彼らの完成形かと思いきや、また一段上のステージへと歩みを進めたと言える驚きの一枚。
これはシンフォ・ファンにはとりあえず聴いてみていただきたい!凄いですよ♪

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こうして作品を順に追っていくと、初期には、彼の根っこにあるニューエイジ色が強く出たサウンドが特徴で、3rd以降、北欧プログレにも通じるファンタスティックなキーボードやギターをフィーチャーしてシンフォニック・ロック色を強め、その後、ウクライナの地に息づく民族楽器も取り入れながらエスニックな色合いも強め、古今東西の音色がモザイク模様のように編み上げられたKARFAGENにしか生み出し得ない多彩なプログレ・サウンドをものにしていったことが分かります。またここ数作はプログレ・バンドとしてのKARFAGENを導いたバンド、フラワー・キングスからの影響も大きく取り入れ、更なる進化を図っている点にも注目ですね。

それにしてもこのAntony Kalugin、KARFAGENと平行して、SUNCHILD、HOGGWASH、ANTONY KALUGIN BANDなど複数グループでクオリティの高い作品を連発しており、その尽きないイマジネーションとクリエイティビティにはただただ驚くばかり。

毎年必ず何かしらの作品をリリースしてくれるので、今後もニューリリースを楽しみにしながら、その動向に注目したいアーティストです!


KARFAGENの在庫

  • KARFAGEN / SPACE BETWEEN US

    KARFAGEN〜SUNCHILD〜HOGGWASHなどを率いるウクライナの名コンポーザーAntony Kaluginによるプロジェクト・グループ、07年作2nd

    KARFAGEN〜SUNCHILD〜HOGGWASHなど数々のプロジェクトを率いて優れた作品を続々とリリースしている、90年代以降のウクライナを代表するミュージシャンAntony Kaluginの中心に位置づけられるプロジェクト。プログレファンから高く評価された06年デビュー作に続く07年作の2nd。1stでのニューエイジ色は薄まり、その分、中期キャメルとアラン・パーソンズ・プロジェクトとが出会ったような、しとやかな叙情性が際立っている印象。1stにはなかった要素として、アコーディオンがフィーチャーされていて、フルートとともに土着的なフレーズでウクライナならではの音像を描き出しています。シンフォニック・ロックにエスニックなエッセンスを加えつつも、透明感溢れる洗練されたサウンドに仕立てるカルゲンのセンスは相変わらずで魅力的。本作は多数の演奏者を迎えて制作されていて、曲によってはジャズ・ギターも入るなど、1stより表現の幅が広がっているのも特筆です。一部、女性によるコーラスが入りますが、明確なヴォーカルはなく、基本的には前作と同じくオール・インスト。1stからわずか1年というスパンとは思えない、カルゲンのコンポーザー、アレンジャーとしての並外れた創造性が発揮された名作です。

  • KARFAGEN / SOLITARY SANDPIPER JOURNEY

    ウクライナ産シンフォ、どこか温かい雰囲気を感じさせるファンタスティックで優美な逸品、2010年作

    KARFAGEN〜SUNCHILD〜HOGGWASHなど数々のプロジェクトを率いて優れた作品を続々とリリースしている、90年代以降のウクライナを代表するミュージシャンAntony Kaluginの中心に位置づけられるプロジェクト。2010年作3rd。1st、2ndからジャケの印象がずいぶん変わりましたが、サウンドの方も、ニューエイジ色がなくなり、キャメルやカイパに通じるファンタスティックなシンフォニック・ロックへと一気にチェンジしました。北欧の70年代プログレに通じるコロコロとした音色のキーボードは、箱庭のように愛らしくファンタスティック。本作よりギタリストAlexandr Pavlovが参加していて(本作より2013年作『ALEATORICA』まで3作品に参加)、アンディ・ラティマーやスティーヴ・ハケットのDNAを確かに継いだ歌心溢れるリード・ギターを聴かせています。さらに特筆なのが、女性ヴォーカルの起用。1st、2ndではコーラスが一部入る以外は基本的にオール・インストでしたが、本作では3曲でリード・ヴォーカルが入っています(英詩)。ケルティックなフレイヴァーもある凛とした透明感ある美声が印象的です。前作にあったジャズのエッセンスは本作でも健在で、軸となるファンタスティックなエッセンスにあわさることで、カンタベリーにも通じる流麗なアンサンブルとなっていて、サウンドに奥行きを与えています。カルギンがフェイヴァリットとして、パット・メセニーやコリン・バスをあげているのも納得。キャメルのDNAを継いだ温かなプログレとして一級と言える名作。これはオススメです。

  • KARFAGEN / LOST SYMPHONY

    ウクライナ出身で、SUNCHILDでも活動するKey奏者Antony Kalugin率いるバンド、ファンタスティックなサウンドに満ちた2011年の傑作4th

    KARFAGEN〜SUNCHILD〜HOGGWASHなど数々のプロジェクトを率いて優れた作品を続々とリリースしている、90年代以降のウクライナを代表するミュージシャンAntony Kaluginの中心に位置づけられるプロジェクト。2011年作4th。アコーディオンやナイロン弦ギターやオーボエ(のようなキーボード?)などをフィーチャーした、刻まれた年輪のような深みと温かみに満ちたファンタスティックなサウンドが印象的。それとともに、タイトで力強いリズム隊が次々に繰り出す変拍子、そこで小刻みなフレーズで躍動するキーボードやギターやヴァイオリンなど、アンサンブルのダイナミズムも特筆です。キーボードの音色も素晴らしく、オルガンとメロトロンの中間に位置するようなコロコロと愛らしくもツンツンと尖ったトーンはただただ「ファンタスティック」。ジャケのイメージ通りに、中世の部屋に迷い込んでしまったような、そこで暮らす芸術家の頭の中へとフォーカスするような、そんなサウンドが印象的です。キャメルやカイパのファンには宝物と言える名作。

  • KARFAGEN / SPEKTRA

    ウクライナ出身のコンポーザーによるソロ・プロジェクト、圧巻の幻想絵巻を聴かせる2016年の名作

    ウクライナ北東部の工業都市ハルキウ出身で、1981年生まれのAntony Kaluginによるソロ・プロジェクト。2016年作8thアルバム。透明感のあるピアノや華やかなトーンのシンセ(時にメロトロン風あり!)によるファンタスティックなキーボード・アンサンブル、まるでロイネ・ストルトばりの伸びやかでメロディアスなリード・ギター、そして、変拍子によるキメを効果的に配置したドラマティックな展開。ジャケットの雰囲気にビビっときたリスナーなら、このハートウォームでいて明瞭なシンフォニック・サウンドは間違いなく気に入るでしょう。しっとりと爪弾かれるアコギやむせび泣くヴァイオリンによるアコースティックなパートも良いし、壮大な混声合唱をフィーチャーしたクラシカルなパートも素晴らしいし、バヤン(アコーディオン風の民族楽器)によるエキゾチックな味付けも良いし、多彩なアレンジも出色。圧巻の幻想絵巻を聴かせる名作です。

  • KARFAGEN / 7

    ウクライナ出身のコンポーザーAntony Kaluginによるソロ・プロジェクト、様々な楽器の多彩な音色が有機的につながり描き出された2015年のシンフォ傑作

    ウクライナ北東部の工業都市ハルキウ出身で、1981年生まれのAntony Kaluginによるプロジェクトで、HOGGWASHやSUNCHILDやGNOMONなど数多くのサイド・プロジェクトをこなす多作家のKaluginが、学生時代の97年から続ける彼の中核となるソロ・プロジェクト。2015年作7thアルバム。ヘヴィさを増した前作とは対照的に、静謐とも言えるサウンドが印象的で、オープニングを飾る28分を超えるタイトル・トラックを聞きながら浮かんだキーワードが「アブストラクトな幻想美」。様々な楽器の色彩豊かな音色が組み合わさりながら、映像喚起的で、幻想性溢れるサウンドを描いていく感じは、フラワー・キングスも彷彿させます。上下動するミニマルなフレーズなどアブストラクトなシンセを背景に、透明感あるエレピ、幻想的なハモンド、柔らかに伸びるムーグ、優美なメロトロンなどが温かな音色を添えて描き出されるキーボード・アンサンブル。そこに、まるでロイネ・ストルトばりに伸びやかに奏でられるエレキ・ギター、そしてバヤンやフルートによるエスニックなフレーズが合わさったサウンドは、ウクライナ生まれのKARFAGENならではの美麗さ、素朴さ、温かみに満ちています。ドラムというより打楽器と言った方が良いニュアンスのリズムにバヤンがゆったりと奏でられる民族音楽的なパート、メロトロンとバヤンとがツイン・リードを聴かせるハートフルなパート、ナイロン・ギター、リコーダー、オーボエによる神秘的なパートなどを織り交ぜるアレンジもまた見事。3曲目でのKaluginのメランコリックなヴォーカルと女性ヴォーカルとのコンビネーションもまた印象的です。デビュー以来のKaluginの音を有機的につなげるセンスがこれでもかと発揮された傑作。

  • KARFAGEN / ALEATORICA

    ウクライナ出身で、SUNCHILDでも活動するKey奏者Antony Kalugin率いるバンド、「ウクライナ」ならではのサウンドを極めた2013年の傑作5th

    KARFAGEN〜SUNCHILD〜HOGGWASHなど数々のプロジェクトを率いて優れた作品を続々とリリースしている、90年代以降のウクライナを代表するミュージシャンAntony Kaluginの中心に位置づけられるプロジェクト。2013年作5th。多数の管弦楽器奏者や民族楽器奏者を迎え、「エスニック・シンフォニック・ロック」と言える壮大なサウンドが印象的。オープニングから、ロシア式アコーディオン「バヤン」による物悲しい旋律が溢れるパートと、シンフォニックなキーボードとエッジの立ったギターが重厚に鳴るパートとが見事に対比させられていて、バヤン、フルート、サックスが躍動感いっぱいに次々とソロを取る展開に痺れます。ヴィンテージなシンフォニック・ロックのエッセンスと民族フレイヴァーとの二軸が生むダイナミズムはデビューから変わらぬこのバンドの真骨頂ですが、そのスケールは一段と増している印象。民族楽器が生み出す旋律はエスニック&フォーキーそのものなのに、野暮ったさはまるでなく、洗練されたシンフォニック・ロックとして見事にアレンジされています。恐るべしAntony Kaluginのセンス。KARFAGENにしか生み出せないオリジナリティという点で過去最高で、ウクライナ産シンフォニック・ロックここに極まれり!「バヤン」は全編でフィーチャーされていて、キーボード・プログレならぬバヤン・プログレとしてもプログレ史上に残る傑作と言えるでしょう。

  • KARFAGEN / ECHOES FROM WITHIN DRAGON ISLAND

    [カケレコ国内盤リリース中] ウクライナ出身キーボーディストAntony Kaluginによるプロジェクト、「THE FLOWER KINGS + GRYPHON」と言えちゃう驚異の19年作10th!

    ウクライナ出身、英国を拠点に活動する1981年生まれのキーボーディストAntony Kaluginによるプロジェクト。2019年10th。「ジキル博士とハイド氏」「宝島」などで知られる英作家R.L.スティーブンソンの詩を題材にしたコンセプト・アルバム。前作でTHE FLOWER KINGSに匹敵する途方もなく壮大でエネルギッシュなサウンドを提示した彼らですが、本作はずばり「THE FLOWER KINGS + GRYPHON」!前作を引き継いでスケール大きくダイナミックな構成で描かれるシンフォニック・ロックに、民族エッセンス豊かな管弦楽器が色彩を加える、匂い立つように芳醇な演奏のなんと素晴らしいこと。従来作にあったゴリゴリとヘヴィなパートはほぼ登場せず、終始優美な音だけで構築された、まるで丹念に作り込まれた手工芸品のように柔らかく優しい輝きを放つサウンドがただただ感動的に響きます。繊細なタッチながらも熱い叙情美をまとったプレイが胸に残るギターと、ファンタジックかつスリリングにフレーズを繰り出すシンセが一体となって駆け抜けるスタイルは、初期ジェネシスすら彷彿させる完成度。前作が彼らの完成形かと思いきや、また一段上のステージへと歩みを進めたと言える驚きの一枚。これはシンフォ・ファンにはとにかく聴いていただきたい!

  • KARFAGEN / KEY TO PERCEPTION: DELUXE EDITION

    ウクライナ出身のキーボーディスト/コンポーザー、KARFAGENの06年1stと07年2nd、ソロ名義の02年1stと04年2ndを収録!

    KARFAGEN〜SUNCHILD〜HOGGWASHなど数々のプロジェクトを率いて優れた作品を続々とリリースしている、90年代以降のウクライナを代表するミュージシャンAntony Kaluginの中心に位置づけられるプロジェクト。06年デビュー作『CONTINIUM』と07年作2nd『SPACE BETWEEN US』のカップリング作『KEY TO PERCEPTION』に、Kaluginの01年ソロ『WATER』、AKKOの04年2ndソロを追加した19年リリース作。大地の脈動のように静かに鳴り響くキーボード、リコーダーや打楽器による土着的なフレイヴァーなど、ニューエイジ風のエッセンスを一方に、もう一方には、コロコロとリリカルに奏でられるシンフォニック&ファンタスティックなキーボード、アンディ・ラティマーばりの伸びやかなトーンで流麗に紡がれるエレキ・ギターのリードによるヴィンテージ・プログレのエッセンスを配した雄大で幻想美たっぷりなアンサンブルが印象的。まるで「キャメル meets アディエマス」と言えるイマジネーション溢れる1st。アコーディオンやジャズ・ギターをフィーチャーするなどより表現の幅を広げた2nd。彼の原点であるニューエイジ色を反映したイマジネーション豊かなソロ2作と、Kaluginのコンポーザー、アレンジャーとしての並外れた創造性が発揮された4作品です!

  • KARFAGEN / MAGICIANS THEATER

    ウクライナ出身のコンポーザーAntony Kalugin率いるソロ・プロジェクト、映像喚起的でイマジネーション溢れる2014年のシンフォ傑作

    ウクライナ北東部の工業都市ハルキウ出身で、1981年生まれのAntony Kaluginによるプロジェクトで、HOGGWASHやSUNCHILDやGNOMONなど数多くのサイド・プロジェクトをこなす多作家のKaluginが、学生時代の97年から続ける彼の中核となるソロ・プロジェクト。2014年リリースの6枚目で、2部構成のコンセプト作。キース・エマーソンを彷彿させるファンファーレのように高らかに鳴るリードから幻想的にたなびくバッキングまで奔放にイマジネーションを紡ぐムーグ・シンセ、そして、エッジの立ったヘヴィなトーンで流麗なフレーズを伸びやかに奏でるギター。ピンク・フロイド、キャメル、フォーカス、フラワー・キングスをフェイヴァリットに挙げるとおり、映像喚起的なキーボードを中心に、ギターが力づよいダイナミズムを生む壮大なシンフォニック・ロックが特徴です。フルートやエレピやアコギがそっと叙情を奏でるファンタスティックなパート、近現代クラシック直系の瑞々しく艶やかなパート、ワールド・ミュージック的なエッセンスやニューエイジ的フレイヴァーがにじむ雄大なパートなども織り交ぜながら、鮮やかにサウンドが描かれていきます。これは素晴らしい作品です。名作!

  • KARFAGEN / MESSAGES FROM AFAR: FIRST CONTACT

    ウクライナ出身キーボーディストAntony Kalugin率いるプロジェクト、2017年作9thアルバム、ずばりTHE FLOWER KINGSにも肩を並べる完成度に達したシンフォ・ファン必聴作!

    ウクライナ出身、英国を拠点に活動する1981年生まれのキーボーディストAntony Kaluginによるソロ・プロジェクト。2017年作9thアルバム。冒頭から透明感溢れるシンセが美しく折り重なり桃源郷的サウンドを描き出していく展開に早くも耳を奪われます。ロイネ・ストルトと比べても遜色ない繊細かつ熱くフレーズを紡ぐギターも素晴らしすぎる。演奏の密度と熱量、スケールの大きさは間違いなくTHE FLOWER KINGSに匹敵します。エレクトロニクスも用いられていますが、バンド・アンサンブルの中に有機的に溶け込ませるセンスが抜群で、往年のプログレを意識しながらもスタイリッシュに聴かせるモダン・シンフォニックな音像を構築。また随所で聴ける東欧出身の彼らしい欧州トラッド的な荘厳な民族色を添えるプレイも感動的に響きます。ギターがエモーショナルなプレイで演奏を盛り上げ、キーボードが疾走感あるプレイで曲進行を牽引する、ユニークなスタイルも揺るぎない個性を生んでいて見事。前作までもリリースされるたびに完成度を上げてきましたが、9作目にしてかつてないステージへと進んだ感のある、シンフォファン必聴作に仕上がっています!

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