2024年6月3日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
今回は、1969年に発表されたNick Drakeの 『Five Leaves Left』を紹介します。
ニック・ドレイクは生前に3枚のアルバムを残しており、本作は彼のファーストアルバムです。今では名盤として知られている作品ですが、発売当時は注目されず、商業的失敗に終わってしまいました。
本作は、プロデューサーにアコースティック音楽の開拓者として知られるジョー・ボイドを迎えて制作された作品となっています。
また、フェアポート・コンヴェンションのリチャード・トンプソン、ペンタングルのダニー・トンプソンらが
ゲストミュージシャンとして参加しています。
サウンド面については、彼自身の繊細なアコースティックギターの弾き語りがベースとなっています。この作品の特徴の1つとしては、ロバート・カービーよる室内楽風のストリングス・アレンジが挙げられます。加えて、楽曲ごとに異なる楽器が用いられていることも特徴的です。
本作の魅力の1つは、哀愁のあるストリングスです。
「Way To Blue」を紹介します。
この楽曲は、アコースティックギターは使われておらず、ストリングスとボーカルのみの演奏となっています。冒頭のストリングスの音色は悲壮感がありますが、メロディは美しく、厳かな雰囲気の楽曲となっています。重厚感のあるストリングスを味わえるバラードです。
他の魅力としては、美しいフルートが加わった楽曲を聴くことができる点があります。
「Thoughts Of Mary Jane」は、ストリングスとフルートによってアレンジされている爽やかな曲調の楽曲です。フルートの音色は可愛らしく品格があり、ニックの優しいボーカルとの相性がとても良く、朗らかな1曲となっています。
本作は内省的な作品となっており、素朴で美しいアレンジが心に響く名盤です。
特殊ケース仕様、SACD/CDハイブリッド、DSDリマスタリング、全15曲
盤質:傷あり
状態:並
カビあり・ジャケに湿気ダメージあり、ケースにスレあり、帯有
70年作の2ndアルバム。弾き語りとストリングスだけのシンプルなサウンドだった1stに比べ、キーボードやホーンなどによるバラエティに富んだアンサンブルが印象的。曲調も開放的なムードに溢れています。繊細な中にも力強さが感じられる歌声からは作品に対する自信が滲み出ています。楽曲、アンサンブルともに完成度の高い名作。リチャード・トンプソン、ジョン・ケイルなど参加。
抗鬱剤の過剰摂取により74年に26歳という若さで亡くなった孤高のフォーク・シンガー。本作は彼の遺作となってしまった72年発表の3rd。孤独、絶望といった感情が剥き出しのまま音に刻まれた重々しくも清廉な作品。
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