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米スワンプ・ロック/ルーツ・ロック特集『沼へ行く』

沼へ行く〜米スワンプ/ルーツ・ロック特集〜

米スワンプ/ルーツ・ロック潮流図

はじめに

黒人によるブルース、ヨーロッパから移植した白人が歌い継いだ民謡。
白人・黒人という人種を越えてそれらの歌が混ざりあい、熟成を繰り返しながら育まれたR&B、ゴスペル、カントリーといった米ルーツ・ミュージック。

ベトナム戦争の泥沼化、公民権運動とともに、愛と平和の幻想が夢と消え、サイケデリック・ムーヴメントが終焉した60年代末〜70年代はじめ。古き良きアメリカ文化への回帰や内省へと時代が流れていく中で、ルーツ・ミュージックに根ざした芳醇なロック・ミュージックが奏でられました。

今回の特集は、そんな虚無感の中で力強く鳴らされた魂のロック「スワンプ・ロック/ルーツ・ロック」の魅力に迫ります。

第一章では、南部、LA、ウッドストックの3つの地域にフォーカスし、地域ごとの魅力に迫りながら、ルーツ・ロックの名盤・定番を紹介。第二章では、テーマやサウンドの特徴によってマイナーながら良質な作品をピックアップし、ルーツ・ロックをディープに掘り下げていきます。

人種のるつぼであり広大な土地を持つアメリカだからこそ生まれたサウンドをどうぞお楽しみください。

【第一章】エリアごとの特色〜南部・LA・ウッドストック

1. サザン・スワンプ

  • フッフン…八重樫治だよ。米スワンプ・ロック〜ルーツ・ロックの特集だって?
    それなら、この八重樫治にお任せなさい…フッフン!
  • (大丈夫かなぁ・・・。)僕は、クラプトンやデイヴ・メイスンやザ・バンドは好きなんですが、アメリカのスワンプ・ロックはあまり探求していないんです。
  • フッフン…オーケー。んじゃ、いきなりディープにサザン・スワンプからいっちゃうよ!スワンプ・ロックと言えば、ゴスペルに根ざした熱いグルーヴとカントリーやブルースからきた陰影あるリリシズム。それはそのままアメリカ南部で生まれたソウル・ミュージック「サザン・ソウル」の魅力とも言えるってことで、サザン・ソウルの二大メッカ、メンフィスとマッスル・ショールズの話からはじめちゃうよん…フッフン!

  • サザン・ソウルかぁ。昔、忌野清志郎が出てた番組を見て、オーティス・レディング「Dock Of The Bay」って曲にはグッときましたよ。

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  • フッフン…そのオーティス・レディングが所属していたのが、メンフィスを代表するレーベル、スタックス・レコードね。サザン・ソウルは白人ミュージシャンと黒人ミュージシャンががっちりと協力しあってるのが特徴なんだけど、その白人ミュージシャン達が米スワンプ・ロックの作品でも良い仕事をしてるのよ。スタックスで生まれた数々の名作でバックをつとめたのが、ブッカー・T&ザ・MG’sってバンドで、そのギタリストがスティーヴ・クロッパー。「Dog Of The Bay」をオーティスと共作してたり、ジェフ・ベックやジョン・レノンの作品にも参加してるから、覚えておいて損はないぞ…フッフン!
  • なるほど、サザン・ソウル系のミュージシャンがロック・フィールドでも活躍してるんですね。
  • んじゃ早速、スティーヴ・クロッパーが参加してるWATCHPOCKETを聴いてみるよ。米スワンプ・ロックに流れるサザン・ソウルのディープ・エキスが君には分かるかな…フッフン!

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  • この作品には、もう一人重要人物が参加してるの。クラプトンやデイヴ・メイスンにも楽曲を提供するほどの実力派ソングライターのジェリー・ウィリアムスね。この人の72年作ソロを聴いてみるよん!なんと、ニッキー・ホプキンスが参加していて、これが泣けるんだ…フッフン。

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  • なるほど〜。イギリスのミュージシャンはLAスワンプ周辺だけじゃなく、南部のミュージシャンとも交流してたんですね〜。
  • メンフィスには、スタックスと並んで、もう一つ有名なレーベルがあるんだけど、カケレコくん、知ってる?
  • 知らないですね〜。
  • フッフン…ハイ・レコードね!その設立者の一人でありプロデューサーのレイ・ハリスがメンフィスにある自前のスタジオを貸して、プロデュースでも関わってるのがPLAYBOY RECORDS。このレーベルがもうスワンプ/SSW良盤の宝庫なのよ。
  • なるほど、ここでもサザン・ソウル系の人脈が絡んでいるわけですね。
  • そうそう、それが何とも言えない芳醇さを生んでるってのが南部SSWの魅力ね。んじゃ、早速、PLAYBOYの中から一枚、聴いてみるよ。TIM TUTORの『Boppin’ Through The Milky Way』ね。

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  • PLAYBOYは第二章のジュークボックスで取り上げてるから、色々チェックしてみて!『次は、もうひとつのサザン・ソウルのメッカ、アラバマはマッスル・ショールズへゴーするよ〜…フッフン!
  • マッスル・ショールズ。よく聞くので、知ってますよ〜。マッスル・ショールズ・スタジオですよね!

  • フッフン…そうそう。マッスル・ショールズには、50年代末にフェイム・スタジオがまずできて、サム・クックやアレサ・フランクリンなどソウルの名作を多数生み出したのは、まさか知らないってことはないよね!ま、いいや。そこで活躍したミュージシャンが独立して、69年に設立したのがマッスル・ショールズ・スタジオね。ストーンズやトラフィックの作品も録音されているから、ロック・ファンにもお馴染み!…フッフン!
  • デュアン・オールマンもそこでセッション・ギタリストとして腕を磨いたんですよね。
  • フッフン…そゆこと。そんで、スタジオ所属のソングライターとして数々のソウル名曲を生みだしたのが、米スワンプ・ロック/SSWファンお馴染みのダン・ペンというわけね。流してみるよ。

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  • これは持ってます。イントロのタメの効いたグルーヴ、たまらないですよね〜。
  • 白人のカントリー・ミュージックと、黒人のブルース、ゴスペルが結びついたのがサザン・ソウルね。そんで、そのカントリー・ミュージックをたどると、イギリスやアイルランドから入植してきたプア・ホワイトと呼ばれる貧しい白人労働者が歌い継いだ民謡に行きつくわけだ。
  • なるほど。カントリーも、ブルースやゴスペルと同じく、米南部の抑圧された労働者階級から生まれたルーツ・ミュージックなんですね。
  • フッフン…そういうこと。だから、カントリーにもブルースに共通するフィーリングがあるってわけよ。白人、黒人と分けて話したけど・・・あっ、鍋ができた、まわいいや・・・20世紀のはじめ頃は黒人がカントリーを歌ったり、白人がブルースを歌ったり、ブルースもカントリーも元々は僕の鍋みたいに一緒にグツグツしてたんだけど、黒人差別が厳格になってきちゃって、音楽的にも明確に分断しなくちゃいけなくなったわけよ。それで、カントリーは白人のもの、ブルースは黒人のもの、となったんだ…フッフン。
  • なるほど、なんだか悲しいストーリーですね。それがもう一度、手を取り合ったのがサザン・ソウルであり、60年代末のスワンプ・ロックやカントリー・ロックなわけですね!
  • そんな背景も心に留めながらスワンプ・ロックやカントリー・ロックを効くと、一層グッときちゃうんだよね…フッフン!それじゃ、カケレコくん、鍋ができたところで、一杯飲みながら、ディープにサザン・スワンプの名盤を聴いていくよ!

【米スワンプ・ロック/SSW探求】 米南部ルーツ・ミュージックがにじむスワンプ・ロック/SSWの芳醇な世界

DAN PENN

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60年代から南部アラバマはマッスル・ショールズのフェイム・スタジオでソングライター&プロデューサーとして活躍した、言わずと知れた名ミュージシャンによる73年作の1stソロ。生涯の一枚だなぁ。

SPOONER OLDHAM

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マッスル・ショールズで活躍した名ピアニスト&オルガン奏者で、あのダン・ペンとのソングライター・コンビとしても知られる名ミュージシャンによる72年作1stソロ!

WATCHPOCKET

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憂いあるしゃがれ声がたまらんですね。サザン・ソウルの名門スタックスを支えた名セッション・グループ、ブッカー・T&MGSのギタリスト、スティーヴ・クロッパーなど、腕利きが参加したコクのある演奏も最高!

BOONDOGGLE & BALDERDASH

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米南部のデュオ。71年作。哀愁いっぱいのオルガンと鼻にかかったアーシーかつ憂いのある歌声が胸に染みるなぁ。

CATES GANG

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ザ・バンドのメンバーとつながりがあるケイト兄弟によるデュオ。73年にMETROMEDIAよりリリースされた2nd。ザ・バンドにゴージャスな女性コーラスやホーン・セクションを加えたようなサウンドは、前作の延長線上ですが、より骨太でスワンピーになった印象。演奏はボトムがズシリと重い、強力にうねるスワンプなんですが、ヴォーカルはサザン・ソウル的に洗練されているのが特徴。これはかな〜りカッコ良いです!

VERNON WRAY

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南部アラバマで録音された72年の唯一作で、カントリー、フォーク、ソウルなどルーツ・ミュージックの芳醇なエッセンスを濃縮した傑作!マイナーですが、ダン・ペンの名作にも比肩!

STEVE YOUNG

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グラム・パーソンズのバーズ時代の名曲「ヒッコリー・ウィンド」からカントリー色を薄め、ニール・ヤング『アフター・ザ・ゴールドラッシュ』の陰影を加えたようなサウンド!?

BALDERDASH

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BOONDOGGLE & BALDERDASHの片割れによるソロ。レオン・ラッセルほどじゃないけど、これぞスワンプ・ロック声と言えるダミ声!ピアノと女性コーラスが哀愁を放つエネルギッシュかつコクのある米スワンプ・ロック傑作です。

BOB McDILL

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マッスル・ショールズにDan Pennが居るなら、ナッシュビルにはこの男が居るさ!DIXIE FLYERSをバックに、72年に録音された唯一のソロ作、染みるなぁ。

WAYNE TALBERT

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ダグ・サームのサー・ダグラス・クインテットのKey奏者の70年作ソロなんですが、これがもう、スタックス産サザン・ソウルやダン・ペンのソロが好みの方はグッとくること間違いなしな名作っ!

BOBBY HATFIELD

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フィル・スペクターの元を離れ、一人、アラバマはマッスル・ショールズに赴いた男による確かな記録であり、さすがはマッスル・ショールズ産とうなる名作!

BLUE JUG BAND

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78年とは思えない温かなサウンドに包まれたザ・バンド直系の南部のグループ。前作はカプリコーンということで、哀愁のツイン・リードもキまっててグッとくるな〜。ザ・バンドのファンは是非!

ROY HEAD

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テキサス出身のシンガーによる72年作4th。メンフィス録音で、スティーヴ・クロッパーが全面参加!さすが、しなるようなトーンで歌心いっぱいのフレーズがたまらない!トニー・ジョー・ホワイトも一曲でゲスト参加!

HIGH MOUNTAIN HOEDOWN

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名ソングライターのジェリー・ウィリアムス率いるグループ。男性版キャロル・キングと言えるようなアーシーかつ洗練された歌唱がたまらないなぁ。

JERRY WILLIAMS

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なんと感動的なメロウ・スワンプだろう(涙)。エリック・クラプトンやデイヴ・メイスンにも曲を提供したいぶし銀のSSWによる72年作ソロ。ニッキー・ホプキンスのピアノも泣ける。

BEN ATKINS

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アラバマ出身のシンガーBEN ATKINSが名門レーベルSTAX傘下のENTERPRISEからリリースした71年作。マッスルショールズ・リズム・セクション、さらにデヴィッド・フッド、ドナルド・ダック・ダン、アル・ジャクソンらメンフィスの面々がバックを務めています。グルーヴィーな演奏に哀愁滲むソウルフルなヴォーカルがのるスワンプロック名作!

2. LAスワンプ

  • なに、こんどは、LAスワンプだって?
    オッケー、まかしといて〜…フッフン!
  • (たのんでないのに・・・)
  • LAスワンプを語る上ではずせないのが、デラニー&ボニーとレオン・ラッセルだな。まずは、デラニー&ボニーからいくぞ…フッフン!子供の時から聴き慣れていたブルース、カントリー、ゴスペルをロックにブレンドしたアーシーな音を生みだして、LAで人気になったんだな。その噂をジョージ・ハリスンが聞いてテープを入手し、エリック・クラプトンやデイヴ・メイスンに渡ったってわけだ…フッフン!」
  • そこから、英米のミュージシャンがダイナミックにつながっていくわけですね!
  • フッフン…そゆこと。ブラインド・フェイスの69年全米ツアーの前座でデラニー&ボニーを起用して、クラプトンはリード・ギターで参加するほど入れ込んじゃって、彼らのイギリス・ツアーまで企画したってわけだ。
  • イギリス・ツアーには、クラプトンやジョージ・ハリスンやデイヴ・メイスンや、ストーンズのメンバーもステージに上がって演奏したんですよね。
  • フッフン…すごいメンツだよな。んで、1970年、英ロック・シーンに記念すべき3作品が生まれたわけだ。いち早くLAに渡り録音したデイヴ・メイスン『アローン・トゥゲザー』、ジョージ・ハリスン『オール・シングス・マスト・パス』、エリック・クラプトンの1stソロだな。
  • 米南部音楽と合わさったアーシーなサウンドが、英ロックの最先端となった瞬間ってわけですね!
  • フッフン…そゆこと。んで、その3作品のバックを務めたのが、デラニー&ボニー周辺のメンバーたちで、その大親分がレオン・ラッセル…フッフン!彼らの多くは米南部出身者で、音楽的な成功を求めてLAに出てきて、レオン・ラッセルを中心に、コミュニティを形成していたってわけだ。
  • ジム・ゴードン(ドラマー)、カール・レイドル(ベース)、ボビー・ウィットロック(オルガン)たちですか?
  • なんだ、知ってたのか・・・フッフン。はじめにデラニー&ボニー&フレンズとして名を上げ、ジョー・コッカーのマッド・ドッグス&イングリッシュメンでウッドストックの舞台に立ち、クラプトンとのデレク&ザ・ドミノスとして、いよいよロックのメインストリームに躍り出たってわけだ。
  • おぉ、大出世!
  • それをプロデューサーとして裏で仕切っていたのがレオン・ラッセルだな。ジョー・コッカーのプロデュースをレオンに頼んだイギリス人プロデューサー、デニー・コーデルと一緒にシェルター・レーベルを立ち上げ、満を持して発表されたソロが『レオン・ラッセル』ね。
  • (レコードのクレジットを眺めながら)わぉ、クラプトンにジョージ・ハリスンにリンゴ・スターにスティーヴ・ウィンウッドにミック・ジャガーにチャーリー・ワッツにジョー・コッカーに、参加メンバー、凄すぎですね。
  • LAのコミュニティには、他にも重要なミュージシャンがゴロゴロいるぞ。話し出したら止まらなくなっちゃうからベスト・テープ作っておいたから!聴いてみそ…フッフン!
  • 八重樫さん、今どきテープですか・・・(おぉ、メタルテープ、懐かしい!)

『LAスワンプ〜英スワンプ』コネクション

DELANEY & BONNIE & FRIENDS

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この夫婦が居なければ、デレク&ザ・ドミノス『レイラ』もジョージ・ハリスン『オール・シングス・マスト・パス』もデイヴ・メイスン『アローン・トゥゲザー』も生まれていなかった!

DELANEY & BONNIE

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デラニー&ボニーは、サザン・ソウルの名門STAXでレコーディングしたはじめての白人ミュージシャン。乾いてるんだけど陰影のあるグルーヴ。これぞサザン・ソウルと言えるホーン・セクションがたまらん。

LEON RUSSELL

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デラニー&ボニーがLAスワンプ〜英スワンプ渦巻きの中心ですが、それを裏で仕切っていた親分が、レオン・ラッセル!強烈なグルーヴと圧倒的なメロウネス!

GEORGE HARRISON

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デラニー&ボニーに目を付けた最初の英ミュージシャンがジョージ・ハリスンですね。LAスワンプ人脈を起用した一大傑作がこちらの1stソロ!スワンプがロック・シーンの最前線に躍り出た瞬間。

DAVE MASON

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トラフィックを脱退し、いち早くLAに渡り、デラニー&ボニー人脈と作り上げた1stソロがこちら。このオープニング・ナンバーのカッコ良さときたら!イントロ一発で悶絶必至っ!

ERIC CLAPTON

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デラニー&ボニー&フレンズのリード・ギタリストになるほどに惚れ込んだエリック・クラプトン。レオン・ラッセルなどLAスワンプ人脈を起用して作られた1stソロがこちら!

DEREK & THE DOMINOS

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クラプトンがLAスワンプ人脈と組んだバンドと言えば? 名曲「いとしのレイラ」が霞んじゃうぐらいの名曲の数々。英米ロックが、ルーツ・ミュージックによってつながったロック史上に残る金字塔。

JOE COCKER

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レオン・ラッセルのプロデュースの元、LAスワンプ人脈総動員で録音されたのが、ジョー・コッカーのこちらの名作。

GREASE BAND

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ジョー・コッカーを元々サポートしていたグループと言えば? LAスワンプ・オールスターにも負けない、タメの効いたグルーヴと溢れるコク。音と音の「間」の雄弁なこと!

JESSE ED DAVIS

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レオン・ラッセルと同郷で、彼の薦めでLAに来て活躍したミュージシャンズ・ミュージシャンと言えるいぶし銀ギタリストと言えば?冴え渡るスライド、哀愁とコクのある歌声とメロディ。ウルル〜。

ROGER TILLISON

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ジェシ・エド・デイヴィスのプロデュースによる71年の唯一作ですね。絶妙な「間」を聴かせるタイト&ルーズなアンサンブル、憂いと陰りのあるエモーショナルなヴォーカルは絶品の味わい。

MARC BENNO

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LAスワンプの中でも屈指の傑作。クラレンス・ホワイト、ジェシ・エド・デイヴィス、カール・レイドル、ジム・ケルトナーなどによる演奏もさすがの味わい。

J.J.CALE

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レオン・ラッセルやジェシ・エド・デイヴィスと同じオクラホマ出身。クラプトンがカバーした「アフター・ミッドナイト」の原曲収録ですね。30代前半とは思えない「年輪」を感じさせる歌声は、元祖レイドバック!

SHERMAN HAYES

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LAスワンプのマニアから高く評価される名作。レオン・ラッセルから渋みをとって、ザ・バンドのリチャード・マニュエル的繊細なリリシズムを加えた感じ!?

MIKE DEASY

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LAのトップ・セッション・ギタリストが放つ、アーシー&メロウなスワンプ/SSW傑作だって? な〜るほど、流麗なペダル・スティールも艶のあるメロウなギターも良いし、スモーキーなヴォーカルも最高じゃない!

JOHN KURTZ

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ジェシ・ウィンチェスター、ケニー・ロギンス、ジェシ・コリン・ヤングなど名ソングライターが曲を提供し、バックもウェストコーストの名手ばかり。そりゃエネルギッシュで哀愁いっぱいのスワンプ名作にきまってます!

SPIDER

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男女混成ヴォーカルのマイナーな米スワンプ・グループですが、ジム・ゴードン、ジム・ケルトナーが参加していて、内容はピカイチ。隠れたLAスワンプ名作。

3. ウッドストック人脈

  • なるほど、南部に根ざしたスワンプ、そしてLAスワンプを紹介した後に、トラディショナル・ソングやブルースやヒルビリーなど1920〜30年代の古き良き米グッドミュージックに回帰したウッドストック人脈の紹介ですか。
    八重樫ばかりに良いカッコはさせられません。ここは、私、芹沢聡一郎にお任せください。
    では、まいりましょう。

ウッドストックと言えば、「ウッドストック・フェスティヴァル」?

ほとんどのロック・ファンにとってそうかと思いますが、ここで紹介するのは、米SSW/フォーク・ファンにとってお馴染みの「ウッドストック人脈」。

ウッドストックは、ニューヨーク州アルスター郡にある人口5000人にも満たない小さな町。

19世紀に、都会に疲れた画家たちが自然豊かで長閑な風景に魅せられてコミュニティを形成したのをはじまりに、数多くのアーティストがこの町に居を移しました。

ロック界では、ボブ・ディランのマネージャーだったアルバート・グロスマンが移住したのをきっかけに、60年代の半ば過ぎ、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジやボストン〜ケンブリッジ周辺のフォークやブルーグラス系ミュージシャンがこの町に移り住みました。

都市に対する田園、市場主義に対する伝統の再発見。そんな考えを持ったミュージシャンたちが集まり、1920年〜30年代の古き良きアメリカのグッド・ミュージックを再発見しながら、サイケデリック・ミューヴメントが終わった後の「内省」や「伝統回帰」へと向かった音楽シーンとも呼応し、数々の愛すべき名作が生まれました。

ザ・バンドのメンバーをはじめ、ジェフ・マルダーやハッピー&アーティのトラウム兄弟など東海岸のフォーク・シーンで活躍したミュージシャンたち。ボビー・チャールズやジェシ・ウィンチェスターなど南部R&Bシーンで活躍した後に縁あってこの地にたどりついたSSWたち。名バンジョー奏者ビル・キースやテレキャスターの名手エイモス・ギャレットなど名うてのセッションマンたち。

そんなアメリカン・ロックの良心たちが奏でる、愛すべきグッド・ミュージックをここに特集します。

ウッドストック人脈〜米グッド・ミュージックを愛する男たち

HAPPY & ARITE TRAUM

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デュオの名前からしてほんわかしてますが、サウンドもウッドストック人脈が紡ぐハートウォームなルーラル・フォーキー・ロックですね。さすがブラックホーク99選の一枚。

MUD ACRES 1972

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ハッピー&アーティ兄弟、エリック・カズ、ジョン・ヘラルド、ビル・キース、マリア・マルダーなど愛すべきウッドストックの良心たちによる気ままなセッション作。72年の第一弾。

MUD ACRES 1977

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ウッドストック人脈による気ままなセッション作、77年の第二弾。渋谷道玄坂のブラックホークがセレクトしたアルバム99選のうちの一枚。

JOHN SIMON

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ザ・バンドの1st、2ndを手がけた名プロデューサーによるソロ作だって!?ウッドストック人脈やLAスワンプ人脈が集結した、ドリーミー&アーシーな米ロック傑作だって!?

THE BAND

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本作のサウンド・コンセプトは、「木の温もりのある、ズシンとくる音」。まさに言い得て妙。数十年という時を刻んだ木だけが出せる芳醇な温もりを見事に感じさせてくれます。69年2nd。

BOBBY CHARLES

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陽光溢れる極上のルーラル・ロックですね。ザ・バンドのメンバーをはじめウッドストック人脈の他、ドクター・ジョンも参加。名曲「Small Town Talk」の柔らかな土の香り。いいなぁ。

JOHN HERALD

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ウッドストック系SSWの人気作。まるでグラム・パーソンズを夢見心地にしたようなヴォーカル!? ほのぼのとした米カントリー・ロックの愛すべき作品ですね。エイモス・ギャレットのスライドがたまらない☆

GEOFF & MARIA MULDAUR

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西海岸にデラニー&ボニーがいるなら、東海岸にはこの夫婦デュオがいるさ!エイモス・ギャレットのギター、ポール・バターフィールドのハープも絶品の味わい。

GEOFF MULDAUR & AMOS GARRETT

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R&Bやカントリー・ブルース、オールド・ヒルビリー等々の名曲群を和やかな雰囲気で悠々と歌うアメリカン・ルーツ・ミュージックの避けては通れない大名品!

MARIA MULDAUR

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ジェフとの夫婦デュオを解消した後にリリースした73年のソロ。大ヒットした彼女の代表曲で、ここでのエイモス・ギャレットのギターは、彼の一世一代の名演!

BONNIE RAITT

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男勝りのスライド・ギターの名手でもある女性SSW。ウッドストック人脈のサポートのもと、ご機嫌なアンサンブルを繰り広げる米女性SSWの傑作!

JESSE WINCHESTER

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ウッドストック系SSW屈指の傑作。南部出身のSSWがカナダへたどり着き、ザ・バンドのロビー・ロバートソンと知り合い、彼のプロデュースの元、ウッドストックで録音されたルーラルな逸品。

KEN LAUBER

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ウッドストックに住んでいてディランとも親交のあったSSW。ナッシュビルに渡り、エリア・コード615をバックに制作したフォーキー&メロウな傑作で、「ブラックホーク99選」の一枚。69年作。

KEN LAUBER

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ラリー・カールトン、ジョー・オズボーン、マイク・ディージー、ラリー・ブラウン等が参加し、南部音楽とも相性のよい、カントリー・フレイヴァー溢れるハート・ウォーミングな名品です。71年作。

JESSE FREDERICK

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ベアズヴィルから71年作で、録音はナッシュビル、エンジニアにはトッド・ラングレンも参加!ということで、熱いスワンプをやっても、「気品」や「陰影」を感じさせるんですよね〜。ウッドストック名盤!

BETTER DAYS

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ウッドストック系ならではの「たおやかさ」の中にブルース探求の果ての妙味がつまりまくったコクのあるサウンドは絶品の一言。一生をかけて味わい尽くしたい、そんな米ロック屈指の傑作!

【第二章】米スワンプ・ロック/ルーツ・ロック・ジュークボックスへ。

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