2024年5月30日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
先日リイシューされた元GOTHIC HORIZONの英SSWのAndy Desmondによる2枚が素晴らしい内容でした。
MITEN名義で出した1stソロの方はもともと愛聴盤でしたが、今回初めて聴いた2ndアルバムがそれに輪をかけて絶品だったんですよね!
今回は、その2作品を筆頭に「愛すべき英国フォーキー・ポップ」というテーマで作品をピックアップ!
骨太なブルース・ロックかハード・ロックが飛び出しそうなグラサン&髭面ジャケですが、実際はこれぞ英国田園ポップと言うべきサウンド。
ニッチ・ポップの米国憧憬部門でもトップクラスの出来映えですね。
マイナーな一枚ですが、泣ける名盤ですこれ。
元GOTHIC HORIZONの片割れ、と言ってピンと来る方がどれほどいるか定かではありませんが、このソングライティング、間違いなく一級品。
ピアノやバンジョーが楽しげに弾み、ギターやオルガンが哀愁たっぷりに鳴り響く一曲目から持っていかれます。
甘すぎず丁度耳に心地よいハートウォーミングな歌声も素敵だなぁ。
これはジェリー・ラファティがお好きならきっと気に入るはず!
その名前を挙げましたので、「スコットランドのポール・マッカトニー」ジェリー・ラファティのこのグループも続いてピックアップ。
郷愁を誘うメロディ&ハーモニー、長閑で哀愁溢れるアンサンブル。何度でもかみしめたくなる素朴で美しいメロディ。鼻に掛かった憂いのあるヴォーカルも最高。
本当に良いアルバムです。
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「MEET THE SONGS」第2回 STEALERS WHEELの72年デビュー作『STEALERS WHEEL』
そのSTEALERS WHEELの結成メンバーにして、スコットランドが誇る愛すべきフォーク・ロックSSW。
SWのポップさを受け継ぎつつ、SSW然とした哀愁やAOR的洗練も感じさせる堪らないサウンドを奏でます。
トミー・アイアー&メル・コリンズも好サポート!
のちにMETROでも活躍、独特のナイーヴな感性を持つSSWがDUNCAN BROWNE。
幻想的で気品あるジャケのイメージ通りの英国フォーキー・ポップを聴かせる名品です。
格調高いフィンガー・ピッキング、静謐な歌声、そして柔らかに沁みるメロトロンの音色。至福・・・。
元MANFRED MANNのTom McGuinnessによる、「ザ・ビートルズ meets ザ・バンド」とも評されたバンドですね。
COLIN HAREあたりにも通ずるキャッチーなフォーク・ポップ、BRINSLEY SCHWALTZを彷彿とさせる黄昏のパブ・ロックなど、どの曲も英国臭に溢れた佳曲揃い。
土臭く「いなたい」雰囲気がたまりません。
「田舎のPILOT」はたまた「田舎のELO」って感じ!?
コシのある太いギターとコロコロ愛らしいキーボードのコンビが駆け抜けるビートリッシュなポップ・ロックに、柔らかなフォーキーさも織り交ぜた、70s大英帝国ポップの隠れ逸品!
44年リヴァプール生まれ、THE PANTHERSなるバンドで62年にビートルズの前座として演奏した経験も持つというアーティスト。
穏やかなんですが、どこか屈折した緊張感もあって、これはレイ・デイヴィスとニック・ドレイクの2人が好きなら必殺と言える一枚でしょう。
ジャケットの雰囲気に惹かれたなら是非聴いて欲しい、英国ドリーミー・フォーク・ポップの名品!
ジャケはクセありですが、サウンドはやはり朴訥としていて温かみに溢れていてドリーミー。
あまりに寝過ごしてしまった昼に、どこからともなく流れてきたら幸せだろうなぁ。
休日ベッドからなかなか出られないあなたに送る愛すべき英SSW。
コリン・ヘア&ピート・デロ、2人のメロディメーカーが率いた名フォーキー・ポップ・グループと言えば?
この二人のコンビだからこそ紡ぎだせる、眩いばかりの木漏れ日フォーキー・ポップを存分に堪能したいなら、この51曲収録アンソロジーは最適でしょう。
もう言葉はいりません。至福の昼下がりをお過ごしください…。
いかがだったでしょうか。
気になる作品が見つかりましたら幸いです☆
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フォーキーな英ポップで人気のGOTHIC HORIZONの元メンバーによる、75年作1stソロ。英国の田園風景が目に浮かぶ枯れたトーンのメロディアスなギター、甘く人懐っこいヴォーカルとハートウォーミングでノスタルジックなハーモニー。土臭さとポップさとのさじ加減が絶妙なメロディ・センスは、STEALERS WHEELやBRINSLEY SCHWARZ等、アメリカかぶれのフォーク・ロック・ファンならグットくること間違いなし。Pete Dello作「(DO I FIGURE)IN YOUR LIFE」のカヴァーも胸に染みます。ちなみに原盤は、キンクスのレイ・デイヴィスによるコンク・レコードから。これぞスルメ名盤。
ポール直系のSSWとして知られるGerry RaffertyとJoe Eganによるポップ・フォーク・デュオ。72年のデビュー作。郷愁を誘うメロディ&ハーモニー、長閑で哀愁溢れるアンサンブル。Colin Hare、Pete Delloあたりと並んで、ハート・ウォーミングな英ポップを代表する名作。何度でもかみしめたくなる素朴で美しいメロディ。鼻に掛かった憂いのあるヴォーカルも最高。本当に良いアルバムです。
LONDON ACADEMY OF MUSIC AND DRAMATIC ARTで音楽理論とともに演劇も学んだSSW。ストーンズでお馴染みの敏腕マネージャー、アンドリュー・ルーグ・オールダムに見出されIMMEDIATEレーベルと契約し68年にデビュー。UKチャート28位のヒットとなった「ジャーニー」を含む72年の2ndアルバムが本作。古楽的な味わいたっぷりの格調高いフィンガー・ピッキング、霧に包まれたような幻想的で静謐な歌声、そして流れるように美しいメロディ。英国的な気品に満ち溢れたフォーキー・ポップの佳曲がずらりとそろった名作です。
英サイケ・ポップ・グループTHE 23RD TURNOFFを率いて活躍したSSW。69年の1stソロ。ジャケットのイメージ通りのフォーク・ポップで、繊細かつ温かみのあるヴォーカル、気品のある流れるようなメロディ、アコギ弾き語りでシンプルながらドリーミーで色彩感覚豊かなアンサンブル。穏やかなんですが、どこか屈折した緊張感もあり、雰囲気抜群です。Ray DaviesとNick Drakeの2人が好きなら、このSSWも必殺のはずです。ドリーミー・フォーク・ポップの名作。
ギター/ヴォーカルのAndy Arthursを中心とする英ポップ・ロック・グループ、75年の唯一作。冒頭ミステリアスな讃美歌で幕を開けたかと思うと、いきなり女性の叫び声が荘厳な雰囲気を突き破り、POLOTのように伸びやかなポップ・ロックへとなだれ込んでいく1〜2曲目の時点でマジカル!コシのある太いギターとコロコロと愛らしいキーボードのコンビが駆け抜ける、PILOTやELOばりのビートリッシュなポップ・ロックが痛快です。その合間に鳴らされる、アコギと柔らかい管楽器の音色が素敵なフォーク・ロック調もまた絶品。また多彩に変化するコーラスワークにも注目で、QUEENばりのオペラチックな多声コーラスから涼風のように爽やかなウエストコースト調まで、ここぞというパートでサウンドを盛り上げていてGOOD。これは70年代大英帝国ポップの隠れ名品!
73年作、3rd。ソングライティングを担当していたGallagher & Lyleコンビが抜けていますが、曲のクオリティは全く落ちていません。むしろ、土臭く「いなたい」雰囲気がグッと増し、英国的哀愁がこれでもかと溢れ出る逸品に仕上がっています。1曲目から素晴らしく、緩いスライド・ギターのイントロ、いなたいヴォーカル&哀愁のメロディには胸が熱くなります。COLIN HAREあたりにも通ずるキャッチーなフォーク・ポップ、BRINSLEY SCHWALTZを彷彿とさせる黄昏のパブ・ロックなど、どの曲も英国臭に溢れた佳曲揃い。旧アナログB面「Take It Down」は、哀愁のメロディに黄昏れのオルガンが炸裂する必殺の名曲。英国フォーク・ロック/パブ・ロック屈指の名作。
英サイケ・ポップ・グループTHE 23RD TURNOFFを率いて活躍したSSW。72年作3rd。朴訥としていて温かみに溢れドリーミーなヴォーカル&メロディ、格調高い管弦楽器やチープなキーボードなどによる、時にハッとするほどにリリカルで美しく、時に微笑ましく長閑なアンサンブル。本当に心に染みる素晴らしいフォーキー・ポップです。あまりに寝過ごしてしまった昼に、どこからともなく流れてきたらぴったりだろうなぁ。休日ベッドからなかなか出られないあなたに送る愛すべき名作です。
STEELERS WHEELのオリジナル・メンバーで、盟友Gerry RaffertyのほかLINFISFARNEやJohn Martynの作品にも参加するスコットランド出身フォーク・ロックSSW、80年作。在籍したSTEELERS WHEELのポップさを受け継ぎながら、よりSSW然とした哀愁を漂わせる愛すべきフォーク・ロックを聴かせます。耳に馴染むクセのない歌声と優しく大らかに綴られる、スコットランドの自然風景が浮かぶようなフォーキー・アンサンブルが魅力ですが、そこにAORテイストを織り交ぜるセンスがまた見事で、同時期のGerry Raffertyにも通じるサウンドと言えます。Tommy Eyreのメロウなキーボード、Mel Collinsによるメロディアスなサックスも素晴らしい。英フォーク・ロックの隠れた名作です。
愛すべき英フォーク・デュオGOTHIC HORIZONの片割れ、78年作2ndソロ。MITENの名でリリースした75年1st同様、英国の田園風景が目に浮かぶようなフォーキー・ポップが最高。ピアノやバンジョーが楽しげに弾み、ギターやオルガンが哀愁たっぷりに鳴り響く一曲目から持っていかれます。甘すぎず丁度耳に心地よいハートウォーミングな歌声も素敵だなぁ。二曲目は少しビリー・ジョエルあたりも通じるピアノを基調とする陰影あるナンバーで、こちらもまた素晴らしい。この田園風景と都会を行き来するかのようなスタイルは、英国で言えばジェリー・ラファティーが近いでしょうか。以降も珠玉のポップ・センスを発揮したメロディアスなナンバーが目白押しで、その才能は並ではありません。マイナーですが、一級品のソングライティングがキラリと輝く名品です!
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