2020年10月7日 | カテゴリー:Column the Reflection 後藤秀樹,ライターコラム
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マンダラバンドはデヴィッド・ロールの手によってバンドの形とアルバム・コンセプトが創られた。しかし、アルバムの制作に向かい『曼陀羅組曲(Mandalaband)』を画策しながらも、結局はロール以外のバンドが録音を続けた状況は前回述べた。結局バンドは、75年に1枚のアルバムをクリサリス(Chrysalis)に残した後、サッド・カフェと名を変えレコード会社もRCAと移っていく。
◎画像① Mandalaband/The Eye Of Wender (国内盤+最初のCD:RPM盤)
そんな中、驚くべきことに前作と同じクリサリスからマンダラバンド名義の新譜が78年5月に届けられた。『魔石ウェンダーの伝説(The Eye Of Wendor;Prophecies)』と名づけられたコンセプト・アルバムだ。当然『曼陀羅組曲』を創りあげたメンバーはいない。しかしその源だったデヴィッド・ロールの姿がジャケット裏に、テーマとなる魔石の中に映っていた。この意外な展開にただただ唖然としたことを思い出す。
◎画像② David Rohl (at Strawberry Studio)
ロールはコンセプト、作曲、プロデュース、エンジニアに加え、ピアノやシンセサイザーも担当し、裏方のみならず全てにわたってクレジットされていた。前作において言葉で言えば屈辱的とも言えるような思いをしたにも関わらず、こうしてアルバムを完成させることが出来たのは、きっとクリサリス側の譲歩とそれに対するロールの寛容さがあったのだろうと思われる。ただ世界中では、ニューウェイヴ、パンク全盛へと向かっていたこともあり、その点でも無理が通った意外なリリースだったと言える。マンダラバンド名義で出されたことから、ここにマンダラバンドの新たな顔が見えたことになる。
◎画像③ The Eye Of Wender リーフレット(1ページ目 地図)
日本では『曼陀羅組曲』がヒット・アルバムとなっていて、ちょうど、アラン・パーソンズ・プロジェクト(Alan Parson’s Project)が次々とコンセプト・アルバムを発表し成功を収めていた時期でもあることから、その流れを読んでの発売でもあったのだろう。クリサリス・レーベルの発売権が日本ではキング・レコードから東芝EMIへと移っていた。英原盤には三つ折りの6ページにわたる物語とイラストが散りばめられた美しいリーフレットが付属されていたが、残念ながら日本盤には添付されなかった。
◎画像④ David Rohl + 10cc + woolly (BJH)
この『魔石ウェンダーの伝説』に込められた期待感は、そこに集まったメンバーの顔ぶれにもあった。基本メンバーはピアノのリッチー・クローズ(Ritchie Close)、ドラムスのキム・ターナー(Kim Turner)、ギターのスティーヴ・ブルームヘッド(Steve Broomhead)&ジミー・マクドネル(Jimmy McDonnell)、サックス、フルートにフィル・チャップマン(Phil Chapman)、そしてキーボードにデイヴ・ロールという基本線。(基本となるミュージシャンは、デイヴ・ロール自身がスタジオ・ミュージシャンの中から選んだメンバーということで、オリジナル・マンダラバンドのメンバー選定時と同様に実際にその音を聞き、無名ながらもその実力を認めた上で期待を込めて参加させたものと言える)
そんな中にあってベースはジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)のバンドや自らのファット・マットレス(Fat Matress)の活動で知られるベテランのノエル・レディング(Noel Reding)と10ccのグラハム・グールドマン(Graham Gouldman)が加わっている。さらにBJH(Barclay James Harvest)のジョン・リーズ(John Lees)、レス・ホルロイド(Les Holloyd)、メル・プリチャード(Mel Prichard)、そしてウーリー・ウォルステンホルム(Woolly Wolstenholme)が参加。10ccからはエリック・スチュワート(Eric Stewart)もメイン・ヴォーカリストとして参加しているが、それ以外にもムーディー・ブルース(Moody Blues)のジャスティン・ヘイワード(Justin Heyward)、スティールアイ・スパン(Steeleye Span)のマディ・プライア(Maddy Prior)、さらには元10ccのケヴィン・ゴドレー(Kevin Godley)も参加するという構成で驚かされた。 10ccもBJHもムーディー・ブルースもデヴィッド・ロール同様にマンチェスター出身のバンドであり、その地元層の厚さと仲間意識も感じられる。
『魔石ウェンダーの伝説』のストーリーはロールの奥さん、ジリー・ロール(Gilly Rohl)が書いたものだ。ただ肝心のコンセプトそのものは、残念ながら私の中には全く興味としては入ってこなかった。原盤に添えられたリーフレットも美しいのだが、架空の世界の地図を眺めた途端に、遠い世界の物語・・・と諦めてしまった。ファンタジーにはもともと興味を持っていたはずなのだが、その昔トールキンの『指輪物語』も読もうと意気込んだもののなかなか先に進まなかった経験があるからだろうか。
じつは、この作品のコンセプトも『指輪物語』の壮大な映画化を目指したその音楽として依頼されたものが元になっているようだ。今広く知られている大ヒットした映画『指輪物語』とは全く別の計画だったようで、そちらは途中で頓挫した模様。
レコーディングは76年~78年までにストロベリー・スタジオで行っているが、その頃がデヴィッド・ロールのその後の音楽性を決定づけた時期だと言える。
それは、76年に彼が同スタジオのチーフ・エンジニアになったことが挙げられる。期限を気にせず時間を十分にかけて丁寧に作業を進めることが出来たのは事実だろう。1枚のアルバムの中に見られる凝縮感は素晴らしい。基本となる演奏部分をしっかりと固め、そこにホーンとストリングス、そして合唱団を加え総勢40人に及ぶメンバーを統括しながらロールの音楽的な素養が存分に活かされて展開されることになる。
★音源資料A 『魔石ウェンダーの伝説』01,02,03,04
タイトル曲となる1曲目は、風に舞うような流麗なフルートにはじまる。ピアノが奏でられケルト風のメロディが流れてくると続いてオーケストラという目まぐるしい展開だが、物語の序曲的展開としてはよくある形と言える。中盤からツイン・ギターのロック的な演奏になる。
ストーリーではフローリアン役になるジャスティン・ヘイワードの歌が2曲目で聞こえてくる。バックのコーラスはいかにもという感じの10ccだ。メドレー形式でつながっていく「Ride To The City」はスピーディなインストなのだが何となく分家してしまったサッド・カフェ(Sad Café)に似ているのがお茶目。ユーモラスな「アルマーの塔」を抜けると、「風の如く」でマディ・プライアの歌声が続く。彼女の歌声はアルバム中の華となってうまく機能している。
「大嵐」から「新たなる夜明け」のメドレー前半はアラン・パーソンズ・プロジェクトの最初の作品であるエドガー・アラン・ポーの世界のようだ。後半は再びジャスティンの歌声。バックのコーラスが美しい。ここでのケルト風のメロディとメロトロンのコラボはなかなか面白い。「カーシリアスからの脱出」は静かなマーチング・メロディとコーラスの掛け合い。アコースティック・ギターの音色が美しい。「大海蛇」はエリック・スチュワートのヴォーカルを中心とした10ccのコーラスが聞ける。
★音源資料B 『魔石ウェンダーの伝説』 10
「ウィルドー森の魔女」はBJHのメンバーが演奏していて、すぐにそれと分るのは嬉しい。ヴォーカル、コーラスは前曲に引き続いて10ccの面々。ドラマチックな「サイルサンドラ」はクライマックスを盛り上げるスピーディな展開。何故か、サッド・カフェに参加することになるポール・ヤングとイアン・ウィルソンのヴォーカルも聞こえる。この事実からも最初のマンダラバンドのメンバーはサッド・カフェに姿を変えたが、デヴィッド・ロールとの関係は続いていたことがうかがえて興味深い。
静かなピアノに始まる最後のメドレー「イーノルド王の嘆き」「王の葬列」「ダミアンの戴冠式」ではストリングス、木管の調べを受けて、公式の合唱団と並んでデヴィッドとジリー・ロール夫妻も他のメンバーもコーラスに参加している。ほぼ無名に近いフィル・チャップマン(Phil Chapman)のサックスの音色も素晴らしい。
モチーフとなる物語があれば、いくらでもふくらますことは可能なのだろうが、2年間をかけてこの1枚のアルバムとしてコンパクトにまとめ上げたことは評価していいと思う。『曼陀羅組曲』的な世界観を期待した者にとっては(私のことでもある)、あの圧巻のバンド演奏が聞けなかったのは残念だが、裏方としてしか知られていなかったデヴィッド・ロールの名前が全面に出てきたことは快挙だったと言える。
デヴィッド・ロールは、『魔石ウェンダーの伝説』のレコーディングを始めた76年にBJHの『太陽王(Octoberon)』でエンジニアを務めている。その後加えるストリングスとコーラスはチャペル・レコーディング・スタジオ(Chapell Recording Studio)で入れているが、バンド演奏は基本的にすべてストロベリー・スタジオで録っている。続く77年の『静寂の海(Gone To Earth)』ではエンジニアと同時にバンドとの共同プロデュースを務めている。この作品も当然ストロベリー・スタジオでの録音だ。
◎画像⑤ BJH BJH (左 Harvest初期 右 Polydor期)
BJHは、68年にシングル「Early Morning/Mr.Sunshine」(Parlophone)でデヴューし、69年にはHarvestの設立に伴ってシングル「Brother Thrush/Poor Wages」を出した後、本格的な最初のアルバムを70年6月にEMIの超大物プロデューサー、ノーマン・スミス(Norman Smith)が担当し発表。その後、Harvestで4枚のアルバムを残すのだが、その音楽性は英国的な田園風景を思わせながらもハードでドラマチックな構成を持った曲調で、新生Harvestレーベルの看板グループのひとつとして人気を博した。
◎画像⑥ BJH Harvest時代のアルバム
彼らの特徴は、バックに専属的なオーケストラを伴っていたことで、1作目『Barclay James Harvest』2作目の『Once Again』ではその中心に若き日のロバート・ゴドフレイ(Robert Godfrey)が、3作目の『Other Short Stories』、4作目の72年『Baby James Harvest』ではマーティン・フォード(Martyn Ford)がその中心を担っていた。ご存知の通り、ゴドフレイはその後エニド(The Enid)として本格的なクラシカル・ロックを展開していくことになる。3作目まではノーマン・スミスがプロデュースするが、4作目では自分たちが担当する。
◎画像⑦ BJH Starlineから出された初期コンピレーション (左右が2種のデザイン違いジャケット)
5作目はEMI傘下のStarlineから出た編集盤『Early Morning Onwards』がカウントされる。(これもLPは2種類のジャケットで発売されていた) どうも、オーケストラを付随したことを含めEMI Harvestでは経費がかかりすぎて、契約が打ち切られることになる。
◎画像⑧ BJH Polydor期のアルバム①
その後レーベルをポリドールへ移動。6作目となる74年の『Everyone Is Ebrybody Else』ではブラック・サバス(Black Sabbath)やバッジー(Budgie)、ジューダース・プリースト(Judas Priest)のアルバムに関わったロジャー・ベイン(Roger Bain)がプロデュースとなり、オーケストラの導入もなく、よりシンプルなロック・バンドとして変貌した。その大きな変化にファンは不安を募らせたものの、実際にはコンパクトな楽曲をそれまで以上にメロディアスでドラマチックに聞かせることで胸をなで下ろした。シンフォニックな展開はウーリーが操るキーボード群に完全に置き換えられていた。
7作目はそんな姿を2枚組の『Live』として広く伝えることに成功した。意表を突かれる冒頭の「Summer Soldier」から代表曲として知られるラストの「Mockingbird」までバンド・アンサンブルの見事さを聞くことが出来た。続く75年の8作目はそんな姿がさらにカラフルになった印象の『神話の中の亡霊(Time Honoured Ghosts)』だが、プロデューサーはこれまた意外なエリオット・メイザー(Elliot Mazer)が担当。(大ベテランのプロデューサーで、一番有名なのはニール・ヤング(Neil Young)の『Harvest』の担当だろうが、70年代初頭の英米のポップス、ロック、特にSSW系が多かった印象がある)
アルバムとしての大きな変化はウーリー作のクラシカルな楽曲が含まれたことにあった。ここでは「墓の彼方(Beyond The Grave)」と題された幾重にも重なる彼のキーボードが圧倒的な迫力を見せる。さらには本格的な合唱隊も加わってより壮大な世界が描き出される。
★音源資料C BJH『Beyond The Grave』
デヴィッド・ロールが目指していたシンフォニックなロックの姿との共通項がここに感じられる。同郷のバンドであるBJHとはもともと親交があったと思われるが、ここで彼らが、と言うよりウーリーが描き出そうとした世界観にロールが共感したことは想像に難くない。
◎画像⑨ BJH Polydor期のアルバム②
続く76年の9作目の『妖精王(Octoberon)』でロールがエンジニア担当となる。プロデュースは前作同様エリオット・メイザー。この作品は旧来のA面、B面ではなく、Blue Side、Red Sideと分けられ曲自体長いものが多くなった。ウーリーのクラシカルな『太陽神ラー(Ra)』も含まれているが、アルバム全体がゆったりと重く沈んだような曲調に感じられるのが特徴的だ。さらに久々にストリングス・オーケストラと合唱団も導入され、そのアレンジと指揮をとるのが『魔石ウェンダーの伝説』の基本メンバーとしてピアノを弾くリッチー・クローズだ。
77年10作目の『静寂の海(Gone To Earth)』ではいよいよロールがバンドとの共同プロデューサーとなる。くり抜きジャケットという凝ったデザインには気品も感じられる。雰囲気のあるメンバー写真はロールが撮ったものだ。1曲目のジョン・リーズ作の感動的な『賛美歌(Hymn)』からシンフォニック路線全開だが、このアルバムの特徴は全体にひんやりとした涼しげな録音になっていることが挙げられる。これも『魔石ウェンダーの伝説』の録音にも共通した点だ。それだけにウーリー作の『静寂の海(Sea Of Tranquility)』は天上の音楽のような荘厳さに溢れて魅力的だ。この作品はけっこう話題となり日本のメディア、一般誌でも大々的に紹介された。当時の国内盤LPではこの曲の邦題をそのままアルバム邦題に掲げている。
★音源資料D BJH『Sea Of Tranquility』
78年には彼らにとって2枚目のライヴ『Live Tapes』が2枚組として発売される。(これがカウントとしては11作目になる。) ポリドールに移ってからの彼らの代表曲が並ぶが、前回のライヴ・アルバムに比べて迫力が増していて感動的な作品になっているのが特徴。ただ、私にとっての不満は演奏面でキーボードが大活躍しているウーリーだが、彼の自作曲が収録されなかったこと。バンドとの共同プロデュースにロールも共同プロデューサーとして名を連ねているのに。
しかし同年発売された12作目「XII」で溜飲を下げることになる。ここに収録されたウーリーの『In Search Of England』がとんでもない名曲だった。最初に聞いたあとすぐに、何度繰り返し聞いたか分らない。さらに、他に収録された曲がどれも素晴らしく、このアルバムは名盤と読んでもいいほどの作品だと思うのだが、海外に比べ日本での評価は残念ながらそれほど高くはない。
★音源資料E BJH『In Search Of England』
じつはウーリーはHarvest時代の作品でも自ら作曲した作品を幾つかアルバムに収録している。それらはオーケストラを伴った浮遊感のあるシンフォニック・ナンバーだった。彼は大好きな音楽家としてデヴュー当時からマーラーの名前を挙げていた。確かにマーラーの交響曲のような雄大な世界観を目指していたことが理解できたのだが、ポリドールに移籍以降、オーケストラに頼らず多種のキーボードを重ねることで自分なりのシンフォニーを奏でることを徐々に会得していったことがよく分かる。
ちょうど、この年にマンダラバンドとしての2枚目にあたる『魔石ウェンダーの伝説』が発売されるわけだ。今回紹介してきたように76年~78年までその録音過程のロールの活動はストロベリー・スタジオでBJHと共に過ごした中から生まれたと言ってもいいだろう。
本当は『魔石ウェンダーの伝説』は、アイルランドで録音制作することが計画されていたという。予算上の都合でその計画は消えたというが、それ故ロールのホームグラウンドであるストロベリーでの仕事となり、BJHそしてウーリーと存分に仕事できたことになる。その後のロールとウーリーの音楽上の関わりを考えた時に幸いであったと考えていいだろう。
奇しくも、ウーリーは『XII』を最後にBJHから脱退することになる。私は79年にBJHの新作『Eyes Of The Universe』が出て初めて気付いたことだったが、これは大きな出来事だった。その13枚目の作品はそれまでと同じストロベリー・スタジオでの録音だったが、プロデュースはバンドとマーティン・ローレンス(Martin Lawrence)。彼は、『魔石ウェンダーの伝説』でロールと共にエンジニアを担当しており、後を任された格好なのだろう。バンドは新たなキーボード・プレイヤーは入れず残った3人で活動を続ける意志を固めた。ただゲスト・ミュージシャンを招き、ここではケヴィン・マカレア(Kevin MacAlea)が2曲でキーボードを担当している。
クレジットには他にもヴィク・エマーソンへの謝辞が添えられていた。お気付きだろうが彼は『曼陀羅組曲』で演奏しサッド・カフェに移った最初のマンダラバンドのキーボード・プレイヤーだ。これも想像でしかないのだが、ロールのBJHに対する配慮だったような気がする。
しかし、ウーリーが脱退したことと、デヴィッド・ロールも不在と言う状況の中でのアルバムの統一感は乏しく感じられた。と言うよりも、テクノ・ポップやディスコ的な部分が感じられる音楽性は全くピンとこなかった。ウーリーの脱退の理由はバンドがポップ化に向かっていくことへの反発だったというが、このアルバムだけを聞くと理解できてしまった。
◎画像⑩ Woolly Wolstenholme 『Maestoso』(1980)
その後、ウーリーは80年にソロ・アルバム『マエストソ(Merstoso)』を発表し、映画やTVの音楽を仕事とするが98年に一度音楽業界からの引退を決意する。2000年代に入ってから再びソロ・アルバムを出すようになると、2つに分かれたBJHのジョン・リーズ側に迎えられ久々にステージ活動も再開する。と同時に、ロールの新たなマンダラバンドにも参加している・・・・・と、ウーリーのソロ・アルバム以降の活動と30年ぶりにその名が復活したマンダラバンドについては次回に譲りたい。
今回、駆け足でBJHについて触れてきたが、彼らは私にとって5本の指に入るフェイバリット・グループである。しかし今回はウーリーにスポットを当てたために、他のメンバーにも名曲群にも全く触れなかった。ご容赦願いたい。BJHについては別の機会に改めてこのコラムで取り上げていきたいと考えている。
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スタジオ・ミュージシャンを中心に結成されたイギリスのプログレッシブ・ロックバンドの78年2nd。今回はDavid Rohlの空想絵巻をコンセプトとして製作されており、デビュー作に参加していたメンバーは残っておらず、BARCLAY JAMES HARVEST、THE MOODY BLUES、10ccなどのメンバーが参加した企画ありきのスタイルを取っています。その内容は荘厳なオーケストラを従えた、デビュー作と並ぶシンフォニック・ロックの名盤であり、THE MOODY BLUESのJustin HaywardやSTEELEYE SPANのMaddy Priorのボーカルが存在感を示します。10ccが全員参加している点も特筆すべきでしょう。
デジパック仕様、2枚組、デジタル・リマスター&リミックス、ボーナス・トラック6曲
盤質:傷あり
状態:並
スレ・圧痕あり、若干汚れあり
71年発表の第三作「And Other Short Stories」。劇的なチェロの調べで幕を開ける本作は、アコースティックなサウンドを主体にさまざまな曲想の作品が並んでいます。 前二作での試みは着実に結果を生み、オーケストラを完全に楽器の一つとして使いこなしたシンフォニックなアレンジは、これまでで最高。 タイトル通り、比較的短い曲を集めており、曲数も今までで最も多いです。 オーケストラ・アレンジはMARTYN FORDに交代。 プロデュースはウォーリー・アレンとグループ。 管弦によるアレンジ含め、アコースティックな音を活かしたフォーク風のファンタジックな楽曲で充実した作品。 オーケストラはアレンジの手段として的確かつ集中的に使用されるようなっており、 特に最終曲はすばらしいでき映え。 また、メンバーのStuart Woolly WolstenholmeやLes Holroydの作品がいかにもこのグループらしい優美なメロディック・サウンドであるのに対して、リーズは積極的に様々な方向へとアプローチしてそれぞれに質の高い作品を生んでいます。 それでいながら全体に散漫な印象を与えないのは、アコースティックな美しさを強調した幻想的なサウンドという通奏低音があるせいでしょうか。 どこを取っても美しいメロディとパストラルなアンサンブル。 オーケストラ嫌いの方でも、このアルバムのサウンドの湛える淡い情感には魅せられることでしょう!
英国ロックのナイーブな叙情性とメロディアスで牧歌的なフォーク・ロック的メロディー・メイク、そして、オーケストラを加えた大掛かりな編成でダイナミズムとシンフォニック・ロック然とした音楽性を打ち出した、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック史に残る名グループの71年作2nd。初期の傑作とされる本作は非常に繊細で優しげなサウンドが心地良い名作であり、特にメロトロンを中心に幻想的に聴かせる手法など、前作からよりファンタジックな叙情を感じさせるサウンドへと変化。一方で後にTHE ENIDを率いるRobert John Godfreyのアレンジによるオーケストラはダイナミックにシンフォニックな彩りを放っており、彼らの個性が花開いた1枚となっています。
72年にHarvestより発表された4thアルバム。傑作2nd、3rdの延長線上にある、叙情的かつ重厚なサウンドが素晴らしい名作。「Moonwater」は、よりクラシック然としたサウンドが素晴らしい名曲。
英国ロックのナイーブな叙情性とメロディアスで牧歌的なフォーク・ロック的メロディー・メイク、そして、オーケストラを加えた大掛かりな編成でダイナミズムとシンフォニック・ロック然とした音楽性を打ち出した、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック史に残る名グループの75年作7th。POLYDORへ移籍第3弾である本作は、POLYDOR移籍後の彼らのバンド・サウンドの成果が結実した名盤であり、ポップ・シンフォニック期の彼らの代表作と言えるでしょう。適度にアメリカン・ロック的な雰囲気も覗かせますが、淡い幻想性を持ったサウンドはやはり英国的な甘みを持っています。
英国ロックのナイーブな叙情性とメロディアスで牧歌的なフォーク・ロック的メロディーメイク、そして、オーケストラを加えた大掛かりな編成でダイナミズムとシンフォニック・ロック然とした音楽性を打ち出した、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック史に残る名グループによる76年作8th。HARVESTレーベルを離れPOLYDORへ移籍後は生オーケストラを封印しシンセサイザーによってシンフォニックなドラマ性を演出するアプローチを取った彼らですが、本作では再びオーケストラを起用、加えて混声合唱も導入したスケール大きく神秘的な音作りを行なっています。持ち前のポップ・フィーリングは相変わらずのクオリティを誇りますが、楽曲の展開などには非常にプログレッシブ・ロック然とした雄大な流れが伺える名作です。
英国叙情派プログレ屈指の名バンド。77年に発表された通算10枚目で、ジャケットのイメージどおりの陰影豊かな叙情と幻想性に満ちた佳曲がつまった名盤であり代表作。オープニングを飾る代表曲のひとつ「Hymn」から彼ららしい優美で穏やかで詩情豊かな音世界が広がります。アコースティックで柔らかな冒頭からキーボード、そしてストリングスと被さってきて壮大にフィナーレを迎える展開が実に感動的です。ある評論家が彼らのことを「Poor Man’s Moody Blues」と揶揄したことに反発して作った楽曲も粋で、ムーディーズの代表曲「サテンの夜」に似せつつもバークレイならではの美しさがつまった名曲に仕上げていてあっぱれ。その他の曲もアコースティックな温かみとメロトロンやオーケストラの壮大さ、英国ならではのメロディがとけあった佳曲が続きます。英国叙情派プログレの傑作です。
78年発表の12枚目。より洗練を極めたクラシカルで美しいポップ・ナンバーが揃った名盤
廃盤、紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ミニポスター付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干色褪せあり、帯中央部分に色褪せあり
英国叙情派プログレを代表する名グループ。93年作。しっとりとメロディアスなギター、幻想的にたなびくキーボード、優しく紡がれる英国らしい叙情的なメロディと親しみやすいヴォーカル。変わらぬ美旋律を飾らず誠実に響かせる職人芸の名品です。
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