再び電話徒然。’70年代初頭にブレークし、数多くのヒット曲を残しながら1973年9月20日、飛行機事故で他界した、ジム・クロウチの「Operator (That’s Not The Way It Feels)」は交換手にまつわる歌。1972年発表の『You Don’t Mess Around With Jim』に収録されていました。
電話を越えて通信のほうまで行くと、Klatuuの「Calling Occupants Of Interplanetary Craft」というのもありますが、これはさすがに範囲広げすぎですね。発表当時、Beatlesがやっているだのなんだの無責任なセールス・トークが一人歩きしたバンドですが、カケレコ・ユーザーのみなさんには今更説明するまでもないでしょう。Carpentersがカヴァーしており、1977年発表の『Passage』に収録されていました。
トッド・ラングレン「Hello It’s Me」もそれっぽいですね。言わずもがなの名盤『Something Anything』収録曲でした。数多くのカヴァー・ヴァージョンが存在しますね。ABBA「Ring, Ring」っていうのもありました。ビョルンとベニーからABBAへ発展した初期のヒット曲。初期ABBAの重要曲なので、大抵のベスト盤には入っています。
最初の黒人アーティストのところで重要な1曲を忘れていました。チャック・ベリー「Memphis」です。大変有名な曲を忘れていました。これも大量のカヴァー・ヴァージョンが存在しますが、Faces『A Nod’s As Good As A Wink…To A Blind Horse』ゆるくローリングするバックの演奏の上でロッド・スチュワートが気持ち良さそうに歌う姿が目に浮かび、ほっこり幸せな気分になるカヴァー・ヴァージョンです。
ロニー・レインとケニー・ジョーンズのリズム・セクションは本当にこのふたり独自のタイミング感覚ですね。コピーしてもこのノリは再現しきれない。このふたりがコンビを組んだ時に起こる一種の魔法みたいなものだと思います。まさに人間国宝的世界なんですが、ロニー・レインはもうこの世にいない。
ロニー・レインってもしまだ存命だったらどんな音楽活動していたんでしょうかね? まぁ、考えるまでもないか・・・。絶対、そのまんまだったでしょう。でも、歳を重ねた分だけその音楽は滋味深いものになっていたでしょうね。おっと、Steely Dan「Rikki Don’t Lose That Number」1974発表の3rdアルバム『Pretzel Logic』の1曲目もありました。なんと言っても邦題が「リキの電話番号」ですからね。
国際電話の歌というのもあります。ホール&オーツの「Hard To Be In Love With You」です。ヒット曲を連発し当時のアメリカのロック・シーンを代表するアーティストとして頭角を現した時期、1980年発表の『Voices』に収録されていた曲です。ヒット曲としては「Kiss On My List」と「Everytime You Go Away」が収録されており、Righteous Brothersの「You’ve Lost That Lovin’ Feeling(ふられた気持ち)」のカヴァーが収録されたことで当時話題になった作品でした。遠距離恋愛は無理!といった感じの歌ですが、どんなに通信手段が進化しコミュニケーション・ツールが便利になろうと、時差だけは解消できないので、この歌のテーマは今も有効ですね。発売当時、世の中いろんな歌があり、様々なことがテーマになるのは解っていても、変なこと歌っているなぁ、と思いました、個人的体験に基づく歌だったんでしょうかね?
というわけで、今回は電話にまつわる話でした。最後は10CCの『How Dare You!』聴きながら終わりたいと思います。邦題『びっくり電話』。言い得て妙な邦題なんですが、これだけ見たら変な邦題ですね。
ただ、これ、以前書いた記憶があるので外したのですが、これを書いた記憶があるということは、電信電話記念日って以前やっちゃったのかという、疑問が今、浮かんできました。記憶にないので大丈夫かとは思いますが、もし以前やっていてもここまで書いてしまったら取り返しはつかない!もしやっていたとしても、まぁ、リミックスかリマスターってことでよろしくお願いしたい次第です。
Hard To Be In Love With You
さて、今月の1枚。今、作業中の作品。King Crimsonの最新ライヴ・パッケージ『Meltdown: Live In Mexico』です。2017年ツアー1stレグの最終公演地メキシコシティでの5公演からライヴで、今回は2016年発表の『Radical Action』と同じ形態でコンサート映像を収めたブルーレイとCD3枚のセットとなっています。今年の11月末から12月にかけ3年ぶりのジャパン・ツアーを行う彼らの来日記念盤代わりとなる作品です。早いもので現ラインナップは5年目。同一ラインナップによるKing Crimsonとしては史上最長を達成しました。
ここで取り上げた理由は、これまでのCrimsonのライヴはロバート・フリップ監修の元、DGMのデヴィッド・シングルトンらが主導してライヴ・ミックスを制作してきたのですが、今回は現メンバーでドラムからキーボード担当にスイッチしたビル・リーフリンが監修し、彼の地元であるシアトルで活躍するエンジニア、ミュージシャンのドン・ガンがミックスを担当。久々の人任せミックスとなりました。
で、このミックス、やはり今までと比べ、クリスピーな仕上がりで各楽器の定位がびっくりするくらいはっきりしています。先に出ている『Live In Chicago』と比べると、よりはっきり・くっきりしていることが判ります。ここのところライヴ盤続きですが、今回のヤツはここ数年出たライヴ盤の中では一番いい仕上がりという印象を持ったので紹介させていただきました。
当初、10月3日発売となっていましたが、ブルーレイ・マスターに不備があり全世界的にマスター差し替えとなった関係で発売は下旬に延期となってしまいましたが・・・。
スティーヴ・マリオットが抜けたスモール・フェイセスに、ジェフ・ベック・グループからロッド・スチュワートとロン・ウッドが加わりフェイセズが誕生。彼らの最高傑作との声高いのが71年リリースの本作3rdです。フェイセズの真骨頂と言える酔いどれロックの佳曲ぞろいですが、中でも特筆なのが代表曲の「Stay With Me 」。ファズの効いたエレキが軽快にリフを刻むオープニングから、力強く響くドラムを合図に、太いベースとスライド・ギターが雪崩れ込み、軽快なピアノも重なって、フェイセズにしか出せない酔いどれグルーヴで突っ走ります。ロッドのソウルフルなヴォーカルもテンションみなぎっていてグッとくるし、「Guitar!」のシャウトに応えるように入ってくるロンのギターソロがまたカッコいい!ラストへ向けて上りつめる演奏はまるでライブの熱気と興奮。とことんグルーヴィーで愉快な酔いどれロック名盤です。
紙ジャケット仕様、10年デジタル・リマスター、内袋・ポスター付仕様、定価2667+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
紙ジャケに若干色褪せあり、帯に折れあり
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