2024年4月19日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
北欧シンフォニック・ロックの原点に位置するバンドと言えばカイパですよね。
22年作『URSKOG』の出来栄えも、いつもながら感動ものでした。
そんなスウェーデンが誇る名バンドKAIPAのファンに是非聴いてみていただきたい北欧プログレ作品が、70年代から現代にいたるまで数多くありますので、一挙ご紹介できればと思います♪
まずは会心の一枚となったKAIPAの22年作からスタート!!
北欧シンフォのレジェンド、5年ぶりとなる22年作!
Hans Lundinの幽玄なるシンセをバックに、Patrick Lundstromがフレディ・マーキュリーを思わせる力強くも厳かなヴォーカルを響かせるオープニング。次第にシンセが艶やかな色彩を帯び躍動し始めると、それにPer Nilssonが優美で滑らかなギタープレイで応じ、一転リズムを得てダイナミックに演奏が動き出します。
この開始3分でKAIPAの揺らぐことのないイマジネーション溢れ出す音世界に惹きこまれること必至。
特にギタリストPer Nilssonによる偉大な前任者Roine Stoltとは全く異なるアプローチながら、これぞKAIPAと言うしかないプレイが圧巻!
そんなKAIPAの歴史における最重要人物の一人がRoine Stolt。彼が率いるこのバンドにもKAIPA好き必聴の作品があります☆
ロジャー・ディーンのアートワークも素晴らしい2020年作。
Tomas Bodinの後任Zach Kamminsによる、HansLundin彷彿の柔らかくも芯のあるシンセやオルガンと、Roineの歌うように情感豊かなギターがエモーショナルに交歓する、ドリーミーな面を強く感じさせるシンフォニック・ロックが素敵すぎます。
彼らのディスコグラフィー中、特にKAIPAファンにオススメしたい内容!
そのTFKのフロントマンによる別働バンドのこちらも、実はKAIPAファンに聴いて欲しい作品だったりします。
キーボードが担うTFKばりのスケール大きな音作りの中で、熱く歌い込むハッセのハスキー・ヴォーカルとメロディアスなギターがドラマチックに絡み合う、高品質なハード・ポップを繰り広げます。
TFKファンは勿論、KAIPAやKAYAKがお好きなプログレ・ファンにもオススメ!
そして、KAIPAやTFKを受け継ぐ存在なら何と言っても、北欧のみならず現プログレ・シーン最高のバンドがついにリリースしたこの作品を挙げずにはいられません!
抜けるようにファンタスティックで爽快な演奏、力強くも神秘的なコーラスワーク、そしてキャッチーかつリリシズムに富む珠玉のメロディ。
そんな変わらぬMOON SAFARI印のサウンドを中心に据えつつも、メロディアス・ハード的表現や初期QUEENばりの荘厳さなど新たな要素も取り込んで、さらに前進する彼らの姿を浮き彫りする傑作。
こりゃ文句なしに激カケレコメンド!!
さて、KAIPAファンへのオススメ盤として一押ししているのが、彼らと同郷スウェーデンのこのマイナー・シンフォ名品☆
スウェーデン出身のキーボード・シンフォ・トリオが79年に残した唯一の作品。
決して技巧派というわけじゃないけれど、オランダのTRACEと同郷KAIPAを溶け合わせたような、クラシカルな美麗さと北欧然とした透明感&温かみが融合したサウンドが至上。
こりゃ秘宝感満点のジャケット通りのサウンドだなぁ。
基本ジャズ・ロックなのですが、KAIPA味が感じられるこの作品も大変良いです!
聴いて頭に浮かんだコピーは「カイパ meets イル・ヴォーロ」。
キレ味と流麗さが同居したデンマーク産インスト・ジャズ・ロックの隠れ名作!
こちらはKAIPA時代のロイネ・ストルトっぽいギタープレイが印象的な、北欧シンフォの実力派による一枚!
ハッセばりのハスキー・ヴォイスとロイネばりの叙情フレーズで畳みかけるギターが紡ぐ、「いなたいTHE FLOWER KINGS」と呼べそうなシンフォニック・ロックにグッと来っぱなし。
ノルウェーのベテランによる貫禄の21年作!
北欧と言っておきながら、オランダのこのグループも引っ張り出しちゃいましょう☆
イエスやフォーカスや北欧のカイパが好きなら、このオランダのマイナー・グループには「おおっ」と前のめりになっちゃうはず!
エネルギッシュなリズム隊&ギターと、涼やかなトーンのキーボード&流麗なフルートやサックスによる、緩急しなやかな演奏に惹き込まれます。
地味過ぎるジャケットが何とも惜しい…。
いかがでしたか?よろしければこちらの記事もどうぞ。
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新作リリース&来日決定を記念して、スウェーデンの大御所バンドTHE FLOWER KINGSを率いる才人ロイネ・ストルトに迫ってまいりたいと思います!
デンマークのインスト・ジャズ・ロック・バンド、ポリドールから76年にリリースされたデビュー作。聴いて頭に浮かんだコピーは「カイパ meets イル・ヴォーロ」。カイパに通じる北欧らしい幻想性やリリシズムに加え、イル・ヴォーロを彷彿させる清涼感あるフュージョン・ロック風味があって、このバンドはいいなぁ。シャープかつ手数多く引き締まったリズム・セクションをはじめ、テクニックも特筆だし、キレ味と流麗さが同居したアンサンブルも見事。これは名作です。
女性Key奏者&ヴォーカル、サックス&フルート奏者を擁するオランダの5人組プログレ・バンド、76年唯一作。太くもエッジの立ったトーンのリズムと粒立ちの良いキャッチーなリードがフォーカスを彷彿させるエレキ・ギター、ゴリゴリと疾走するベース、手数多くスピーディーに畳み掛けるドラム、そして、エネルギッシュなリズム隊&ギターと対照的に、涼やかなトーンのキーボード、流麗なフルートやサックス。そんな各パートが押しては引いてのせめぎあいを続ける「緩」「急」いっぱいのアンサンブルが持ち味です。イエスやフォーカスや北欧のカイパが好きなら「おおっ」となることでしょう。インスト中心ながら、時にハイ・トーンの女性ヴォーカルも入るのも特筆。ちょっとバタバタ感はいなめませんが、そのB級感がまた愛すべきところであり、リード・ギターをはじめ、リードはハッとするメロディに溢れています。
スウェーデン出身のキーボード・シンフォ・トリオが79年に残した唯一の作品。これは、オランダのTRACEと同郷のKAIPAを合わせたようなサウンド!気品高く美旋律を紡ぐクラシカルなオルガン、北欧然とした透明度高くデリケートな音色のシンセ、そしてどこか人懐っこく温かみあるスウェーデン語ヴォーカルが織りなすシンフォニック・サウンドは、技巧的ではありませんが、両バンドに通じる味わいを持っています。気高く飛翔するヴァイオリンやトランペットもアンサンブルを劇的に彩っていて至上。秘宝感満点のジャケット通り、これは北欧シンフォ・ファンならマストな一枚!
00年代プログレを代表するバンドの一つと言えるスウェーデンの人気グループによる、待望の「HIMLABACKEN」第2部となる23年作!高らかに響くシンセサイザーにキラキラしたピアノが寄り添うワクワクするような冒頭、そこにリズム隊とギターがバーンッと入ってくると一気に視界が開けます。ギターの流麗なフレーズを合図に、お待ちかねの力強くも優しさに溢れたコーラスが飛び出してきて、10年待ち続けた身としては早くも感動。まばゆいばかりのオープニングに、ファンであれば「MOON SAFARIが帰って来た…!」と呟いてしまう事でしょう。ハードなギターとドラマティックに歌い上げるヴォーカルになんとJOURNEYがよぎるキャッチーな2曲目、かと思うと『LOVER’S END』に入っていそうなめくるめくポップ・チューンの3曲目も実に素晴らしい。必殺のコーラスワークが劇的に盛り上げる胸を打つバラードの4曲目も最高です。そして21分の大作がまた聴きモノ。ストリングスが荘厳に迫りくるQUEENばりの導入部に始まり、ハートフルでメロディアスなMOON SAFARI節のヴォーカル・パートを経ると、シンセとギターがアグレッシヴに疾走しシアトリカルなヴォーカル&コーラスが登場する『II』『オペラ座』QUEEN彷彿の展開が再び幕を開けます。終盤には彼ららしい美麗なコーラスを生かしたファンタスティックな演奏へと回帰し、北欧の雄大な自然を映し出すようなイマジネーション溢れるサウンドでエンディングを迎える、この一大シンフォ絵巻には間違いなく圧倒されてしまうはず。抜けるようにファンタジックで爽快な演奏と、マジカルなコーラスワーク、そして珠玉のメロディ。そんな変わらぬMOON SAFARI印のサウンドを核としつつも、エッジの効いたメロディアス・ハード的表現や初期QUEENばりの荘厳さなど新たな要素も織り込んで、前進する彼らの姿を浮き彫りする傑作に仕上がっています。文句なしのカケレコメンド!
ご存じプログレッシヴ・ロック界を代表するギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、久々となる2枚組の2020年作。前作より加入した鍵盤奏者Zach KamminsによるHans Lundinを思わせる柔らかくも芯のあるシンセやオルガンのプレイと、Roineによる歌うように情感豊かなギターがエモーショナルに交歓する、ハードさよりもドリーミーな面を強く感じさせるシンフォニック・ロックを繰り広げます。抜群の安定感でタイトにアンサンブルを支えるリズム隊もいつもながら素晴らしいし、ハスキーながら伸びのある歌声が魅力のHasse Frobergも、熱く歌い上げる力強い歌唱と囁くようにジェントルな歌唱を織り交ぜ、表現力豊かに歌っていてさすがの一言です。S. Hackett周辺で活動するサックス奏者Rob Townshendによるジャジーで軽やかなソプラノ・サックスをフィーチャーしたナンバーも聴き所。ロジャー・ディーンの幻想的なジャケット通りと言える、夢の世界を冒険するようなどこまでもファンタジックなサウンドが胸に迫る作品。KAIPAファンなら是非!
THE FLOWER KINGSのリード・ヴォーカル&2ndギタリストとして知られるHasse Frobergが、TFKが長期休養中だった2008年に結成したグループ。21年リリースの5thアルバム。キーボード群が担うTFKに迫るスケール大きな音作りの中で、持ち前のハスキーな声で熱く歌い込むハッセのヴォーカルとひたすらメロディアスなギターがドラマチックに絡み合う、キャッチーかつ情感豊かなハード・ポップを繰り広げます。一聴して北欧産と分かる神秘的で透明度の高い音使いも魅力的。アコースティックなパートでのリリカルでメランコリックな表情のヴォーカルは、TFKにはあまり出てこない味わいで聴き所です。これはTFKファンは勿論ですが、90s以降のハード・ポップ好きの方や、KAIPAやKAYAKなどがお好きなプログレ・ファンにも響きまくるサウンド!
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