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BIG BIG TRAIN特集! ~バンド・ヒストリー&ディスコグラフィー~ 現大英帝国が誇るプログレッシヴ・ロック・バンド

90年代~00年代イギリスの最高峰プログレ・バンドと言えるBIG BIG TRAINを特集いたします。

21年には長年のフロントマンDavid Longdonが急逝するという悲劇に見舞われた彼らですが、新ヴォーカルを迎え、新録を含む23年作『INGENIOUS DEVICES』を届けてくれました。

今回はバンドのオフィシャル・サイトのヒストリーを元に、メンバーの変遷を見ていくとともに、作品を聴いてまいりましょう。

BIG BIG TRAINヒストリー&ディスコグラフィー

1990年

BIG BIG TRAINをデビュー以来牽引するのが、Andy Poole(ベース、のちにギターをメインに担当)とGreg Spawton(ギター、のちにベースをメインに担当)の二人。当初は彼ら二人のデュオとして活動をスタートしました。

ベーシスト/マルチ・プレイヤーとしてのみならずプロデュース、アート・ワークなど、バンド全体をデザインするコンダクターのAndy Poole。メインで作曲を担うGreg Spawton。

バンドは長いヒストリーの中で多くのメンバーチェンジを経ますが、この2人は不動であり、この2人をブレインとするプロジェクト・バンドと言うこともできるでしょう。ずばり、現代のアラン・パーソンズ・プロジェクトと言えるような名コンビの誕生です。

1991年

Ian Cooper (keyboards)、Steve Hughes (drums) 、カナダ人のヴォーカリストMartin Readが加入し、デュオからバンド編成となりました。ライヴを行いながら曲を作り、カセットデモ音源を自主リリースしながら活動を本格化していきます。

Andy Poole(B)
Greg Spawton(G)
Ian Cooper (key)
Steve Hughes (dr)
Martin Read(Vo)

1993年

フルアルバム用の楽曲を2週間で録音。IQが所属していたレーベルGEPと契約し、リリースされた待望のデビュー作が『Goodbye To The Age Of Steam』です。

スティーヴ・ハケットゆずりの繊細かつリリカルなギター、軽快なタッチのピアノ、時に奥まったトーン、時にきらびやかなトーンでシンフォニックな色合いをつけるキーボードを中心に、ピーター・ガブリエル期のジェネシスへの愛情がつまった変拍子によるドラマティックな展開を散りばめながら展開するアンサンブルが聴きどころ。

ただ、「ジェネシス憧憬」一辺倒ではなく、XTCやネオ・アコなどの流れもあるイギリスらしいポップ・フィーリングを織り交ぜるのがこのバンドの持ち味で、カナダ出身者らしい伸びやかなハイ・トーンのヴォーカルがまたポップさを引き立たてています。

あらためて聴いてみると、ジェネシス・フィーリングとビートルズ遺伝子ポップの取り合わせは、北欧スウェーデンのムーン・サファリとも共通しています。ムーン・サファリと言えば、ジェネシス的センスを持ったSimon Aesson(Key/Vo)とポップなPetter Sandstrom(Vo/G)の二人の組み合わせがマジックを生んでいますが、初期のBIG BIG TRAINも同じで、これは70年代のプログレ、80年代のビートルズ遺伝子ポップを通過した「孫世代」と言える90年代以降のグループならではの特徴と言えるでしょう。

ムーン・サファリと違うのは、にじみ出る英国ならではの「陰影」で、特にアコースティック・ギターの感じはいかにも英国的。アンソニー・フィリップスに通じるセンスを感じます。

1995年

Ian Cooper(Key)が脱退し、代わりにTony Muller(Key)が加入しました。

1997年

2nd『English Boy Wonders』をリリース。

1stでは、ジェネシス憧憬のプログレを軸に英国伝統のポップ・センスを織り交ぜたサウンドが特徴でしたが、直接に「ジェネシス」風のアンサンブルはなくなり、ビートルズやジェネシスを起点に、XTCやネオアコやインディーロックなどのエッセンスも散りばめた、大英帝国ロックの歴史を俯瞰したようなサウンドへと変化した印象です。いつの時代にも流れるブリティッシュならではの「叙情性」を抽出し、90年代スタイルのプログレとして仕立てあげたような感じ。

キーボーディスが交代しましたが、ピアノときらびやかなシンセを多用する前任者と比べ、新任のTony Mulleはメロトロンを多用するスタイルで、全体を淡い陰影でまとめています。

デビュー作に比べオリジナリティが格段に増した快作です。

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1998年

Steve Hughes(Dr)がENIDへ参加するために脱退。代わりにPete Hibbit(Dr)が加入します。2nd『English Boy Wonders』は売れ行きが悪かったようで(なぜだ!)、GEPレーベルを解雇されてしまいました。この後は、自前のスタジオを作り、独立して活動することになります。

2002年

Ian Cooper(Key)が復帰。
3rd『Bard』をリリース。
その後、Steve Hughes (Dr) も復帰します。

3rd『Bard』

女性ヴォーカルがゲスト参加しているのが特筆。たゆたうような幻想性と英国らしい陰影に満ちたメロディアスなパートを軸に、ここぞでは、ヴィンテージな色合いのプログレ・ハードが炸裂してたまりません。

1st/2ndではあまり感じませんでしたが、本作ではイエスのDNAを感じます。名曲「Broken English」の中間部なんて、ゴリゴリなトーンで疾駆するベースはまるでクリス・スクワイアだし、スティーヴ・ハウばりのキレのあるオブリガードも入ってきて、相変わらずの70年代プログレへの憧憬っぷりに胸が熱くなります。

でも、決して「フォロワー」にはならないのが彼らの特筆すべきところで、影響を咀嚼し、他の英国ロック&ポップスの伝統も加えながら、新たなるサウンドを紡いでいます。

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2004年

デビューから在籍していたカナダ人ヴォーカリストMartin Readが抜け、新たにSean Filkins(Vo)を加えた編成で制作されたのが4th『Gathering Speed』

一気に洗練され、出世作となった作品。フィル・コリンズを彷彿させる歌声のSean Filkinsの加入もあってか、再びジェネシス色が表に出ました。それも、溢れんばかりに出ていて、最もジェネシス色の強かったデビュー作以上のこぼれっぷり。

繊細に紡がれるギターのアルペジオと糸をひくようなキーボードの旋律とが折り重なるファンタスティックなパート、そして、変拍子で前のめりにつっかかるテンションいっぱいのパート、気品あるアコースティックなパート。

デビュー作では奥まったサウンドで「ネオ・プログレ」という印象が強かったですが(←それはそれで魅力的)、本作では、ジェネシスのDNAをモダンなサウンドへと見事に洗練させています。

ポスト・ロックのエッセンスを加えた感じで、透明度が増した結果、持ち味だった「幻想性」がキラキラと輝いている印象。

アレンジのアイデア、ドラマティックな展開ともに引き出しが増えていて、「覚醒」というキーワードがぴったり。一気にプログレ新鋭シーンの最前線へと躍り出た大傑作です。

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2007年

前作からじっくりと3年の時を重ね、リリースされたのが5th『Difference Machine』

モダンに覚醒した前作の延長線上に、ポスト・ロックのエッセンスを強め、さらに洗練された印象。透明度を増した音像から浮かびあがるのは、デビュー時から変わらぬジェネシスのDNAを継いだ叙情美で、息を呑む美しさ(メロトロンとフルートも絶品!)。

オープニングでは、音の粒子が沈みこんでは揺れる間をヴァイオリンが流麗に紡がれたり、2曲目ではいきなりサックスがフィーチャーされてキング・クリムゾンばりのテンションをみなぎらせたり、アレンジのアイデア、それが生む空間的な音の広がりは特筆ものだし、シャープなトーンでエッジとダイナミズムを生むドラムもまた素晴らしい。

ドラマに満ちた構成にも磨きがかかっていて、10分を超す大曲が3曲収録されていますが、どれもが出色の出来栄えです。

聴きながら、直接的には似てないんだけど、初期ジェネシスのあの器楽性とドラマ性への00年代からの確かな回答だなぁ、なんて感じてしまいました。

本作を最後にSean Filkins(Vo)とSteve Hughes(Dr)が脱退しますが、ジェネシス、イエス、キング・クリムゾンのエッセンスを散りばめながらも「ヴィンテージ」にならずにモダンに描ききる、というスタイルは彼ら二人が居た編成ならではの魅力であり、BIG BIG TRAINのサウンド面での先進性という点で、一つの到達点といえる傑作です。

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2009年

Sean Filkins(Vo)とSteve Hughes(Dr)が抜け、代わりにDavid Longdon(Vo/Flute/Key)とNick D’Virgilio(Dr)が加入し、新たなBIG BIG TRAINへと生まれ変わりました。

David Longdonは、ジェネシスから誘いを受け、フィル・コリンズの代わりのヴォーカリストのオーディションに参加したという逸材(結果、ジェネシスの新ヴォーカルにはRay Wilsonが決定)。
一方、スポックス・ビアードのドラマーとして知られるNick D’Virgilioは、実際にジェネシスの97年作『CAILLING ALL STATIONS』に参加しています。

ジェネシスからお呼びがかかったという事実だけでも2人の実力はわかろうというものですよね。

新生BIG BIG TRAINとして09年にリリースしたのが6th『Underfall Yard』。ゲストとして、なんとXTCのDave Gregory、IT BITESのFrancis Dunnery、FROST*のJem Godfreyが参加しています。

「モダン」なシンフォニック・ロックを極めた前作と比べ、ジェネシスやイエスのエッセンスへと回帰し、幻想的なシンフォニック・ロックへと揺れ戻った印象。しっとりと「陰影」のある美声のDavidも見事に溶け込んでいます。

そんな幻想サウンドと対を成すように、イエスのエッセンスが今までにないほど前面に出ていて、スリリングに切り込むオブリガードはスティーヴ・ハウばりのテンションだし、ベースもゴリゴリと疾走しまくるし、イエスの爽快さを受け継いだパートを織り込むことにより、全体としては幻想的なサウンドにダイナミズムが生まれています。

「ジェネシスやイエスが好きなんだけど、現役のバンドで良いのないかな。しかも、フォロワーに終わってなくて、新しさもあるバンドがいいんだよね。」という質問に対しては、本作は文句なしのベストチョイス。「鮮烈」と「ファンタスティック」の間をダイナミックに行き交うスペクタクルな傑作です。

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2011年

09年作『Underfall Yard』ではゲスト参加していた元XTCのギタリストDave Gregoryが正式加入!

2012年

Danny Manners(Double Bass/Key)が加入し、バンドは6人編成へとスケールアップしました。
なお、この時期よりAndy Pooleがベースからギターへ、Greg Spawtonがギターからベースへとメインの担当楽器を交代しています。

Andy Poole(G)
Greg Spawton(B)
David Longdon(Vo/Flute/Key)
Nick D’Virgilio(Dr)
Dave Gregory(G)
Danny Manners(Double Bass/Key)

新たな6人編成で制作されたコンセプト・アルバムが『English Electric』で、『Part One』『Part Two』としてたて続けてにリリース。

7th『English Electric Part One』

北部の炭鉱町から南部にあるチョークの白い丘へと英国を巡りながら、その土地土地で暮らす人々を描いたコンセプト・アルバム。

前作で顕著だったイエスのDNAは薄まり、その分、英国らしいノスタルジックさが溢れていて、ジェネシスのDNAを継いだ幻想性と、ブリティッシュ・ポップの伝統溢れる「気品」と「叙情性」とが折り重なり、端正かつ柔らかな色合いで紡がれた英国度120%の佳曲ぞろい。

『静寂の嵐』あたりのジェネシスに通じる幻想プログレとアラン・パーソンズ・プロジェクトあたりの気品たっぷりのメランコリックな英ポップとを行き交うオープニング・ナンバーからブリティッシュ・ロックのファンは歓喜間違いなしでしょう。ムーグ・シンセが高らかに鳴って、曲のラストに向かって上り詰めるアレンジもドラマティック。

90年代以降はイタリアと北欧から優れたプログレ・バンドが続々と出ていて、本場イギリスはお株を奪われていますが、ナニクソとばかりに、いやいや、そんな肩肘張らずに、伝統の英国音楽の延長で、自然体で音を鳴らし、結果として最高峰のモダン・プログレを鳴らした、そんな一大傑作。

メロディの素晴らしさも特筆で、フックに富んだメロディは彼らのアルバムの中でも最高と言っていいでしょう。

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8th『English Electric Part Two』

『Part One』から続く英国とそこで暮らす人々を巡る旅路。

『Part One』では、ゆったりと紡がれる叙情的な楽曲が印象的でしたが、『Part Two』の15分を超えるオープニングの大曲「East Coast Racer」では、ジェネシスやイエスへの愛情がつまったスリリングかつドラマティックなキメのパートが盛り込まれていて、『Part One』よりも器楽性が高まっています。英国の大地を飛翔するようなスケールの大きなメロディアス・ロックを軸に、プログレならではのテクニカルなパートが躍動感を高めていて、めくるめくドラマはただただ圧倒的。彼らの持つ幻想性、器楽性、メロディ・センス、アレンジ・センス、すべてがつまった新たな代表曲と言えるでしょう。

2曲目以降も、ジェネシスとXTCとアラン・パーソンズ・プロジェクトのピースを組み合わせつつ、憧憬に終わらず、「モダン」な音像へと高めた、と言える素晴らしい楽曲ぞろいで、伝統のブリティッシュ・ロックの確かな最前線と言って過言ではないでしょう。

これまでの作品ではGreg Spawtonがほとんどの曲を作曲していましたが、『Part One』『Part Two』ともに、David Longdonが半分の曲を作曲しているのが特筆。Greg SpawtonとAndy Pooleの不動のデュオに、David Longdonという新たな才能が加わったことで、バンドとしてのスケールが増した印象。新生BIG BIG TRAINとして新たな地平へと躍り出た傑作が『ENGLISH ELECTRIC PART ONE』『PART TWO』と言えるでしょう。

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2013年

当初は『PART ONE』と『PART TWO』でそれぞれリリースされていましたが、2つをまとめ、新曲4曲とともに曲順新たに、90ページ超えのブックレットとともにリリースしたのが『ENGLISH ELECTRIC: FULL POWER』

オープニングを飾る新曲「Make Some Noise」の作詞・作曲はDavid Longdonで、彼の吹くフルートとともに、引き続き新生BIG BIG TRAINサウンドが高らかに鳴らされています。間奏はビートリッシュなロックン・ロール・フレイヴァーも飛び出して、モダンかつ大人な、ブリティッシュ然としたプログレ・ポップがクール!PVもカッコ良し!

「Make Some Noise」

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2015年

『ENGLISH ELECTRIC』と同じ編成にて4曲入りEP『WASSAIL』をリリース。

タイトル・トラックは、ヴォーカルのDavid Longdonの作詞・作曲で、『ENGLISH ELECTRIC』で確立した「モダン」で「ジェントル」で「叙情的」な大英帝国プログレ・ポップと言えるスタイルを軸に、オルガンが豪快に鳴り響くなど、これまでにないほどにワイルドにうねるプログレッシヴなキメで畳み掛けたり、6分48秒の中に数多くのドラマを散りばめた彼ららしい名曲。

Greg Spawton作曲による2曲目は、XTCやALAN PARSONS PROJECTの延長線上の大英帝国ポップをジェネシスから受け継いだ幻想性で包み込んだようなこれぞBIG BIG TRAIN!と心揺さぶられる楽曲で文句なしの素晴らしさだし、同じくGreg Spawton作曲による3曲目はヴィンテージなトーンのハモンド・オルガンが描くファンタスティック極まるインストでこれまたたまりません。

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2016年

『English Electric』からの6人はそのままに、北欧プログレ新鋭ビアードフィッシュのRikard Sjoblom(Key、G)、女性ストリングス奏者Danny Mannersの2人が正式加入し、新たな8人編成となり録音され、2016年にリリースされた9thアルバムが『Folklore』。

9th『Folklore』

フォークロア=伝承歌というタイトルどおりにトラッドの要素を取り入れつつ、ジェネシスのDNAを継いだシンフォニックな演奏もまた相変わらずで、英国ならではの「伝統」が息づく重厚かつ流麗なサウンドは、まるで映画を見ているように壮大。

10分を超える大曲が2曲収録されていますが、構成もただただ見事です。

円熟さを増しつつ、新たな地平へとプログレッシヴに前進した圧巻の傑作です。

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2017年

なななんと、2017年上半期には2枚のアルバムを立て続けにリリース!
内容も勿論素晴らしく、始動27年目にしてまだまだバンドのクリエイティビティが溢れんばかりであることを示しました。

10th『GRIMSPOUND』

名実ともに現英国プログレの頂点に位置するバンドによる17年作その1。モダンなスタイリッシュさとジェネシス憧憬の70年代テイストを絶妙に取り合わせる手腕が光る貫禄の一枚となっています。1曲であのJudy Dybleがヴォーカル参加!

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11th『SECOND BRIGHTEST STAR』

名実ともに現英国プログレの頂点に位置するバンドによる17年作その2。ヴァイオリン、ピアノ、アコギなどを主体に紡がれる英国の神秘的な森の情景を想わせる美麗なアンサンブルに支えられ、ジェントルで気品あるヴォーカルを主役とした叙情曲で構成された珠玉の一枚。前作と対になる作品として制作された作品です。

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2018年

『MERCHANTS OF LIGHT』

権威あるロンドンのカドガン・ホールで行われた17年ライヴを収録。スタジオ録音よりも壮大さとエモーションを増幅して迫るパフォーマンスからは、現プログレ・シーンの王者と言える風格さえ滲みます。ライヴ音源を聴かずしてBBTは語れない!?

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2019年

2018年にバンドの中心人物だったベーシスト/マルチ・プレイヤーのAndy Pooleが脱退。これでオリジナルメンバーはギタリストのGreg Spawtonのみとなります。しかし、モダンに洗練される中にもGENESISら70年代プログレの遺伝子が確かに息づいたサウンドには少しも影響がないことを、この19年作で見事に証明してくれました。

12th『GRAND TOUR』

英国貴族の子息が行なった大規模な国外旅行「グランドツアー」をコンセプトに、20人超の管弦楽隊を従え制作した待望の19年作!

メロトロンを効果的に用いたスケール大きくファンタジックなバンド・アンサンブル、癖のないピーター・ガブリエルと言える胸に迫るエモーショナルなヴォーカル、そして演奏を芳醇に彩るジェントルで厚みある管弦アレンジ…。

キャリア30年を迎えるバンドらしい風格と、そうとは思えない音の瑞々しさ。両者を併せ持った無欠の完成度を誇る傑作です!

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2021年

ライヴ・アルバム『Empire (Live At The Hackney Empire)』をリリースした2020年を経て、コロナ禍にも負けず充実のフル・アルバムをリリースしてくれました

ビッグ・ビッグ・トレイン/コモン・グラウンド

ジェネシス譲りの奥ゆかしいファンタジックなタッチを交えながら、従来以上にキャッチー&ドラマティックに描かれる、壮大なプログレ絵巻を堪能すべし!

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順調だったBBTですが、21年11月に悲劇が。
10年以上にわたってフロントマンを務めていたDavid Longdonが、事故によってこの世を去ったのです。享年56歳。

2022年

突然フロントマンを喪うという悲劇に見舞われたBBTでしたが、22年には制作が完了していたアルバム『WELCOME TO THE PLANET』をリリース。

BBTとして最後のパフォーマンスとなった本作でのDavid Longdonの歌唱は、ここまで彼らを追ってきたファンとしては絶え間なく胸に迫るものがあります。

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本作リリース後の4月、バンドは元PFMのヴォーカリスト/キーボーディストのAlberto Bravinを新たなリード・ヴォーカルに迎えることを発表。

2010年代以降のバンドを方向付けてきた重要メンバーに別れを告げて、BIG BIG TRAINの歩みは続いていきます。

2023年

23年には、コンピレーション的性格ながら新録音もたっぷりと収録された『INGENIOUS DEVICES』がリリースされました。

新録パートやリミックスを施し生まれ変わった過去楽曲や22年ライヴ音源で構成されており、オリジナル・アルバムと遜色のない聴き応えで楽しませてくれる、さすがBBTと唸らされる一枚。

最新ライヴで聴けるAlberto Bravinの落ち着いた温かみあるヴォーカルは、BBTのサウンドと非常にマッチしており、制作中というスタジオ・アルバムへの期待も高まります。

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ジェネシスのDNAを継いだネオ・プログレ・バンドとしてデビューした彼らが、「プログレ」の系譜と、ビートルズから脈々と続くブリティッシュ・ロック&ポップスの系譜とが結びついた地平へと到達し、新世代のプログレの中でも屈指といえるバンドへと上り詰めたストーリーは、あらためて眺めてみると実に感動的。長年フロントマンを務めたDavid Longdonの突然の訃報は大変ショックでしたが、今や英国ロック&ポップスの伝統を背負った彼らの今後の活動にますます期待が高まります。是非、来日もして欲しい!

BIG BIG TRAINの在庫

  • BIG BIG TRAIN / INGENIOUS DEVICES

    英国プログレ・シーンをリードする人気グループ、過去楽曲の新録/リミックス版や22年ライヴなどで構成された23年作

    ご存知英国プログレ・シーンをリードする人気グループによる23年作。過去楽曲の新録や追加パートを含むリミックス版、未発表のオーケストラ小曲、最新ライヴ音源を収録した全5曲60分という内容です。新録/リミックスは「East Coast Racer」(13年作『ENGLISH ELECTRIC PART TWO』収録)、「Brooklands」(16年作『FOLKLORE』収録)、「Voyager」(19年作『GRAND TOUR』収録)の3曲で、オーケストラも加わって全体的に演奏のダイナミズムが大きく増している印象。21年に逝去したDavid Longdonのヴォーカルはオリジナルのままとなっており、ドラマティックに迫る新たな演奏をバックにして一層の輝きを放ちます。ライヴ音源はPFMでも知られる新ヴォーカリストAlberto Bravinを含む22年公演から収録。落ち着いた温かみある歌唱がBBTのサウンドともしっかりマッチしており注目です。変則的な構成ながら、オリジナル・アルバムと遜色のない聴き応えで楽しませてくれる、さすがBBTと唸らされる一枚に仕上がっています。

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