2024年1月18日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
女性ヴォーカルと言えば、プログレに多い気品高く歌い上げる美声のヴォーカルが真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、ブルースを土台に男性シンガー顔負けのパワフルかつスモーキーな歌声を披露する女性ヴォーカルも、ロック・シーンにおいて欠かせない存在ですよね。
今回はそんなブルージーな各国女性ヴォーカリストたちに注目してみたいと思います。
まずはアメリカ。やはりブルースの本場だけあって素晴らしい女性シンガー達がひしめいています。
カケレコ一押しのニッチな作品を5枚ピックアップ!
ボブ・ディランの名曲「天国への扉」にコーラスで参加した女性ヴォーカリストによる70年デビュー作。
バックを務めるのはメキシコ系とネイティブ・アメリカンの血を引くメンバーが結成した名バンドREDBONEです。
ファンク的な跳ね感もたっぷりのグルーヴィーで旨味滴る演奏に、Brendaのしぼり出すように歌い上げるソウルフル&エネルギッシュなヴォーカルが乗ります。
この声量、そしてブルース由来の「凄み」の効いた存在感溢れるヴォーカルは、あらゆるロック・ファンに是非聴いて欲しい!
数々のバンドを率いプロデューサーとしても手腕を振るった人呼んで「カナダのブルース・ロック番長」、Neil Merryweatherを中心とするグループ。
演奏も滅茶苦茶カッコいいんですが、このバンドはとにかく女性ヴォーカルLynn Careyが必殺!
ヘヴィなアンサンブルを圧倒する、まるでアンプで増幅しているかのようなエキセントリックなシャウトは存在感抜群。本当凄いです!
そのMAMA LIONの前身と言える、Neil MerryweatherとLynn Careyのデュオ名義作も素晴らしい一枚。
Lynn Careyのシャウトが炸裂するソリッド&ファンキー&ブルージーなナンバーを軸に、FACESばりの酔いどれロックン・ロール、THE BANDをイメージさせる黄昏のフォーク・ロックまで、骨太な演奏と存在感抜群のヴォーカルが冴え渡るエネルギッシュな佳曲揃い!
60年代から活動したフォーキー・ブルース・シンガーJudy Roderickの貫禄あるヴォーカルがかっこいい72年唯一作!
でも決してパワフルなだけじゃなくて、しっとりした曲での憂いある声もまた良いんですよねぇ。
ポーランド生まれの女性シンガーGenya Ravan。
ジャニスを思わせる彼女のソウルフルなヴォーカルに、切れ味たっぷりのブラス、そしてジミヘンばりのファズギターも炸裂!
いやはや、この米ブラス・ロックは問答無用で格好いいです。
続いては英国を見てまいりましょう。まずはカンタベリー・ロック・シーンとも関わりのある女性シンガーをご紹介☆
「英国ジャニス・ジョプリン」と云われるシンガーは何人かいますが、その代表と言えるのがSTONE THE CROWSのMaggie Bellと、このCarol Grimesです。
本作はプログレ・ファンも必聴の一枚で、フィル・ミラー/スティーヴ・ミラー/ピップ・パイル/ロイ・バビントンというカンタベリー・ロックの名士たちがバックを務めた傑作。
彼女のブルージー&ソウルフルなヴォーカル、そしてブルースの熱量とジャジーなクールネスが同居するアンサンブルがさすが!
こちらは74年のソロ・アルバム。
パワフルで少し酒ヤケしたかのようなウイスキー・ボイスと、英国らしい美しく端正なメロディの組み合わせが素晴らしい哀愁スワンプ・ロック。
この歌声、ジャニス好きは勿論ボニー・レイットみたいなハスキーな姉御系ヴォーカルが好きなら堪らないはず!
AFFINITYで知られるこちらの女性ヴォーカリストも、ソロではブルージーなサウンドに合わせた味わいある歌声を聴かせています。
ブルージーなコクと英国然としたリリシズムが共存する傑作1st、AFFINITYの盟友Mo Fosterらと再び組んだ感動の15年2nd。
英国ロック・ファンなら必聴と言える2作品をセットにした堪らんボックス♪
ユーロ・ロックからもピックアップ!
70年代仏シンフォを代表する一枚ですね。
ブルース&ソウル・フレイヴァーを持つ力強い女性ヴォーカル、メロトロン、そして名手J.P.アラルセンのエモーショナルでセンス溢れるギタープレイ。
キャッチーさの中にもフレンチ・プログレらしい芸術的感性が光る名作!
68年デビュー、ブルースやサイケの要素も取り込んだ北欧デンマークを代表するロック・グループ。
この1曲目が素晴らしくって、ジャニスを思わせる女性シンガーAnnisetteのエモーショナルな歌唱が強く胸を打つ名曲!
ジャーマン・ハードFRUMPYで強靭な歌声を聴かせた女性シンガーと言えば?
カントリー・ロック調のグルーヴィーな演奏に、ソウルやブルースを咀嚼した存在感抜群のヴォーカルが抜群に映える!
ポリスやハートブレイカーズなどのカバーも絶品です~。
いかがだったでしょうか。
気になる作品が見つかりましたら幸いです!
女性ヴォーカルをテーマにしたこちらのコンテンツも合わせてお楽しみください☆
ライ・クーダー『The Border』やボブ・ディランの代表曲の一つ「Knockin’ on Heaven’s Door」にコーラスで参加した女性ヴォーカリスト、70年のデビュー・アルバム。バックはREDBONEの面々が務めており、ダイナミックなリズム隊とワウワウを多用したギターを軸に、ファンキーな跳ね感たっぷりの躍動的かつ旨味滴るアンサンブルを提供。そこに彼女のしぼり出すように歌い上げるソウルフル&エネルギッシュな歌唱が乗り、最高のフィメール・スワンプ・ロックを繰り広げます。この声量、そしてブルース由来の「凄み」の効いた存在感抜群のヴォーカルは、あらゆるロック・ファンに是非聴いて欲しい。ジャニス・ジョプリンに匹敵する、と紹介される女性シンガーは数いますが、彼女こそがその筆頭格と言って間違いないと思います。傑作!
まるでアンプで増幅しているかのようなエキセントリックなシャウトがジャニス・ジョップリン級の存在感を放つ女性ヴォーカル、Lynn Carey擁するグループ。音楽面をリードするのは、Neil Merryweatherで、彼が率いるバンドの作品はすべて名作といえる米ブルース・ロック・シーンの隠れた名ミュージシャン。72年と73年のアルバムからは漏れたスタジオ未発表音源を収録した編集盤。
米ブルース・ロックの裏番長(!?)Neil Merryweather率いるグループ、72年1st。とにかく女性ヴォーカルのLynn Careyが強烈!まるでアンプで増幅しているかのようなエキセントリックなシャウトヴォーカルで圧倒します。ジャニスにも匹敵してるし存在感という点で間違いなく女性ロック・ヴォーカリスト屈指。そんなヴォーカルの迫力に負けじと演奏陣もソリッド&ブルージー&ファンキー強靭なサウンドを聴かせていて、この天井知らずのテンションと溢れ出るグルーヴィーなコクが堪りません。米ブルース・ロック好きには至福の一枚と言えるでしょう。
60年代から活動した米フォーク・ブルース・シンガーのJudy Roderickを擁する4人組の72年唯一作。なんといってもJudyのヴォーカルが特筆。ほんのややかすれた低めの貫禄あるヴォーカルはかっこいいの一言です。オープニングはピアノとギターとヴォーカルのみの静かなブルースで始まりますが、続く「Cocaine Shuffle」は、ずしずしと力強いドラム、ザクザクとしたギター演奏をバックにより力強いヴォーカルを聴かせます。力強いだけでなくしっとりした曲での憂いある歌声も良いです。Judyのヴォーカルがメインなので、SSW好きも楽しめるブルース・ロックの隠れた名作!
AFFINITYのヴォーカリスト、リンダ・ホイルが71年に発表した唯一のソロ・アルバム。バックはNUCLEUS。アフィニティでの名唄に勝るとも劣らない出色の出来です。CHRIS SPEDDINGのつぼをおさえたギターも最高。
紙ジャケット仕様、スリップケース付仕様、Blu-spec CD、11年24bitリマスター、デフジャケ・ファミリーツリー付仕様、定価3300
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
70年代初頭にジャーマン・ブルース・ハード・バンドFRUMPYで強靭なヴォーカルを聴かせた女性シンガー、ソロ名義では3作目となる79年作。腰の入ったグルーヴィなリズム、ご機嫌に跳ねるピアノ、スワンプ風味のコクのあるカッティング・ギターらによるアメリカナイズされたカントリー・ロック調の演奏に、ソウルやブルースを咀嚼した存在感抜群のヴォーカルが映えに映えます。セクシーでソウルフルなヴォーカルがカッコよすぎる「Love Potion Number 9」、ハスキーな歌声がスティングばりにハマる「Roxanne」、ここぞとばかりの強靭なシャウト・ヴォーカルに圧倒されるHeartbreakersの「Breakdown」とカバーも絶品の出来栄え。ドイツ最高峰の女性シンガーの実力をたっぷりと味わわせてくれる逸品です!
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!