2023年3月13日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
女性ヴォーカルと言えば、プログレに多い気品高く歌い上げる美声のヴォーカルが真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、ブルースを土台に男性シンガー顔負けのパワフルかつスモーキーな歌声を披露する女性ヴォーカルも、ロック・シーンにおいて欠かせない存在ですよね。
今回はそんなブルージーな各国女性ヴォーカリストたちに注目してみたいと思います。
まず英国から、カンタベリー・ロック・シーンとも関わりのある女性シンガーをご紹介☆
「英国ジャニス・ジョプリン」と云われるシンガーは何人かいますが、その代表と言えるのがSTONE THE CROWSのMaggie Bellと、このCarol Grimesです。
本作はプログレ・ファンも必聴の一枚で、フィル・ミラー/スティーヴ・ミラー/ピップ・パイル/ロイ・バビントンというカンタベリー・ロックの名士たちがバックを務めた傑作。
彼女のブルージー&ソウルフルなヴォーカル、そしてブルースの熱量とジャジーなクールネスが同居するアンサンブルがさすが!
こちらは74年のソロ・アルバム。
パワフルで少し酒ヤケしたかのようなウイスキー・ボイスと、英国らしい美しく端正なメロディの組み合わせが素晴らしい哀愁スワンプ・ロック。
この歌声、ジャニス好きは勿論ボニー・レイットみたいなハスキーな姉御系ヴォーカルが好きなら堪らないはず!
AFFINITYで知られるこちらの女性ヴォーカリストも、ソロではブルージーなサウンドに合わせた味わいある歌声を聴かせています。
ブルージーなコクと英国然としたリリシズムが共存する傑作1st、AFFINITYの盟友Mo Fosterらと再び組んだ感動の15年2nd。
英国ロック・ファンなら必聴と言える2作品をセットにした堪らんボックス♪
アメリカからはカケレコ一押しのニッチな作品を3枚ピックアップ!
数々のバンドを率いプロデューサーとしても手腕を振るった人呼んで「カナダのブルース・ロック番長」、Neil Merryweatherを中心とするグループ。
演奏も滅茶苦茶カッコいいんですが、このバンドはとにかく女性ヴォーカルLynn Careyが必殺!
ヘヴィなアンサンブルを圧倒する、まるでアンプで増幅しているかのようなエキセントリックなシャウトは存在感抜群。本当凄いです!
60年代から活動したフォーキー・ブルース・シンガーJudy Roderickの貫禄あるヴォーカルがかっこいい72年唯一作!
でも決してパワフルなだけじゃなくて、しっとりした曲での憂いある声もまた良いんですよねぇ。
ポーランド生まれの女性シンガーGenya Ravan。
ジャニスを思わせる彼女のソウルフルなヴォーカルに、切れ味たっぷりのブラス、そしてジミヘンばりのファズギターも炸裂!
いやはや、この米ブラス・ロックは問答無用で格好いいです。
ユーロ・ロックからもピックアップ!
70年代仏シンフォを代表する一枚ですね。
ブルース&ソウル・フレイヴァーを持つ力強い女性ヴォーカル、メロトロン、そして名手J.P.アラルセンのエモーショナルでセンス溢れるギタープレイ。
キャッチーさの中にもフレンチ・プログレらしい芸術的感性が光る名作!
68年デビュー、ブルースやサイケの要素も取り込んだ北欧デンマークを代表するロック・グループ。
この1曲目が素晴らしくって、ジャニスを思わせる女性シンガーAnnisetteのエモーショナルな歌唱が強く胸を打つ名曲!
ジャーマン・ハードFRUMPYで強靭な歌声を聴かせた女性シンガーと言えば?
カントリー・ロック調のグルーヴィーな演奏に、ソウルやブルースを咀嚼した存在感抜群のヴォーカルが抜群に映える!
ポリスやハートブレイカーズなどのカバーも絶品です~。
いかがだったでしょうか。
気になる作品が見つかりましたら幸いです!
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72年作1stと73年作2ndをカップリングした2in1CD。とにかく女性ヴォーカルLynn Careyが必殺!アンプで増幅しているかのようなエキセントリックなシャウトは存在感抜群。本当凄いです。バンドの方もヴォーカルの迫力に負けじとソリッド&ブルージー&ファンキーな力強いサウンドを炸裂させています。どちらも名作!
フレンチ・オルガンロックバンドEDEN ROSEから発展、女性ボーカリストのRose Podwojnyを加えて結成されたグループの73年唯一作。EDEN ROSEはキーボーディストHenri Garellaのサウンドがフューチャーされたオルガン・ロックでしたが、SANDROSEはソウルフルなRose Podwojnyの歌声とJean Pierre Alarcenのエモーショナルなギターを中心にしたアプローチであり、Henri GarellaはEDEN ROSEからの流れそのままのジャジーなオルガンに加え、KING CRIMSONやGENESISのようなメロトロンも使用し、シンフォニック・ロック然としたサウンドを作り出しています。
カンタベリーロックのミュージシャンがバックを務めたキャロル・グライムス&デリヴァリーや、スワンプロックバンドのアンクル・ドッグでの活動のあと、満を持してリリースされた1974年ソロ作。パワフル且つ少し酒ヤケしてそうなウイスキー・ボイスが何より魅力的です。ボニー・レイットやマギー・ベルのようなハスキーな姉御系ボーカルが好きならドンピシャですね。スピード感あるリズムが心地よいT2や、哀愁のメロディが染みるバラードT4、T5など、ツボを押さえた渋い美メロスワンプロックとなっています。一日の終わりにこちらを聴いて一杯やれば、キャロルの歌声に痺れ、スカッと憂さが晴れることでしょう。ロン・コーネリアス、ケニー・バットリー、トミー・コグビル、トミー・エアなど名うてのミュージシャンが参加。
60年代から活動した米フォーク・ブルース・シンガーのJudy Roderickを擁する4人組の72年唯一作。なんといってもJudyのヴォーカルが特筆。ほんのややかすれた低めの貫禄あるヴォーカルはかっこいいの一言です。オープニングはピアノとギターとヴォーカルのみの静かなブルースで始まりますが、続く「Cocaine Shuffle」は、ずしずしと力強いドラム、ザクザクとしたギター演奏をバックにより力強いヴォーカルを聴かせます。力強いだけでなくしっとりした曲での憂いある歌声も良いです。Judyのヴォーカルがメインなので、SSW好きも楽しめるブルース・ロックの隠れた名作!
VERTIGOに残した70年の唯一作で知られる英ジャズ・ロック・バンドAFFINITYの女性ヴォーカリスト。71年の1stソロと、44年を経てリリースされた15年2ndソロを収録。1stは、名手Chris Speddingを含むNUCLEUSのメンバーによる渋さ100%のアンサンブルに、彼女のブルージーなハスキー・ヴォイスが映える英国ロックの名品。繊細で気品高いバラードも素晴らしいです。2ndは、AFFINITY時代の盟友Mo Foster(B/Key)はじめ、Ray Russell(G)、B.J.Cole(Pedal Steel)、Gary Husband(Dr)という名手達が参加。柔らかにキーボードがたなびく落ち着いたムードのジャジーなサウンドをバックに、しっとりと歌い上げるヴォーカルは、円熟味と共に往年に劣らぬエモーションと叙情も湛えておりさすが。さらにボーナス・トラックとして、2ndのLPにのみ収録されていたナンバー「Who’s there」も収録した、彼女のソロ・キャリアを包括したボックスとなっています!
2枚組ボックス、各CDはペーパーケース仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、ブックレット付仕様
70年代初頭にジャーマン・ブルース・ハード・バンドFRUMPYで強靭なヴォーカルを聴かせた女性シンガー、ソロ名義では3作目となる79年作。腰の入ったグルーヴィなリズム、ご機嫌に跳ねるピアノ、スワンプ風味のコクのあるカッティング・ギターらによるアメリカナイズされたカントリー・ロック調の演奏に、ソウルやブルースを咀嚼した存在感抜群のヴォーカルが映えに映えます。セクシーでソウルフルなヴォーカルがカッコよすぎる「Love Potion Number 9」、ハスキーな歌声がスティングばりにハマる「Roxanne」、ここぞとばかりの強靭なシャウト・ヴォーカルに圧倒されるHeartbreakersの「Breakdown」とカバーも絶品の出来栄え。ドイツ最高峰の女性シンガーの実力をたっぷりと味わわせてくれる逸品です!
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