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文学作品をテーマとする世界のプログレ・コンセプト・アルバム特集!

こんにちは、カケレコ・スタッフ佐藤です。

文学や歴史など様々な題材をテーマに採ったコンセプトアルバムが数多く作られている点というのは、プログレならではの大きな魅力の一つと言えるのではないでしょうか。

テーマとなった作品や事柄を知っていればいるほど、それが音楽作品としてどんなふうに表現されているのだろうと聴く前からワクワクしてきますよね。

そんなわけで今回は、世界各国より文学作品をテーマに制作されたプログレ・コンセプト・アルバムの名作をご紹介してまいりましょう!

CAMEL/SNOW GOOSE

まずは多くの人が真っ先に思い浮かべるであろうこのアルバム。ポール・ギャリコ『白雁』を音像化した一大ロマン抒情詩にして、英ファンタスティック・プログレ屈指の傑作ですね。フルート、オルガン、ギターが丹念に織り上げるリリシズムいっぱいのアンサンブルは、何度聴いても涙が出そうになります。

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ANTHONY PHILLIPS / 1984

ご存知、初期GENESISで活躍後ソロに転向、ファンタジックで味わい深い作風の作品を数多くリリースし世界中に熱心なファンを持つ名ギタリストの81年作。題材はもちろんオーウェルのSF古典『1984』。アンソニー・フィリップスと言えばアコースティック・ギターやピアノを中心とする穏やかな作風をイメージしますが、本作は全編がシンセサイザーによって演奏されていて原作を表現した近未来的なサウンドを聴かせています。ただし無機的な印象はなく、温かみやファンタジックさに溢れているのが実に彼らしいところです。シンセサイザー・ミュージックとして聴いても秀逸な名作となっています。

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HAWKWIND/WARRIOR ON THE EDGE OF TIME

GONGと並ぶスペース・サイケ・プログレの大家による、最高傑作とも評される75年作。本作は、バンドと深い親交を持つ英国のSF作家マイケル・ムアコックの小説をベースにしたコンセプト・アルバムとなっています。メロトロン名盤としても知られる一枚で、分厚く荘厳に鳴らされるメロトロンのプレイはプログレ・ファンなら一聴の価値ありです。負けじとフルートやヴァイオリンも加わって、聴き手を飲み込まんばかりのスケール大きなシンフォニック・ロックを繰り広げます。傑作!

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ALAN PARSONS PROJECT/I ROBOT

こちらもSF文学の音像化。アイザック・アシモフの同名小説からインスパイアされた傑作コンセプト・アルバムですね。小曲中心の洗練されたサウンドですが、その中に詰め込まれた壮大さ&ドラマチックさはフロイドの『原子心母』にも匹敵!

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WARM DUST / PEACE FOR OUR TIME + WARM DUST

骨太なアンサンブルに英国叙情の管楽器が絡む極上ジャズ・ロックを聴かせる英国のバンド、71年発表2ndと72年発表3rdをカップリング。2ndはティモシー・リアリー著書の「POLITICS OF ECSTASY」にインスパイアされ、戦争と平和を表現したコンセプト・アルバムとなっています。テンション溢れるジャズ・ロック・サウンドの合間にポエトリー・リーディングを取り入れることで、アルバムとしての構成も見事に完成された一枚に仕上がっています!

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STEAMHAMMER/MOUNTAINS

68年にブルース・ロック・バンドとして結成され、のちにはプログレとも呼応した荘厳なサウンドを生み出した名バンドによる70年発表の3rd。ファンタジー文学の金字塔「指輪物語」にインスパイアされたという本作は、ブルース・ロックにプログレッシヴ・ロックの構築性を持ち込んだ、ブリティッシュ・ロックの歴史においても重要な一枚。骨太なブルースギターを核としつつもハードロックのスリリングで鋭角的なフレーズセンスも備えたギタリスト、マーティン・ピューの好演が光ります。

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MUSEO ROSENBACH / ZARATHUSTRA

イタリアにもコンセプト・アルバムの名作は数多く存在しますが、その最高峰と言えばやはり本作になるのではないでしょうか。ドイツの哲学者/思想家フリードリヒ・ニーチェが超人思想について著した『ツァラトゥストラはかく語りき』をモチーフとする作品ですね。ハード・ロック的な凶暴さを持つ演奏をベースに静と動をダイナミックに対比させた曲構成、そこに押し寄せる轟々たるメロトロン…。圧倒的なまでのドラマティックさで迫ってくるヘヴィ・シンフォ大傑作。

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HOSTSONATEN / SYMPHONY N.1: CUPID & PSYCHE

イタリアからは、同国の現シンフォ・シーンをリードするこのバンドも取り上げておくべきでしょう。帝政ローマ時代の作家アプレイウスの代表作『変容』の一遍「クピドとプシュケ」を主題とした16年作で、ヴァイオリンやチェロを始めとする管弦楽器群が躍動感いっぱいに駆け巡るサウンドは一言、圧巻。メロトロンやハモンドなども贅沢に使用されており、四季シリーズで最高潮を迎えたかに思えたこのバンドのさらなる進化に唸らずにはいられない会心の一枚。

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ANYONE’S DAUGHTER / PIKTOR’S VERWANDLUNGEN

79年というプログレ全盛期が過ぎ去って久しい時期にデビューしながらも、CAMELからの影響を昇華しクオリティの高いシンフォニック・ロックを作り上げたジャーマン・シンフォ・バンドによる81年のライヴ作。母国の文豪ヘッセによる短編『ピクトルの変身』を題材に朗読を交えながら綴られるサウンドは、とにかく息をのむほどにロマンティックで幻想的。本作を紹介する際には、終演後の拍手がなければライヴであることに気付かないほど、という文句が必ず付けられるくらいに驚異的なまでの精緻なパフォーマンスを披露しています。

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TOXENARIS/THIRD POLICEMAN

ドイツのマルチ・ミュージシャンによる、アイルランドの作家フラン・オブライエンによる67年の奇想小説『第三の警察』を題材とするコンセプト・アルバム。内容は70年代初頭のフランスあたりのマイナー・プログレかと思うような、屈折した美的センスを発揮したミステリアスなプログレ。この音がドイツ新鋭の16年作だって!?


【BANDCAMPページ】
https://toxenaris.bandcamp.com/album/the-third-policeman

MEMORIANCE / L’ECUME DES JOURSE: D’APRES BORIS VIAN

ジェネシスやキャメルの影響下にあるサウンドを持ち味とするフランスの隠れた名バンドの79年作2nd。母国フランスの作家ボリス・ヴィアンによるSF青春小説『日々の泡』をモチーフにしたコンセプト・アルバムで、全盛期のCAMELと『TRICK OF THE TAIL』期のGENESISを合わせたようなアンサンブルに、哀愁にじむフランス語ヴォーカルが乗ります。あまり洗練された感じはなく少し「いなたさ」の残るサウンドが良い味わいです。

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ISILDURS BANE / SAGAN OM DEN IRLANDSKA ALGEN and SAGAN OM RINGEN

80年代以降のスウェーデン・シンフォ・シーンを代表するグループによる、『指輪物語』に着想を得た88年作。まるでCAMELやGENESISのファンタスティックな部分だけを抽出したみたいな溢れんばかりのリリシズムが素晴らしく、これは後輩バンドに当たるMOON SAFARIにもきっと大きな影響を与えてるはず。

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SOLARIS / MARSBELI KRONIKAK (MARTIAN CHRONICLES)

ハンガリー国内のみならず、東欧プログレという視点で見ても間違いなく最高峰と呼べる一大シンフォ傑作が本作。レイ・ブラッドベリの代表作の一つ『火星年代記』をテーマに据えた、シンセサイザーとギターとフルートがスリリングに絡み合うエネルギッシュなシンフォニック・ロックはただただ迫力満点。叙情性と緊張感が見事に調和した圧倒的な構築美を堪能できる金字塔です。

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LITTLE TRAGEDIES / CHINESE SONGS PART TWO

名実ともに現ロシアのトップ・バンドと言えるシンフォ・グループ、中国の古詞をテーマとしたコンセプトアルバムの第2部にあたる07年作。「第1部」はこれまでの作品にないリリカルなパートが印象的でしたが、本作では、ダイナミックなパートとともに「静」と「動」が鮮烈に対比された、「壮麗」という言葉がぴったりのドラマティックなシンフォニック・ロックが味わえる逸品となっています。

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RYSZARD KRAMARSKI PROJECT / LITTLE PRINCE

ポーランドの人気シンフォ・バンドMILLENIUMのkey奏者による17年作で、題材となっているのは不朽の名作「星の王子さま」。『狂気』フロイドへの憧憬に満ちた深遠かつドラマチックなサウンドによって、原作のストーリーを見事に描ききった感動の一枚となっています。詳細はnetherland dwarfによる下記コラムもご覧ください!

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RYSZARD KRAMARSKI PROJECT/MR SCROOGE

同じくMILLENIUMのリーダーによる19年のソロ第3弾!今回は文豪チャールズ・ディケンズの代表作「クリスマス・キャロル」を題材にしており、これまでの深遠な作風から一変、テーマ通りのメロディアスで心温まるシンフォ名品に仕上げています。

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LOS JAIVAS / 30ANOS – ALTURAS DE MACCHU PICCHU

一気に南米チリに飛んでこちらの名作をご紹介。ノーベル文学賞も受賞したチリの詩人パブロ・ネルーダによる詩作品『マチュピチュの頂』をテーマに81年に発表された南米プログレ屈指の名盤が本作ですね。アンデスの山々に木霊するようなあまりに雄大なサウンドには胸が熱くなりますね~。ロックという範疇を越えて南米音楽史にも残るべき圧倒的な気高さに満ちた作品と言えるでしょう。

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  • HAWKWIND / WARRIOR ON THE EDGE OF TIME

    サイケデリック・スペース・ロックの代表格、最高傑作とも云われる75年作

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  • CAMEL / SNOW GOOSE

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    • UICY9045

      紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、定価2141

      盤質:傷あり

      状態:並

      帯有

      紙ジャケに小さい汚れあり、帯中央部分に色褪せあり

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    現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENIUMを率いるキーボード奏者によるソロ・プロジェクト、ジェネシス、キャメル・ファンにもオススメのメロディアスで心温まるシンフォニック・ロックの名品、19年作3rd!

    現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENIUMを率いるキーボード奏者によるソロ・プロジェクト、19年作3rd。ディケンズの小説『クリスマス・キャロル』を題材にしたコンセプト・アルバム。MILLENIUMで共に活動するベーシストKrzysztof Wyrwa、度々MILLENIUM作品に参加している女性ヴォーカルKarolina Leszko、MOONRISEのギタリストMarcin Kruczek、人気バンドLOONYPARKのドラマーGrzegorz Fieberという、現ポーランド・シーン屈指の腕利きミュージシャン達を従えたバンドスタイルで制作されています。比較的シリアスと言えた前作までに比べ、題材を反映してか、心温まるようなファンタジックなタッチをメインにした、メロディアスなシンフォニック・ロックが絶品すぎる。派手さはなくとも心地よい躍動感を備えるリズム隊を土台に、まるで歌うように叙情フレーズを次々と紡ぎ出すギター、リック・ライトに似るほの暗く広がるシンセサイザー、そして清涼感の中に円熟味を感じさせる美声の女性ヴォーカルがドラマチックに調和するサウンドは実に感動的。1曲目のインスト・パートを始め、これまでは感じなかったキャメルに近い音作りも新鮮です。演奏はここぞで泣きのプレイを炸裂させるギターが大きくフィーチャーされていて、シンセ、ピアノ、オルガンが淡く繊細なタッチで幻想性を付与します。いつもながら、ソロ作品でもあくまでバンド・アンサンブルの一員に徹してプレイするポジショニングに、いい作品を作ろうというひたむきな姿勢が感じられて素晴らしい。従来作を楽しまれたフロイド・ファンは勿論、ジェネシスやキャメルがお好みの方にもオススメしたい名品です。

  • ALAN PARSONS PROJECT / I ROBOT

    アリスタ移籍第一弾、77年2nd

    ビートルズやピンク・フロイドの作品を手掛けたアビイ・ロード・スタジオの名エンジニア、アラン・パーソンズ率いるプロジェクト。アリスタ移籍第一弾となった77年作の2nd。アイザック・アシモフの小説「われはロボット」からインスパイアされ、SFをテーマに創りあげたコンセプト・アルバム。アートワークはヒプノシス。

    • SICP30168/9

      デジパック仕様、2枚組、Blu-spec CD2、デジタル・リマスター、定価3990

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

      一部に若干スレあり

      2790円

      2232円
      (税込2411円)

      602円お得!


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  • MEMORIANCE / L’ECUME DES JOURSE: D’APRES BORIS VIAN

    ジェネシスやキャメル影響下のフランスのバンド、79年作2nd、叙情的なユーロ・ロック名作

    ジェネシスやキャメル影響下のメロディアスなサウンドが人気のフランスのシンフォニック・ロック・バンド。76年のデビュー作と甲乙つけがたく人気の79年作2ndで、フランスの作家ボリス・ヴィアンによるSF青春小説『日々の泡』をモチーフにしたコンセプト・アルバム。前作から、ドラムが代わり、キーボーディストが加わってツイン・キーボード編成となって録音されています。ラインナップの変化はプラスとなった印象で、シャープに引き締まったドラム、左右チャンネルから鳴らされてシンフォニックに広がりドラマ性を高めるキーボード・アンサンブルは特筆。スティーヴ・ハケットやアンディ・ラティマーを彷彿させる繊細なタッチのリリシズム溢れるギターは相変わらず絶品だし、奥ゆかしさがフランスらしいヴォーカルもまた魅力的だし、ジェネシスやキャメルのファンにはたまらない「詩情」と「ドラマ」に満ちています。マイナーながら叙情的なシンフォニック・ロックの名作です。

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    ポーランド、MILLENNIUMのキーボード奏者によるソロ・プロジェクト、「星の王子さま」をコンセプトに据えフロイド直系のドラマチックなシンフォを聴かせる秀作!

    現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENNIUMのキーボード奏者Ryszard Kramarskiによるソロ・プロジェクト17年作。タイトルが示すとおり『星の王子さま』をコンセプトに据えた作品となっており、そのサウンドはMILLENNIUMと同様ピンク・フロイド、特に『DARK SIDE OF THE MOON』を強く意識したメロディアスかつ劇的なシンフォニック・ロック。リック・ライトのプレイを思い出さずにはおれないセンシティヴな美しさと微かな陰鬱さが漂うシンセから、壮麗に流れゆくキーボード・ストリングスまで、音作りの要を担う自身のキーボードワークはさすがの素晴らしさ。ただ決して前には出過ぎずアンサンブルの中で有機的に音を紡いでいる姿勢がまた好印象です。一方メインでソロを取るMOONRISEのギタリストMarcin Kruczekによるギターも特筆で、ギルモアのプレイを忠実に再現したブルージーな泣きをたっぷり含んだ極上のソロを聴かせていて感動を禁じえません。女性ヴォーカルは清楚さよりは艶があってややアヴァンギャルドな表情も滲ませる実力派。フロイド憧憬のサウンドに深遠な奥深さを与えています。往年のフロイド憧憬を見せつつもそこに違和感なくエレクトロニクスを挿入してくるモダンなセンスも冴え渡ります。フロイド好きならこれはたまらないメロディアス・シンフォの好盤!

  • LITTLE TRAGEDIES / CHINESE SONGS PART TWO

    07年作、ヴィンテージ・キーボードが躍動するクラシカルかつダイナミックなキーボード・プログレ、00年代以降ロシア・プログレの最高峰!

    本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したKey奏者&コンポーザーのGennady Ilyinを中心に、ロシア南西部のウクライナ国境に近い町クルスクで結成された新鋭プログレ・グループ。『RETURN』(05年作)『NEW FAUST』(06年作)『SIXTH SENSE』(06年作)と続々と壮大かつダイナミックな名作を生み出すなど、完全に覚醒して00年代プログレシーンの最前線へと躍り出たバンドによる07年作。中国の古詞をテーマとしたコンセプトアルバムで、2部構成でリリースされたうちの「第二部」にあたるのが本作。「第一部」はこれまでの作品にないリリカルなパートが印象的でしたが、本「第二部」では、ダイナミックなパートとともに「静」と「動」が「鮮烈」と言えるまでに対比したドラマティックなシンフォニック・ロックを聴かせています。「壮麗」という言葉がぴったりのクラシカルな旋律からキース・エマーソンばりのけたたましい旋律までスケールの大きなキーボード、速弾きを織り交ぜながらメロディを伸びやかに紡ぐギター、ロシア語の早口で畳み掛けるようなヴォーカル、シャープに疾走するリズム隊。圧倒的な演奏力と構築力で聴き手を飲み込む傑作です。

  • HOSTSONATEN / SYMPHONY N.1: CUPID & PSYCHE

    Fabio Zuffanti率いる90年代以降屈指といえるプロジェクト・グループ、管弦楽器が躍動するクラシカル&シンフォニック・プログレの傑作

    FINISTERREやLA MASCHERA DI CERAを率いて90年代以降のイタリアン・ロック・シーンを牽引したFabio Zuffantiによるソロ・プロジェクトであり、00年代イタリア屈指といえるグループ。帝政ローマ時代の作家アプレイウスの代表作『変容』の一遍「キューピッドとプシュケ」を主題とした2016年作のコンセプト・アルバム。何より印象的なのが管弦楽器で、クラシカル&シンフォニックなサウンドに心躍ります。ヴァイオリンやチェロをはじめ、木管楽器、金管楽器が左右チャンネルを駆け巡り、メロトロンをはじめとするヴィンテージなキーボードが鳴り響くサウンドは、ただ一言「壮麗」。ここぞではハモンド・オルガンやエレキ・ギターが重厚に鳴り、レ・オルメ『フェローナとソローナ』あたりを彷彿させる荘厳な音世界を描きます。これぞイタリアでしか生まれ得ない、壮麗かつ荘厳なクラシカル・プログレ。傑作です。

  • ANTHONY PHILLIPS / 1984

    初代ジェネシスのギタリスト、81年作、ジョージ・オーウェル『1984』をモチーフにしたコンセプト・アルバム

    初代ジェネシスのギタリスト、81年作のソロで、ジョージ・オーウェルの小説『1984』をモチーフにしたコンセプト・アルバム。アンソニー・フィリップスの作品といえばアコースティック・ギターやクラシック・ギターを中心とするサウンドが特徴ですが、本作ではシンセサイザーがフィーチャーされているのが特長的。オープニング・ナンバーからシンセによるシンフォニックなフレーズが高らかに鳴らされます。でも、決してデジタリーな感じはなく、初期ジェネシスにも通じるファンタスティックな雰囲気が根底にあって、格調高くもハートフルなサウンドが印象的です。インストながらテーマのメロディが美しく、一気に世界観に引きこまれます。ジェネシス・ファンはこちらもオススメです。

  • TOXENARIS / THIRD POLICEMAN

    ドイツの新鋭プログレ・ユニット、70年代フランスあたりのマイナー・プログレを思わせる、屈折した美的センスが印象的な16年デビュー作

    すべての演奏を一人でおこなう(チェロのみゲスト奏者)キーボーディスト/マルチ奏者Timo Aspelmeierによるソロ・プログレ・ユニット、16年デビュー作。アイルランドの作家フラン・オブライエンによる67年発表の奇想小説『第三の警察』を題材とするコンセプト・アルバムで、シンセサイザーをメインとする各種キーボードがアヴァンギャルドに織り上げる幻想的かつミステリアスなプログレを構築しています。七色にトーンを変化させる鮮烈なシンセ、ジャジーに音を刻むエレピ、クラシックの素養が滲む虚空に響くピアノなどが折り重なり、そこにTANGERINE DREAMを始めとするジャーマン・エレクトロ影響下の冷ややかなシンセ音響も取り入れた、退廃感ある独自のサウンドメイクが光ります。70年代初頭のフランスあたりのマイナー・プログレかと思うような、屈折した美的センスが全編で発揮された孤高の一枚です。

    下記BANDCAMPページで視聴可能です。
    https://toxenaris.bandcamp.com/album/the-third-policeman

  • LOS JAIVAS / 30ANOS – ALTURAS DE MACCHU PICCHU: PABLO NERUDA – LOS JAIVAS 1981-2011

    チリを代表するグループ、81年の南米シンフォの傑作アルバムと同年のプロモ映像をカップリングしたCD/DVDの2枚組

    チリを代表するプログレ・グループ。81年作の南米を代表する傑作『LAS ALTURAS DE MACCHU PICCHU』のデジタル・リマスター盤をDISC 1に、アルバム・リリース同年の81年に制作されたマチュピチュ遺跡でのTV放送用プロモ映像をDISC 2に収録した2枚組。81年のアルバムは、マチュピチュ遺跡をモチーフにしたコンセプト・アルバムで、リリカルなピアノ、シンセを中心に、「コンドルは飛んでいく」を想わせるリコーダーが絡む雄大なシンフォニック・ロックです。

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文・市川哲史

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