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2019年総まとめ!カケレコ年間ベストセラーTOP20!

2019年も残すところわずかとなりましたね。

皆様お忙しい中かとは思いますが、2019年の年間ベストセラーTOP20を発表したいと思います!

各国から届いたプログレ新譜からロック・ファン垂涎のリイシューまで、今年も注目すべき作品がたくさんリリースされました。

今年はポーランドやエストニアなど中東欧の作品が人気を集めたほか、往年の名バンドによる渾身の新作も多数ランクインしています。

年末年始のロック探求のガイドとしてお楽しみいただければ幸いです!

第1位 SKYWHALE/WORLD AT MINDS END

アルティ・エ・メスティエリ彷彿のスピードとテクニック、そしてカンタベリー・ロックに通じる柔らかくしなやかな音色使い…。両者が完璧に調和したこんな凄いジャズ・ロックがイギリスに存在したなんて。ずばり全ジャズ・ロック・ファン必聴作。

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第2位 TELEGRAPH/MIR

CAMEL由来の幻想性と叙情性に、イスラエルらしい透明感。ジャケ通りスペーシーかつヴィンテージな暖かみに溢れたサウンドが素晴らしい…。この新鋭18年デビュー作はずばりイチ押し!

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第3位 RUJA/PONI LOUNA IDA LAAS…

当局の検閲によって4曲のみがEPリリースされるに留まった幻のアルバムが完全版として復活。エストニア最高のバンドたる実力を発揮した、YESにも通じるファンタジックで構築性に富んだサウンドがとにかく素晴らしい!

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エストニア・プログレ特集!

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今回ご紹介するのはバルト三国に属するエストニア。70~80年代に残された名盤から注目の新鋭までエストニア・プログレの魅力に迫ってまいります!


第4位 LOONYPARK/DEEP SPACE EIGHT

ポーランド・シンフォ注目株、待望の19年5th!新たな女性ヴォーカルのエモーショナル&アグレッシヴな歌唱と、端正かつ陰影にも富んだ宝石のように美しいアンサンブルがこれ以上なく調和してるなぁ。文句なしの傑作ですこれ!

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第5位 LOST WORLD BAND(LOST WORLD)/SPHERES ALIGNED

現在最もスリリングなヴァイオリン・プログレを聴かせるロシアの雄、19年作もやはり凄い!従来のスピードと切れ味はそのままに、ベースとキーボードが加入した事でよりダイナミックで密度の高いサウンドを構築。ピンと張りつめたクラシカルな音色使いもさすがの充実作です!

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【タイトル追加】世界のヴァイオリン・プログレ新鋭特集!

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時に優雅に時にエネルギッシュに舞うヴァイオリンをフィーチャーした世界の新鋭プログレを特集!


第6位 MICHELE CONTA/ENDLESS NIGHTS

77年のイタリアン・シンフォ名作で知られるLOCANDA DELLE FATEのkey奏者が放った19年ソロ作!この1曲目、LDFの1stオープニングナンバーを思い出さずにはいられない、気品と情熱がとめどなく溢れ出す大名曲で興奮しちゃいますよ~。イタリアン・ロック然とした伸びやかな歌ものもたっぷり収録した素晴らしきアルバムです。ドラムは現クリムゾンの技巧派Gavin Harrison!

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カケレコ棚よりクリムゾン・メンバー参加のプログレ作品をピックアップ!

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第7位 MOONRISE/TRAVEL WITHIN

MILLENIUMをはじめポーランド新鋭作品のミキシングも手掛けるKamil Konieczniakのソロ・プロジェクト19年作。持ち味の息を飲むような幻想美に溢れたサウンドメイクはそのままに、よりスタイリッシュに磨き上げられたメロディアス・シンフォを聴かせます。7年待った甲斐がありました…!

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【新作追加】新世代ポーランド・プログレの総本山 LYNXレーベル特集!

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現在のポーランド・プログレを支えるレーベルLYNX MUSICを大特集します!


第8位 ミズキ・ダ・ファンタジーア/クエスチョン1969 去り行く時代に

新世代ジャパニーズ・プログレの注目グループ。古き良きプログレへの敬意を抱きつつ新たな時代のプログレを模索した19年作3rd。メロトロンやムーグや躍動し、存在感みなぎる女性ヴォーカルが歌い上げるこれぞ会心の一枚!


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我が国日本にも続々と登場しているワールドクラスのプログレ・グループたちをご紹介します!


A BAND CALLED O/OASIS

ブリティッシュ・ロックの隠れ傑作を残したPARLOUR BANDが改名した知る人ぞ知る名グループ。前作と路線を同じくするファンキーなバンド・アンサンブルとマリオット彷彿のセクシーなヴォーカルを中心に、SMOKIEやSAD CAFEなどを彷彿させるモダン・ポップ・テイストを散りばめた、相変わらずの完成度高いサウンドで魅了する75年2nd!

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魅力的なモダン・ポップ/ニッチ・ポップを聴かせるのは何も英国のバンドばかりではありません。英国勢を手本として時にその国ならではの要素も組み入れた、各国のモダン・ポップ/ニッチ・ポップを見てまいりたいと思います♪


第9位 ORGANIC NOISES/ORGANIC NOISES

アルメニアの伝統音楽とジャズ、ロック、メタルを融合させた「コーカサシアン・エスノ・ジャズ・ロック」!?力強くも粛々とした神秘性漂うサウンドが素晴らしすぎる、堂々の19年デビュー作!

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第10位 SOLARIS/NOSTRADAMUS 2.0 – RETURNITY

ご存じハンガリー・シンフォの雄による、99年作『NOSTRADAMUS』の続編19年作!持ち味である哀愁たっぷりのフルートやシンセを伴った、この終始力みっぱなしの生真面目なまでに厳粛なサウンド、相変わらずでほんっと素晴らしい!!

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2019年、待望の新作をリリースした、ハンガリーが誇る重鎮プログレ・グループSOLARISの軌跡を辿ります!


第11位 CELESTE/IL RISVEGLIO DEL PRINCIPE

イタリア屈指のメロトロン名盤を残したグループによる奇跡の19年作で、これが大げさでなく1stに匹敵する完成度でビックリ。往年そのままの幻想美が静謐に広がる演奏には感動を禁じえません。この世のものとは思えない神秘的なメロトロンの調べもやはり唯一無二だなぁ。

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【タイトル追加】「若い者には負けちゃいられん!」とばかりの、往年の名バンド達による貫禄の新作群を探求!

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続々登場する新鋭バンドに負けじとハイクオリティな作品を発表している、70年代に活躍したベテラン・バンド/アーティストたちの作品に注目してまいります☆


第12位 SUSAN WEBB/BYE-BYE PRETTY BABY

米国ポピュラー音楽界を代表するコンポーザー/SSWジミー・ウェッブの妹である彼女が75年にリリースした唯一の作品!透き通った声質で軽やかに歌うヴォーカルと、名手たちが紡ぐ鉄壁のAORサウンドの組み合わせが極上です。ジェシ・エド・デイヴィス、ジェフ・ポーカロ、ジム・ゴードン、ジム・ケルトナー、ハーブ・ペダーソン、ジミー・ウェッブらが参加。

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第13位 SAMURAI OF PROG/TOKI NO KAZE

何とスタジオ・ジブリの作品世界に触発され制作されたという19年作7th!従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった新境地と言えるサウンドを聴かせます。各ジブリ作品をモチーフにしたファンタジックで美麗に綴られる音世界は、日本人としてきっとワクワクしちゃうはず。

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新鋭バンドたちによるコンセプト・アルバムの力作の数々をご紹介いたしましょう!


第14位 JESS RODEN BAND/KEEP YOUR HAT ON

フランキー・ミラーやロバート・パーマーに比べると知名度は低いですが、実力は決して劣らぬ英国の名ブルー・アイド・ソウル・シンガー!バックにブラス・ロック・バンドIGUANAのメンバーを迎え、コクたっぷりの本格ホワイト・ソウル/AORサウンドを聴かせる名作です。

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カケレコ棚からホワイト・ソウル名作をピックアップ!

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第15位 SUSTAIN/SUSTAIN

演歌調と言ってもいいほどの哀切極まるフレーズを奏でるギターに、アルトサックスが叙情たっぷりに絡み、シンセサイザーが幻想のカーテンをなびかせる冒頭で、叙情派シンフォ・ファンならノックアウト必至!フレンチ・プログレに通じる儚さと浮遊感で包まれたオランダの秘宝盤がこちら。

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【新作追加!】ドイツの注目レーベルPAISLEY PRESSのマニアックすぎるプログレ・リイシューを一挙ピックアップ!

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欧米各国の「ど」がつくマイナープログレを発掘リリースしている注目の新興レーベルPAISLEY PRESS。リリース作品を一挙ご紹介!


第16位 GUNNAR GRAPS & ORNAMENT/RAHATUVI

70年代エストニアの伝説的ハード・ロック・グループ!ツェッペリンも思わせるブルージーな演奏を土台に、イタリアン・ロック彷彿のダイナミックさ、不思議な説得力を持つエストニア語ヴォーカルを乗せた、哀愁ハード・ロック・ファン必聴音源ですよ~!

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世界のハードロッキンなプログレ探訪☆

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有名所から知る人ぞ知るマイナーグループまで、世界各国のハード・ロック・テイストに溢れたプログレ作品を見てまいりたいと思います!


第17位 NEMO/NEMO

これ、ジャズファンク+カンタベリーと言えちゃうかな?ヴァンデ総帥からMAGMAの2ndドラムに抜擢されるメンバーやB.パガノッティがいたCRUCIFERIUSの元メンバーなど実力者が集った仏ジャズ・ロック・バンド、強靭かつ気品高い73年デビュー作!

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【作品追加】マイナー・フレンチ・ジャズ・ロック探求!

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知られざるマイナー・フレンチ・ジャズ・ロックを一挙ご紹介!


第18位 SAINO/SAINO

夢想的なキーボードワークとジャジーで緊張感あるギターが対比する、フレンチ・マイナー・プログレ82年作。70年代に出ていれば名を残していたであろう完成度にビックリ!

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スタッフ厳選☆今週の3枚!!【2019年7月~12月アーカイブ】

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「これは聴いてもらいたい!」というカケレコメンドな作品を毎週3枚ご紹介。2019年7月~12月に取り上げた作品はこちらでチェックどうぞ♪


第19位 COMA/FINANCIAL TYCOON

トラッド色を醸し出しつつ吹きすさぶサックス、アヴァンギャルドに切り込むギター、そしてザッパばりの諧謔精神!こんな凄いバンドがデンマークに眠っていたとは…。視聴是非!

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強靭なサックスをフィーチャーしたプログレ特集!

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クリムゾン『宮殿』を思わせるような、スリリングで強靭で熱気あふれるサックス…。そんなサックスをフィーチャーしたプログレを集めてみました!


第20位 CERVELLO/LIVE IN TOKYO 2017

70sイタリアの代表するへヴィ・プログレ・バンドが17年におこなった奇跡の来日公演を収録!荘厳さの中に邪悪な気配が立ち込めるあの個性的なサウンドを、45年の歳月を経てほぼ完璧に鳴らしていて、その再現度にただただ驚きます…!

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熱気みなぎるプログレの来日ライヴ・アルバムを探求!

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スタッフが様々なテーマに沿ってオススメ作品を取り上げ、世界のロックをカケハしていく「日々是ロック」。今回のテーマは「プログレの来日ライヴ盤」!

いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。

来年もまた、みなさまにとってのロック探求における最良のパートナーとなるべく、ニッチ&ディープな発信につとめてまいります。

2020年も引き続きカケレコをよろしくお願いいたします!

関連カテゴリー

2019年のカケレコ・ベストセラーTOP20

  • RUJA / PONI LOUNA IDA LAAS…

    名実ともにエストニアを代表する名バンド、当時4曲のみがEPとしてリリースされた幻のアルバム『Pohi Louna Ida Laas…』の12曲完全版をCD1に、当時のライヴ音源やレア音源を13曲をCD2に収録した18年編集作品

    エストニアのYESとも称される、名実ともに同国を代表するプログレ/ロック・バンド。70年代後半にフルアルバムとしてリリースが予定されながらも、ソ連の検閲により4曲のみのEPとしてリリースされた作品『Pohi Louna Ida Laas…』の12曲完全版をCD1に収録。YESやNEKTARあたりを彷彿させるファンタジックな飛翔感、目まぐるしく場面転換するような複雑な曲構成とシアトリカルさコミカルさも織り込んだ表情豊かな音楽性で一気に聴かせる名作です。CD2には同時期のライヴやレア音源13曲を収録。エストニア最高のバンドの所以をたっぷりと堪能できる素晴らしい作品です!

    曲目リスト

    【Disc 1】 Põhi, Lõuna, Ida, Lääs…
    1-1. Põhi, Lõuna, Ida, Lääs… 6:06
    1-2. Laul Teost 2:24
    1-3. Omaette 2:40
    1-4. Ajaloo Õppetund 2:33
    1-5. Couplet In Estonian (Ha, Ha, Ha, Ha) 4:16
    1-6. Läänemere Lained 3:15
    1-7. Mis Saab Sellest Loomusevalust? 7:36
    1-8. Üle Müüri 3:39
    1-9. Keldrikakand 0:57
    1-10. Elupõline Kaja 4:49
    1-11. Ei Mullast… 2:43
    1-12. Klaperjaht 1:15

    【Disc 2】 Ruja Laval / Parallelmaailmad
    2-1. Ahtumine 7:49
    2-2. Keldrikakand 0:53
    2-3. Ei Mullast… 2:48
    2-4. Isamaa 1:07
    2-5. Klaperjaht 0:48
    2-6. Kimalane Ungaris (Andrus Vahti Soolo) 1:04
    2-7. Oh Öelge, Doktor 2:37
    2-8. Omaette 2:03
    2-9. Avanemine 4:19
    2-10. Meediaaskeldus 1:48
    2-11. Stereo I 4:32
    2-12. Ma Mustas Öös Näen… 2:48
    2-13. Ootamisest Ja Olemisest 7:44

  • SAMURAI OF PROG / TOKI NO KAZE

    イタリア/フィンランド/アメリカ出身の3人を中心とする多国籍シンフォ・グループ、あのスタジオ・ジブリの作品世界をモチーフにした19年作7th!

    フィンランドのプログレ・ファンジン『COLOSSUS』の編集者であり、雑誌主催のトリビュート盤でも活躍するフィンランド在住のイタリア人Marco Bernard(B)を中心に、MIST SEASONでも活躍するフィンランド人ドラマーKimmo Porsti、プログレ・バンドRESISTORも率いるギター/ヴァイオリン/フルート/ヴォーカルの米国人Steve Unruhによる多国籍トリオ・グループ。19年作7th。本作の特徴は何と言ってもあのスタジオ・ジブリの作品世界に触発された作品であること。コロコロと愛らしく鳴るピアノや、美しい詩情を湛えたフルート、悠久を奏でるように格調高いヴァイオリンらがデリケートに紡ぎ上げる、宝石のように輝かしく温かなファンタジーが滲むアンサンブルが素晴らしい!圧倒的なスケールで聴き手に押し寄せるシンフォニック・ロックをメインとしていた従来から、作品テーマを受けてより繊細な表現に力を入れている印象を受けます。リリシズムが零れ落ちるような演奏と共にピアニスト/シンガーの富山優子氏が日本語で歌う6曲目なんて、本当にジブリ作品で流れていてもいいような完成度で驚き。他にもジブリ諸作品で印象的だったモチーフが各曲に散りばめられていて、お好きな方なら聴きながら思わずニンマリとしてしまうでしょう。最終曲ではイタリア新鋭IL TEMPIO DELLE CRESSIDREの美声女性ヴォーカルEliza Montaldoの日本語による慈しみに溢れた歌声が感動を呼びます。いつもながら豪華ゲスト陣にも注目で、LATTE E MIELE、HOSTSONATEN、KARFAGEN、GLASS HAMMER他、北欧から南米まで各国から実力派が集結。従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった傑作です。

  • MOONRISE / TRAVEL WITHIN

    マルチ奏者Kamil Konieczniakによるポーランドのシンフォ・プロジェクト、実に7年ぶりに届けられた19年作4th!

    全ての演奏を務めるマルチ奏者Kamil Konieczniakによるポーランドのシンフォ・プロジェクト、実に7年ぶりに届けられた19年作4th。08年1st、09年2ndでヴォーカルを務めた元MILLENIUMのLukasz Gall、彼の後任として前12年作で歌ったMarcin Jajkiewicz、そして本作では三代目ヴォーカリストとなるMarcin Staszekをフィーチャー。持ち味だったひたすら泣きのフレーズを紡ぐギターと幻想のキーボードが織りなす叙情派シンフォ・スタイルはそのままに、プログラミング音響もセンス良く織り交ぜ格段に洗練されたメロディアス・シンフォへと進歩を遂げていて素晴らしいです。奥行ある深遠なシンセ、霧のように淡く広がる(疑似?)メロトロンらが作り出す幻想美が滲むサウンドメイクに、力強さとナイーヴさを備えたスタイリッシュなハイトーンVoが映えます。相変わらずひたすら美旋律だけを紡ぎ出すギターもさすがです。また6曲目ではMILLENIUMのサックス奏者、7曲目では初代ヴォーカルのGallが参加していてただでさえドラマチックなサウンドを一層盛り上げます。7年ぶりながら現ポーランド随一の幻想的な音作りは健在の一枚です。

  • ORGANIC NOISES / ORGANIC NOISES

    アルメニア伝統音楽 meets ジャズ・ロック!?ポーランドを拠点とするエスノ・ジャズ・ロック新鋭、圧巻の19年デビュー作!

    アジアとヨーロッパの境目に位置する国、アルメニアの伝統音楽とジャズ・ロックの融合!?ポーランドの名門クラクフ音楽アカデミーにてクラシックを学ぶと同時に、アルメニアの伝統音楽に魅せられた女性管楽器奏者Zofia Trystulaを中心とするポーランドの5人組。結成以来数々のジャズ・コンペで入賞も果たす彼らの19年デビュー作は、エキゾチック且つどこか粛々とした神秘性を漂わせるアルメニアや東欧の伝統音楽をベースに、ロック、ジャズ、フュージョン、メタル等の要素を自在に組み合わせた圧巻のコーカサシアン・エスノ・ジャズ・ロック!しなやかに躍動するジャジーなピアノに気品溢れるヴァイオリン。ザクザクと重くメタリックなリフを刻むギター、ジャズの素養を感じるタイトでテクニカルなリズム隊、異国情緒漂う旋律を奏でるムーグ…。アコースティカルな要素とヘヴィ/エレクトリックな要素を対比させつつ、そこへZofiaが操るドゥドゥク、ズルナといった民族管楽器や民謡調の抑揚を付けた深遠な女性ヴォーカルが重なり合う、強靭さと神々しさ、優美さとドライヴ感を併せ持ったサウンドは驚くべき完成度!GONGからVESPEROといったスペーシーでエキゾチックなジャズ・ロックのファン、そしてLOST WORLD等ヴァイオリン・プログレのファンには特にレコメンドです!

  • MICHELE CONTA / ENDLESS NIGHTS

    イタリア屈指の名バンドLOCANDA DELLE FATEのキーボーディスト/コンポーザー19年ソロ作、ドラムはクリムゾンのGavin Harrison、1曲目から必殺!

    イタリアが誇る名シンフォ・グループLOCANDA DELLE FATEのキーボーディスト/ピアニストによる19年ソロ作!ドラムはKING CRIMSONの技巧派Gavin Harrisonが務めます。オープニング・ナンバーから、LDF1stの1曲目「A Volte Un Istante Di Quiete」を現代的な重厚さと共に蘇らせたような怒涛の名曲で驚愕!ダイナミックでタイトに刻むリズムに乗って、気品に満ちたピアノと優美に高鳴るシンセ、エモーションたっぷりのギターが一糸乱れず躍動するクラシカル・プログレ・チューンで、この1曲だけでもLDF1stを愛する方なら感動に満たされることでしょう。特に情熱的にしてリリシズムにも溢れたあのピアノのタッチに少しも衰えは感じられません。伸びやかな英語ヴォーカルが映えるキャッチ―な2曲目も素晴らしく、中盤で聴けるキーボードのオスティナートがさざ波のように押し寄せる演奏はまさにLDFを彷彿させます。これはイタリアン・シンフォニック・ロックの新たな傑作と言って問題ない逸品!!おすすめです。

  • LOST WORLD BAND(LOST WORLD) / SPHERES ALIGNED

    現ロシアを代表するプログレ・バンド、ベースとキーボードが加入し、よりダイナミックで密度の高いサウンドを聴かせる19年作6th、傑作!

    ヴァイオリン/ギターetc.のAndy Didorenkoを中心に結成、現ロシアを代表するプログレ・グループにして、全世界的に見て最もスリリングなヴァイオリン・プログレを聴かせる実力派グループ、3年ぶりとなる19年作6th。Vln&G/fl/dr/perの4人編成だった前作発表後に、パーカス奏者が脱退しベーシストと女性キーボーディストが加入。バンドとして安定した5人編成で制作されたのが本作です。1曲目からアクセル全開!舞踏音楽を思わせる気品に満ちたフレーズを切れ味鋭くスリリングに紡ぐ圧巻のヴァイオリンを中心に、パーカッシヴな打音も織り込んだダイナミックなリズム隊、テンション高くアンサンブルに絡みつつもあくまでしなやかな音色のフルートがスピーディに駆け抜ける緻密にして猛烈にテクニカルなアンサンブルには、プログレ・ファンなら血沸き肉躍ること必至。キーボードが大活躍する2曲目は新境地で、テーマを豪快に奏でるシンセとオルガンがカッコいい骨太なテクニカル・シンフォ。Andyはキーボードに負けじとヴァイオリンをギターに切り替えて音数多くキレのあるプレイで応じており、火花を散らすような応酬が見事です。さらに、クラシック畑のメンバーらしい静謐な空間の中でヴァイオリンやピアノが優雅に奏でられるクラシカル・チューンも流石で、疾走感あるプログレ曲との間にあまりに鮮やか対比を生み出しており素晴らしいです。トリオ編成だった頃に比べて、アンサンブルに確かな厚みと密度が生まれ、サウンドにズシリとした重みが加わった印象を受けます。3年待った甲斐のある貫禄の傑作!

  • LOONYPARK / DEEP SPACE EIGHT

    ポーランド屈指の人気シンフォ・グループ、力強くエモーショナルな新女性ヴォーカルが素晴らしい19年作5th!

    実力派がひしめく現ポーランドでも屈指の人気シンフォ・グループによる、3年ぶりとなった19年5thアルバム。前作からの大きな変化として女性ヴォーカルの交代が挙げられます。前任者はどこか緊張感のある厳かな歌唱が印象的でしたが、後任はより感情を強く出すエモーショナルな歌唱が素晴らしく、これまでになくドラマ性を高めており特筆です。演奏陣はさすがで、耳を引くユニークなリズムパターンを織り交ぜて存在感を示すリズム・セクション、ポーランドらしい陰影と哀感を乗せひたすら美麗フレーズを繰り出すギター、バックを気品高く流れゆくストリング・シンセらが、呼吸をぴったり合わせ紡ぎ上げていく宝石のように美しいアンサンブルに聴き惚れます。また出番は多くないものの、物悲しいリリシズムと柔らかなファンタジーを併せ持つピアノのタッチも絶品で、LOONYPARKらしい角のないしなやかな音色使いを象徴しているかのよう。従来どおりの端正で美しいアンサンブルと新ヴォーカルが担うアグレッシヴな表情が見事に調和した傑作!

  • SKYWHALE / WORLD AT MINDS END

    このサウンド、ずばり「アルティ・エ・メスティエリ meets カンタベリー・ロック」!77年リリース、驚くほどハイレベルな英ジャズ・ロックの名作!

    1974年に英ブリストルで結成、2人の管楽器奏者を擁する7人組ジャズ・ロック・バンドによる77年の唯一作。このサウンド、ずばり「アルティ・エ・メスティエリ meets カンタベリー・ロック」!手数多くも精密に刻む技巧的なドラミング&ベースが作り出すタイトかつスピーディなリズムに乗って、流れるように快速フレーズを繰り出すギター、ふわりとファンタジックな音色を紡ぐエレピ&シンセ、そして艶のあるしなやかな音色で駆け抜けるフルート&サックスが躍動。アルティばりのスピードとテクニックでひた走るテクニカル・ジャズ・ロックに、カンタベリー風の優雅で芳醇な管楽器群を重ねたこのアンサンブル、ジャズ・ロック然とした強度と、柔らかく軽やかなタッチが見事に一体となっていて、もうとにかく素晴らしすぎます。アルバム後半で聴けるアコースティック・ギターをメインとする地中海的エキゾチズム薫るアンサンブルも極上。こんな大変な傑作がまだイギリスにあったなんて!と驚かずにはいられない逸品です。

  • SOLARIS(HUNGARY) / NOSTRADAMUS 2.0 – RETURNITY

    名実ともにハンガリー・プログレを代表するバンド、99年作の続編として制作された2019年作!

    名実ともにハンガリー・プログレを代表するバンドと言える彼らの2019年作。99年にリリースされた『NOSTRADAMUS』の続編となっています。いやはや今作も怒涛の熱量とスケール!!女性ヴォーカルも伴ってエネルギッシュに渦巻くコーラスが全編に配された壮大なサウンドで聴き手を飲み込むようなスタイルは99年作そのまま。終始力みっぱなしで生真面目なまでに厳粛なサウンドにもかかわらず、テーマも反映してかどこかMAGMAにも通じる呪術的な世界観が形成されていくサウンドが印象的です。デビュー作『MARSBELI KRONIKAK』からの持ち味である尺八のように鳴らされる激しいフルートと太くうねりのあるシンセサイザーのコンビネーションももちろん冴えわたっておりやはり素晴らしい。冒頭34分の大作が圧巻ですが、哀愁を帯びたメロディアスなギターも活躍する他の曲も魅力的です。有無を言わせぬ迫力で押し寄せてくる、唯一無二のSOLARISワールドを堪能できるシンフォニック・ロック傑作です。おすすめ!

  • SUSAN WEBB / BYE-BYE PRETTY BABY

    JIMMY WEBBの妹でSSW、ウエストコースト・ロックの名盤、75年作

    ジミー・ウェッブの妹でもある女性SSW、1975年唯一作。いやはや、素晴らしい歌声です!ジミーのアルバムでも可憐なコーラスを聴かせてくれていましたが、今作では前編で彼女の澄んだクリスタル・ボイスを楽しめます。3曲オリジナルで他はカバー曲となっているこの作品。オープニングの「Helplessly Hoping」を再生すると…スティーヴン・スティルスがジュディ・コリンズとの別れについて歌ったこの楽曲が、何と軽やかに響くことでしょうか!跳ねるようなリズムのキーボードやベース、ギターが少し都会的なAOR風サウンドを作り出し、可愛らしすぎるスーザンのボーカルが切ないメロディを歌っていきます。アーシーさも残しながら、お洒落で心浮き立つようなこの音、ヴァレリー・カーター作品に近いものがあります。ウエストコースト・ロック好きの方、女性シンガー好きの方は必ずや大切な一枚となることでしょう。ジェシ・エド・デイヴィス、ジェフ・ポーカロ、ジム・ゴードン、ジム・ケルトナー、ハーブ・ペダーソン、ジミー・ウェッブ他参加。

  • CELESTE / IL RISVEGLIO DEL PRINCIPE

    メロトロン名盤として人気の高い76年作で知られるイタリアのグループ、当時のままの神秘性と幻想美が広がる奇跡の19年作!

    イタリア屈指のメロトロン名盤として人気の高い76年デビュー作で知られるグループ、奇跡の2019年作。これはずばり76年作を愛するプログレ・ファンなら必聴!76年作で語られた物語とリンクする内容を持つコンセプト・アルバムなのですが、サウンドのほうも驚くほどに当時の質感を再現していて感動を禁じえません。一音一音に温かみを感じるアコースティックギター、密やかなタッチのピアノ、リリシズムが零れ落ちるフルート、滑らかな音運びでジャジーな味わいを添えるサックス、そして天空で鳴り響くようなメロトロンの調べ…。どこまでも神秘的かつ幻想的な演奏に心奪われます。落ち着いた歌声の男性ヴォーカルも当時のまま。ゲスト参加するIl Tempio Delle Clessidreの女性ヴォーカルによる澄んだ美声ヴォーカル、76年作以上に前に出てクラシカルな旋律を響かせるヴァイオリンなど新要素はいくつかありますが、特筆は全編にわたるドラムの導入。以前はパーカッションの使用に留まっていたのに対し、どっしりと安定感あるドラミングがアンサンブルを引き締めており、76年作で魅力的だったアシッド・フォークのような浮遊感を残しつつも、イタリアン・ロックらしいダイナミックで起伏に富んだ演奏を楽しませてくれます。それにしても、この世のものとは思えないほどに神秘性を感じさせるこのメロトロンの音色はやはり唯一無二。決して大袈裟でなく、デビュー作に劣らぬ傑作だと思います。オススメ!

  • SUSTAIN / SUSTAIN

    オランダのプログレ・グループによる78年作、アルト・サックスとシンセ&エレピが絡む哀愁みなぎるアンサンブルがたまらないマイナー叙情派シンフォ!

    オランダのプログレ・グループによる78年のデビュー作。冒頭からとにかく哀愁が迸りまくり!!演歌調と言ってもいいほどの哀切極まるギターフレーズに、アルト・サックスが叙情たっぷりに絡み、そこにシンセサイザーが幻想のカーテンをなびかせる冒頭で叙情派シンフォ・ファンなら即ノックアウトでしょう。やや頼りない歌声の英語ヴォーカルも、かえって叙情味を際立たせていてこれしかないといった風情を漂わせます。比較的端正で歯切れのいいバンドが多いオランダにあって、まるでフレンチ・プログレのように儚げで浮遊感あるシンフォを聴かせる一枚。

  • A BAND CALLED O / OASIS

    PARLOUR BANDの後身にあたる、ファンク・ロック〜モダン・ポップ・グループ、75年2nd

    イギリス領ジャージー島にて結成され陰影溢れるブリティッシュ・ロック名盤の72年唯一作を残したPARLOUR BANDが、ドラマー変更に伴いバンド名を”A Band Called O”と変更。74年デビュー作に続く75年の2ndアルバム。基本的には前作と路線を同じくするファンク・テイスト濃厚なサウンドを楽しませてくれます。緩急に富んだプレイをタイトに決めるリズム隊を土台に、キレのあるカッティングが持ち味のギター、洒脱なエレピ、芳醇に湧き上がるオルガン、S.マリオットを低音寄りに聴き易くしたようなヴォーカルらが、一糸乱れぬアンサンブルで駆け抜けるスタイルは揺るぎなし。また前作でも発揮されていたモダン・ポップ〜AOR的な洗練されたセンスも随所で顔を出していて、SMOKIEあたりの渋いところを意識したような哀愁モダン・ポップ、SAD CAFE風のスリリングな演奏が聴きもののプログレ風AORナンバー、さらに終盤にはGREASE BANDばりの旨味たっぷりなブリティッシュ・スワンプも飛び出して、その多彩さには舌を巻くこと必至。前作が気に入ったなら、本作もまず間違いなし!

  • COMA / FINANCIAL TYCOON

    こりゃ凄い…キレのあるサックスとギターが変幻自在に絡み合うデンマーク産諧謔ジャズ・ロック!77年作1st

    デンマーク産ジャズ・ロック・バンド、77年作1st。こ、これは凄いです…。北欧トラッド感漂うフレーズを吹き鳴らすサックスとアヴァンギャルドなギターが変拍子織り交ぜつつ疾走、かと思えば突如洒脱でムーディーなジャズ・ロック・パートに突入し、ヴォーカルが入れば人を食ったようにファンキーなサウンドに変貌し…。本格的なジャズの素養を感じさせるしなやかな技巧性と、ザッパやSAMLA MAMAS MANNAを思わせる諧謔精神が交わった変幻自在のアンサンブルは、とても無名とは信じられぬほどの完成度。とにかくキレのあるサックスが出色で、幻想的なエレピや強靭に歪んだギターと絡み合うナンバーはクリムゾンやHENRY COW好きにもグッと来ること間違いなしでしょう。COMPANYIA ELECTRICA DHARMAのファンにもオススメです!視聴是非。

  • GUNNAR GRAPS & ORNAMENT / RAHATUVI

    エストニア・ロック・シーンの名ドラマー/ヴォーカルGunnar Grapsが70年代に率いたハード・ロック・バンド、当時の音源をまとめアルバムにした18年リリース作、これは哀愁ハード・ロック・ファン必聴です!

    エストニア・ロック・シーンの名ドラマー/ヴォーカリストGunnar Grapsが70年代に率いたギタートリオ編成のハード・ロック・バンド。70年代前半に録音された音源10曲を一枚のアルバムとして編集した18年リリース作品。変則的な内容ではあるものの、各曲にみなぎるエネルギーは並ではありません。イタリアのBIGLIETTO PER L’INFERNOやRACCOMANDATA RICEVUTA RITORNO等を想起させる、幻想的なアコースティック・パートとゴリッとヘヴィなハード・ロック・パートで構築された1曲目から素晴らしく、イタリアン・ロック・ファンならここで早くもハートを鷲掴みにされそう。エッジの立ったスピーディなギターリフに乗ってヴォーカルがユーモラスに歌う2曲目、饒舌なギターとヴォーカルの絡みが絶品なけだるいブルース・ロックの4曲目も素晴らしく、エストニアということ忘れるほどのメインストリームな本格感が漂います。ブルースを土台に細かなニュアンスにまでこだわった高い表現力を持つギターはもちろん、テクニックに裏打たれた安定感と共にグイグイと演奏を引っ張る性急なビート感も持ち合わせたGunnarのドラミングも見事です。しかし最大の魅力と言うなら、Gunnarの全編にわたりこれでもかと哀愁たっぷりに歌い上げるエストニア語ヴォーカル。ヨレヨレのようでいて不思議な説得力を帯びた歌声には何か天性のものを感じさせます。辺境哀愁ハード・ロックとして、これは多分とんでもない発掘モノ!

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