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【23年7thリリース記念】現ポーランド・シンフォ最高峰グループLOONYPARK特集!

素晴らしいグループが続々と登場している2000年代以降のポーランド・プログレ・シーンでも、実力・人気ともに最高峰と言える要注目バンドLOONYPARKを、リーダーK.Lepiarczykのソロワークも合わせて取り上げたいと思います。

LOONYPARKの中心人物は、キーボード奏者でありソングライターのKrzysztof Lepiarczyk。幼少期からピアノの本格的な教育を受け、アコーディオンやフレンチ・ホルンもこなす才人。影響を受けたバンドとしては、QUEENGENESISをあげています。

NEMEZIS、LIQUID SHADOWというプログレ・メタル系のグループでプロキャリアをスタート。

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その後、LIQUID SHADOWで一緒だった女性ヴォーカルのSabina Godulaと新たに結成したグループがLOONYPARKです。

『EGOIST』

08年のデビュー作『EGOIST』で聴けるのは、プログレ・メタルからは離れ、Krzysztof Lepiarczykの原点であるGENESISなどメロディアスなプログレに根ざしたサウンド。

深く沈み込むように鳴らされるキーボードを中心とする静謐でいて荘厳なアンサンブルが印象的で、ここぞで嵐のように轟くヘヴィなギター・リフ、オーケストラのように目の覚めるようなキーボードなど、映像喚起的なアレンジも絶品。そして、美しいアンサンブルを背景にして、しっとりと翳りのあるヴォーカルとメランコリックなメロディが静かにドラマを描いていきます。

ポーランドのロック・シーンでは知られているセッション・ギタリストMaciej Tomczykのゲスト参加も特筆で、彼のロング・トーンのメロディアスなギターが、このバンドの持つ雄大なシンフォニック・サウンドにピタリとはまっています。

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『STRAW ANDY』

デビュー作から3年を経た2011年に発表されたこの2ndも期待を裏切らない極上の出来栄え。(ジャケは相変わらずの夢に出てきそうですが…)

1stからドラムが交代したためか、ロック的な躍動感がグッと出た印象。ギターのトーン&フレーズも煌びやかでファンタスティックになっているのも特筆です。

全体として、前作で特徴だった東欧ならではのメランコリーは女性ヴォーカルとメロディに残しつつも、光が差し込んだようにアンサンブルの質感は優美さ、流麗さ、明瞭さが増し、起伏も増してドリーミーさ、ドラマティックさが際立っています。

女性ヴォーカルがしっとりと歌い上げる陰影に富んだメロディは相変わらず絶品ですし、ファンタスティックに綴られていくドラマにただただ圧倒される、メロディアス・ロックとして完璧と言える傑作。

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PADRE/FROM FARAWAY ISLANDS

こちらは、キーボーディストKrzysztof Lepiarczykを中心に複数のLOONYPARKメンバーが参加したプロジェクトの12年作。
ヴォーカルを務めるのは、2018年にポーランド・シンフォの中核的グループMILLENIUMの2代目ヴォーカルに就任したMarek Smelkowskiです。

LOONYPARKが宵のイメージなら、この作品は温かな陽光が降り注ぐ朝のイメージ。

アコギとピアノによって紡がれる、まばゆい輝きをまとったアンサンブルが素晴らしすぎるメロディアス・ロック名品です。

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『UNBROKEN SPIRIT LIVES IN US』

またまた3年のブランクを経て届けられた、待望の2014年作3rd!

エッジの立ったトーンで刻まれるギター、肉感的なドラムをまばゆい光で包み込むようなシンセによるデジタル・ビート、緩急をつけて時にスピーディーに突っ走る展開など、躍動感を増した2ndからさらにキレ味とダイナミズムが増した印象。

アンサンブルや展開は鋭くなっているものの、このバンドの持ち味である東欧的なメランコリーはそのままで、常に叙情がたなびいているのも特筆。陰影の中からくっきりと情景が目に浮かびあがるサウンドは並のバンドには出せないでしょう。

前作で覚醒したバンドがさらに堂々と、満ち溢れる自信と共に鳴らしたメロディアス・ロックの傑作と言えます。

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『PERPETUAL』

2016年リリースの4thアルバムは、3rdまでで推し進めてきたロック的ダイナミズムは抑え気味に、クラシカルな気品、ニューエイジの映像喚起性や広がりを織り交ぜた、「美麗」という言葉がぴったりのサウンドが特徴。艶やかなオーケストラもこれでもかとフィーチャーされています。

Sabina Godulaのしっとりと美しい歌声も今まで以上に美しく響いている印象です。

この「深みあるリリシズム」とでも言うべきサウンドこそ、東欧プログレならではの醍醐味。またもや文句なしの傑作です。

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同じく2016年にはキーボーディスト/コンポーザーKrzysztof Lepiarczykがソロ・デビュー。ツイン・ギター編成で録音されていて、バンドの4thアルバムで抑えたロック的ダイナミズムを発揮するためか、ギターをフィーチャーしたドラマティックなプログレ・ハードが魅力的です。

KRZYSZTOF LEPIARCZYK/ART THERAPY

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2018年には2ndアルバムも発表しました。19世紀ポーランドの劇作家/詩人が遺した詩の朗読を交えながら進行していく、独自の美意識を感じさせるアーティスティックなコンセプト作で、LOONYPARKでの優美さとはまた一味違うアプローチが素晴らしい効果を生んだ一枚となっています。

KRZYSZTOF LEPIARCZYK/JAKZEZ JA SIE USPOKOJE

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『DEEP SPACE EIGHT』

そんなメイン・コンポーザーのソロワークも糧にして、満を持して2019年にリリースされた5thアルバム。

LOONYPARKの顔と言えた女性ヴォーカルSabina Godulaは前作をもってバンドを去り、本作では新たな女性ヴォーカルMagda Grodeckaを迎え制作されました。
しっとりと叙情的に歌い上げるスタイルを主とした前任者と比較すると、より感情を前に出した力強くエモーション豊かな歌唱を聴かせます。

演奏の方はLOONYPARKらしい端正かつ陰影にも富んだ宝石のように美しいアンサンブルをさらに磨きぬいてきた印象。
前作で拓いたニューエイジ的な映像喚起性のあるサウンドメイクもしっとり馴染んでいますね。

気品ある美麗な演奏と生命力に満ちた力強い女性ヴォーカル、両者が合わさることで彼らにしか表現しえない「凛とした音世界」を見事築き上げている名作と言えるでしょう!

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そして2020年には、リーダーLEPIARCZYKが3rdソロをリリースしています。

KRZYSZTOF LEPIARCZYK/ALBUM PIESNI

19世紀ポーランドを代表する詩人Adam Asnykの詩を歌詞に用いた、前作と同一路線と言えるコンセプト作。

リック・ライト彷彿のメランコリックで浮遊感のあるシンセと、シャープなトーンで泣きのフレーズを次々と紡ぐギターのコンビが見事で、これまでのソロ以上にPINK FLOYDを意識した内省感とドラマ性あるサウンドを描きます。

落ち着いた声質で朗々と歌い上げるポーランド語のヴォーカルも素晴らしく、幻想的なサウンドに語り部のごとく丹念に言葉を乗せていきます。

彼のソロ3作品でも、一番LOONYPARKファンにアピールする一枚に仕上がってますよ!

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『7TH DEW』

前作より2年を経た2021年、待望の6thアルバムが届けられました。

前々作まで不動の女性ヴォーカルだったSabina Godulaが、過去作でも時折聴かせていた低音寄りで朗々と歌うスタイルを主軸に据えてカムバックを果たしているのが何よりも注目ポイント。

それに呼応するように、演奏陣もプログレ・ハード的な疾走感とパワフルさを押し出した逞しくもキャッチーなアンサンブルを聴かせるようになっています。

性急なリズムを刻むドラム&ベースに乗ってギター&オルガンがスリリングなユニゾンを決めるアンサンブルに、姉御系の力強い女性ヴォーカルがエモーショナルに歌い上げるスタイルがとにかくカッコいいんです。

キーボードが担うシンフォニックな美麗さは随所に残しながらも、重量感たっぷりな畳みかけとキャッチーなメロディラインで駆ける、新たなスタイルを提示する意欲作に仕上がっています!

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KRZYSZTOF LEPIARCZYK/40

そんなLOONYPARKの新作と同年にリーダーもソロ作を発表。これがまた素晴らしい!

従来でのPINK FLOYD系統のメランコリックでしっとりしたシンフォ・スタイルはそのままに、LOONYPARK『7TH DEW』でも顕著だったキャッチーなメロディをリズミカルに聴かせる躍動感あるサウンドを導入しているのが特徴。

ゆったり幻想的にたゆたうようなサウンドとスピード感あるメロディアスなサウンドが対比され劇的な音世界を作り上げます。

Rick Wright彷彿の粛々とした内省感をもって広がるシンセと、Dave Gilmour+Steve Rothelyと言える美旋律をエモーションいっぱいに紡ぐギター、そこに英詞女性ヴォーカルの慈愛を帯びた柔和な美声が響くサウンドはこれぞポーランドと言える美麗さに満ちていて見事。

エレクトロニクスを絡めたタイトなリズムにピアノとギターが鋭いフレーズで切り込み、女性ヴォーカルがよりスタイリッシュに歌い上げるナンバーのカッコよさも特筆です。

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KRZYSZTOF LEPIARCZYK/GAME OF SYMPHONY

LOONYPARKを率いる才人、その勢いは止まらず、なんと21年2作目が登場!

前作はフロイド調とメロディックでキャッチーなスタイルを調和させていましたが、本作ではダンサブルなエレクトロニクスのパートとオペラ風の女声スキャットをフィーチャーした荘厳なシンフォ・パートが折り重なる様に配された緩急激しいサウンドメイクを披露していて、同年作ながら振れ幅ある音作りにまず驚かされます。

冒頭約15分の大作は、オペラチックな女声とアンビエントなタッチも交えた緻密なシンフォニック・サウンドによる張り詰めた空気感に言葉を失うアーティスティックな傑作ナンバー。

この調子で行くかと思いきや、2曲目ではいきなり刺激的なエレクトロニック・サウンドが疾走、いつの間にかスッとピアノが滑り込みクラシカルに落ち着かせると、女声スキャットが清らかに歌い上げる超絶展開に思わずゾクゾクします。

冒頭2曲だけでもKRZYSZTOF LEPIARCZYKというアーティストの底知れぬ才覚が感じ取れるはず。傑作です。

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『STRANGE THOUGHTS』

21年のリリースラッシュの反動か、22年はLOONYPARK関連作のリリースはありませんでした。

そして、満を持してのリリースとなったのが本家LOONYPARKによるこの23年7th。

前作にて初代ヴォーカルが復帰しましたが、今作までにギタリストが交代しています。

前作でのプログレ・ハード的な疾走感あるサウンドを更に押し進めており、新ギタリストによるメタリックなギターワークも相まって、LOONYPARK史上最高の迫力で押し寄せるアンサンブルに冒頭から圧倒されます。

もちろん従来の彼らが持つスタイリッシュなシンフォ要素も健在。生き物のように躍動するシンセ、ここぞで劇的に鳴らされるピアノ、未来的な世界観を演出するプログラミングと、ハイセンスの一言に尽きるキーボードワーク、そしてしなやかさと厳かさが絶妙な塩梅の女性ヴォーカルの魅力は、ハードさを強めたサウンドにおいても変わらぬ輝きを放ちます。

一聴ヘヴィなプレイが印象的に思えたギターも、アルバム中~終盤では前任者に匹敵するメロディアスなソロを連発していてこれまた見事。

ラスト・ナンバーにも注目で、叙情的なピアノをバックに切々と歌うヴォーカル、やがて神秘的な音響が散りばめられ幻想のベールに包まれて幕を閉じる、初期を思い出させる名曲となっており感動的です。

やはり現ポーランド・シンフォ最高峰の地位は揺るぎなし!

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METEOPATA『MIMO WSZYSTKO』

ソロ作ではありませんが、Krzysztof Lepiarczyk関連作品としてこの23年作をご紹介。

結成は15年以上前に遡る、K.Lepiarczyk在籍のメロディック・ロック・バンド、満を持しての1stアルバム。

そのサウンドはLOONYPARKや彼のソロとは打って変わって、シンフォニック要素は最小限に抑えられており、ポスト・ロック/オルタナ調のサウンドでスタイリッシュかつメロディアスに聴かせます。

ザクザクと疾走感あるプレイから淡く揺らめくようなプレイまで硬軟自在なギター、そのギターのバックで無駄なく鳴らされる流石のセンスを感じるピアノやオルガン、そして雄々しくも哀愁ほとばしるポーランド語ヴォーカルらが、ドラマティックなロック・サウンドを構築。

エレクトロニックな要素はほぼ登場しないのですが、どこかPORCUPINE TREEにも通じるインテリジェンスを漂わせている点も魅力的な好盤です。

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LOONYPARKの作品をリリースしているポーランドのLYNXレーベルには、他にも優美でメランコリックな好グループが数多く在籍しています。
是非引き続き探求をお楽しみください☆

LYNXレーベルの作品リストへGo!

関連カテゴリー

ポーランドLOONYPARK

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    ポーランド出身、女性ヴォーカルを擁するシンフォニック・ロック・グループ、08年のデビュー作。深く沈み込むように鳴らされるキーボード、ロング・トーンでゆったりと紡がれるメロディアスなギターを中心とする静謐でいて荘厳なアンサンブル。時に風のように柔らかに鳴らされるアコースティック・ギターのバッキング、ここぞで嵐のように轟くヘヴィなギター・リフ、オーケストラのように目の覚めるようなキーボードなど、映像喚起的なアレンジも特筆です。そして、しっとりと翳りのあるヴォーカルとメランコリックなメロディが静かにドラマを描いていきます。ポーランドらしいウェットな質感と流麗さで終始メロディアスに綴られる雄大な傑作。

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    ポーランド出身、女性ヴォーカルを擁するシンフォニック・ロック・グループ。前作『STRAW ANDY』からメンバー変わらずに制作された14年作3rd。エッジの立ったトーンで刻まれるギター、肉感的なドラムをまばゆい光で包み込むようなシンセによるデジタル・ビート、緩急をつけて時にスピーディーに突っ走る展開など、デビュー作からロック的躍動感を増した2ndからさらにダイナミズムが増した印象。アンサンブルや展開は鋭くなっているものの、このバンドの持ち味である東欧的なメランコリーはそのままで、常に叙情がたなびいています。陰影からくっきりと情景が目に浮かびあがるサウンドは並のバンドには出せないでしょう。しっとりと伸びやかに歌い上げる女性ヴォーカルとドラマティックなメロディは相変わらず絶品。前作で覚醒したバンドがさらに堂々と、自信に満ち溢れて鳴らしたメロディアス・ロックの傑作です。

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    天才コンポーザー/key奏者Krzysztof Lepiarczyk率いる、現ポーランド屈指の人気を誇る女性voシンフォ・バンド、23年作7th!前作にて初代ヴォーカルが復帰、今作ではギタリストが交代しています。前21年作『7TH DEW』で聴かせたプログレ・ハード的な疾走感あるサウンドを更に押し進めており、新ギタリストによるメタリックなギターワークも相まって、LOONYPARK史上最高の迫力で押し寄せるアンサンブルに冒頭から圧倒されます。もちろん従来の彼らが持つスタイリッシュなシンフォ要素も健在。トーンを巧みに変化しながら生き物のように躍動するシンセ、ここぞで劇的に鳴らされるピアノ、未来的な世界観を演出するプログラミングと、ハイセンスの一言に尽きるキーボードワーク、そしてしなやかさと厳かさが絶妙な塩梅の女性ヴォーカルの魅力は、ハードさを強めたサウンドにおいても変わらぬ輝きを放ちます。一聴ヘヴィなプレイが印象的に思えたギターも、アルバム中〜終盤では前任者に匹敵するメロディアスなソロを連発していてこれまた見事。さらにラスト・ナンバーは、叙情的なピアノをバックに切々と歌うヴォーカル、やがて神秘的な音響が散りばめられ幻想のベールに包まれて幕を閉じる、初期を思い出させる名曲となっており感動的です。やはり現ポーランド・シンフォ最高峰、今回も文句なしの傑作!

  • KRZYSZTOF LEPIARCZYK / GAME OF SYMPHONY

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  • METEOPATA / MIMO WSZYSTKO

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