2021年7月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
今回は、ハード・ロックのエッセンスを豊かに内包した世界のプログレ作品を探索してまいります。
疾走感みなぎるハードエッジなプレイからドラマチックに高まる泣きのプレイまで、ギターを主体に繰り広げられる演奏には、ハード・ロック・ファンも必ずやグッと来るはず。それでは出発~☆
繊細な空気を漂わせるアコースティックなパートから、唐突なリズム・チェンジでハードなパートへと雪崩れ込む瞬間のカッコ良さときたら!
ハード・ロック・サイドからプログレッシヴな感性へと接近した一枚ですね。
コネチカット出身のトリオ・バンドが79年に自主リリースした、オリジナル盤は激レアで知られる一枚。
ズバリRUSHの疾走感とBLACK SABBATHのダークな重厚感をかけ合わせたようなプレHMの傑作!
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プログレ+ハード・ロックと言ったらこの大御所グループは外せませんよね。
従来のスケール大きくダイナミックなハード・プログレに、80年代的らしいライトなポップ・センスを絶妙に調和させた一枚。
キャッチーなんだけど決して産業ロック風にはならない、アーティスティックかつ緻密な構築性を持った音作りのセンスはさすがです。
これほどのバンドがたった1枚を残しただけとは…。
極度に歪んだギター、クラシカルに波打つオルガン、そしてここぞで吹き上がるメロトロン!ハード・ロックな凶暴さとクラシカルな叙情性がブレンドしたサウンドは、「イタリアン・ロックの中のイタリアン・ロック」と言っちゃいたい完成度です。
ハードロック系プログレの定番と言えばこれかな。
この後脱退するニコ・ディ・パロの嗜好が全面に出たギター主体のヘヴィ・プログレが炸裂しています。
そしてアルバムのフィナーレを飾るこの曲、ヴォーカルの熱唱に導かれ、これでもかと畳み掛けていく泣きの展開に完全ノックアウト!
タイフォンの「Sister Jane」にも匹敵する名曲ではないでしょうか。
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クラブチッタ川崎で9月21日、22日の日程で開催されている、イタリアン・ロックが誇る2組の名バンド、ニュートロルス&アレアの来日公演に行ってまいりました。
ユーライア・ヒープがバロック様式の荘厳な教会で録音したとしたら、こんなサウンドになる!?
静動の振れ幅で聴かせるドラマティックさではイタリア随一と言える、伊ハード/ヘヴィ・シンフォ史上の隠れ名作ですね。
キース・エマーソンになったりリック・ウェイクマンになったり忙しいキーボードとひたすら泣きのフレーズを連発するギターの絡みがもうたまらない!
この溢れる熱気とエキゾチックな哀愁こそスパニッシュ・プログレの醍醐味っ!
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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、スペインらしい熱気と哀愁溢れるプログレ・ハード・バンドATILAの76年2nd『INTENCION』をピックアップいたしましょう。
独プログレを代表するバンドによる79年作がこちら。
持ち味であるギター主体のハード・ロッキンなドライブ感に加え、PINK FLOYD的なスペーシー/サイケデリック質感、そしてkeyが作り出すTANGERINE DREAMのような壮大かつ浮遊感ある音像が渾然一体となった傑作!
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管弦楽器、メロトロン、オーケストラ・・・ハード・ロックながらもプログレ並のスケール感を誇る壮大な作品を選んでみました。
英国人ミュージシャンたちがドイツで結成、全米19位のヒット作も持つグループと言ったら?
煌びやかでキャッチーなメロディと、ハード・ロックのエッジ、そしてシンフォニックな厚みあるキーボード・サウンドらが一体となった、ジャーマン・シンフォの金字塔!
元OMEGAのkey奏者率いるグループ!
変拍子ばりばりでハード&アグレッシヴに疾走したと思ったら、キース・エマーソンばりのクラシカルなピアノが突如挿入されたり、そんでまたダークに疾走したりと、このバタバタ感もまた東欧プログレの魅力ですよね!
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当時の旧ユーゴで最も高い人気を誇ったバンドだったというこのBIJELO DUGME。
ハードエッジだけど哀愁たっぷりというお得意のサウンドメイクが冴える83年作。
今や欧州を代表する音楽家の一人となったメンバーGORAN BREGOVICの作曲センスも光ってます~。
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祝21年リマスター再発!
東欧チェコにも素晴らしいバンドがいますよ☆チェコの伝説的ギタリストRADIM HLADIKを擁する孤高の名プログレ・バンド!
ブルージーなギターを中心にテクニカルに畳み掛けるバンド演奏、重厚な切れ味のオーケストラ、そして哀愁みなぎる母国語ヴォーカル、絶品の一言ですね。
タイフォンのファンには特にオススメしたいグループ!
70年代エストニアの伝説的ハード・ロック・グループ!
ツェッペリンも思わせるブルージーな演奏を土台に、イタリアン・ロック彷彿のダイナミックさ、説得力あるエストニア語のヴォーカルを乗せた、哀愁ハード・ロック・ファン必聴音源ですよ~!
伊ヘヴィ・シンフォ名作群に比肩するテンションと凶暴性、高速変拍子&オルガンとギターによる重厚でキレッキレのアンサンブル、そして熱気あふれるラテンチックな歌いまわし。
おまけに南米らしい甘美な叙情もたっぷり。
ずばり南米プログレの旨みがギュッと詰まったアルゼンチンの好バンド!
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あるときはクラシカルに格調高く、あるときはジャジーかつ芳醇に、あるときはグルーヴィーで熱量たっぷりに…。辺境地で鳴らされた個性豊かなオルガン・ロックの数々をピックアップしてまいりたいと思います。
「南米のYES」とも評されるバンドですが、緊張感をはらみつつもスケール大きく広がる演奏の素晴らしさはなるほどその異名も納得です。伸びやかなハイトーンVoも素晴らしいなぁ。
いかがでしたか?
気になる作品を見つけていただければ嬉しく思います!
ベトナム系フランス人を中心に結成され、ASIA MINORと並び、混血グループの強みを生かした無国籍な魅力を持ちながらも、フランス産らしいシンフォニック・ロックと独特の哀愁、そしてテクニカルなバンド・アンサンブルで有名なグループの75年デビュー作。どこを切っても美しいメロディーが滲み出す傑作であり、その音楽性はストレートなハード・ロックに甘んじない構築力と演奏力、プログレッシブ・ロックとしての旨みにあふれたものです。甘美なメロディーが胸を打つ彼らの代表曲「シスター・ジェーン」などを収録した名盤です。
ベトナム系フランス人を中心に結成され、ASIA MINORと並び、混血グループの強みを生かした無国籍な魅力を持ちながらも、フランス産らしいシンフォニック・ロックと独特の哀愁、そしてテクニカルなバンド・アンサンブルで有名なグループの76年2nd。基本的な路線は前作と変わらず、普遍的なメロディーと哀愁を放ちながら、ハードに、そしてシンフォニックに盛り上げる作風となっていますが、前作以上に幻想を帯びた楽曲構成とアレンジの上手さが見て取れ、彼らの持ち味である美しいメロディーと絶妙に絡みついた、デビュー作と並ぶ傑作となっています。
紙ジャケット仕様、07年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、定価2095+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
紙ジャケに側面部に色褪せあり
2014年10月に大阪・東京で行われた初来日公演をCD2枚に完全収録したライヴ・アルバム。
ステージの模様は、ライヴ・レポートをご覧ください!
https://kakereco.com/magazine/?p=14375
紙ジャケット仕様、2枚組+5曲入りボーナスディスク付属、定価4300+税
盤質:無傷/小傷
状態:
帯有
2枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり、スレ・圧痕あり
イタリアを代表するプログレッシブ・ロックバンドの72年の作品。Nico Di Paloのハードな音楽性の色濃い作品となっており、純ハードロック然とした楽曲から哀愁のバラード、キーボーディストMaurizio Salviが大活躍のシンフォニック・ロックまでを放り込んだイタリアン・ロックを代表する1枚。もともと雑多な音楽性を持ちながら咀嚼能力に優れたNEW TROLLSらしい作品となっています。本作を発表後にバンドは分裂、Nico De Paloは新バンドIBISを結成、一方Vittrio De ScaltiはN.T. ATOMIC SYSTEM名義でクラシカルな音楽性を追求した名盤「ATOMIC SYSTEM」をリリースします。
定価3200(帯税表記なし)
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯無
帯無、解説に特典部分切り取り有り、解説に特典部分切り取り有り
ギタリストRadim Hladikを中心に68年に結成され、チェコ・プログレの最高峰バンドとして活躍したグループによる79年作。前77年作で見せたプログレ然とした構築性を持つシンフォニックなサウンドを推し進めつつ、ハード・ロック的なキレ味を持つタイトなアンサンブルで突き進むスタイルは、フランスの名バンドTAI PHONGを引き合いに出したい素晴らしさ。タイトで重厚なリズム・セクションを土台に、名手Radim Hladikが泣きのフレーズ満載のギターワークで畳みかけ、シンセがスケール大きく広がり、哀愁みなぎるチェコ語ヴォーカルが切なくも雄々しい表情で歌い上げます。プログレ好きにもハード・ロック好きにも是非聴いて欲しい東欧屈指の傑作です。オススメ!
71年にB&Cレーベルよりリリースされた唯一作。前のめりに疾走するアグレッシヴなリズム隊、エッジの立ったトーンでキレのあるフレーズを炸裂させるギター、熱気溢れるヴォーカルによるハード・ロック。繊細な空気を漂わせるアコースティックなパートから、唐突なリズム・チェンジでハードなパートへと雪崩れ込むなど、プログレッシヴと言える鮮やかな展開が聴き所。一枚で解散してしまったのが惜しまれる高水準な作品です。
スペイン北東部でフランス国境に近いジローナ出身のグループ、76年作2nd。エネルギッシュなドラム、よく動くベース、キース・エマーソンになったりリック・ウェイクマンになったり忙しいキーボード、ハードかつエモーショナルなギターによる、熱気と哀愁に溢れるプログレ・ハード。洗練とはほど遠く、なかなかバタバタとしていますが、それがまた哀愁を増幅していてグッとくるものがあります。スリップ・ケース付。
エストニア・ロック・シーンの名ドラマー/ヴォーカリストGunnar Grapsが70年代に率いたギタートリオ編成のハード・ロック・バンド。70年代前半に録音された音源10曲を一枚のアルバムとして編集した18年リリース作品。変則的な内容ではあるものの、各曲にみなぎるエネルギーは並ではありません。イタリアのBIGLIETTO PER L’INFERNOやRACCOMANDATA RICEVUTA RITORNO等を想起させる、幻想的なアコースティック・パートとゴリッとヘヴィなハード・ロック・パートで構築された1曲目から素晴らしく、イタリアン・ロック・ファンならここで早くもハートを鷲掴みにされそう。エッジの立ったスピーディなギターリフに乗ってヴォーカルがユーモラスに歌う2曲目、饒舌なギターとヴォーカルの絡みが絶品なけだるいブルース・ロックの4曲目も素晴らしく、エストニアということ忘れるほどのメインストリームな本格感が漂います。ブルースを土台に細かなニュアンスにまでこだわった高い表現力を持つギターはもちろん、テクニックに裏打たれた安定感と共にグイグイと演奏を引っ張る性急なビート感も持ち合わせたGunnarのドラミングも見事です。しかし最大の魅力と言うなら、Gunnarの全編にわたりこれでもかと哀愁たっぷりに歌い上げるエストニア語ヴォーカル。ヨレヨレのようでいて不思議な説得力を帯びた歌声には何か天性のものを感じさせます。辺境哀愁ハード・ロックとして、これは多分とんでもない発掘モノ!
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