メロトロン、シンセ、ヴァイオリンなどとともに、プログレを特徴づける楽器の一つがサックス。
時にロマンティックにメロディを歌い上げ、時にギターにも負けない熱量とフリーキーさで疾走する、奏者の個性がダイレクトに音へと反映される、生楽器ならではの繊細かつ幅広い表現が可能な楽器と言えますよね。
ジャズ・ロック作品にはほぼ必ず登場するサックスですが、今回は非ジャズ・ロックなプログレ作品を中心にサックスをフィーチャーした名作たちをご紹介してまいりましょう♪
もちろんプログレッシヴ・ロックの幕開けを告げたこの作品を出さないわけにはきませんね。イアン・マクドナルドのヴァイオレンスなうねりを伴ったプレイは、それまでのロックの概念を打ち崩すのに十分すぎるインパクトを放っています。現代の感覚で聴いても戦慄せずにはおれないこの重厚感とスピード感たるや!
ご存知、英国が生んだ孤高の暗黒プログレ・バンド、70年作より。デヴィッド・ジャクソンのサックスが大幅にフィーチャーされたナンバーをどうぞ。時にフロントマン、ピーター・ハミルの存在感みなぎるヴォーカルすら押しのけてフリーキーにほとばしるサックスのカッコよさと言ったらありませんね!
双子のゴールドリング兄弟が率いる、演奏の強度とユニークさにかけてはVDGGにも引けをとらないプログレ・バンドがGNIDROLOG。狂騒感たっぷりに疾走するサックスが痛快ですね〜。00年に再結成作をリリースしたものの、これだけの個性派、是非全盛期にさらなる名作を残して欲しかったものです。
フロイド直系のメランコリーにオルガンやシンセが淡い色彩を加える情緒豊かな名ソロ作。とは言えフロイドほどのある意味でのドギツさはなく一貫してソフトでメロウな語り口が実にこの方らしいところ。メル・コリンズのドラマティックなサックスが、透明感のあるサウンドに映えますね〜。
サックスはじめ様々な管弦楽器をふんだんに盛り込んだ芳醇なシンフォニック・ロックを聴かせてくれるイタリアの名バンドをピックアップ!サックスは渋めのジャジーなプレイで弾むような躍動感と優美さに満ちたサウンドに見事なアクセントを加えます。
オザンナ『パレポリ』も捨て難いですが、サックスのインパクトではやはりコチラでしょうか。電気処理を施してギターとともに狂乱へと突入していくサックスのこの凶暴さこそヘヴィシンフォの醍醐味と言えるでしょう!妖しく囁きかけるようなフルートも聴きどころです。
まるでクリムゾンとフロイドを足してフランスらしい耽美さで包み込んだような、不穏さとエレガンスが渦巻くシンフォニック・ロックを展開。サックスはひたすら滑らかな音色で舞うようなプレイを聴かせます。これがクリムゾンやVDGGのようなヘヴィな音だとこの美しさは出ないんでしょうね。張り詰めた美意識がひしひしと感じられる名作です。
フォーカスともつながりの深いオランダのプログレ・グループ、72年作より。フォーカスの大曲「IRRUPTION」でも採用された叙情溢れるメロディを、サックスが渋く歌い上げるこのナンバーをどうぞ。
こちらもオランダのグループ。ギター&オルガンを中心にマハヴィシュヌにも匹敵しそうなエネルギーを放つ演奏が圧巻ですが、ブラス・ロック風にアンサンブルを盛りたてるサックス他ホーン・セクションの見事な仕事も特筆ですね。
長年ユーロロックの名盤として語り継がれてきたスイスのプログレ・グループによる77年作2nd。ジャケットからはファンタジックなシンフォ作品をイメージしますが、中身はクリムゾンばりの強度とヘヴィネスでスリリングに突っ走るテクニカル・プログレ。フルートを含め異様なまでのテンションを感じさせる演奏ですが、サックスは比較的クールに抑えたプレイを聴かせています。フリオ・キリコばりの超絶ドラミングも聴きもの!
スペインの秘境バスクを代表する名バンド、ヴァイオリン、サックスを導入し洗練されたサウンドを聴かせるようになった80年の名作。ジャジーに舞うサックスも耳に心地よい躍動感たっぷりに弾むアンサンブルと、どこか切なげでナイーヴなバスク語ヴォーカルの組み合わせが、異国情緒を含んだ不思議なセンチメントを醸し出しています。
ムーミンの住む国フィンランドにこんな凶暴なバンドが居たとは・・・。クリムゾン『アイランド』ばりの静寂から、サックスやファズ・ギターが炸裂する『宮殿』ばりの混沌へと雪崩れ込む展開が強烈!ジャケのエグさもムーミン的世界観とは対局に位置する代物!
ユダヤ人メンバーが居るボストンのグループなんですが、とにかくブラス・ロックもかくやという疾走しまくるホーンがもう強烈過ぎ!エネルギッシュに舞うヴァイオリンもプログレファンのハートをわし掴みにします。こ、こんな凄いバンド72年のアメリカにいたなんて!
南米アルゼンチンより、同国を代表するプログレ・グループARCO IRISの72年のコンセプト作をセレクト。南米らしいセンシティヴな叙情を持つサウンドを、哀愁に満ちたサックスのプレイがさらにドラマティックに盛り立てていくアンサンブルが素晴らしいですよね。サイケがかったどぎついギターとの間にいい対比を生んでいます。
ピーター・ハミルがキンクスに入ったような、そんなバカな!と言えるようなゴッタ煮英国ロックの名バンドによるカリスマからの71年作3rd。プロデュースはGus Dudgeonで、印象的なジャケットはヒプノシス。サックスやフルートがブイブイ鳴り響くけどブラス・ロックなわけでもなく、ひねりの効いた「アート・ロック」なサウンドが印象的。
ANGEのマネージャーが設立したCryptoレーベルよりデビューし、フランスらしい耽美な幻想色を持ち、緊張感を持たせながら浮世離れしたファンタジックなサウンドを作り出したグループの75年デビュー作。各種浮遊感のあるエフェクトを駆使しながら独特のサイケデリックな質感を漂わせ、シンフォニックな味わいを感じさせるジャズ・ロックアンサンブルを聴かせます。KING CRIMSONを髣髴とさせるダークな変拍子なども登場し肉感的に迫るような局面もありますが、KING CRIMSONのようにハードに聴こえさせないのは前に押し出されたサックス、フルートの流れるような幻想色。冷たい狂気を内包させた名盤と言えるでしょう。
OSANNAのDanilo Rusiciの弟であり、OSANNA、NOVAにも参加することとなるCorrado Rusticiを中心に結成されたイタリアのプログレッシブ・ロックバンドの73年唯一作。その内容はほの暗い叙情とOSANNAに通じる邪悪な呪術的雰囲気を有したアーティスティックなプログレッシブ・ロックであり、メロトロンやフルートなどが演出する憂いを帯びた神秘的なサウンドと、対照的にラウドなリズム・セクションの上でへヴィーなギターとサックスが盛り上げるへヴィー・プログレッシブなサウンド、そして混声合唱を導入したイタリア然とした荘厳なサウンドまで、触れ幅に恵まれた名盤となっています。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯有、若干スレあり
スイスを代表するプログレ・グループ。77年作の2nd。フリオ・キリコばりのスリリングなドラム、クリムゾンを想わせるサックス&フルートを中心に絶えず畳み掛けるスリリングな展開は、これぞプログレ。リリカルなパートも交えた緩急の構成も見事。アナログのB面すべてを使った大曲「Movin' On」は彼らの魅力がすべて詰まった名曲。必聴盤。
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
小さいカビあり
バスク地方出身の好グループ。シンフォニック・ロックの大傑作「ITOIZ」に続いてリリースされた2ndアルバム。80年作。ジャケットのイメージ通りのノスタルジックな雰囲気はそのままに、サックス、ヴァイオリン、シンセサイザーの導入により前作以上にバラエティに富んだプログレッシヴなサウンドが印象的。女性ヴォーカルITZIARが一曲ゲスト参加。1stと並ぶスペイン・シンフォニック・ロックの傑作。
奇才Robert Frippを中心に結成され常に先鋭的なサウンドを作り出し、デビュー以来プログレッシブ・ロックの頂点に君臨し続けるイギリスのグループの69年デビューアルバム。プログレッシブ・ロックのスタートラインとなった記念碑的作品であり、「21世紀の精神異常者」のヘヴィーなサウンドで幕を開け「クリムゾン・キングの宮殿」の荘厳なメロトロンで終幕するまで、全く非の打ち所の無いフレーズとインプロヴィゼーションの応酬が乱れ飛びます。大きな衝撃を以って迎えられた本作は、プログレッシブ・ロック時代の幕開けを象徴する1枚として語り継がれています。
紙ジャケット仕様、HQCD、04年24bitデジタル・リマスター、定価2835
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯有
盤キズ多めにあり、帯に折れあり、その他は状態良好です
デジタル・リマスター、定価2310
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯無
帯無、若干側面部に色褪せあり
ロバート・フリップによる89年リマスター、定価2300
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯無
帯無、盤キズ多めにあり、ウォーターダメージあり、小さいカビあり
ロバート・フリップによる89年リマスター、定価2300
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯無
帯無、カビあり、ケースツメ跡あり
紙ジャケット仕様、40周年記念エディションDVDオーディオとHQCDの2枚組、2009年リマスター、ROCKAGEキャンペーン花帯付き仕様、NTSC方式、リージョンフリー、定価4410
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯無
帯無、若干スレあり
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
側面に折れ線あり
HDCD、ORIGINAL MASTER EDITION
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
ケースツメ跡あり
HDCD、ORIGINAL MASTER EDITION
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
一部に小さい汚れあり
HDCD、ORIGINAL MASTER EDITION
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
若干タバコ臭ありその他は状態良好です
単発ながらイタリアン・シンフォニック・プログレッシブ・ロックの頂点に君臨する名盤を生み出したグループによる75年作。非常にポピュラリティーに富んだ名作であり、バンド・アンサンブルに加えてヴァイオリン、チェロ、サックス、フルートといった管弦セクションを充実させ、ロックのダイナミズムとクラシカルな彩り、そしてアコースティックな音像が醸し出すイタリア叙情と言う点で、まさしくイタリアン・プログレッシブ・ロックの最高峰に位置する作品です。同郷PREMIATA FORNERIA MARCONIや、やはり単発ながら叙情的な名盤を作り上げたLOCANDA DELLE FATEの牧歌性にも共通する質感を有しており、また、メロディアスなボーカルはイタリアン・カンタトゥーレとしても絶品です。
言わずと知れたPINK FLOYDのキーボード奏者。78年のソロ・デビュー作。『狂気』収録の「虚空のスキャット」での静謐でリリカルで格調高いピアノ、『原子心母』収録の「Summer 68」でのゆったりとたうたうようなヴォーカルとメロディ。PINK FLOYDのそれらの楽曲や、彼の作るメロディやヴォーカルが好きな方は間違いなく気に入るサウンドがここにあります。サックス&フルートのMel Collins、ギターのSnowy Whiteなどバックの演奏も絶品。フロイドの作品のような強靱さや存在感こそありませんが、柔らかな叙情美に包まれた心地良い名作。