マンドリン、リュート、ブズーキ、ダルシマー、ハーディ・ガーディ、ハープシコード、クラムホルン・・・。中世の時代より人々に愛されてきた、現代で言うところの古楽器の数々。ここでは、そんな古楽器を取り入れた中世ロマンに溢れるプログレ・バンド/トラッド・バンドをご紹介いたしましょう。どうぞ悠久なる調べに酔いしれてください♪
各種古楽器を導入した独自の音楽性を展開する古楽プログレの代表的バンド、記念すべき1stより。王立音楽院卒のメンバーを中心に、懐古主義を通り越して遥か中世のサウンドまで遡ってしまうこの精神は、もはやプログレッシヴ以外の何物でもなし!
GRYPHONと双璧をなす古楽/トラッド・プログレ・バンド、72年作『ENGLAND』より。もうまさにタイトル通りと言える、香り高き中世英国の情景がイマジネーション豊かに立ち上がってくるような演奏が素晴らしすぎ〜!
プログレファンにもお馴染み、古楽器をふんだんに取り入れたプログレッシヴなフォーク・ロックを聴かせる英国のグループ。リック・ウェイクマンが本格的に参加した傑作70年作より。フォークと言うにはあまりに重厚かつ重層的な奥行あるアンサンブルが魅力的なんですが、その上を舞うウェイクマンのハープシコードがまたいい味出してるんです。
英国を代表する女性トラッド・フォーク・シンガー、姉ドリー・コリンズとの連名による70年作より。ヴァイオリンの祖先レベックや中世のトロンボーンと言えるサックバット、蛇腹楽器コンサーティーナなどユニークな古楽器の数々が織りなす、牧歌的な温かみと英国らしい格調がバランスした演奏が本当に見事です。勿論シャーリー・コリンズの歌声も絶品。
超絶ギタリストであると同時にリュートのマイスターでもある名手ヤン・アッカーマン。FOCUSにおいては各作品でリュートをフィーチャーした典雅な小曲が披露されています。アコギとは一味違う格調高く乾いた音色が、聴く者をはるか古へと連れて行ってくれるかのようです。
こちらもオランダのバンド。70年代から90年代まで活動したトラッド・プログレの名バンド、93年作より。古楽器の奥深い音色を引き出す巧みな奏者によって生み出される絶妙な「呼吸」や「間」を感じさせる演奏は、日本の雅楽を想起させる刹那的な美を湛えます。
フレンチ・トラッドの大家、74年デビュー作。古楽器を交えた荘厳なアンサンブルとフランス語のエキゾチックな語感が織りなすバンド独自のトラッド・ミュージックは、一度ハマれば抜け出せない魅力を放ちます。のちにGRYPHONの管楽器奏者ブライアン・ガランドが参加したことでも知られるグループですね。
こ、これは、まるでバグパイプ、マンドリン、ハーディ・ガーディ、ブズーキなど古楽器をふんだんに取り入れたメロウ・キャンドル!?このドイツ語の硬質な響きと古楽器との意外な相性の良さには驚かされますよね。ゲルマンの霧がかった森の奥深くから響いてくるようなミスティックな名品。