マグマに影響を受けた一連のバンドの総称「ZEUHL(ズール)系」。
ZEUHLとは、マグマのクリスチャン・ヴァンデが創作した独自言語コバイア語で「神聖な音楽」。
そんなズール系に属する作品のリイシューと、そのDNAを継ぐ現在のバンドの作品のリリースを目的に98年に設立されたレーベルが、SOLEIL ZEUHL。
ディスコグラフィの中から注目作をピックアップいたしますので、マグマが内包した、高度なテクニックとその土地ならではの歴史や文化を受け継いだ高い精神性を受け継いだサウンドをどうぞお楽しみください。
81年の唯一作。自主制作ながら高く評価されているSOLEIL ZEHULのカタログ屈指の一枚。アンサンブルの強度は、ヘンリー・カウやマグマやユニヴェル・ゼロに比肩してるし、テンションみなぎるジャズ・ロックを軸に、フルートやマリンバが駆け巡ってはとめどなく聴き手に襲いかかる傑作!
80年代にはJaco Pastoriusとも活動した仏の名ドラマー&コンポーザー、80年の1stでZEUHL系の名作として人気が高い一枚。ストラヴィンスキーなど近現代クラシック的エッセンスも散りばめた、マグマにも負けない精神性と音楽的野心を持った傑作。
79年録音、81年にリリースされたデビュー作。ウネリをあげる強靱なリズム隊、狂気のスキャットは、まさしくマグマ譲り。トリプル・キーボードが描く深遠なる暗黒世界は、マイナーながら、マグマに匹敵するスケール!
83年の結成前後にカセットのみでリリースされた音源の発掘盤。怪奇度/恐怖度に関しては、マグマもユニヴェル・ゼロも凌駕!!!
地中海に浮かぶフランス領コルシカ島のグループによる78年作。幻想的に彩るローズピアノ、エスニックかつ鬼気迫るヴァイオリン、男女混声コーラスによるサウンドは、MAGMA影響下にあるグループのなかでも傑出した美的センシティビティを誇っています。傑作!
OFFERINGやMAGMAでクリスチャン・ヴァンデを支えた名Key奏者Emmanuel Borghiを中心に、90年代以降MAGMAのギターとベースを加えた結成されたMAGMA別働隊。カンタベリーにも通ずるシャープかつ陰影豊かなジャズ・ロック名作。
MAGMA/ZEUHLサウンド影響下のフランスのマルチ・ミュージシャン、FRANCOIS THOLLOTによるグループ。12年作2nd。初期ヘンリー・カウに『レッド』期クリムゾンの暗黒ヘヴィネスを注入したようなアンサンブルが素晴らしすぎる傑作。
英語ではなく、まるでコバイアのような異言語で歌っていますし、まさか00年代のアメリカにこんなバンドが出てくるとは!マグマや吉田達也のファン、COSなどベルギーのジャズ・ロックのファンは必聴!
ZEUHLの実力派SHUB NIGGURATHのギタリスト率いるバンドの19年作。MAGMA譲りの暗黒立ち込める強靭なサウンドを受け継ぎつつ、のけぞりそうなほどヴァイオレンスに弾きまくるギターを軸とする『太陽と戦慄』ばりの緊張感も放出する衝撃の一枚!
エレクトリック・ハーディー・ガーディー奏者を中心に、MAGMAやONE SHOTで活動する鉄壁のリズム隊が加わって結成されたトリオ。06年デビュー作。元々は舞踏音楽など民族音楽に使われるハーディー・ガーディーをここまで狂暴に鳴らすとは。
05年結成のフランスのグループ。09年デビュー作。変拍子をビシバシきめる重厚なリズム隊、ポリリズミックなキーボード、そして凶暴かつスリリングな速弾きギター。もう、こんなんライヴで観たら失禁しまっせ。2009年のライヴ映像をどうぞ!
04年結成、女性ヴォーカルを擁するフランスのグループ、07年デビュー作。深遠な女性ヴォーカルとほの暗く静謐なアンサンブル。緩やかに展開する物語に添うように、徐々にダイナミックに、徐々に肉感的に変容していく展開は圧巻!
復活したOFFERINGのメンバーとしても名を連ねるドラマーPhilippe Gleizes率いる新鋭アヴァン/ジャズ・ロック・グループ、2013年デビュー作。ソフト・マシーンやハットフィールドやナショナル・ヘルスなどカンタベリーのファン、『レッド』期キング・クリムゾンやマグマのファンは必聴と言える、恐るべきデビュー作!
西フランスのナント出身、フルート奏者、パーカッション奏者を含む6人編成のチェンバー・ロック/ジャズ・ロック・グループ。81年に自主制作された唯一作。マハヴィシュヌ・オーケストラ、フランク・ザッパ、マグマ、ヘンリー・カウから影響を受けたようで、テンションみなぎる緻密かつ狂暴なサウンドが持ち味。一時、ETRON FOU LELOUBLANのメンバーと交流を持ち、彼らが所属するR.I.O.への参加も打診されたようです。アルバムの録音は、UNIVERS ZEROが傑作『HERESIE』と『CEUX DU DEHORS』を録音したスイスのスタジオ。これほどのテクニックを持つグループながらレーベルを探すことはせず、自費プレスでわずか1000枚のみ、ほぼライヴ後の手売りのみでさばかれたようです。サウンドは、自主制作の中でも屈指のクオリティ。変拍子というか、唐突にストップ&ゴーを繰り返しながらリズムを解体し、いびつな拍子で予測不能に畳みかけるドラム、低域で強靱にうねるベース、硬質なタッチのピアノ、エッジの立ったトーンでエキセントリックなフレーズをアグレッシヴに弾き倒すギターによるテンションみなぎるパートを軸に、フルートとマリンバが細かい拍子の中を鋭角に駆け巡る暗黒チェンバー・ロックなパートを配して、とめどなく聴き手に襲いかかるサウンドが持ち味です。そのアンサンブルの強度は、ヘンリー・カウやマグマに比肩。ヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロやマグマのファンは間違いなく気に入るでしょう。傑作です。
05年結成、フランスのジャズ・ロック/アヴァン・ロック・グループ。09年デビュー作。抜けの良いクリアトーンから凶暴なディストーションまで饒舌に圧倒するギターワーク、艶やかで甘やかな音色を奏でるローズピアノ、重厚でタフなドラミングと地を這うような重低ベース。そしてまるで着火剤のように、アンサンブルを「静」のパートから「動」のパートへと煽動する、MAGMA直系のフィメール・コーラス。MAGMA/ZEUHL系のグループながら暗黒なトーンはさほど感じず、地球上に住む生命体をテーマにしたというコンセプト作らしい、神秘的なストーリーを感じるドラマティックな展開に思わず引きこまれます。
80年代にはJaco Pastoriusとも活動した仏の名ドラマー&コンポーザー、80年の1stでZEUHL系の名作として人気が高い一枚。執拗に上下動の反復を繰り返すベース、ハードかつふくよかなトーンのジャジーなドラムによる鉄壁のリズム隊を土台に、ブラス・セクションが豪快に鳴り、女性コーラス隊が中世的/暗黒的な世界を描くサウンドは初期マグマ直系でいかにもZEUHL。ストリングスやフルートなど管楽器やヴィヴラフォンなどによるストラヴィンスキーをはじめとする近現代クラシック的なエッセンスも散りばめたアンサンブルは、「ジャズ・ロック」の枠にはおさまらないスケールの大きさが特筆です。マグマにも負けない精神性と音楽的野心を持った傑作。
83年結成、フランスのチェンバー・ロック・グループ。本作は、結成前後にカセットのみでリリースされたデモ音源のCD化。重厚で暗黒なドラム&ベース、コバイア調の女性コーラス、悲痛に泣き叫ぶような室内楽器、実際の泣き叫び声、そして突如として牙を剥くメタリックでノイジーなフリップ系のギター、凶暴に豹変するアコースティック・ピアノ!重厚で暗澹たるリズム隊を土台に展開される、いわゆるZEUHL系のチェンバー・ロックのなかでも、サウンド全体が塊となって放つ「強度」という意味では、群を抜いている印象を受けます。怪奇度、恐怖度というベクトルでは、もはやMAGMAやUNIVERS ZEROを凌駕。
モンスター・バンドMAGMAに連なるZEUHL系の実力派SHUB NIGGURATHのギタリストが結成したグループによる19年作。MAGMAの暗黒立ち込める強靭なサウンドを受け継ぎつつ、思わずのけぞりそうなほどヴァイオレンスに弾きまくるギターを軸とする『太陽と戦慄』ばりの緊張感も放出。大嵐のように吹き荒れるヘヴィ・プログレになぎ倒される衝撃の一枚!
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