輝く太陽、金色に輝く街並みを遥かに見下ろすヴェスヴィオ火山。街行く陽気な人々のおしゃべり、交錯するクラクション。愛と情熱の都「ナポリ」は、イタリア南部カンパニア州の州都であり、古代ギリシア人による植民都市の建設から、約2600年の歴史を誇る華の都です。「ナポリを見て死ね」という決まり文句にあるように、一度訪れるなら、その街の極度の興奮と感情的な営みが、旅人の胸を掴んで離さない、魔性の都。そして、その個性的な街で育まれた音楽もまた、胸の鼓動高鳴る、特別エネルッギッシュなものでした。有史以来、様々な外的勢力によって翻弄されて続けて来た歴史を持つナポリの人々は、「LA DOLCE VITA(人生はデザートのように甘く素晴らしもの)」と言った達観にも似た開き直りの上に、時に悲しく時に愉しく、逞しい音楽の数々を生んで来ました。
ローマ・カトリック教徒としての信仰心や迷い、ラテン人としてパトス(苦悩をも包含した感情の発露)溢れる感性の相克が生んだ、ナポリ独特の音楽。その特異な音楽的資質の上に、全世界に波及した1960年代のサイケデリック・ムーヴメントが出会った時、世界のどこを見回しても見出すことの出来ない、オリジナリティ溢れる「ナポリ・ロック」が誕生する事となりました。
ここでは、ナポリ・ロック・バンドの最重要バンド、OSANNAを中心軸に、その前後の派生バンド、CITTA FRONTALE、UNO、NOVAやCERVELLOと言ったナポリ出身グループの動向を追う事で、日々が祝祭、生と死のメリーゴーラウンドに乗った、絶望と希望の狭間で鳴らされる「ナポリ・ミュージック」の本質的な秘密に光を当てて行きたいと思います。
ナポリの代表格。1stより。胸をかきむしるメロディ。つっかかり気味のドラム、フリーキーなサックス、祝祭的なコーラスが聴き手の感情をさらにあおり、そしてラストの叫びへとなだれ込む。この表現の激しい振幅こそナポリ。
名作『パレポリ』より。ナポリの熱気と喧噪がつまった荒れ狂う名曲。呪術的なイントロから祝祭ムードへと高揚。メロトロンがぶちまかれ、サックス、ギター、フルートが狂ったように爆発!
むせ返るようなヘヴィなオザンナに比べ、地中海色豊かな、たおやかで明るいサウンドが特徴。しかしそこは元オザンナ。ジャジーでシャープな変拍子パートのキレはさすが。
オザンナのSAX奏者ダニーロの弟コッラード(ギター)率いるグループ。イタリアン・バロックから綿々と受け継がれる『静』と『動』の対比。イタリアらしい『美』のメロディ、そしてサックスとギターがフリーキーに畳みかける『暴』のパートの鮮やかな対比。
CITTA FRONTALEを母体に、Danilo RusiciとElio D'annaを中心に結成され、呪術的なサウンドとほの暗い叙情でトップバンドへと登りつめたイタリアのへヴィー・プログレッシブ・ロックグループの72年2nd。同名映画のサウンド・トラックとして製作されたその内容は、前作からの流れを感じさせるサイケデリックなロック・アンサンブルはそのままに、NEW TROLLSの名盤「Concerto Grosso N.I」でもその手腕を発揮したLuis Enriquesz Bacalovのアレンジによるオーケストラ・セクションを加えバロック・クラシック的な音楽性も加味。彼らの個性はそのままにロックとクラシックの融合を成し遂げた1枚となっています。
87年規格、定価3200
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯有
盤に研磨跡あり、ケースツメ跡あり、カビあり、帯中央部分に色褪せあり、帯にシール跡、ケースに小さいヒビあり
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
黄ばみあり
CITTA FRONTALEを母体に、Danilo RusiciとElio D'annaを中心に結成され、呪術的なサウンドとほの暗い叙情でトップバンドへと登りつめたイタリアのへヴィー・プログレッシブ・ロックグループの73年3rd。彼らの最高傑作として名高い本作は、彼らの個性である呪術的な暗鬱とした音楽性、圧倒的なサイケデリアを描く音像、そして過剰なへヴィネスを内包したギター、サックスが先導するフリー・ジャズ路線のアプローチが高次元で融合したイタリアン・プログレッシブ・ロックを代表する名作であり、おどろおどろしいながらも神秘を感じさせる傑作です。
定価2136+税
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯有
若干カビ・若干汚れ・帯に色褪せあり
OSANNAのDanilo RusticiとElio D'AnnaがOSANNA分裂期に結成したイタリアン・プログレッシブ・ロックグループの74年作。残ったOSANNAメンバーMassimo GuarinoとLino VairettiはCITTA FRONTALEを結成し、やはり牧歌的な名盤を生み出していますが、こちらはイギリス録音によりブリティッシュナイズされた作風を取り、PINK FLOYDの作詞が有名なN.J.Sedgwick、GONGなどの作品が有名なDennis Mackayのプロデュース、そしてPINK FLOYDの名作「Dark Side Of The Moon」に参加したLiza Strikeがボーカル参加するなど、力のこもった作品となっています。OSANNAの呪術性は控え、ブリティッシュ・ハード・ロックを基調にしたブルージーなサウンドであり、バンドはこの後ジャズ・ロック色を押し出し、NOVAへと発展していきます。
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
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