ラブ・ロックとは、70年代に隆盛したイタリアン・ロックより派生したサブジャンルの一つ。甘く切ないメロディラインを歌い上げるヴォーカルを、バンド演奏やコーラス時には雄大なオーケストラがドラマティックに盛り上げていくスタイルを基本とする、哀感たっぷりのサウンドを聴かせます。
まさに歌を中心とした音作りを信条とするイタリアン・ロックならではのジャンルと言えるんですよね。
ちなみにこのラブロックという言葉、本国イタリアや他国のプログレ関連情報に含まれていることは殆ど無く、どうやら日本で生まれたジャンル付けであるようです。とは言えこうして日本で独自のジャンル付けとして定義されそれが一般化してしまうとは、それだけ日本人にとって特別な響きを持つサウンドだということなんでしょうね〜。
というわけで、あの有名グループから知る人ぞ知る隠れ名グループまで実力派揃いでお送りいたしますよ♪
まずはラブロックを語る際には外せないこの大御所グループから!バロック風の雄大なオーケストラが大々的に導入された、黄金期のサウンドが完成を見た名作ですね。この『君をこの胸に』はドディの切々とした歌唱が胸に迫る、これぞラブロック!な名曲です。
およそ愛を奏でるということにおいてこの方の右に出るものはいないでしょう。ソロアーティストとしての成功のきっかけとなったヒットシングル『世界』をどうぞ☆オーケストラとリッカルドのナイーブな歌声の見事な融合度合いは本家I POOH以上!?溢れんばかりの愛に満ちたラブロック名曲!
知名度こそI POOHに譲るものの、サウンドのクオリティの高さでは引けを取らない名グループがこのLA BOTTEGA D’ELLARTE。キーボードを主体とした淡く繊細な音づくりとひたすらセンチメンタルに紡がれるメロディの美しさにより、プログレファンからも多くの支持を集めるグループ。2nd収録の美しすぎる「Il Suo Sguardo, La Malinconia, La Mia Poesia」をどうぞ♪
当初アイドル・グループとして売り出され、全盛期の人気はI POOHをも上回ったというグループ。75年デビュー作のオープニングを飾る「M’INNAMORAI 」は、ストリングスといいヴォーカルといいコーラスといい、どこを切っても哀愁が溢れだす必殺の名曲!メロディも素敵だし、鐘の音がいい味を出してるし絶品だなぁ。
60年代終盤にはビート・バンドとして人気を博し、その後プログレへと接近していったグループ。この72年作ではラブロック的なロマンティックさとシンフォニックな厚みのある演奏が一体となったサウンドが楽しめます。
I POOHよりも3年早い63年に結成され現在も活動している大御所グループ、代表曲となった72年リリースのシングル曲。太く落ち着きのあるヴォーカルは、ラブロック特有の甘いハイトーンとはまた趣の異なる味わいがありますよね。
サルディーニャ島出身、プログレファンに人気の高いフォーク・タッチのたおやかなラブ・ロック・グループ、72年唯一作。アコギ爪弾きに情感溢れるヴォーカル、そして演奏を密やかに支えるメロトロン。欧州の田園風景がありありと浮かんでくるような素朴ながらもイマジネイティヴなサウンドが絶品です♪
69年デビューのラブ・ロック・グループ、78年の代表作より。素朴で温かみのあるヴォーカルと優雅に舞うストリングス。そして愛らしいサビの展開が何とも素敵なラブロック名曲!
柔らかく詩情豊かなメロディ、美しい3声コーラス、鍵盤の上を優雅に舞うリリカルなピアノ。とにかくどの部分を切り取っても溢れ出る美しすぎるメロディ&フレーズが見事。カンタベリーを思わせるジャジーでタイトなインストとの対比によって、美しいメロディがさらに際立ちます。これぞ隠れラブロック名盤。
こちらも知る人ぞ知るラブロックの名バンド!ロマンティックなメロディが冴えわたるサンレモ音楽祭優勝曲「Bella da morire 」をお聴きください♪ いやぁ美メロが沁みますねぇ。
ずばり哀愁のラブロック代表!72年唯一作より。これでもかと哀愁たっぷりなオルガン&フルート、切々と力を込めて歌うヴォーカルが静かに胸を打ちます。派手な展開はなくともこのひなびた味わいがまた心地いいんですよね〜
こちらもビート・バンドからラブロックへと変遷を辿ったバンドの一つ。メロディアスながら甘くなりすぎないバランス感覚、少し演歌っぽい歌いまわしなどが印象的。どこかLucio Batistiなどカンタゥトーレ楽曲を思わせる哀感が滲みます。
甘いヴォーカルメロディ、切ないコーラス、優雅なストリングスとラブロックの定石をきっちりと押さえたサウンドを聴かせる好グループ。大ヒットを記録したこのデビュー曲、初期I POOHの作品に入っていてもおかしくないほどの完成度を持つ一曲です。
74年結成、現在も活動するラブ・ロック・グループ、77年リリースのシングル曲。ヴォーカルの繊細なハイトーンが冴えるセンチメンタルなラブロックが特徴。にしてもI POOHに対しI PANDAとは面白いものです。
こちらはなんと1959年結成、現在でも活動しているイタリア最古参グループ。この78年作で既に20年のキャリアを持つことになりますが、それが滲むかのような力強くも泣きに溢れたサウンドは、まさにバンド名通りと言えますね。
女性ヴォーカルとしか思えないような透き通るファルセット・ヴォイスがあまりに素晴らしい名グループ。分厚いキーボードオーケストレーションに乗って切々と盛り上がっていく展開は涙なしには聴けません!
60年代からメインストリームで活躍したポップ・バンドがプログレッシヴ・ムーヴメントの波を受けて制作した作品。72年作。彼らの持ち味である親しみやすいメロディーはそのままに、メロトロン、弦楽器、キーボードが次々に叙情的なアンサンブルを奏でるサウンドがファンタスティックな一枚。展開も素晴らしく、ドラマティックな構成美は圧巻の一言です。メロディー、演奏が高次元でかみ合ったイタリアン・シンフォニック・ロックの傑作。
紙ジャケット仕様、K2 24bitデジタル・リマスター、定価2000+税
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯有
カビあり
イタリアの5人組プログレ/ラブ・ロック・バンドが72年に発表した唯一作。叙情的なイタリア語ヴォーカル、饒舌なハモンド、表情豊かなサックス、そしてこれぞラヴ・ロック!という美しいコーラスらが織りなす、ドラマティックで甘くロマンティックな展開が持ち味。全体的に今ひとつ垢抜けない感じがして、それがまた愛くるしくもあります。
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
紙ジャケに色褪せあり、若干角潰れあり、その他は状態良好です
ボッテガ・デラルテが79年に発表したセカンドにあたる本作は、イタリアらしい叙情的なメロディーの美しさという点では最高峰に位置する名盤です。最初から最後まで、メロディーの洪水としか表現できない、美メロの連続に胸を締め付けられます。ピアノ、オルガン、メロトロンなどの多種鍵盤楽器による重厚なアレンジも曲を感動的に盛り上げており見事。これぞ珠玉の一枚という表現が相応しい作品ではないでしょうか。