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現ポーランド・プログレ・シーンをリードするグループMILLENIUMを大特集!

00年代以降のポーランド・プログレ・シーンをリードするグループMILLENIUMの2017年作『44 MUNITES』がリリースされましたね。それを記念して、彼らのこれまでの作品をピックアップしながらストーリーを追っていきましょう。

彼らの持ち味は、

・マリリオンやIQや同郷のコラージュなどネオ・プログレに影響を受けたメランコリックな叙情美
・ピンク・フロイドのDNAを継いだ空間的・映像喚起的なサウンド・メイキング

の2つ。

この2つの持ち味を生み出すのが、ほぼすべての作曲を担い、コンセプト・メイキングも行うKey奏者/コンポーザーのRyszard Kramarski。現代のロジャー・ウォーターズと言える才能を持ったミュージシャンです。

彼らの結成は1999年。98年に1枚のアルバムを残したグループFRAMAUROを前身に、ヴォーカルのLukasz Galeziowskiを新たに迎えて結成されました。

結成時のラインナップは、

Ryszard Kramarski: Key、Guitar
Lukasz Gall: Vo
Thomasz Pabian: Guitar
Piotr Mazurkiewicz: Bass
Tomasz Pasko: Drums

作品を重ねる毎に、「叙情美」と「空間的サウンド・メイキング」のバランスを洗練させていき、強度も高めながら、彼らならではのスタイリッシュでメランコリックなプログレッシヴ・ロック・サウンドを極めていきます。

14年作『IN SEARCH OF THE PERFECT MELODY』は10枚目のアルバムとなりますが、1stから順を追って聴いていきながら、彼らのサウンドの変遷とその魅力を探ってまいりましょう。

『MILLENIUM』(99年作1st)

メランコリックにたなびくキーボード、しっとりと紡がれるエレキのアルペジオ、物悲しい旋律のアコギ、どこか工業地帯の灰色の世界を連想させる無機質なビートと生活音のコラージュ。

前身バンドFRAMAUROの音楽性を受け継いだ、ピンク・フロイドからの影響を軸にポーランドならではの翳りで包み込んだようなアンサンブルが印象的です。

アコースティックな音とデジタルで無機質な音とのブレンドは彼らの真骨頂。メロディアスなバンド・サウンドと、シンセによる電子音やデジタリーなビートとが違和感なく同居した奥行きのある映像喚起的なアレンジが見事です。

ヴォーカル&メロディも魅力で、憂いたっぷりのハイトーンの歌声とシアトリカルな歌いまわしに心奪われるLukasz Gallのヴォーカル、陰影と叙情がにじむメロディにはデビュー作とは思えない「スケール」と「味わい」があります。

デビュー作のみポーランド語で歌われていることも特筆。

ポーランド語は、西スラヴ語群に属し、チェコ語やスロバキア語とは方言程度の違い。往年のチェコ産プログレと同じメランコリーや気品を感じます。

耽美的かつモダンで、なおかつリリシズムたっぷりな、デビュー作とは思えないハイ・クオリティな一枚。

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1stアルバムリリース後、ギターのThomasz Pabianが脱退。新たにPiotr Plonkaが加入します。

Ryszard Kramarskiいわく、MILLENIUMの真のデビュー作として制作され、00年にリリースされた2ndが『VOCANDA』

『VOCANDA』(00年作2nd)

デビュー作と比べ、「静」と「動」の対比鮮やかに、よりスケールを増した印象。

『アニマルス』『ウォール』あたりのフロイドを彷彿させるアコースティックなオープニング・ナンバーからはじまり、無機的な音色のストリングス・シンセをバックにヘヴィなギターが炸裂し、ジェネシスばりのドラマティックなリズムのアクセントとともに、サックスが乱入して荘厳に盛り上がる展開にノックアウト。

新たに加わったギタリストThomasz Pabianによるエモーショナルな泣きのギターも素晴らしいし、Ryszard Kramarskiも負けじと気品あるタッチのピアノやワルツ曲などでポーランド生まれのショパンのエッセンスをにじませたり、前作以上にメロディアスさが際立っています。

曲間なく繰り広げられる壮大な音のドラマに感動すること間違いなしな傑作。

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3rdアルバムのレコーディングの前に、ギタリストとベーシストが脱退。新たにPrzemek Druzkowski(Guitar)とKrzysztof Wyrwa(Bass)が加入します。

そして、02年にリリースされた3rdアルバムが『REINCARNATIONS』。

『REINCARNATIONS』(02年作3rd)

1st、2ndに比べ、「メロディ」の方にグッと寄っている印象。

彼らならではの空間的な音作りもさすがで、エッジの立ったギターによるシャープなリズムや無機的なビートを効果的に配し、「泣き」に流れず、スケールの大きなサウンドを作り上げています。

今までとは違い、直接的な影響はそれほど感じませんが、やはりピンク・フロイドのエッセンスは確かに流れていますし、堂々と「メロディ」に挑んだメロディアス・ロックの逸品と言えるでしょう。

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『DEJA VU』(04年作4th)

「しっとりと叙情あるメロディ」と「映像喚起的なサウンド・メイキング」という2つの持ち味の中、前作では「メロディ」に比重が置かれましたが、本作では「映像喚起的なサウンド・メイキング」の方に軸足を置いた印象。

物憂げな叙情美とともに、シャープで無機的なタッチのリズム・ギター、ミニマルなフレーズを奏でるシンセ、デジタリーなビート音などを効果的に配して、独特のクリアで耽美的なサウンドを構築しています。

ピーター・ガブリエルやピンク・フロイドの音世界を受け継いだ正統派と言えるサウンドをモノにした出世作で、Ryszard Kramarski自身が99%満足と誇る傑作。

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ギタリストのPiotr Plonkaが復帰して制作された05年作5thで、インターネットにとりつかれた男をモチーフにしたコンセプト・アルバムが『INTERDEAD』。

『INTERDEAD』(05年作5th)

前作では「サウンド・メイキング」に軸足を置きましたが、再び「メロディ」に寄り、ヴォーカリストGallのスタイリッシュでシアトリカルな歌唱を中心としたフックに富んだサウンドが印象的。

メロディに寄ったと言っても、サウンド・メイキングもまた特筆もの。音空間を自在に操りながら、ここぞでは劇的に盛り上げる緩急自在のアンサンブルや、伸びやかに奏でられる「泣き」のギターは、ピンク・フロイドのエッセンスを確かに感じます。

彼らの「メロディ・センス」とそれを彩る「空間的サウンド・メイキング・センス」とがグイっと引き出されたメロディアス・プログレの充実作。

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『NUMBERS AND BIG DREAMS OF MR SUNDERS』(06年作6th)

しっとりとしたトーンでたなびくキーボード、反復フレーズやディレイ音を巧みに操りながらメランコリーやリリシズムを添えるギター、空間を広げるデジタリーなビート、そして、堂々とエモーショナルに歌い上げるヴォーカルと憂いたっぷりのメロディ。

『アニマルズ』『ウォール』期のピンク・フロイドを彷彿させるメロディアスなプログレが印象的。

ネオ・プログレの耽美性や叙情美と、ピンク・フロイドの空間的・映像喚起的な音響センスとが見事に溶け合ったサウンドは彼らの原点と言えるでしょう。

これまでの彼らの作品の中でも特に美しいメロディに溢れています。

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『EXIST』(08年作7th)

前作6thの後、ベスト盤、シングル盤をリリースしてからの08年作7th。

これまでも『ウォール』期のフロイドを彷彿させる映像喚起的なサウンドを聴かせてきましたが、本作のオープニング・トラックの曲目はなんと「EMBRYO」で、大地の脈動のように雄大なリズムをバックに、ギターがギルモアばりに伸びやかなリードを奏で、ヴォーカルが憂いたっぷりなメロディをエモーショナルに歌い上げるフロイドのDNAを正統的に受け継いだサウンドを聴かせています。

「ヴォーカル&メロディ」とそれを彩る「空間的なアレンジ」という彼らの2つの大きな魅力が絶妙のバランスでがっちりと噛み合った印象で、かな~り洗練された感じ。

ピンク・フロイドと同じく、「プログレ」という枠を超えて、ワールド・ワイドに評価されるべきスタイリッシュな「ロック」へとスケールアップした大傑作!

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『PUZZLES』(11年作8th)

前作から3年ぶりとなった2011年作の8thアルバムで初の2枚組。

憂いあるメロディと空間的で映像喚起的なアレンジとが完璧に融合したスタイリッシュなプログレを前作で極めた彼らが挑んだのが、アルバム2枚に渡って描く壮大なるストーリー。

アダムとイブを主人公に、男女間の複雑な関係性をパズルのピースに見立てて描いたコンセプト・アルバムに仕上がっています。

ジャケット・イメージからも分かる通り、彼らが敬愛するピンク・フロイド『ウォール』へのオマージュであり、挑戦でもある力作。

う~む、コンポーザーのRyszard Kramarskiは「現代のロジャー・ウォーターズ」と言っても過言ではないでしょうね。

一気にスケールアップした前作での自信とともにレコーディングした堂々たる傑作。

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『EGO』(13年作9th)

スタイリッシュさはそのままに、叙情性を増し、シンフォニック・ロックとして孤高のサウンドへとたどり着いた印象。

映像喚起的なSEから入り、中欧の森を思わせるアコギのリードが静かに鳴るイントロ。その静寂を打ち破って轟くヘヴィなギターとキーボードによる音の壁とギルモアばりに伸びやかに泣くリード・ギター。

そして、何より素晴らしいのがメロディーとヴォーカル。ピンク・フロイドの内省感とネオ・プログレの叙情美とが出会ったような美旋律、そして伸びやかさの中に翳りを感じさせるハイトーンが魅力のヴォーカルは、もう絶品の一言。

99年のデビュー作での「空間的な音響センスに溢れたシンフォニック・ロック」を、これまでの作品で培ったテクニックとサウンド・メイキングのセンスにより圧倒的な強度で聴かせた一大傑作。熱くも透徹としたロマンティシズム。

前々作、前作も素晴らしかったが、ずばりここまでの最高傑作と言える凄いアルバム!

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そしてデビュー15周年であり、スタジオ10作目という区切りの中でリリースされたのが『IN SEARCH OF THE PERFECT MELODY』。

『IN SEARCH OF THE PERFECT MELODY』(14年作10th)

「完璧なメロディを探して」というタイトル通り、アルバム冒頭から伸びやかなハイ・トーンのヴォーカルがアカペラで高らかに歌い上げ、鳥肌もの。間髪いれず、彼らの持ち味である、ピンク・フロイドゆずりのディレイ音による空間的なアンサンブルの中、ギター、続いてサックスがリードを取る展開もスケール大きいです。

このタイトル・トラックは、ベートーヴェンやバッハやワーグナーなど偉大なる作曲家へのオマージュであるとともに、偉大なるプログレ大曲、ジェネシス「サパーズ・レディ」やピンク・フロイド「エコーズ」やイエス「危機」へのオマージュとして作られた19分を超える大曲。

メランコリックでいてスタイリッシュな彼らならではのプログレッシヴ・ロックを極めた名曲と言えるでしょう。

ロング・トーンでまるで歌うように優美に奏でられるギターと夢想的なサックスが柔らかにメロディを紡ぎ合うインストあり、ストリングスが艶やかに彩る、愛とともに裏切りを描いた渾身のバラードあり、ピンク・フロイドゆずりの洗練を極めたアンサンブルとともに突き抜けたメロディ・センスで聴き手を壮大な音のストーリーへと導き感動を誘うサウンドは彼らの真骨頂。

現代プログレ屈指のバンドへと上り詰めたバンドが悠々と鳴らした、前作に負けず劣らずのスケールの大きな傑作。

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翌15年には地元ポーランドでの公演を収めたライヴ・アルバム『CINEMA SHOW』をリリース。13年作『EGO』、14年作『IN SEARCH OF THE PERFECT MELODY』と立て続けに傑作をリリースしてきた勢いそのままの、脂の乗ったパフォーマンスが楽しめる好ライヴ作に仕上がっています。

そして、現時点での最新作が17年リリース『44 MINUTES』!

『44 MINUTES』(17年作11th)

今作よりサポート・メンバーとして参加していたサックス奏者が正式にバンドへ加入、アーバンな香り漂うサックスのプレイが大きくフィーチャーされた、格段に洗練度を増したメロディアス・プログレを聴かせてくれます。

サックスに活躍に加え、ギルモアのブルース色を抑えたようなエモーション溢れるギターや映画のワンシーンを思わせる話し声のSE、一部楽曲での女性ヴォーカルの起用など、『狂気』のフロイドを現代的な音像で再構成したような印象もあり。

さらに特筆なのがメロディの素晴らしさ。従来に増してシンプルゆえの力強さを宿す美しいメロディが、聴き手の胸を強く揺さぶってきます。

シンフォニック・ロックという従来の立ち位置から大きく前進し、独自のサウンドを練り上げた意欲作と言えるでしょう!

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いかがでしたか?

ピンク・フロイド『ウォール』やジェネシス『眩惑のブロードウェイ』へと比肩するようなコンセプチャルな作品を制作するスケールの大きなバンドへと上り詰めた新鋭プログレ屈指のバンドと言えるのがMILLENIUM。

是非、一枚一枚噛み締めながら堪能ください。

MILLENIUMの在庫

  • MILLENIUM / REINCARNATIONS

    00年代以降のポーランドを代表するシンフォ・グループ、02年作3rd

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。02年作3rd。彼らの持ち味は、しっとりと叙情あるメロディとともに映像喚起的なサウンド・メイキングですが、本作では、「メロディ」の方にグッと寄っている印象。彼らならではの空間的な音作りもさすがで、エッジの立ったギターによるシャープなリズムや無機的なビートを効果的に配し、「泣き」に流れず、スケールの大きなサウンドを作り上げています。今までとは違い、直接的な影響はそれほど感じませんが、やはりピンク・フロイドのエッセンスは確かに流れています。堂々と「メロディ」に挑んだメロディアス・ロックの逸品です。

  • MILLENIUM / NUMBERS AND THE BIG DREAM OF MR SUNDERS

    現ポーランド・シンフォ・シーンを代表するグループ、06年作6th

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。06年作6th。しっとりとしたトーンでたなびくキーボード、反復フレーズやディレイ音を巧みに操りながらメランコリーやリリシズムを添えるギター、空間を広げるデジタリーなビート、そして、堂々とエモーショナルに歌い上げるヴォーカルと憂いたっぷりのメロディ。『アニマルズ』『ウォール』期のピンク・フロイドを彷彿させるメロディアスなプログレを聴かせます。ネオ・プログレの耽美性や叙情美と、ピンク・フロイドの空間的・映像喚起的な音響センスとが見事に溶け合ったサウンドが印象的。これまでの彼らの作品の中でも特に美しいメロディに溢れた名作。

  • MILLENIUM / EXIST

    ポーランド屈指のプログレ新鋭バンド、一気に洗練され、ピンク・フロイドばりのスタイリッシュなサウンドを聴かせる08年作の傑作7th

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。前作6thの後、ベスト盤、シングル盤をリリースしてからの08年作7th。これまでも『ウォール』期のフロイドを彷彿させる映像喚起的なサウンドを聴かせてきましたが、本作のオープニング・トラックの曲目はなんと「EMBRYO」で、大地の脈動のように雄大なリズムをバックに、ギターがギルモアばりに伸びやかなリードを奏で、ヴォーカルが憂いたっぷりなメロディをエモーショナルに歌い上げるフロイドのDNAを正統的に受け継いだサウンドを聴かせています。かなり洗練された印象で、「ヴォーカル&メロディ」とそれを彩る「空間的なアレンジ」という彼らの2つの大きな魅力にサウンドを凝縮させた感じ。ピンク・フロイドと同じく、「プログレ」という枠を超えて、ワールド・ワイドに評価されるべきスタイリッシュでスケールの大きな「ロック」を聴かせる大傑作です。

  • MILLENIUM / PUZZLES

    現代ポーランドを代表するシンフォ・グループ、11年発表の2枚組コンセプト・アルバム傑作

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。前作から3年ぶりとなった2011年作の8thアルバムで初の2枚組。憂いあるメロディと空間的で映像喚起的なアレンジとが完璧に融合したスタイリッシュなプログレを前作で極めた彼らが挑んだのが、アルバム2枚に渡って描く壮大なるストーリー。アダムとイブを主人公に、男女間の複雑な関係性をパズルのピースに見立てて描いたコンセプト・アルバムに仕上がっています。ジャケット・イメージからも分かる通り、彼らが敬愛するピンク・フロイド『ウォール』へのオマージュであり、挑戦でもある力作。これは傑作です。

  • MILLENIUM / WHITE CROW

    現代ポーランドを代表するシンフォ・バンド、03〜10年の未発表音源などを収録した11年作

    現代のポーランド・シンフォを代表するバンドMILLENIUMによる、03〜10年の未発表音源などを収録した11年の編集盤。制作年の異なる楽曲がバラバラに収められているものの散漫な印象はなく、彼らが確固とした音楽性を持って活動してきたということを伝える内容となっています。分厚いシンセとハードなギターがアンサンブルを支配する重厚なスタイルの楽曲よりも、ヴォーカルのGALLのスタイリッシュな歌唱をメインに聴かせるメロディアス・ロック路線の楽曲を中心に選曲されており、非常に耳触りがよく聴きやすい曲が軒を連ねます。洗練を極めた演奏陣のクールな演奏も聴き所。編集盤ながら、作品として完成された印象すら受ける充実の一枚です。

  • MILLENIUM / 44 MINUTES

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる17年作、サックスを大きくフィーチャーし、アーバンな香り漂うメロディアス・プログレを聴かせる意欲作!

    現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担うグループによる17年作。今作よりゲストプレイヤーだったサックス奏者が正式メンバーとして参加。ピンク・フロイド憧憬のメランコリックかつ劇的なサウンドにジェネシス的な叙情溢れるキーボードプレイを加えた音楽性を持っていた彼らですが、今作ではアーバンな香り漂うサックスのプレイも大きくフィーチャーし、従来作に比べ格段に洗練されたメロディアス・プログレを聴かせてくれます。全体的に見るとキーボードが担っていたシンフォ色は後退したものの、ここぞという場面ではシンセがスケール大きくうねり、存在感を発揮。サックスに活躍に加え、ギルモアのブルース色を抑えたようなエモーション溢れるギターや映画のワンシーンを思わせる話し声のSE、一部楽曲での女性ヴォーカルの起用など、『狂気』のフロイドを現代的な音像で再構成したような印象も強く受けます。さらに特筆なのがメロディの素晴らしさ。従来に増してシンプルゆえの力強さを宿す選び抜かれた美しいメロディが、聴き手の胸を強く揺さぶってきます。そのメロディを歌い上げる少し憂いのある男性ヴォーカルも相変わらずいい声です。シンフォニック・ロックという従来の立ち位置から大きく前進し、独自のサウンドを練り上げた意欲作!

  • MILLENIUM / CINEMA SHOW

    ポーランド屈指の新鋭バンド、2015年のライヴ・アルバム

    90年代以降の東欧を代表するポーランド出身のプログレ新鋭バンド。2015年11月の地元ポーランド公演を収録したライヴ盤。「ネオ・プログレ直系のメランコリックな叙情美」と「ピンク・フロイド影響の空間的・映像喚起的サウンド・メイキング」を軸に、作品をリリースする毎にサウンドをスタイリッシュに洗練させていき、13年に『EGO』、14年に『IN SEARCH OF THE PERFECT MELODY』という孤高の傑作をものにするなど円熟の粋に達したバンドの実力が見事に真空パックされている印象。映像喚起的に空間を彩るキーボード、エモーショナルに奏でられる伸びやかなギター、ハイ・トーンのシアトリカルなヴォーカル。ライヴとは思えない多彩な空間が次から次へと現れ驚きます。名ライヴ盤です。

  • MILLENIUM / DEJA VU and MILLENIUM 1999

    ポーランド屈指のプログレ新鋭バンド、99年デビュー作と04年作4thをカップリングしたデビュー15周年の記念2枚組

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。結成15年を記念してリリースされた99年デビュー作『MILLENIUM』と04年作4th『DEJA VU』とをカップリングした2枚組。ピンク・フロイドからの影響を軸にポーランドならではの翳りで包み込んだ、ゆったりとたなびくようにメランコリックなアンサンブル、そして憂いたっぷりのハイトーンの歌声とシアトリカルな歌いまわしが魅力の?ukasz Gallのヴォーカル。アコースティックな音とデジタルで無機質な音とのブレンドも持ち味で、しっとりと紡がれるアコギと、シンセによる電子音やデジタリーなビートとが違和感なく同居した奥行きのある映像喚起的なアレンジも見事です。伸びやかなトーンで歌うように奏でられるエレキ・ギターのリードもまた印象的。どちらの作品も耽美的かつモダンで、なおかつリリシズムたっぷりなポーリッシュ・シンフォの逸品です。

  • MILLENIUM / EGO

    ポーランド・プログレ・シーンを代表するシンフォ・バンド、ずばり最高傑作と言える13年作9th

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。ネオ・プログレとピンク・フロイドの影響の元に、メランコリックで映像喚起的なサウンドでデビューし、徐々に洗練させながら、前々作、前作で到達した、「プログレ」の枠を超えた、ピンク・フロイド『ウォール』ばりのスタイリッシュな「ロック」サウンド。2013年作9thである本作では、スタイリッシュさはそのままに、叙情性を増し、シンフォニック・ロックとして孤高のサウンドを聴かせています。映像喚起的なSEから入り、中欧の森を思わせるアコギのリードが静かに鳴るイントロ。その静寂を打ち破って轟くヘヴィなギターとキーボードによる音の壁とギルモアばりに伸びやかに泣くリード・ギター。そして、何より素晴らしいのがメロディーとヴォーカル。ピンク・フロイドの内省感とネオ・プログレの叙情美とが出会ったような美旋律、そして伸びやかさの中に翳りを感じさせるハイトーンが魅力のヴォーカルは、もう絶品の一言。99年のデビュー作での「空間的な音響センスに溢れたシンフォニック・ロック」を、これまでの作品で培ったテクニックとサウンド・メイキングのセンスにより圧倒的な強度で聴かせた一大傑作。熱くも透徹としたロマンティシズム。これはずばり最高傑作!

  • MILLENIUM / IN SEARCH OF THE PERFECT MELODY

    ポーランド屈指のプログレ新鋭バンド、前作に負けず劣らずの傑作に仕上がった2014年作10th

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。最高傑作と言える圧倒的な強度のシンフォニック・ロックを聴かせた前作からわずか1年でリリースされた2014年作10thアルバム。「完璧なメロディを探して」というタイトル通り、アルバム冒頭から伸びやかなハイ・トーンのヴォーカルがアカペラで高らかに歌い上げ、鳥肌もの。間髪いれず、彼らの持ち味である、ピンク・フロイドゆずりのディレイ音による空間的なアンサンブルの中、ギター、続いてサックスがリードを取る展開もスケール大きいです。このタイトル・トラックは、ベートーヴェンやバッハやワーグナーなど偉大なる作曲家へのオマージュであるとともに、偉大なるプログレ大曲、ジェネシス「サパーズ・レディ」やピンク・フロイド「エコーズ」やイエス「危機」へのオマージュとして作られた19分を超える大曲。メランコリックでいてスタイリッシュな彼らならではのプログレッシヴ・ロックを極めた名曲です。ロング・トーンでまるで歌うように優美に奏でられるギターと夢想的なサックスが柔らかにメロディを紡ぎ合うインストあり、ストリングスが艶やかに彩る、愛とともに裏切りを描いた渾身のバラードあり、ピンク・フロイドゆずりの洗練を極めたアンサンブルとともに突き抜けたメロディ・センスで聴き手を壮大な音のストーリーへと導き感動を誘うサウンドは彼らの真骨頂。前作に負けず劣らずの傑作です。

  • MILLENIUM / VOCANDA

    00年代以降のポーランドを代表するシンフォニック・ロック・バンド、00年作2nd

    99年結成のポーランド屈指のプログレ新鋭バンド。コンセプト・アルバムとなった00年作の2nd。デビュー作で印象的だった、ネオ・プログレの叙情性とともにピンク・フロイドのDNAを継ぎ、メランコリックかつ映像喚起的なサウンドの延長線上に、「静」と「動」の対比鮮やかに、よりスケールを増した印象。『アニマルス』『ウォール』あたりのフロイドを彷彿させるアコースティックなオープニング・ナンバーからはじまり、無機的な音色のストリングス・シンセをバックにヘヴィなギターが炸裂し、ジェネシスばりのドラマティックなリズムのアクセントとともに、サックスが乱入して荘厳に盛り上がる展開にノックアウト。前作以上にエモーショナルに泣きのフレーズを奏でるギターも素晴らしいし、気品あるタッチのピアノやワルツ曲などポーランド生まれのショパンのエッセンスを感じるし、前作以上にメロディアスさが際立っています。なお、前作はポーランド語でしたが、本作は英語で歌われています。曲間なく繰り広げられる壮大な音のドラマに感動すること間違いなしな傑作。

  • MILLENIUM / VOCANDA 2013 LIVE IN STUDIO

    現ポーランドを代表するシンフォ・グループ、00年作『VOCANDA』を再演した13年スタジオ・ライヴ作!

    00年代以降のポーランドを代表するシンフォニック・ロック・バンド、13年のスタジオ・ライヴを収録した13年作。タイトルの通り、00年作『VOCANDA』を13年の時を経て再演した内容となっており、オリジナル・ヴァージョンでのドラマティックさはそのままに、よりダイナミックでスケール感にあふれた演奏に生まれ変わっています。中でもギターとキーボードの演奏技術/表現力は大きくレベルアップしているのがわかり、作品本来の魅力を引き出すような素晴らしいパフォーマンスに思わず感動。ヴォーカルのLUKASZ GALLの切々としたハイトーン・ヴォーカルもやはり絶品。キーボーディストが運営する自レーベルの15周年を記念した企画作品ながら、充実した演奏を全編に渡り披露する好盤です。

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