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2019年プログレ/シンフォ注目の新譜特集【新鋭編】

1993年にリリースされたアネクドテンによる衝撃のデビュー・アルバム『暗鬱』。キング・クリムゾンをはじめとする70年代プログレッシヴ・ロックのDNAを受け継ぎつつ、オルタナティヴ・ロックの粗野なヘヴィネスも加え、新たな感覚で新世代プログレッシヴ・ロックが轟音メロトロンとともに高らかに鳴らされました。

それ以降、アネクドテンを輩出したスウェーデンに負けてなるものか、とばかりにイタリアでも数多くの70年代イタリアン・ロックのDNAを継ぐバンドが生まれ、さらに、本場イギリス、ユーロ各国、南米や北米でも、往年と変わらぬ勢いで続々と新鋭プログレ・バンドが生まれました。

アネクドテンを率いるNicklas Barkerは1969年生まれ、イタリアで数多くのプログレ・バンドを率いる奇才Fabio Zuffantiは1968年生まれで、ともに60年代末に誕生しているのは偶然ではないはず。リアルタイムで70年代プログレを聴いていない後追い世代が、90年代ロックと並行して70年代プログレを再発見し、プログレのフォーマットに新鮮な驚きを感じ、そのフォーマットの中でリアルタイムのロックとして鳴らしたサウンドこそ新世代プログレッシヴ・ロックであると言えるでしょう。

00年代に入っても新鋭プログレ・シーンの勢いはおさまらず、70年代サウンドへのオマージュに満ちたバンドから、さらにポスト・ロックなども取り込みながら進化していくバンドまで、世界各国を舞台に音の幅を広げながら、次々と鮮烈なる作品を生み出しています。

はたして2019年にはどういった名作が誕生するのでしょうか。

本記事は、新たな作品が入荷するたびアップデートしていきます。

是非、ブックマークして最新のプログレッシヴ・ロック・シーンの動向をチェックいただければ幸いです。

なお、2018年終盤の発表作品も今年到着したものはこちらでご紹介しております。

それでは、世界の新鋭プログレ作品をめぐる探求の旅へといざ出発!

直近で入荷した注目作品はコチラ!!

【イタリア/フィンランド/アメリカ】SAMURAI OF PROG/TOKI NO KAZE

質の高いシンフォ作品をコンスタントにリリースするイタリア/フィンランド/アメリカの多国籍グループによる19年作7th。本作のモチーフとなっているのが、あのスタジオ・ジブリの作品世界!従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった傑作です。各曲に散りばめられたジブリ作品を想起させるサウンドの数々に思わずニヤリとしてしまいます。

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今回は往年より活躍するプログレ・ファンにはお馴染みのミュージシャン達がゲスト参加する新鋭プログレ作品をセレクトしました!これらの作品をきっかけに新鋭プログレへの入門を果たしていただければ嬉しく思います♪

【イギリス(ウクライナ)】KARFAGEN/ECHOES FROM WITHIN DRAGON ISLAND

ウクライナ出身の才人Antony Kaluginが率いる注目シンフォ・グループ。またまた素晴らしい出来栄えの19年作10th。そのサウンドを一言で言い表すなら「THE FLOWER KINGS + GRYPHON」!?→

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【イタリア】CONQUEROR/IN ORBITA

管弦楽器も交えた70sイタリアン・ロックを受け継ぐテクニカルかつダイナミックな演奏と、女性voによるハートウォームな歌心がこれ以上なく理想的に共存してる…。5年ぶりに届いたこの6th、要注目です!

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【イタリア】ERIS PLUVIA/RINGS OF EARTHLY LIGHT

待望の19年リイシュー!繊細なタッチで丁寧に紡がれる輝かしい気品に満ちたファンタスティック・サウンドは、大げさでなくCAMELや初期GENESISにも一歩も引けを取らない完成度。90年代イタリアを代表するシンフォ作品、これは本当に素晴らしいですよっ。

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【イタリア】CORPORESANO/CORPORESANO

まるで70年代のイタリアン・ロック・バンドが現代にタイムスリップしてきて作品を作ったかのような、とにかく「自然体」なヴィンテージ・サウンドに驚かされます。これ、往年の伊ロック・ファンには是非とも堪能してもらいたいなぁ。

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今回取り上げるのは、70年代プログレ&ロックへの憧れと敬意を感じさせるヴィンテージなサウンドを鳴らすバンドたち。厳選してピックアップ!

【ロシア】LOST WORLD/SPHERE ALIGNED

今全世界で最も完成されたヴァイオリン・プログレを聴かせるロシアの雄、ついに出た19年作!従来のスピードと切れ味はそのままに、ベースとキーボードが加入した事でよりダイナミックで密度の高いサウンドを構築していて素晴らしすぎっ!

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イギリス

ALI FERGUSON/WINDMILLS AND THE STARS

注目リイシューその2!GENESISの3代目シンガーRay Wilsonの右腕として活躍するギタリストの11年ソロ。これがブルース・フィーリングを和らげスタイリッシュになったギルモアといえそうなギターワークを散りばめた、幻想美たっぷりの名品♪

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ROOM/CAUGHT BY THE MACHINE

カナダのSAGAあたりを彷彿させるキャッチーなプログレ・ハードに、英国らしい幻想性を合わせたようなスタイルが個性的。奇才John Mitchellプロデュースの注目作☆

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I AM THE MANIC WHALE/NEW FORM OF LIFE: LIVE AT THE OAKWOOD

イギリスで現在最も注目すべき新鋭と言える彼らの、初となるライヴ・アルバム!2ndアルバムのナンバーが秀逸で、MOON SAFARIにも匹敵する瑞々しい躍動感がライヴで一層際立っており感動的!

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イタリア

ERIS PLUVIA/TALES FROM ANOTHER TIME

イタリアらしい叙情性とドラマ性を発揮しつつ、実にハートフルで親しみやすいサウンドへと仕上げられた文句の付け所のないシンフォニック・ロック。GENESISやCAMEL、LE ORMEのファンにオススメです!

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PROTOCOLLO C/PROTOCOLLO C

ヴィンテージなオルガン・インストゥルメンタルと現代的なオルタナティヴ・ロックが融合したみたい・・・。ハモンド好きは要チェックのイタリア新鋭19年作!

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FEM/MUTAZIONI

PFMの陰影ある叙情美、BANCOのダイナミズムとロマン、LE ORMEの気品あるファンタジーを併せ持ったような凄いバンドだ…。これぞ「正統派イタリアン・シンフォ」と呼びたい、スケールの大きさと熱きロマンティシズムが同居する会心作!

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MAD FELLAZ/III

前作まではカンタベリー色もあるジャズ・ロックを聴かせていましたが、突如ポスト・ロック的洗練も含むテクニカル・シンフォを炸裂させた19年作3rd。ずばりセンス抜群な快作!

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ELLESMERE/FROM SEA AND BEYOND

Robert Berry、Trey Gunn、David Jackson、ARENAのKeith More、NICE~ROXY MUSICのDavy Olistほかって、すごいゲスト陣!伊シンフォ新鋭TAPROBANのメンバーによるユニットで、歴戦の名手達と息ぴったりに展開するスケール大きなシンフォニック・ロックがお見事!

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BABA YOGA/L’UOMO PROGRESSIVO

GOBLIN REBIRTHに参加するkey奏者によるプロジェクトなのですが、「地中海音楽+OPUS AVANTRA+Franco Battiato」と言える、先の読めないエキセントリックな音楽性に翻弄される快作。OSANNA、JUMBO、RRRなどレジェンドバンドのフロントマン達も名唱を披露!

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フランス

MAGNESIS/ALICE AU PAYS DES DELIRES

ANGE直系と言えるシアトリカルで濃密なフレンチ・プログレを聴かせてくれる19年作!フランス語の耽美かつアンニュイな響きを尊重しつつ自己陶酔気味に歌い上げるヴォーカル・スタイルがたまらん!

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MOTIS/DEGLINGO

前作にあたる傑作14年作『JOSQUIN MESSONNIER』で聴かせた、ヴィンテージkeyによるめくるめくファンタジーを各所に配しつつも、ギターが存在感を増し強度高く骨太に迫ってくるサウンドがカッコいい!

もちろんフランスらしいミステリアスかつアンニュイな質感もたっぷりの18年作。

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ポーランド

LOONYPARK/DEEP SPACE EIGHT

ポーランドの人気シンフォ・グループ、待望の19年5th!新女性ヴォーカルのエモーショナル&アグレッシヴな歌唱と、端正かつ陰影に富んだ宝石のように美しいアンサンブルが見事に調和してるなぁ。傑作!

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LEBOWSKI/GALACTICA

「架空の映画のサウンドトラックを作る」というコンセプトを掲げ活動するポーリッシュ・シンフォ新鋭、待望の3rd。冷ややかなトーンのキーボードと熱量溢れる叙情派ギターの絶妙な「温度差」が仄暗さと温かみを帯びた独自の作品世界を作り上げていて素晴らしい!

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PINN DROPP/PERFECTLY FLAWED

トニー・バンクス彷彿のファンタスティックで華のあるキーボードワークに胸躍る!モダンなエッジも備えつつ70年代的ヴィンテージ感をとても大切にしているのが好印象な、ポーランド新鋭18年作!

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PROAGE/MPD

なぜこのジャケにしたんだ…。内容はフロイドをはじめとする70年代プログレ・エッセンスをふんだんに散りばめた素晴らしいサウンドなのに。

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WALFAD/COLLOIDS(POLISH VERSION)

ピンク・フロイドの音世界に影響されつつも、より外に向いた開放的な響きを聴かせるポーランド産メロディアス・プログレ新鋭、18年作!スタイリッシュにまとめられた洗練のアンサンブルに対比する、ポーランド語の無骨な響きがまたいい味わいです♪

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FIZBERS/DIE WITHOUT LIVING

沈み込むように暗く、それでいてセンシティヴな感性に溢れた繊細なメロディが胸に刺さるなあ…。フロイド影響下のメランコリックなサウンドを聴かせるポーランド産プログレ・トリオ、18年2nd!

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ANAMOR/ZA WITRAZEM

ポーランド語によるミステリアスかつ哀愁を感じる女性ヴォーカルと、ロングトーンを多用しながら止めどなく泣きのフレーズを紡ぐギターを中心に展開される流麗なサウンドは、ずばり初期QUIDAM直系シンフォの筆頭格!15年ぶりの作品とは思わせない完成度の18年作。

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MILLENIUM/MMXVIII

ポーランドの雄、新ヴォーカリストを迎えての19年作。この微かに翳のある落ち着いた声質が、都会的洗練を帯びた彼らのサウンドにベストマッチだなぁ。聴きどころは過去の11曲を繋げた圧巻の再録メドレー!

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デンマーク

TEXEL/ZOOMING INTO FOCUS

なんとっ、現代デンマークからFOCUSへの愛情に満ち溢れた新鋭が登場!?愛らしく情緒あるメロディにリリシズムに富んだフルート、アッカーマン節全開の伸びやかなギター…「Janis」や「Sylvia」を思わせる1曲目からFOCUSファンならノックアウト確実!

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ノルウェー

WINDMILL/TRIBUS

ノルウェーのキャメル系筆頭グループによる5年ぶり3rd。溢れんばかりのファンタジーとドラマチックな陰影を織り込んだ、これぞ叙情派シンフォ!と呼びたくなるサウンドは、キャメルへの憧れを見事に昇華したまさしく正統派。

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カナダ

D PROJECT/FIND YOUR SUN

硬軟自在のテクニカルギターと室内楽調の美しいヴァイオリンを対比させケルト色も織り込んだ、スケール大きく哀愁にも富んだカナディアン・シンフォの名品。

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ブラジル

FLEESH/NEXT HEMISPHERE – A RUSH TRIBUTE

ブラジルの男女シンフォ・ユニットが敬愛するRUSHを全編カバーしたトリビュートなのですが、アレンジは控えめながら、ドリーミーなギターワークや艷やかな女声ヴォーカルが新鮮に響く好カバーが揃っていて、コレは良いです♪

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TEMPUS FUGIT/DAWN AFTER THE STORM

今年リリース20周年を迎えたこの名盤の19年リイシューもご紹介しましょう☆ずばり00年代以降の南米プログレではNo.1と言っていいグループでしょう!テクニカルかつメロディアスに疾走するアンサンブルの中に息づく、ブラジルらしいメロウな叙情性がほんと素晴らしいなぁ。

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アルゼンチン

SERGIO ALVAREZ/UN LUGAR SOLITARIO LLAMADO LIBERTAD

縦横無尽に変態的フレーズを弾き倒すディストーション・ギターを中心に、各楽器がジリジリと火花散らすアヴァン・ジャズ・ロックはKING CRIMSONばりの強度!アルゼンチンのギタリストによる18年作なのですが、これはかなり痺れます。

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ASI/ASI

暖かい海を漂うようなギター、甘やかな響きのスペイン語ヴォーカル、淡く幻想的な音響が描く、詩情に満ちたセンチメンタルなサウンドがもう絶品。これぞアルゼンチンと言いたい溢れんばかりに豊かな情感を宿した新鋭18年作!

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インドネシア

DEWA BUDJANA/MAHANDINI

現インドネシア最高峰ギタリストによる19年作!J.ルーデスやM.ミンネマンといったプログレ人脈をメンバーに迎え、かつてなくプログレ/ロック・テイストあるパンチの効いたサウンドを展開します。更にあのモンスターバンドの元メンバーもゲスト参加!

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いかがでしたか?

みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。

カケレコは、これからもプログレ・シーンの最新動向を追い、世界の注目作をみなさまにお届けしてまいりますよ~。

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    ブラジルのグループ、99年の2nd。キーボードとギターを中心とするシンフォニック・ロック。格調高くリリカルなピアノと清涼感溢れるストリングス・シンセによる美しすぎるアンサンブルと、緩急自在に奔放なフレーズを奏でるロング・トーンの伸びやかなギター・ソロが印象的。音の一つ一つに生命を感じるような、全く無駄な音の無い精緻なアンサンブルは圧巻の一言。包み込むように優しく歌われるファンタスティックなヴォーカル・メロディも絶品で、インスト曲、ヴォーカル曲とも、主旋律の美しさは特筆ものです。演奏力、歌心ともにハイ・レベルな本格派グループ。名作。

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  • LOONYPARK / DEEP SPACE EIGHT

    ポーランド屈指の人気シンフォ・グループ、力強くエモーショナルな新女性ヴォーカルが素晴らしい19年作5th!

    実力派がひしめく現ポーランドでも屈指の人気シンフォ・グループによる、3年ぶりとなった19年5thアルバム。前作からの大きな変化として女性ヴォーカルの交代が挙げられます。前任者は美声を生かしたしっとりめの歌唱が印象的でしたが、後任はより感情を強く出すエモーショナルな歌唱が素晴らしく、これまでになくドラマ性を高めており特筆です。演奏陣はさすがで、耳を引くユニークなリズムパターンを織り交ぜて存在感を示すリズム・セクション、ポーランドらしい陰影と哀感を乗せひたすら美麗フレーズを繰り出すギター、バックを気品高く流れゆくストリング・シンセらが、呼吸をぴったり合わせ紡ぎ上げていく宝石のように美しいアンサンブルに聴き惚れます。また出番は多くないものの、物悲しいリリシズムと柔らかなファンタジーを併せ持つピアノのタッチも絶品で、LOONYPARKらしい角のないしなやかな音色使いを象徴しているかのよう。従来どおりの端正で美しいアンサンブルと新ヴォーカルが担うアグレッシヴな表情が見事に調和した傑作!

  • LEBOWSKI / GALACTICA

    ポーランドの注目新鋭グループ、19年作、仄暗さと温かみを帯びたドラマチックなサウンドが感動を呼ぶシンフォニック・ロック、フロイド・ファンにオススメ!

    ポーランド出身、2010年のデビュー作で完成度の高いシンフォニック・ロックを聴かせた注目グループ。17年のライヴ・アルバムを経てリリースされた通算3作目となる19年作。重々しくタイトに刻むリズム・セクションに支えられて、クリアかつ無機的なトーンのシンセやピアノ、一音一音に哀愁をほとばしらせる泣きのフレーズ満載のギターが紡ぐインスト・シンフォニック・ロック。全体にスペイシーで冷ややかな印象のキーボード、激情に駆られるようなプレイに息を呑む肉感的なギター、温度差ある両者の音色が重なり合い、仄暗さと温かみを帯びた独自の作品世界を作り上げており素晴らしいです。彼らも同国の多くのバンドが志向するピンク・フロイド的な映像喚起性を有しますが、前ライヴ作でも登場したクラリネットやフリューゲルホルン、マンドリンらが他バンドとは一線を画する繊細な叙情美を添えており聴きどころとなっています。「架空の映画のサウンドトラックを作る」という結成当初からの活動コンセプトがあるだけに、なるほどダイナミックで存在感あるアンサンブルを聴かせながらも、映像を鮮やかに浮かび上がらせるようなサントラ的な奥ゆかしい音作りセンスも随所で感じ取れます。フロイド・ファンには是非おすすめの、ドラマチックかつイマジネーションに富んだ傑作です。

  • SAMURAI OF PROG / TOKI NO KAZE

    イタリア/フィンランド/アメリカ出身の3人を中心とする多国籍シンフォ・グループ、あのスタジオ・ジブリの作品世界をモチーフにした19年作7th!

    フィンランドのプログレ・ファンジン『COLOSSUS』の編集者であり、雑誌主催のトリビュート盤でも活躍するフィンランド在住のイタリア人Marco Bernard(B)を中心に、MIST SEASONでも活躍するフィンランド人ドラマーKimmo Porsti、プログレ・バンドRESISTORも率いるギター/ヴァイオリン/フルート/ヴォーカルの米国人Steve Unruhによる多国籍トリオ・グループ。19年作7th。本作の特徴は何と言ってもあのスタジオ・ジブリの作品世界に触発された作品であること。コロコロと愛らしく鳴るピアノや、美しい詩情を湛えたフルート、悠久を奏でるように格調高いヴァイオリンらがデリケートに紡ぎ上げる、宝石のように輝かしく温かなファンタジーが滲むアンサンブルが素晴らしい!圧倒的なスケールで聴き手に押し寄せるシンフォニック・ロックをメインとしていた従来から、作品テーマを受けてより繊細な表現に力を入れている印象を受けます。リリシズムが零れ落ちるような演奏と共にピアノスト/シンガーの富山優子氏が日本語で歌う6曲目なんて、本当にジブリ作品で流れていてもいいような完成度で驚き。他にもジブリ諸作品で印象的だったモチーフが各曲に散りばめられていて、お好きな方なら聴きながら思わずニンマリとしてしまうでしょう。最終曲ではイタリア新鋭IL TEMPIO DELLE CRESSIDREの美声女性ヴォーカルEliza Montaldoの日本語による慈しみに溢れた歌声が感動を呼びます。いつもながら豪華ゲスト陣にも注目で、LATTE E MIELE、HOSTSONATEN、KARFAGEN、GLASS HAMMER他、北欧から南米まで各国から実力派が集結。従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった傑作です。

  • TEXEL / ZOOMING INTO FOCUS

    デンマークのkey奏者&英国人ギタリストを中心とする「FOCUS愛」満ち溢れるプロジェクト・バンド、18年作

    デンマークのキーボーディストSteffen Staugaardと英国人ギタリストNeil Gowlandを中心とするインスト・プログレ・プロジェクト、18年リリース。その内容はオランダを代表するプログレ・バンド、FOCUSへの愛情をとことん詰め込んだFOCUSフォロワー・アルバムとなっており、その再現っぷりと言ったらヤン・アッカーマン在籍期FOCUSの秘蔵音源と言われても全く驚かないほど。本家の様にテクニカルな速弾きで畳みかける場面こそ無いものの、しっとりと伸びやかに紡がれるギターの旋律はアッカーマン節全開だし、明るく透明感のあるオルガンにリリシズムに富んだフルート、クラシカルな素養を感じさせるロマン溢れるピアノも往年のFOCUSを思わせる瑞々しさでいっぱい。「Janis」や「Sylvia」のように愛らしく情緒あるメロディが次から次へと溢れ出てくる1曲目からもうノックアウト確実!FOCUSファンはチェック必須の一枚です。

  • CONQUEROR / IN ORBITA

    女性Vo&Keyを擁するイタリアの新鋭プログレ・バンド、2019年作6th、テクニカルかつダイナミックな演奏とイタリアらしい歌心が一体となった快作

    ヴォーカル&キーボードを務める女性ミュージシャンSimona Riganoを擁するイタリアの新鋭プログレ・バンド、2019年作6th。包み込むように優しくハートウォームな歌声が素敵な彼女のヴォーカルを中心に展開する叙情的なイタリアン・ロックをメインに聴かせます。とはいえ演奏は緊張感たっぷりで、スリリングに畳みかけるシンセサイザー&オルガン、切ない音色が胸に迫るフルート、滑らかでメロディアスなプレイが印象的なサックス、ゲストのクラシカルなヴァイオリン、そしてキレのあるヘヴィなプレイで演奏に強度を加えるギターらが織りなすサウンドは、往年のLE ORMEをはじめとする黄金期イタリアン・ロックをモダンに洗練させたような印象。硬軟自在のテクニカルなアンサンブルと、女性ヴォーカルによるイタリアらしい歌心が理想的に共存する注目作!

  • ERIS PLUVIA / TALES FROM ANOTHER TIME

    91年の傑作で知られるイタリアン・シンフォ・グループ、19年作4th、伊らしい叙情性とドラマ性を発揮しつつ、ハートフルで親しみやすいサウンドへと仕上げられた極上シンフォニック・ロック!

    傑作と誉れ高い91年デビュー作を発表後に沈黙、およそ20年後の2010年に復活を果たし16年作に続いてリリースされた19年作4thアルバム。プログラミングを全編に用いながらも、有機的な音色のシンセサイザーを折り重ねて、GENESISやCAMELを宿すたおやかで温かみのある音世界を作り上げる手腕はさすが。キーボードのプレイはLE ORME的な気品高さも滲ませており特筆。またギターはギルモア影響下のエモーショナルな泣きのスタイルで、ここぞという場面で炸裂してはドラマチックに楽曲を盛り上げます。優しく語りかけるような英語ヴォーカルも実に良いです。イタリアらしい叙情性とドラマ性を発揮しつつ、ハートフルで親しみやすいサウンドへと仕上げられた極上のシンフォニック・ロック。おすすめ〜!

  • I AM THE MANIC WHALE / NEW FORM OF LIFE: LIVE AT THE OAKWOOD

    イギリスで現在最も注目すべき新鋭と言える彼らの初となるライヴ・アルバム、2ndを中心とする18年5月のステージを収録!

    イギリスで現在最も注目すべき新鋭と言える彼らの、初となるライヴ・アルバム!18年5月のステージを収録しており、2ndアルバムからのナンバーを中心とする全9曲。冒頭、ギターがハードに唸る1st収録の「The Man With Many Faces」から素晴らしいですが、やはり2ndからのナンバーが聴きどころで「Stand Up」「The Lifeboatmen」などは、MOON SAFARIにも匹敵する瑞々しい躍動感がライヴで一層際立っており感動的。このバンドのキャッチーでクリアな叙情性を損なわない良好な音質も作品としてのクオリティを高めています。前2作が堪らなかった人なら、マストなライヴ盤!

  • FEM(FEM PROG BAND) / MUTAZIONE

    イタリア新鋭18年作3rd、PFMの叙情美、BANCOのダイナミズムとロマン、LE ORMEの気品高さを併せ持ったような驚くべき傑作!

    ミラノ出身、デビュー前はPFM、BANCO、LE ORME、AREAらのカバーをレパートリーとしていたという、12年デビューのイタリアン・シンフォ新鋭。18年リリースの通算3rd。ずばり、これぞ「正統派イタリアン・シンフォ」と呼びたい、スケールの大きさと熱きロマンティシズムが同居する傑作!まず耳を奪うのがヴォーカルで、豊かな声量と声域をフル活用して、シアトリカル要素も含みつつ伸びやかに歌い上げる、その存在感に圧倒されます。同時にロマンあるイタリア語の響きを大切にした丁寧な歌唱なのがまた素晴らしい。そのヴォーカル取り巻く演奏陣もさすが。PFM時代のF.プレモリばりに艷やかに鳴らすムーグと演奏に奥行きをもたらす壮麗なオルガンをメインとするキーボード、丹念な音運びで叙情フレーズを紡ぐギター、そしてトロンボーン、トランペット、ユーフォニウムら金管が織り上げる、どこまでもファンタスティックで気品高いアンサンブルには、イタリアン・ロック・ファンなら興奮必至。さらにヴォーカリストはヴァイオリンも兼任していて、静謐なパートで息を呑むように格調高いプレイを提供していて見事。PFMの陰影ある叙情美、BANCOのダイナミズムとロマン、LE ORMEの気品あるファンタジーを併せ持ったような驚くべきバンド。全イタリアン・ロック・ファンにオススメしたい一枚です!

  • FLEESH / NEXT HEMISPHERE – A RUSH TRIBUTE

    ギタリスト/マルチ奏者と女性ヴォーカリストによるブラジル産シンフォ・プロジェクト、敬愛するRUSHを全編カバーした18年のトリビュート作品

    2014年に始動したギタリスト/マルチ奏者と女性ヴォーカリストによるブラジル産シンフォ・プロジェクト、18年作。彼らが敬愛するバンドRUSHに捧げたトリビュート作品となっています。アレンジ自体は原曲に忠実と言えますが、ギターの響きに顕著な持ち前のドリーミーな感覚、そして艷やかな女声ヴォーカルによって丹念に紡がれるRUSHナンバーの数々が新鮮です。「Limelight」に始まり「Closer To The Heart」「Nobody’s Hero」「Tears」「Here Again」など14曲を披露。RUSHに対する素直なリスペクトが感じられる好カバー作!

  • CORPORESANO / CORPORESANO

    MOOGGのドラマーが参加する新鋭イタリアン・シンフォ・バンド19年デビュー作、70年代イタリアン・ロックそのものと言える驚くべき傑作!

    イタリアの新鋭シンフォ・グループによる19年デビュー作。カンタベリータイプのジャズ・ロック・グループMOOGGでも活躍するドラマーMarco Dolfiniが参加する新バンドなのですが、これはエクセレント!叙情的に鳴り響くオルガン、温かく広がるアナログ(風?)シンセサイザー、スティーヴ・ハケットに似る鋭くもデリケートなトーンで気品たっぷりのフレーズを弾くギター、そして優しく丹念に歌い上げるイタリア語ヴォーカル。全編にわたって懐かしくも胸を締め付けるような哀愁に満ちたプログレを楽しませてくれます。驚くべきは、知らずに聴けば19年作とはまず思わないほどヴィンテージな質感のサウンドながら、同系統のアプローチを取る多くのバンドの中でも抜きんでて「自然体」であること。これ見よがしにヴィンテージ楽器を鳴らすような場面は一切なく、まるで本当に70年代のミュージシャンがタイムスリップしてきて作品を作ったかのようです。初期PFMに通じるクラシカルでスケールの大きな叙情サウンドの完成度の高さも特筆。これは往年のイタリアン・ロックを愛する方ならばきっと感動が込み上げてくるはず。傑作!

  • PINN DROPP / PERFECTLY FLAWED

    ポーランド出身の新鋭シンフォ・グループ、トニー・バンクス直系のシンセワークが素晴らしい、モダンな音響感覚と70年代エッセンスを絶妙に融合した愛すべき作品!

    ポーランド出身の新鋭シンフォニック・ロック・グループ、2枚のEPを経てリリースされた18年1stフルアルバム。冒頭、ファンタジックに疾走する華のあるシンセサイザーのプレイで早くも心奪われます。トニー・バンクスからIQ、PENDRAGONを経て受け継がれてきた気品に満ちたキーボードワークが見事です。そこに硬質ながらヘヴィ過ぎない絶妙なトーンのギター、明瞭な発声が気持ち良い英語の男性ヴォーカルも合わさって、清涼感と重厚感を同時に備えた完成度の高いシンフォを織り上げます。クリアな中にかすかに陰影を秘めたピアノの響きも素晴らしい。最近はややモダンな質感に寄ったサウンドが多いポーランドですが、本作はモダンな音響感覚を発揮しつつも70年代的なヴィンテージ感をとても大切にしている印象。これは愛すべき一枚です。

  • ANAMOR / ZA WITRAZEM

    ポーランドのQUIDAM系メロディック・シンフォ・バンド、15年ぶりとなった18年作2nd!

    03年に1stアルバム『IMAGINACJE』をリリースしたポーランドのメロディック・シンフォ・グループが、15年を経て放った18年作2nd。母国語によるミステリアスかつ哀愁を感じる女性ヴォーカルとロングトーンを多用しながら止めどなく泣きのフレーズを紡ぐギターを中心に展開される流麗なサウンドは、前作同様に初期QUIDAMを思わせる息を呑むような気品高さに溢れています。厳粛に響きわたるシンセワークにも注目です。ポーランドらしい翳りを帯びたドラマチックなサウンドメイクが光る逸品!

  • PROAGE / MPD

    ポーランド出身、ピンク・フロイド彷彿の深遠に広がるメランコリーを帯びたプログレ新鋭、多彩でドラマチックなキーボードワークが冴えわたる19年作2nd

    ポーランド出身の新鋭プログレ・バンドによる19年作2nd。前17年作と路線を同じくする、主にキーボードが担うフロイド彷彿の深遠に広がるメランコリックな音作りと、ギターを主体に肉感的に畳み掛けるヘヴィなアンサンブルを組み合わせたダイナミックなプログレを展開。前作はギターが前に出たサウンドでしたが、今作はキーボードの存在感が大きくなっている印象。豪快に唸りを上げるハモンドや静謐なタッチの物悲しいピアノ、艷やかかつダイナミックなうねりを伴ったシンセなど、多彩なキーボードワークでドラマチックに彩っており圧巻です。ギターも負けじと70年代ハードロック的な熱気を帯びたリフワークから、むせび泣くような哀切のソロまで表現力豊かなプレイで応じます。英語のヴォーカルは、やや抑揚の少ない歌唱がかえって滲み出すような哀愁を感じさせていてなかなか良いです。70年代プログレのエッセンスを強めたことで、前作の荒涼としていたサウンドに豊かな色合いが感じられるようになった力作となっています!

  • D PROJECT / FIND YOUR SUN

    カナダ出身シンフォ・グループ、18年作5th、テクニカルに疾走するギターと室内楽調の格調高いヴァイオリンが対比する雄大なシンフォニック・ロック

    カナダはケベック出身の新鋭プログレ・グループ、女性ヴァイオリニストを擁し4人編成となった18年作5th。ラティマーばりにエモーションたっぷりな泣きのソロからエッジの立った重量リフまで圧巻のギターをメインにテクニカルに畳み掛けるシンフォニック・ロック。なのですが、同時に全編を通じてスケール大きく雄大な流れを感じさせる音作りが印象的に響きます。その決め手となっているのが随所に現れるケルト色とヴァイオリンの存在。哀愁を帯びたケルティックなアコースティック・パートに、クラシックや室内楽の素養を発揮した格調高く流麗なプレイを重ねるヴァイオリン。テクニカルなギター主体のパートと対比するドラマチックな音の流れを作り上げており素晴らしい。「静」と「動」の展開が鮮やかに交差する構築的なアルバム構成が聴きどころとなっています。

  • KARFAGEN / ECHOES FROM WITHIN DRAGON ISLAND

    ウクライナ出身キーボーディストAntony Kaluginによるプロジェクト、「THE FLOWER KINGS + GRYPHON」と言えちゃう驚異の19年作10th!

    ウクライナ出身、英国を拠点に活動する1981年生まれのキーボーディストAntony Kaluginによるプロジェクト。2019年10th。「ジキル博士とハイド氏」「宝島」などで知られる英作家R.L.スティーブンソンの詩を題材にしたコンセプト・アルバム。前作でTHE FLOWER KINGSに匹敵する途方もなく壮大でエネルギッシュなサウンドを提示した彼らですが、本作はずばり「THE FLOWER KINGS + GRYPHON」!前作を引き継いでスケール大きくダイナミックな構成で描かれるシンフォニック・ロックに、民族エッセンス豊かな管弦楽器が色彩を加える、匂い立つように芳醇な演奏のなんと素晴らしいこと。従来作にあったゴリゴリとヘヴィなパートはほぼ登場せず、終始優美な音だけで構築された、まるで丹念に作り込まれた手工芸品のように柔らかく優しい輝きを放つサウンドがただただ感動的に響きます。繊細なタッチながらも熱い叙情美をまとったプレイが胸に残るギターと、ファンタジックかつスリリングにフレーズを繰り出すシンセが一体となって駆け抜けるスタイルは、初期ジェネシスすら彷彿させる完成度。前作が彼らの完成形かと思いきや、また一段上のステージへと歩みを進めたと言える驚きの一枚。これはシンフォ・ファンにはとにかく聴いていただきたい!

  • WINDMILL / TRIBUS

    ノルウェーの新鋭シンフォ・グループ、相変わらずのこれでもかとファンタスティックなサウンドに胸打たれる18年作

    ノルウェー出身、キャメル系のシンフォニック・ロックを聴かせる新鋭グループによる5年ぶりとなる18年作3rd。民族楽器のように哀愁に満ちたエモーショナルな響きのフルートや、スケール大きく格調高いキーボードワーク、ハケット系のデリケートなタッチのギター、鼻にかかった優しげな男性ヴォーカル等によって作り出される、溢れんばかりのファンタジーとドラマチックな陰影を織り込んだ、これぞ叙情派シンフォ!と呼びたくなるサウンドは、キャメルへの憧れを見事に昇華したまさに正統派。冒頭24分に及ぶ大作は圧巻です。一方でアルバム後半ではエッジの立ったギターが存在感を増し、重量感あるアンサンブルでソリッドに聴かせていて、彼らならではの個性も発揮。北欧らしい幻想性も素晴らしい、ファンタスティックかつ叙情美に満ちた音世界に胸打たれる力作です。

  • DEWA BUDJANA / MAHANDINI

    現インドネシア最高峰ギタリスト、19年作、メンバーにJordan RudesやMarco Minnemannを起用したプログレ/ロック・テイストの強い意欲作!

    90年代以降のインドネシアを代表するロック・バンドGIGIで活躍、00年代以降はソロ・ミュージシャンとして精力的に活動するギタリストの通算12thとなる19年作。主にジャズ・ミュージシャンを起用していた従来から一転プログレ人脈がバンドメンバーに名を連ねており、キーボードにJordan Rudess、ドラムにMarco Minnemann、そして共演したSteve Vaiも天才と絶賛したインド出身女性ベーシストMohini Dey(23歳!)という編成。1曲目のヴォーカル入りのダウナー気味なオルタナティヴ・ロックから異色ですが、聞き覚えのある雄々しい歌声はなんと元レッチリのJohn Frusciante!ギターも弾いていてソロでのDewaとのハモりも美しく決めています。他にも、Rudessのド派手なシンセソロをフィーチャーしたフュージョン+プログレ・メタルと言える2曲目、同郷のギタリストTohpati Bertigaの作風を思わせる妖艶な母国語の女性Voとスリリングなギタープレイが絡むオリエンタル・ジャズ・ロックの3曲目など、冒頭からこれまでになく多彩な音楽性を発揮。ポップ・ロック〜オルタナ〜ジャズ・ロックとジャンルを跨いで25年間活躍を続けてきたDewa Budjanaというミュージシャンの懐の深さが垣間見れます。音数多く攻めるテクニカル・フュージョンの5曲目では、もうひとりのゲストMike Sternが流石のシャープで流麗なソロを聴かせており、それに応じるDewaのプレイも非常にエキサイティング。このゲストとの間に生じる化学反応を目いっぱい楽しむかのような、どこまでも自由で色彩感に満ちたプレイこそ彼の持ち味です。ジャズ/フュージョンに傾倒していた前作までに比べ、よりロック・ファン/プログレ・ファンにアピールする内容となった意欲作!

  • FIZBERS / DIE WITHOUT LIVING

    フロイド影響下のメランコリックなポーランド産プログレ・トリオ18年2nd、ダークかつ繊細なメロディが光る充実作

    弱冠19歳のメンバーによるポーランド産プログレ・トリオ、17年のデビュー作に続く18年2nd。ピンク・フロイドからの影響も伺わせる仄暗い静謐感とエモーショナルな哀愁のメロディを持ち味とする彼ら。本作では前作以上に沈み込むようなダークさが増しつつ、同時にきめ細かなアコギやアーティスティックな感性のピアノを活かし、より深遠でセンシティヴさに満ちた音像を創り上げています。中でもアルバム名を冠した17分の大曲「Die Without Living」は現在の彼らの集大成と言えるナンバー。静謐にアルペジオを紡ぐアコギ、もの悲しく哀愁に満ちたフレーズを紡ぐギター、素朴ながらもどこか悲痛な雰囲気を湛えたヴォーカル。時に儚くしっとりと、時に雄大でドラマチックに綴られるメランコリックな旋律がたまらなく胸に刺さります。彼らならではの作風が成熟したと言える充実の一作です。

  • MILLENIUM / MMXVIII

    現ポーランド・プログレの最重要グループ、新ヴォーカルを迎え過去曲のリレコーディングをメインに制作された19年作!

    現ポーランド・プログレの中心に位置するバンドと言える彼らの2019年リリース作。キーボーディスト/リーダーのRyszard Kramarskiがオーナーを務めるLYNXレーベルの設立20周年を記念した特別作品で、新曲「Unnamed」、13年作『EGO』収録の「When I Fall」リ・レコーディングver、そして過去作からの計11曲をメドレー形式で再演した20分に及ぶ「MMXVIII SUITE」の全3曲を収録。聴きどころは、今作より新加入したMarek Smelkowskiによるヴォーカル。LOONYPARKのkeyによるプロジェクトPADREでも聴かせた、繊細な声の伸びと微かに翳のある落ち着いた声質が特徴的で、ドラマチックで都会的洗練を帯びた現MILLENIUMのサウンドにベストマッチ。歴代ヴォーカルが歌っていた過去ナンバーも、スマートにブラッシュアップされた演奏とこのヴォーカルによって新たな魅力を吹き込まれています。企画アルバムの性格が強いですが、オール新録という点でもMILLENIUMファンは聴き逃がせない一枚です。

  • PROTOCOLLO C / PROTOCOLLO C

    現代イタリアからまたしてもヴィンテージ感たっぷりの新鋭オルガン・ロック・バンドが登場!19年デビュー作

    STANDARTEやLONDON UNDERGROUNDに続き、またしても現代イタリアからヴィンテージ・テイスト溢れるオルガン・ロック・バンドが登場!60年代後期のサイケやモッズ・サウンドを思わせるマイルドなオルガンの暖かみあるメロディを軸に、粘っこく歪んだギターや重厚なベースが絡み合い、転調や変拍子を駆使しながら変幻自在に展開するサイケでハードでちょっぴり怪しいインストゥルメンタル・ロックが実にユニーク。ファンキーな裏打ちのリズム隊はやや好みが分かれるかもしれませんが、それも含めてヴィンテージな音色と現代的な感覚が混ざり合った、新鮮味のあるバンド・サウンドを聴かせてくれます。ハモンド好きは要チェック!

  • ELLESMERE / FROM SEA AND BEYOND

    イタリア新鋭TAPROBANで活躍するマルチ・プレイヤーRoberto Vitelliによるプロジェクト、David Jackson/Trey Gunn/Robert Berryほか豪華ゲストの好演も光る18年作2nd!

    MUSEAからデビューした70年代スタイルのイタリアン・プログレ・バンドTAPROBANで活躍するベース&ギタリストRoberto Vitelliによるプロジェクト、18年作2nd。「3」やGTRで知られるRobert Berry、Tray Gunn、David Jackson、ECHOLYNのBrett Kull、ARENAのKeith More、NICE〜ROXY MUSICのDavy O’listといった豪華ミュージシャンがゲスト参加。本職のベースとギターに加え、メロトロンや数種のムーグシンセも操りGENESIS直系のファンタジーを描くVitelliのマルチな才能に驚かされますが、歴戦の名手たちをここぞというパートに的確に配するプロデュース力も見事。特にDavid Jacksonによる紫煙が立ち込めるようないぶし銀のサックスや、溢れんばかりにメロディアスなプレイで演奏をリードするKeith Moreのギターが光ります。Vitelliも参加するROME PRO(G)JECTが気に入っている人にはオススメの秀作。アートワークは、ヒプノシス名義の「トリック・オブ・ザ・テイル」「静寂の嵐」などを手がけたイラストレーターColin Elgieによるもの。

  • WALFAD / COLLOIDS(POLISH VERSION)

    12年デビューのポーランド新鋭、モダンなスタイリッシュさとフロイドら先人へのリスペクトを兼ね備えた完成度の高いプログレッシヴ・ロック、おすすめ!

    12年デビュー、ポーランド出身の新鋭プログレ・グループによる18年作4th。ビシッとタイトなプレイでアンサンブルを引っ張るリズム隊、歪んだトーンでザクッと刻むリフレインとS.ロザリーあたりを想わせる気品に満ちたメロディアスなソロを弾き分けるギター、あまり前には出ないが奥行きある音作りに貢献するオルガンやシンセ。従来どおりピンク・フロイドからの影響を感じさせつつも、より外に向いた開放的な響きを持つメロディアス・プログレを特徴とします。スタイリッシュにまとめられた洗練のアンサンブルに対して、ポーランド語の耳慣れない異国的な響きがいい対比を生み出しており魅力的。また一曲ながらマンドリンを大胆に取り入れたハードなシンフォ・ナンバーがあり、これがまた大変カッコ良し。今作も、先人へのリスペクトを随所に感じさせてくれるモダン・プログレッシヴ・ロックの逸品に仕上がっています。

  • SERGIO ALVAREZ / UN LUGAR SOLITARIO LLAMADO LIBERTAD

    アルゼンチンのギタリストによる18年作、変態的ディストーション・ギターを中心としたスリリングでアグレッシヴな非チェンバー系アヴァン・ジャズ・ロック!

    アルゼンチンのギタリスト、セルヒオ・アルバレスによる18年ソロ作。アストル・ピアソラの孫であるダニエル・ピピ・ピアソラ(Drum)、マリアーノ・シボリ(Bass)ら現代アルゼンチン・ジャズ・シーンの気鋭ミュージシャンが集っており、アグレッシヴなディストーション・ギターを中心に各楽器が強靭なインプロヴィゼーションを繰り広げる緊張感たっぷりのアヴァン・ジャズ・ロックを聴かせています。縦横無尽に変態的フレーズを弾き倒すギターと地鳴りの如きベース、激しく叩き鳴らされるドラムがジリジリと火花散らし合い上り詰めていくパートはKING CRIMSONも彷彿。非チェンバー系アヴァン・ジャズ・ロックがお好きな方は是非!格好いいです。

  • ALI FERGUSON / WINDMILLS AND THE STARS

    GENESISの3代目シンガーRay Wilsonのバンドメンバーとして知られるスコットランド出身ギタリスト、11年ソロ作

    スコットランド出身のギタリストで、GENESISの3代目ヴォーカリストRay Wilsonのバンドメンバーとして、またスコティッシュ・フォーク・シーンの重鎮Dougie Macleanのツアーメンバーとして知られるミュージシャン。11年ソロ作。ブルース・フィーリングを和らげスタイリッシュになったギルモアと言えそうなエモーショナルで色彩あるギターサウンドを軸に、プログラミングも織り交ぜながら幻想的に紡がれていくメロディック・ロック。実験的でミステリアスなパートもあるのですが、それらも含め楽曲を構成する「音」すべてが美しく、難解さを微塵も感じさせずナチュラルに耳を通り抜けていくとても心地よい音楽体験を味わわせてくれます。一方ソロでは叙情派ギタリストとしての実力を発揮しており、温かみあるトーンで泣きのフレーズを畳み掛けるプレイはグッと来てしまう素晴らしさ。本人によるナイーヴなヴォーカルも、幻想的な世界観に儚げに揺らめくようでいい感じです。ギター/ヴォーカル以外にキーボード/ベース/プログラミングも自身が担当、マルチプレイヤーとしてサウンドクリエイターとしての類まれなる才覚を十分に感じさせる好作品です。

  • MAD FELLAZ / III

    イタリアの新鋭バンドによる19年作3rd、従来のジャズ・ロック・スタイルから一転テクニカルかつ強靭なモダン・シンフォニック・ロックを聴かせるセンスみなぎる快作!

    13年にデビュー作をリリースしたイタリアの新鋭バンドによる19年作3rd。前作がカンタベリー風味も香るジャズ・ロック・スタイルだったのに対し、本作ではポスト・ロック的な洗練も加味したテクニカルかつタイトなモダン・シンフォニック・ロックへと大きく舵を切っていて驚きます。ゴリゴリ刻むヘヴィなリフワークから爆発的に音数を詰め込む圧巻のソロまで縦横無尽なギターを筆頭に、エッジの立った鋭角的な攻めのアンサンブルがカッコいいですが、一方でフルートやモーグ、ハモンド、メロトロンが柔らかに織り上げる美しい叙情パートが挿入され、イタリアン・プログレのDNAをしっかりと堪能させてくれるのも素晴らしい。ラスト・ナンバーはそんな今作の音楽性を凝縮したような一曲で、ゲストによるつややかな管弦アンサンブルと、一転してリリカルに歌うギターが寄り添うスケール大きく感動的な展開と、両者がスリリングにもつれ合う緊張感あるエンディングが見事に対比した名曲。ずばりセンス抜群の快作!

  • MAGNESIS / ALICE AU PAYS DES DELIRES

    92年デビューのフランス産シンフォ・グループ19年作10th、ANGEスタイルのシアトリカルで密度の高いフレンチ・プログレを繰り広げる2枚組力作!

    92年にデビューしたフランスのシンフォニック・ロック・グループ、2枚組の大作となった19年作10th。ジェネシス、フロイド、キャメルらの影響が大きい端正な英国式シンフォニック・ロックと言えた前17年作に比べ、ANGEらフレンチ・プログレの本流に連なるシアトリカルで濃厚なサウンドへと姿を変えています。演奏を牽引するのがフランス語で歌うヴォーカルで、フランス語の耽美かつアンニュイな響きを尊重しつつ自己陶酔気味に歌い上げるスタイルは、まさにANGEのFrancis Decamps直系。優雅に広がるシンセサイザーや繊細なタッチのピアノ、ギルモア風のエモーショナルなプレイからS.ロザリー風の気品たっぷりのメロディアスなプレイまでを見事に弾き分けるギターなど、シアトリカルなヴォーカルに劇的なサウンドで応じる演奏陣の腕前も特筆です。ディスク1でドラマチックで密度の高いフレンチ・シンフォを堪能したかと思うと、ディスク2はなんと42分にわたる超大作が収められており仰天。SEやサウンドコラージュを各所にまぶしつつ神秘的な音作りで綴る映像喚起的なサウンドが繰り広げられます。ここではフロイド風の深遠なタッチも多く聴くことができ、やや不気味なSEも相まって『THE WALL』あたりを彷彿させる場面もあり。四半世紀に及ぶ活動の中で培ったバンドの音楽性をすべて注ぎ込んだような、これぞ渾身の力作です!

  • ROOM / CAUGHT BY THE MACHINE

    奇才John Mitchellがプロデュースを務める英プログレ19年作、ARENAやカナダのSAGAあたり彷彿させるキャッチーで幻想的なメロディアス・プログレ秀作

    94〜01年に4枚のスタジオ・アルバムを発表した英プログレ・バンドGARY LADY DOWN。そのヴォーカルとギタリストを中心に2010年に結成したバンド、プロデューサーにFROST*やIT BITESのJohn Mitchellを迎えた19年3rdアルバム。メンバーにはNINE SKIESなどでもプレイするヴァイオリニストEric Bouilletteも参加します。熱く歌いこむ存在感あるヴォーカルを中心とするまるでカナダのSAGAみたいにキャッチーなプログレ・ハードを主軸に、英国らしいリリカルで陰影ある幻想感も聴かせる、親しみやすさに富んだメロディアスな作風が持ち味。英国的なパートはS.ロザリーっぽいデリケートで上品に紡ぐギタープレイも相まって、近年のマリリオンも彷彿させるドラマチックさが印象的です。往年のポンプ・ロック色もありますが、もっと地に足の着いた「ロックっぽさ」が強く出たサウンドと言えるでしょう。ARENAあたりのファンにも届きそうな音です。秀作!

  • MOTIS / DEGLINGO

    MOTISことマルチ・プレイヤーEmmanuel Tissot率いるフランスのプログレ・グループ、18年作

    04年デビュー、ヴィンテージ・キーボードやエレクトリック・ブズーキを操るマルチ・プレイヤーMOTISこと、Emmanuel Tissot率いるフランスのプログレ・グループによる18年作。70sユーロ・ロック・ファンを驚かせた前14年作「Josquin Messonnier」で披露した、オルガン/シンセ/メロトロンらヴィンテージ・キーボード群が織りなすめくるめくファンタジーを随所に配しつつも、ギターが存在感を増し強度高く骨太に迫ってくるアンサンブルが特徴。前作よりも鋭角的に切れ込むようなカッコよさがグッと増しています。フランス語の耽美な男性ヴォーカルをはじめとするフランスらしいミステリアス&アンニュイな質感も健在です。ANGEの名シンガーChristian Decampsが一曲で参加!

  • ASI / ASI

    アルゼンチン出身の新鋭プログレ/ポスト・ロック・バンド、アルゼンチンらしい詩情に満ちたセンチメンタルな幻想サウンドが心地よい18年作

    アルゼンチン出身の新鋭プログレ/ポスト・ロック・バンドによる18年作。暖かい海にたゆたうようなギター、愛らしい音色で舞うシンセ、甘やかな響きのスペイン語ヴォーカル、淡く幻想的な音響などによって描き出される、アルゼンチンらしい詩情に満ちたセンチメンタルなサウンドがもう絶品。耳を引くユニークなリズムパターンをスマートに叩き出すドラム、時折なめらかに滑り込んでくるジャジーなサックスもいい仕事です。ポスト・ロック色がある00年代のSPINETTA作品に通じる溢れんばかりに豊かな情感が素晴らしい一枚!

  • BABA YOGA / L’UOMO PROGRESSIVO

    イタリアの新鋭プロジェクト18年作、地中海音楽+OPUS AVANTRA+Franco Battiato!?先の読めないエキセントリックな音楽性に翻弄される快作!

    GOBLIN REBIRTHや、フロイド・トリビュート・バンドから発展したグループFLUIDO ROSAなどで活動するkey奏者Danilo Cherniを中心とするイタリアの新鋭グループによる18年作。地中海民族音楽の素地を感じさせる瑞々しくエキゾチックなサウンドを基本として、そこにOPUS AVANTRA彷彿の張り詰めた芸術性、そしてFranco Battiatoばりのエキセントリックな感性が合わさったような、孤高の音楽性が発揮された一枚。パートごとに別の曲かと思ってしまう急展開の連続で、次に出てくる音がまったく予想できないサウンドが見事です。OSANNAのLino Vairetti、JUMBOのAlvero Fella、RRRのLuciano Regoliなど、イタリアン・ロックのレジェンドたちが各曲でメイン・ヴォーカルを務めているのも聴きどころ!

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