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はじめてのプログレ!

音楽は好きだけど、プログレはちゃんと聞いたことが無い。
興味はあるんだけどどこから手をつけたらいいのか分からない…
ピンク・フロイドやキング・クリムゾンは持ってるけど、次はどうしたら…

プログレという大海を目の前にして途方に暮れているそこのあなた!富山県魚津市にお住まいの宮崎純一様より、最初に聞くべきプログレ名盤のレビューを英国のアーティストから選んで頂きましたので紹介致します。

EL&P / EL&P

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世界最高のキーボード・ロックトリオのファーストアルバムである。冒頭からへヴィーなベースに続いてこれまた独特のハモンド・オルガンが叫びをあげる。重量感のある1曲目は途中バルトークのピアノ曲を挟んで再び強烈なオルガントリオへと突入して行くが、違和感が全く無く極めて自然にクラシックとロックが融合している。70年代初頭の作品としては驚異的な作品であることは、この1曲目だけでも充分に伺うことが出来るであろう。続く2曲目の「石をとれ」は美しいヴォーカルの前半部からジャズのエッセンスを感じさせる驚異的ピアノソロ、そしてピアノトリオへと発展して静かに終わる。他の曲もクラシック、ジャズ、フォーク等など様々なスタイルを取り入れながら完全に自分達のオリジナルとなっていることは、キース・エマーソンの作曲、アレンジ能力が天才的にずば抜けている証であろう。
ムーグ・シンセサイザーの第一人者でもある彼のサウンドはこのアルバムで多くの人に衝撃を与え、この後のプログレッシヴ・ロックの発展に多大なる影響をもたらした。

YES / FRAGILE

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イエスの特徴はリズムとメロディーが非常に複雑で立体的に絡み合って生み出される音楽によるタペストリーであると思う。ジョン・アンダーソンの極めて繊細なハイトーン・ヴォーカルは、イエスの最大の特徴であり、ギターのスティーヴ・ハウ、キーボードのリック・ウエイクマンと並ぶ看板であった。この「こわれもの」では彼らの代表曲「ラウンド・アバウト」を聴くことが出来る。アコースティック・ギターの爪弾きに続いて浮遊するようなリズムと共にヴォーカルが入ってくる冒頭のアンサンブルは何度聴いてもカッコ良い。リック・ウエイクマンのキーボード・ソロ等、各メンバーの短いソロ作品を曲間に織り交ぜながら、大曲「燃える朝焼け」にて幕を閉じるが、とにかく技巧的である。ドラムスのビル・ブラッフォードの作品など各メンバーがそれぞれ裏のリズムを取りながら複雑に絡み合った展開を見せる。

GENESIS / SELLING ENGLAND BY THE POUND

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何とも幻想的なこのタイトル(原題は SELLING ENGLAND BY THE POUND)は当時、次々とプログレッシヴ・ロックのレコードを開拓していた私の琴線に止まり、購入に踏み切らせたものである。内容を知らないレコードを買うきっかけは、1にジャケット、2にタイトルと決めていた。当時E,L&Pに心底のめりこんでいた私はとにかくキーボードが活躍する作品を探し求めていた。しかし、初めてこの作品を聴いた第一印象は「なんて変なヴォーカルだ!」であり、歌の無い部分の演奏、すなわちインスト部分は非常に素晴らしく、歌をすっ飛ばしてインスト部分だけを聴いていた記憶がある。だからほとんど歌の無い「シネマショウ」は1番のお気に入りであったし、「ファース・オブ・フィフス」や「エピング森の戦い」といったキーボードが大活躍する曲も好きだった。幸か不幸かこのアルバムが私とジェネシスとの出会いであり、もしこれ以前に出会っていたら好きになっていたかどうかわからない。もちろんその後は私のフェイバリットバンドであり、ピーターのヴォーカルも大好きになったが、私にとってのジェネシスは今でもトニー・バンクスであることに変わりは無い。

THE ENID / IN THE REGION OF THE SUMMER STARS

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英国のどこかの河原であろうか、夕暮れの美しい空の下、透明なカプセルに包まれ赤く発光した女性のシルエットが見える。幻想的で極めて美しいジャケットに包まれたエニドのデビューアルバムは未だに私の宝物であり、これを初めて聴いた感動にはこの先出会うことは無いのではと思う。リーダーでキーボード担当のロバート・ジョン・ゴドフリーは、このアルバムで自分のやりたかった全てをやり尽くしている。きわめて美しく繊細なピアノは時にクリスタルのように煌めき、木管、金管、類似した音を奏でるシンセサイザー、余りにも透明な音のストリングス・シンセサイザー(室温が2~3度下がる)、ティンパニー等のパーカッションの多様、ここ一番で使われるメロトロン・コーラス等、シンフォニック・ロックに期待する全ての要素がここで聴くことが出来る。ジャケットを含め、美の極致を求めたエニドのデビュー作は宇宙賛歌とも言えるタイトル曲でダイナミックに盛り上がった後、水晶の弦のようなピアノの音で幕を閉じる。
 尚、エニドは原盤の著作権の関係で再発時に再録したものがあり、内容は異なっている。ジャケットも含め私見ではオリジナルの瑞々しい感性に惹かれる。必聴!!!

ENGLAND / GARDEN SHED

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このレコード発売当時の音楽誌(音楽専科、ミュージック・ライフ)は輸入レコード店の広告を良く欄外にジャケット写真入りで短い解説と共に載せていた。それらの聴いたことも無いレコード達の音を想像して考えるのが好きだった。大阪の「LPコーナー」というレコード店は毎月プログレッシヴ・ロックの新譜を紹介していて、そこからいろんな知識と情報を得ていた事を思い出す。そこにイングランドも紹介されていて、当時のコピーは「ジェネシス+イエス=イングランド」であった。当時ジェネシスが今ほど好きでは無かった私は、このコピーを見てもそれほど気にならず新譜での購入はしなかった。しかし、その後「フールズ・メイト」のスペシャルストックで紹介されたのを読んで、やたら欲しくなり、いろいろ探してみたが既に廃盤となっており、最後の神頼みである当時の廃盤専門店「エジソン」で中古盤を15,000円で入手した次第である。
 さて、肝心の音の方は、いきなりシンセのポリフォニック・アンサンブルに始まり、リズムが入ってメロトロンが遠くから聞えてブラッフォードそっくりの硬質なスネアが叩きまくり、イエスそっくりのヴォーカルコーラスが聴け・・・。といった具合に何かに似ているがそれ以上に曲のセンスが良くドラマティックで文句のつけようが無いくらいに完成された作品である。特にキーボードはオルガン、ピアノ、シンセサイザー、メロトロン等どれも英国ならではの音を聴くことが出来、最後まで聴きどころ満載の傑作アルバムである。

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  • ENGLAND / GARDEN SHED

    77年リリースの唯一作にしてブリティッシュ・シンフォの大傑作、ファンタスティックで英国叙情匂い立つアンサンブルは素晴らしすぎます!

    古くからプログレッシブ・ロックの隠れた名盤として認知されてきたイギリスのシンフォニック・ロックバンドの77年デビュー作。当時プログレッシブ・ロックは衰退、時代はパンク・ロックが台頭し移ろう中、ひっそりとリリースされた本格的なプログレッシブ・ロック作品です。YES、GENESISの影響が色濃い音楽性を持ちながらも、飛び抜けたメロディー・メイクの上手さ、メロトロンをはじめ楽曲を彩るドラマ性、そしてタイトな演奏の中にも英国然とした湿り気と叙情美を感じる音作りでファンの心を揺さぶり続ける、知る人ぞ知る傑作です。

  • YES / FRAGILE

    代表曲「ラウンドアバウト」「燃える朝焼け」を収録、リック・ウェイクマンが加入し黄金期メンバーが揃った71年作4th!

    その構築的に練り上げられた楽曲と凄まじい演奏技術により、今なお多くのフォロワーを生み出しているイギリスのグループの71年作4th。その内容は次作「危機」と並ぶ、プログレッシブ・ロック史に留まらず70年代ロック史に残る屈指の大名盤であり、STRAWBSからキーボーディストRick Wakemanが加入、文字通り黄金期を迎えた彼らがトップバンドへと一気に飛躍する様が鮮明に残されています。まだ「危機」のような大作主義こそないものの、「ラウンドアバウト」「燃える朝焼け」など彼らの代表曲を収録。また今作から、その驚異的なエンジニアリング技術で彼らの複雑な楽曲製作に貢献することとなるEddie Offord、そしてその後のYESのトレードマークとなる幻想的なジャケット/ロゴを手がけるRoger Deanが参加、名盤の評価をより一層高めることとなります。

  • GENESIS / SELLING ENGLAND BY THE POUND

    溢れんばかりの英国叙情に満たされた73年リリースの5th、これぞ初期GENESISの魅力が凝縮された大名作!

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1973年に発表された5枚目のスタジオ・アルバム『月影の騎士』は、全英3位、全米70位に輝いた傑作。Peter Gabrielのアカペラで厳かに幕を開ける「Dancing With The Moonlit Knight」から、シングル・ヒットとなった「I Know What I Like」、シンフォニック・ロックのお手本と呼ぶべき傑作 「Firth Of Fifth」、Phil Collinsがヴォーカルを務める「More Fool Me」、シアトリカル・ロックの色濃い「The Battle Of Epping Forest」、キーボーディストTony BanksとギタリストSteve Hackettのアコースティック・アンサンブルが美しい「After The Ordeal」、そして、Tony Banksのキーボード・オーケストレーションに鳥肌さえおぼえる「The Cinema Show」まで、完璧なシンフォニック・ロックを展開。「Dancing With The Moonlit Knight」のメロディーが再び繰り返される「Aisle Of Plenty」で幕を閉じるまで、一瞬たりとも聴き逃せない傑作です。

  • ENID / IN THE REGION OF THE SUMMER STARS

    英クラシカル・プログレの名グループ、76年デビュー作

    名バンドBarclay James Harvestの作品のオーケストラ・アレンジを手がけていたRobert John Godfreyを中心に結成され、その純クラシカル然とした楽曲でオーケストラとの華麗なる融合を叶えたイギリスのシンフォニック・ロックバンドの76年デビュー作。彼らの代表作として挙がることも多い名盤であり、いかにも英国然とした格調高いサウンドを繰り広げています。ロックのダイナミズムこそ薄いものの、贅沢なまでにオーケストラ・サウンドをフューチャーし大仰なシンフォニック・ロックを奏でており、全てインストルメンタルで製作されていることが、よりクラシカルな気品をアルバムに与えています。

  • EL&P(EMERSON LAKE & PALMER) / EL&P

    THE NICEのKeith Emerson、KING CRIMSONのGreg Lake、ATOMIC ROOSTERのCarl Palmerによって結成されたスーパー・グループ、記念すべき70年デビュー・アルバム!

    THE NICEのKeith Emerson、KING CRIMSONのGreg Lake、ATOMIC ROOSTERのCarl Palmerによって結成されたスーパー・グループであり、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロックのトップに位置するバンドのひとつ。ロックではハンディキャップとなるキーボード・トリオ(ギターレス)編成ながら、強烈に歪ませたハモンド・オルガンをドライブさせ、ギター・ロックに匹敵するダイナミックなサウンドを生み出しました。また、クラシック音楽のロック・アレンジや、シンセサイザーを導入した先駆的なスタイルが特徴であり、「電気と才能の無駄遣い」という批判をもろともせず世界的な成功を収めました。1970年にリリースされたデビュー・アルバム『エマーソン・レイク・アンド・パーマー』は、バルトーク作曲のピアノ独奏曲「アレグロ・バルバロ」にパワフルなロック・アレンジを施した「未開人」で幕を開ける傑作。他にも、Greg Lakeのヴォーカルとクラシカルなピアノ、そしてジャジーなアンサンブルが美しく展開する「石をとれ」、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」とバッハの「フランス組曲 第1番 ニ短調 BWV812 第1曲 アルマンド」が合体した「ナイフ・エッジ」、Keith Emersonの才能にスポットが当たる組曲「運命の3人の女神」、Carl Palmerのダイナミックなドラミングを聴くことができる「タンク」、そしてモーグ・シンセサイザーの咆哮が鮮烈な印象を残すバラード「ラッキー・マン」と、デビュー・アルバムにして高い完成度を誇る傑作となっています。

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