2024年4月5日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。カケハシ・レコードの大濵です。
今回は、1970年にリリースされたCrosby, Stills, Nash & Youngの『Deja Vu』を紹介します。
この作品は、Crosby, Stills, Nash & Youngが発表したスタジオ録音アルバムです。当時、人気絶頂のメンバーが揃ったバンドのデビュー作であり、ウエストコーストロックを代表する名盤とされています。
本作の特徴の1つとしては、4人ともがボーカリストということから見事なコーラスワークが挙げられます。また、作曲者4人の個性が感じられるところも魅力的で、ロックナンバーでギターが荒々しいクロスビー作曲の「Almost Cut My Hair」、アコギと美しいハーモニーが響くスティルス作曲の「Carry On」、ほのぼのとした穏やかな曲調のナッシュ作曲の「Teach Your Children」、繊細なボーカルが印象的なヤング作曲の「Helpless」など個性あふれる名曲が散りばめられています。
この作品の魅力の1つが、ハーモニーのすばらしさです。
「Carry On」を紹介します。
イントロでは緊張感のあるギターが響き、それに続いてクロスビー、スティルス、ナッシュの3人による美しいハーモニーを聴かせます。力強いアコースティックギターに負けていない重厚感のあるコーラスが魅力的です。途中から曲調が変わり、スティルスが弾くオルガン、ロック色の強いギターが加わって、味わい深い1曲に仕上がっています。
この他にも、新たに加わったニール・ヤングの持ち味が感じられる楽曲が収録されているのも本作の魅力となっています。
ニール・ヤング作曲の「Helpless」は、彼らしいシンプルなメロディで、ゆったりとしたリズムの曲です。彼の澄み切ったボーカルが響き、サビあたりでは美しいコーラスが彼の歌声を引き立てています。
本作は、メンバーそれぞれが自分の楽曲を持ち寄って作られていて、各メンバーの持ち味が発揮された名盤です。
元バーズのデイヴィッド・クロスビー、元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス、元ホリーズのグラハム・ナッシュが結成したスーパー・グループCS&Nにニール・ヤングが加わり、CSN&Yとなって制作された70年作。美しい3声ハーモニーが多数のフォロワーを生んだ69年デビュー作の魅力はそのままに、ヤングが加わったことで、4人の才能がぶつかり合った緊張感がみなぎっています。オープニングはスティルス作の「Carry On」。4人の卓越したコーラス、そこに鋭角に切れ込むエレキ・ギター。美しくも張り詰めた空気感はこの4人ならではの魅力に溢れています。2曲目はナッシュ作で、一転して、他の米国出身の3人とは違う、ただひとり英国出身者ならではの牧歌的なメロディとハーモニーが印象的。デッドのジェリー・ガルシアのスティール・ギターも特筆です。3曲目は、クロスビー作で、ヘビーに絡み合うエレキと気迫溢れるヴォーカルによる緊張感と浮遊感が拮抗した歌世界はこの人ならでは。そして、前半の極めつけがヤングの代表曲と言える「Helpless」。曲のシンプルさが繊細なヴォーカルを際立たせ、不安や孤独が胸に迫ってくる名曲です。その後もジョニ・ミッチェル作の「Woodstock」やナッシュの優美な「Our House」など名曲目白押し。60年代のラヴ&ピースの終焉から「個」の時代へと移り変わった70年代の幕を開けた、4人の「個」がぶつかりあう米フォーク・ロック屈指の傑作。
白い帯、デジタル・リマスター、定価1905+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
盤に指紋あり、若干黄ばみあり
2枚組、定価3786+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
帯に若干ケースツメ跡あり、帯ミシン目に沿って切れ目あり(ミシン目にテープが貼られ、補修されています)
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!