2024年3月15日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
今回は、The Kinksの1971年にリリースされたスタジオ・アルバム『Muswell Hillbillies』を紹介します。
この作品は、RCAレコードでの1作目のアルバムで、キンクスの隠れた名作として知られているアルバムです。
キンクスに関しては、60年代のビート・バンドというイメージが強いですが、このアルバムは、アメリカのルーツミュージックが意識されており、全体的にアーシーなサウンドとなっています。また、軽快な曲からゆったりとしていてほのぼのしたような曲調のものまで幅広いサウンドを聴くことができる点も特徴です。
この作品の魅力の1つは、土臭さが感じられる渋い曲だけでなく、軽快なサウンドも聴ける点です。
「20th century man」を紹介します。
冒頭は、アコースティックギターで始まり、スライドギターも登場してきて、アーシーな曲ですが、曲の途中でオルガンが入ってくると雰囲気が変わり、レイ・デイヴィスのボーカルにも勢いが出てきてカントリーロックのような軽快な曲に仕上がっています。
加えて、このアルバムでは、レイ・デイヴィスの気だるいボーカルを楽しむことができます。
「alcohol」は、哀愁が感じられる切ないメロディーの曲で、ルーズなレイのボーカルとよくマッチしています。
『Muswell Hillbillies』は、キンクスがアメリカ音楽に接近し、それを見事に消化・吸収したアルバムで、バラエティー豊かな楽曲が聴ける作品となっています。
エッジの立ったギター・リフが炸裂する名曲「You Really Got Me」収録の記念すべきデビュー作。64年10月リリース。当時のロンドンのクラブ・シーンの熱気を真空パックした熱気溢れる名演ぞろい。
デイヴィス兄弟率いる大英帝国のモッズ・バンド、我らがキンクス!本作は不朽のメロディを持ったロックンロール・ナンバー「You Really Got Me」を収録した1stから、わずか半年未満のインターバルで発表された65年発表の2ndです。基本的にファーストの延長線上にありながら、決定的に違うのは作曲能力の進歩。前作ではオリジナルが半分ほどだったのに対し、2ndでは2曲を除いて全てがオリジナルとなっています。ヒットの自信からレイの作風にも余裕が出てきて、楽曲の幅が広がっています。特にフォークやバラードなどの落ち着いた曲調が、キャッチーでありながら、独特の捻りのあるフレーズ、憂いと哀愁を帯びた深みのある旋律、皮肉の中にも笑いが共存する諧謔溢れる詞世界、シンプルでタフなロック・サウンドが伸び伸びと映る好盤です。
71年リリースのRCA移籍第一弾。THE BANDあたりのアメリカン・ロックのテイストを盛り込んだ骨太で哀愁に満ちたアンサンブル、Ray Daviesが描く人生の悲哀に満ちた歌詞。英フォーク・ロック/パブ・ロックの最良の形がここにあります。ルーズな酔いどれ曲から美しいバラード「Oklahoma U.S.A.」、そしてドライヴ感いっぱいのフォーク・ロック「Muswell Hillbilly」まで、味わい深い楽曲が次から次へと続きます。キンクスを代表する傑作です。
ボーナス・トラック2曲、デジタル・リマスター、定価1900+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
若干黄ばみあり、側面部に色褪せあり
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