2015年6月9日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
いよいよ梅雨入りし、朝から小雨降るここ埼玉県寄居町より、本日もみなさまとロック探求のワクワクを共有するべく、オススメ盤をピックアップしてまいりましょう。
昨日入荷した中から新鋭プログレのオススメ盤を紹介しつつ、人気のリイシュー盤、店長一押しのロングセラー盤とセレクトいたします。
関連するWebマガジン記事やジュークボックスもあわせて掲載しますので、気になる作品があったら是非、その周辺も掘り下げてみてください。
長らく売り切れでしたが、久々に再入荷!
イタリアの新鋭ジャズ・ロック・グループが、Peter GabrielのReal World Studioで録音した10年作3rd。
レビュアー3人が満点を付けたとおり、HATFIELD & THE NORTH、SOFT MACHINE、CARAVAN、KING CRIMSONなどの影響を感じるグレイトなカンタベリー・スタイルのジャズ・ロックに仕上がっています!
【関連記事】
イタリアはローマで94年に結成されたジャズ・ロック新鋭、FONDELIAの2010年作3rd『MY GRANDMOTHER’S SPACE SUIT』をピックアップ!
05年から活動するフランスはパリ出身の7人組ジャズ・ロック/チェンバー・ロック新鋭グループ、12年のデビュー作に続く、2015年作の2ndで2枚組の大作。
影響を受けたアーティストとして、ソフト・マシーン、マグマ、ストラヴィンスキー、バルトーク、ジェネシス、イエスなどを上げるのも納得の、アヴァンギャルドかつ構築美をかんじさせるアンサンブルが絶品。
確かな音楽的素養を感じさせるアカデミックな傑作です。
現代ロシアを代表する3人組プログレ・バンドによる13年作4th。
シャープで安定感のあるドラム、テクニカルに躍動するベースを土台に、キーボードがリズム隊とは異なる変拍子でミニマルかつエスニック調のフレーズをかぶせ、緊張感を生み出す。そこにどこまでも伸びやかに、そして鮮烈に奏でられるヴァイオリン!
ヴァイオリンがテクニカルに駆け巡る鮮烈なシンフォニック・ロック!
【関連記事】
キング・クリムゾンからの影響が感じられる硬質でアグレッシヴなサウンドをベースに、クラシカルなヴァイオリンやフルートが疾走するテクニカル・アンサンブルが痛快な、現在最も注目すべき新鋭の一つですLOST WORLDの魅力に迫るインタビュー!
【関連記事】
LITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDを双頭に、豊かなクラシック音楽の土壌に根ざしたダイナミックかつ格調高いプログレ・グループが続々と登場しているロシアのプログレ新鋭シーンを特集!
90年代以降のプログレシーンは、スウェーデンとイタリア勢に一本取られていますが、彼らに対抗できる本場イギリスのグループと言えば、BIG BIG TRAINでしょう。
イエスやジェネシスのDNAを継ぎつつ、憧憬に終わらず、モダンなタッチで描き切った鮮烈なシンフォニック・ロック大傑作!
【関連記事】
90年代以降のプログレシーンを盛り上げる北欧スウェーデンやイタリアに負けじと、本場イギリスからも、イエスやジェネシスやクリムゾンなど往年のグループのDNAを継いだ好グループが出てきております。注目の作品をセレクトいたしましょう。
ジェネシス、キャメル、イエス、バークレイ・ジェームス・ハーヴェストあたりへの愛情が音から溢れんばかり。
メロトロンやフルートが紡ぐ幻想美。
英国期待のマルチミュージシャンによる05年のデビュー作!
ルックスからしてムーン・サファリに対抗できるアルゼンチンの新鋭と言えそう。
SERU GIRANやSPINETTAなど往年のアルゼンチン・ロックのDNAとともに、ポスト・ロック以降のモダンなセンスもあわせもつ2014年のデビュー快作!
新たに発売されたリイシュー盤を3枚ピックアップいたしましょう。
ジャーマン・シンフォの名グループGROBSCHNITTの作品が一挙リイシューされました。
70年代の作品は、理性ではとらえられないものにロマンを求め、非現実的な演劇やファンタジーに自身を投影したドイツ・ロマン主義が息づく、ドイツでしか生まれ得ないシンフォニック・ロック。
シアトリカルかつハードでシンフォニックでスペーシーな初期グローブシュニットならではのゴッタ煮サウンドを展開!
【関連記事】
イエスやジェネシスから影響を受けたファンタスティックさとドイツらしいゴッタ煮感&シアトリカルさが融合したサウンドが人気の70年代を代表するジャーマン・シンフォ・グループを特集!
スペイン南部はアンダルシア地方屈指の都市セビリア出身のトリオで、フラメンコとプログレを融合したサウンドが多数のフォロワーを生み、「ロック・アンダルシア」というムーヴメントを生み出したスペインを代表するグループ。80年作の4thアルバム。
フラメンコが日常に流れるスペイン南部ならではの希有な空気をつめこんだ哀愁とエキゾチズム渦巻く名品です。
【関連記事】
毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、スペインはアンダルシア地方を代表するプログレ・グループTRIANAによる75年の傑作デビュー作『EL PATIO』をピックアップいたしましょう。
71年のソロ作『CLEVER DOGS CHASE THE SUN』やFOXのメンバーとして知られる米国出身でイギリスに渡り活躍したSSWのKenny Youngを中心に、名SSWのAndy Roberts、Rod Demickとのデュオで知られるギタリストのHerbie Armstrong、HERDで活躍したベーシストGary Taylor、FOTHERINGAYをはじめ英フォーク・シーンで活躍したドラマーGerry Conwayといったいぶし銀のメンバー達で結成されたパブ・ロック・バンド。77年の1stアルバム。
レイドバック感とポップさとが絶妙にバランスしたサウンドが実にいい塩梅。
再入荷したロングセラーの人気盤を3枚セレクト~。
これは痺れました!
スペイン・ジャズ・ロックの重鎮たちが72年に産み落とした全曲ビートルズのカバー・アルバム。
イージーリスニングな感じは微塵もなく強烈な躍動感とキラメキ!カケレコが自信を持ってオススメします!!
【関連記事】
後にスペインはバルセロナのジャズ・ロック・シーンで名を残す重鎮たちが70年代初期に産み落とした最高にカッコ良いビートルズ・カバー作『WE ARE DIGGING THE BEATLES』をピックアップ!
スージー・クアトロのお兄さんって、こんなにも素晴らしいキーボード奏者だったのか。
この75年作は、トレース『鳥人王国』あたりと並び称されるべきクラシカルなキーボード・プログレ逸品ですよ!
【関連記事】
クラシカルな美旋律に彩られたドラマティックなキーボード・プログレをピックアップ!往年の名作から90年代以降の新鋭作品までセレクトいたしましたよ~。
クリムゾン『リザード』に通じる静謐な気品、『太陽と戦慄』ばりのテンションみなぎる変拍子、ヘンリー・カウばりの狂気の室内楽的アンサンブル。
極めつけは全面に出て主旋律を奏でるメロトロン!
ギリシャのみならずユーロ屈指の傑作!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
—–
ここ最近は買取好評で、連日、中古CDを放出しています。
中古CDの在庫も充実中ですので、リストをチェック是非。
紙ジャケの在庫も充実中。国内盤紙ジャケットCDのみに限定したリストはこちら!
聴かなくなったプログレ&オールド・ロックのCDがございましたら、カケレコを是非ご検討ください。
1枚1枚、専任スタッフが丁寧に査定させていただきます。
後にBARCELONA TRACTION〜MUSICA URBANAとスパニッシュ・ジャズ・ロックを代表するグループで活躍する名Key奏者Lucky Guriと70年代初期のスパニッシュ・ジャズ・ロック・シーンを代表するグループMAQUINA!のサックス奏者Peter Roarを中心に、言わずとしれたICEBERGの名ギタリストMax Sunyerや、MAQUINA!のリズム隊が参加したスーパー・グループ。72年作の全曲ビートルズ・カバー・アルバム。もう、このレビュー書きながら、興奮しています!2曲目の「Strawberry Fields Forever」で泣きそうです。イージーリスニングな感じは微塵もなく、サイケ・ポップのカラフル感を残しつつ、ロック的シャープさとオシャレな洗練とが同居した最高にカッコ良くワクワク感溢れるサウンドを聴かせています。シャープでタイトな音色と手数多いフレージングがカッコ良すぎるドラムを中心に、ピアノとサックスが時にどっしりと時に軽やかに躍動し、NUCLEUS時代のChris Speddingを彷彿とさせるセンス溢れるMax Sunyerが脇を固めます。このキラメキが伝わるでしょうか。カケレコが自信を持ってオススメする大傑作!ビートルズ・ファンもサイケ・ポップ・ファンもニッチ・ポップ・ファンもジャズ・ロック・ファンもカンタベリー・ファンも全員必聴!
現代ロシアを代表する3人組プログレ・バンドによる13年作4th。シャープで安定感のあるドラム、テクニカルに躍動するベースを土台に、キーボードがリズム隊とは異なる変拍子でミニマルかつエスニック調のフレーズをかぶせ、緊張感を生み出す。そこにどこまでも伸びやかに、そして鮮烈に奏でられるヴァイオリン!芯のある太いトーンのギターやフルートもからみ、「静」と「動」を対比させながら流れるように畳みかけます。目の覚めるような完璧なオープニング・ナンバー。ただただ心が躍ります。2曲目以降も、切れのあるヴァイオリンが疾走するクラシカル・シンフォから、ヘヴィーにうねるギターが炸裂する70年代中期クリムゾン的ヘヴィー・プログレ、フルートをフィーチャーした民族調テクニカル・アンサンブルまで、1曲の中でめくるめく展開しながら、ハイテンションで駆け抜けます。終始テクニカルで展開が多いながらも、決して大味になることなく、精緻で格調高く気品に満ちているのがこのバンドの凄いところ。その点で、ジェントル・ジャイアントをも凌駕していると言っても決して過言ではありません。傑作3rdをさらに上回る、素晴らしすぎる傑作!
ギリシャ出身で主にフランスで活動したグループ。ピアノ/オルガン/メロトロンを操る鍵盤奏者が中心で、デビュー作からギタリストが抜け、ギターレスのキーボード・プログレ4人組となって制作された73年の2nd。ベーシストも代わり、一気にプログレ/アヴァンギャルド色が増しました。キング・クリムゾン『リザード』に通じる静謐な気品を漂わせるパート、鋭利に尖ったトーンのキーボードのミニマルな反復に『太陽と戦慄』ばりに狂気の変拍子が炸裂するパート、ヘンリー・カウばりのフリー・ジャズ/チャンバー・ロックなパートなど、一瞬たりとも気の抜けないテンションみなぎるアンサンブルが続きます。特筆なのがメロトロンで、持続音で荘厳にたなびく感じの使い方が一般的ですが、このグループは、全面に出てまるでピアノばりに主旋律を奏でます。アヴァンギャルドかつクラシカルな気品に満ちたギリシャ屈指・・・なのは言わずもがな、ユーロ・ロック屈指と言っても過言ではない傑作アルバム。必聴です!
英国はヨークシャー在住のマルチ・インストゥルメンタル奏者Andrew Marshallによるプロジェクト。05年のデビュー作。全編インストで、ジェネシス、キャメル、イエス、バークレイ・ジェームス・ハーヴェストあたりのDNAを受け継いだ、テーマのメロディやバックのアンサンブルのすべてから英国らしい柔らかな叙情が溢れる70年代憧憬サウンドが印象的です。艶やかで格調高いトーンのピアノ、金管楽器のような壮麗さとともにメランコリーもあわせもった荘厳なトーンで鳴り響くムーグ・シンセ、淡い幻想美を醸すメロトロン。ヴィンテージなキーボードから繰り出される美しい旋律は往年のプログレ・ファンは歓喜すること間違いなしでしょう。優しく奥行きを広げるバッキングからハケット直系の気品たっぷりに鳴るアルペジオまでいかにも英国的な響きのアコギ、繊細に紡がれるエレキのリード、神秘的なフルートも絶品。これは名作です。
70年代のドイツを代表するシンフォニック・ロック・グループ、74年にリリースされた2nd。ヴォーカルのシアトリカルさは一層増し、ジェスロ・タルのイアン・アンダーソンの上をいくほどのアクの強さにまずびっくり。音の方は、1stでのけたたましく畳み掛ける荘厳なハード・ロックなパートとともに、キーボード奏者が代わったせいか、陽光がこぼれるようなリリカルなピアノやファンタスティックなオルガンなど、クラシカルでロマンティシズム溢れるシンフォニック・ロックなパートも印象的。その両軸を行き来しながらダイナミック&ドラマティックに展開する大曲が本作の聴きどころで、13分を超える「Magic Train」をはじめ、ライヴの定番でバンドの代表曲の一つとされる33分を超える「Solar Music」では、クラウス・シュルツが居た頃のタンジェリン・ドリームばりの内省と宇宙が一体となったようなスピリチュアル&スペーシーなサウンドも織り交ぜ、シアトリカルかつハードでシンフォニックでスペーシーな初期グローブシュニットならではのゴッタ煮サウンドを展開しています。理性ではとらえられないものにロマンを求め、非現実的な演劇やファンタジーに自身を投影したドイツ・ロマン主義が息づく、ドイツでしか生まれ得ないシンフォニック・ロックの名作です。
盤質:無傷/小傷
状態:良好
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!