2015年6月11日 | カテゴリー:ロック探求ランキング,世界のロック探求ナビ
60年代末、サイケデリック・ブームによる表現の拡大や、機材の進化に伴う音のラウド化によりロック・ミュージックは急速に発展。その中で、1970年2月にヘヴィ・メタルの祖と言われるブラック・サバスのデビュー作『黒い安息日』がリリースされました。
米音楽サイトGUITAR WORLDでは、この作品以前にリリースされた曲の中からディストーション/ファズ、速さ、陰鬱さ、音量、衝撃度などの要素を考慮し、最もヘヴィな20曲をピックアップ。
サイケ・ハードの傑作が並ぶランキングになっていますのでお楽しみください!
ブリティッシュ・ハード・ロックの進化を特集したこちらの記事もぜひご覧ください!
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ビート・ブーム、サイケデリック革命、シンプルなバンド演奏へと回帰したブルース・ロック・ブームを経て、テクノロジーの発達とともに60年代末にいよいよ花開いた「ブリティッシュ・ハード・ロック」!胎動の67年からメジャーシーンを席巻した70年まで、年代を追って英ハード・ロックの名作をピックアップしながら、英ハードの進化と深化を探ってまいります。
まずは50位から21位から!
50位:「Wild Thing」 From The Troggs /『FROM NOWHERE』(1966)
49位:「Happenings Ten Years Time Ago」 From The Yardbirds / Single(1966)
48位:「My Generation」 From The Who /『MY GENERATION』(1965)
47位:「Pact With Lucifer」 From Coven /『WITCHCRAFT DESTROYS MINDS AND REAP SOULS』(1969)
46位:「American Woman」 From The Guess Who /『AMERICAN WOMAN』(1970)
45位:「Interstellar Overdrive」 From Pink Floyd /『PIPER AT THE GATES OF DAWN』(1967)
44位:「Psychotic Reaction」 From The Count Five /『PSYCHOTIC REACTION』(1966)
43位:「Out of Our Tree」 From The Wailers /『OUT OF OUR TREE』(1966)
42位:「Season of the Witch」 From Sam Gopal /『ESCALATOR』(1969)
41位:「Sunshine of Your Love」 From Cream /『DISRAELI GEARS』(1967)
40位:「You Really Got Me」 From The Kinks /『KINKS』(1964)
39位:「Blue Monday」 From Dragonfly /『Dragonfly』(1968)
38位:「Diddy Wah Diddy」 From Captain Beefheart and his Magic Band /Single(1966)
37位:「The Girl Can’t Dance」 From Bunker Hill /Single(1963)
36位:「Fortunate Son」 From CCR /『WILLY AND THE POOR BOYS』(1969)
35位:「Desperation」 From Humble Pie /『AS SAFE AS YESTERDAY IS』(1969)
34位:「I Want You (She’s So Heavy)」 From The Beatles /『ABBEY ROAD』(1969)
33位:「Leg」 From Arzachel /『ARZACHEL』(1969)
32位:「Bad Scene」 From Ten Years After /『SSSSH』(1969)
31位:「Whole Lotta Love」 From Led Zeppelin /『LED ZEPPELIN II』(1969)
30位:「Purple Haze」 From Jimi Hendrix /『ARE YOU EXPERIENCED?』(1967)
29位:「In-A-Gadda-Da-Vida」 From Iron Butterfly /『IN-A-GADDA-DA-VIDA』(1968)
28位:「You Keep Me Hangin’On」 From Vanilla Fudge /『YOU KEEP ME HANGIN’ ON』(1967)
27位:「Come to the Sabbat!」 From Black Widow /『SACRIFICE』(1969)
26位:「The Witch」 From The Sonics /『HERE ARE THE SONICS』(1965)
25位:「Keep Out’Cos I’m Dying」 From Andromeda / Single(1969)
24位:「Last Day on Earth」 From Velvet Haze / Single(1967)
23位:「All Day and All of the Night」 From THE KINKS /『KINKS』(1964)
22位:「Fire」 From The Crazy World of Arthur Brown /『THE CRAZY WORLD OF ARTHUR BROWN』(1968)
21位:「Born to be Wild」 From Steppenwolf /『STEPPENWOLF』(1967)
まだまだ続きますよ~。
20位:「Communication Breakdown」 From Led Zeppelin /『LED ZEPPELIN I』(1969)
19位:「Summertime Blues」 From Blue Cheer /『VINCEBUS ERUPTUM』(1968)
18位:「Oceans Inside Me」 From Stone Garden /『STONE GARDEN』(1969)
17位:「Tales of Brave Ulysses」 From Cream /『DISRAELI GEARS』(1967)
16位:「21st Century Schizoid Man」 From King Crimson /『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』(1969)
15位:「I Put a Spell on You」 From Screamin’Jay Hawkins /『AT HOME WITH SCREAMIN’』(1956)
14位:「Wring That Neck」 From Deep Purple /『THE BOOK OF TALIESYN 』(1968)
13位:「Hard Times」 From Valhalla /『VALHALLA』(1969)
12位:「I Wanna Be Your Dog」 From The Stooges /『THE STOOGES』(1969)
11位:「Distortions of Darkness」 From The 31 Flavors /『HAIR』(1969)
それではいよいよTOP10!
いかかでしたか?
原文はこちら
https://www.guitarworld.com/features/the-20-heaviest-songs-before-black-sabbath
全米、全英で同時にチャート1位を獲得したセカンド・アルバム。ヘヴィかつメタリックなサウンドは、ハード・ロックの雛型と言われ、ビルボード・アルバム・チャート最高位は堂々の1位(69年)!セッション・ミュージシャンとしてのキャリアを持つJimmy Pageのリフ、John Paul Jones、John Bonhamのリズムがとても奥深い作品です。轟音の「Whole Lotta Love」がトップ5入りするヒットとなりました。「Bring It on Home」は、イギリスの白人ブルースの激しさと迫力が鬼気迫る、英国ロックの歴史的大傑作です!
ペーパーケース仕様、14年デジタル・リマスター、定価2000+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
側面部に色褪せあり
ブルース・ロックからハード・ロックへの流れの中で、圧倒的な音圧で他のバンドをなぎ倒し、一気にシーンの先頭へと躍り出た怪物デビュー作。冴え渡るJimmy Pageのギター・リフ、Robert Plantの超絶シャウト・ヴォーカル、鋼のようなリズム隊。たった4人で生み出しているとは信じられない鋼鉄のサウンドで迫る傑作。
ギタリストRobert Frippを中心に結成され、ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック・シーンの頂点に君臨し続けるグループ。プログレッシヴ・ロックという音楽ジャンルを構成する要素の多くは彼らがロック・シーンに持ち込んだものであり、現在もなお数多くのミュージシャンたちに影響を与え続けています。1969年に発表されたデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』は、プログレッシヴ・ロックのスタート地点となった大名盤であり、プログレッシヴ・ロックを聴くならまずはこのアルバムからと断言できる作品です。メンバーはギタリストRobert Fripp、ベース・ヴォーカリストGreg Lake、ドラマーMichael Giles、管楽器に加えて鍵盤楽器(メロトロン)も担当するIan McDonald、そして作詞家Peter Sinfieldという布陣。「21世紀のスキッツォイド・マン」のオープニングから緊張感のある変拍子アンサンブルやユニゾン・フレーズが畳み掛け、「風に語りて」では牧歌的でありながら浮世離れした音世界を構築。“混沌こそ我が墓碑銘”の一節があまりに有名な「エピタフ (墓碑銘)」と、同じくリリックの幻想美に酔いしれる「ムーンチャイルド」を経て、メロトロンの洪水に溺れるシンフォニックな最終曲「クリムゾン・キングの宮殿」へ。“THE BEATLESの『Abbey Road』をチャート・トップから陥落させた”というエピソードの真偽はともかくとして、プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを告げる衝撃的な作品であることは間違いありません。『クリムゾン・キングの宮殿』に触れずにプログレッシヴ・ロックを語ることは、まず不可能でしょう。
紙ジャケット仕様、HQCD、04年24bitデジタル・リマスター、カラーブックレット付仕様、定価2700+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
Eric Clapton、Jack Bruce、Ginger Bakerによる最強トリオ。67年作2nd。代表曲「Sunshine Love」など、ブルース、ジャズ、サイケが渦巻くインスト・バトルとキャッチーなメロディが共存した光り輝く名曲・佳曲揃い。ロック史に燦然と輝く名盤。
MQA-CD×UHQCD(すべてのCDプレイヤー再生可/ハイレゾ再生にはMQA対応機器が必要)、クリアファイル帯仕様、ボーナス・トラック6曲、米国オリジナルアナログテープを基にした2013年DSDマスターを176.4kHz/24bitに変換して収録、定価3000+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
サイケデリック・ロック全盛期に登場しデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』をリリースするも、中心メンバーのギタリストSyd Barrettが脱退。以降、ベーシストRoger Waters、ギタリストDave Gilmour、キーボーディストRick Wright、ドラマーNick Masonという布陣でブリティッシュ・ロック史に残る傑作を連発し、1996年には「ロックの殿堂」入りも果たした世界的なグループ。奥深いテーマに基づいたコンセプト・アルバムの数々は、現在に至るまで多くのミュージシャンたちに影響を与えて続けています。1967年に発表されたデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』は、Syd Barrett期のPINK FLOYDサウンドが収められた貴重な作品です。PINK FLOYDと言えば、ベーシストRoger Watersを中心とした体制で大躍進を遂げる70年代の印象がありますが、本作はSyd Barrettを中心とした体制で制作された作品であり、大半の楽曲をSyd Barrett作曲しています。その内容は、強烈な酩酊感と浮遊感を持ったブリティッシュ・サイケデリック・ロックであり、Syd Barrettの個性が発揮されたアルバム。旧邦題が『サイケデリックの新鋭』だったことにも納得のトリップ感覚を持った、60年代らしい作品です。
ペーパーケース仕様、デジタル・リマスター、ブックレット・解説・歌詞対訳付き仕様、定価2476+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
67年リリースの衝撃のデビュー作。「Foxy Lady」「Manic Depression」「Red House」と続く冒頭の3曲から、もう強力!強力!ブルースに根ざしながらダイナミックでキャッチーな楽曲。とめどなく音が溢れるイマジネーションいっぱいのギター。この作品が無ければ、ロック史は全く違ったものになっていたでしょう。これぞ金字塔。
超絶ギタリストTony Hillと、後にHAWKWIND〜THIRD EAR BANDで活躍するヴァイオリン奏者Simon Houseを中心とする英ハード・ロック・グループ。69年作の1st。引きずるようにヘヴィなリズム隊をバックに、暴力的なまでに歪んだファズ・ギターとスリリングなヴァイオリンが時にサイケデリックに沈み込み、時にエキセントリックなバトルを炸裂させる。混沌とした中から浮かび上がる英国的な叙情性など、これぞブリティッシュ・ロックな深みも見事。Tony Hillはそれほど有名ではりませんが、テクニックとセンスはかなりのもの。重たく歪んだリフから流麗なアルペジオ、メロディアスなソロまでどれもがハイ・レベルです。Simon Houseのヴァイオリンもさすがの一言で、静のパートでは流れるように美しいソロでドラマティックに、動のパートではスリリングなプレイで緊張感を増幅させています。英サイケ・ハードの傑作。
スリップケース付、ボーナス・トラック5曲、デジタル・リマスター、直輸入盤(帯・解説付仕様)、定価2857+税
盤質:無傷/小傷
状態:並
帯有
スリップケースついていません、若干カビあり
「GET BACK」セッションが空中分解し、バラバラになってしまったビートルズ。「昔のように結束して作ろう」というポールの呼びかけに応じ、メンバーみんなが「ビートルズ最後」を意識しながら録音された悲壮感溢れる傑作。特筆すべきは、B面のメドレー。数々の音の断片が、時にダイナミックに、時に優雅につながり、最後まで流れるように聴かせています。ビートルズ最後で最高の名演と言えるでしょう。昔、このメドレーのギターをコピーしたことがありますが、楽曲の彩り豊かさからは想像できないシンプルなフレーズに驚きました。各フレーズはシンプルに洗練されつつも、バンドになると輝きが倍増する。やはり唯一無比のグループです。シングル曲で構成されたA面も見事。特にジョージの2曲、「SOMETHING」「HERE COMES THE SUN」は、彼の生涯でもベストと言える名曲。
帯無し、発売直後に回収された超希少盤、東芝盤(CBS/SONY刻印なし)、ディスク内周に「17A1」表記あり、定価3500
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯無
帯無
65年リリースの記念すべきデビュー作。プロデュースは、KINKSの1stと同じシェル・タルミー。キース・ムーンの超人的なドラムと暴れ回るエントウィッスルのベースによるドライヴ感いっぱいのリズム隊。タウンゼントのエッジの立ったリズム・ギター。ダルトリーのエネルギッシュなヴォーカル。まさに鉄壁のアンサンブル。そしてエバーグリーンなメロディ。素晴らしすぎる永遠のデビュー作。
デジパック仕様、2枚組、スリップケース付仕様、ボーナス・トラック17曲、デラックス・エディション、直輸入盤(帯・解説付仕様)、定価3495+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり、スリップケースに若干黄ばみ・若干スレあり
68年の3rd。ブルース、R&B、ジャズなどのブラック・ミュージックと、サイケデリックな時代の空気が化学反応を起こし、Jimi Hendrixの肉体を通してスパークしたような渾身の傑作。Jimi Hendrixの最高傑作であり、ロック史上に燦然と輝く金字塔。
エッジの立ったギター・リフが炸裂する名曲「You Really Got Me」収録の記念すべきデビュー作。64年10月リリース。当時のロンドンのクラブ・シーンの熱気を真空パックした熱気溢れる名演ぞろい。
サイケデリック・ロック全盛期に登場しデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』をリリースするも、中心メンバーのギタリストSyd Barrettが脱退。以降、ベーシストRoger Waters、ギタリストDave Gilmour、キーボーディストRick Wright、ドラマーNick Masonという布陣でブリティッシュ・ロック史に残る傑作を連発し、1996年には「ロックの殿堂」入りも果たした世界的なグループ。奥深いテーマに基づいたコンセプト・アルバムの数々は、現在に至るまで多くのミュージシャンたちに影響を与えて続けています。1969年に発表された『モア』は、バーベット・シュローダーの監督作品「モア」のサウンドトラック・アルバム。本作の特筆すべき点は、Roger Waters、Rick Wright、Nick Mason、Dave Gilmourという4人編成での初めてのアルバムであるということでしょう。音楽的には、インストゥルメンタル楽曲(5曲)よりもヴォーカル楽曲(8曲)に比重が置かれている点が意外ですが、これはすでにあったストックを流用したことと関係があるのかもしれません。わずか8日間で制作が終了したのも、そのためでしょう。PINK FLOYDが新たなロック・サウンドを創造すべく実験精神に溢れていた時代の必聴作です。ちなみに、旧邦題は『幻想の中に』。
68年作。ロック、ポップス、ブルース、フォーク、クラシック、前衛音楽、インド音楽、これらすべてを呑み込み、彼ら一流の音楽センスで咀嚼し、異なるジャンルがぶつかり合う化学反応そのままに一気にぶちまけた、才気みなぎる大傑作。洗練された前作「Sgt.Pepper’s 〜」の反動からか、音を整理することなく、それぞれのメンバーのアンテナが向かうままに、剥き出しの音が鳴らされています。アルバム全体の統一感こそ薄いですが、1曲1曲はかなり尖っています。あのビートルズの、あのメンバー達の「アンテナ」が閉じこめられてるんですから、そりゃ、半端ではなくエネルギッシュ。
デジパック仕様、3枚組、SHM-CD、ジャイルズ・マーティンによる18年ステレオ・ミックス、イーシャー・デモ27曲収録、定価3600+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
THE WHOのPete Townshendのプロデュースによる68年作。アーサー・ブラウンによる狂気のヴォーカルは言わずもがな、後にATOMIC ROOSTERに参加するVincent CraneとCarl Palmerによる混沌とした演奏も、アーサーの暗黒面を見事に浮かび上がらせており素晴らしい。特にVincent Craneのオルガンは特筆もので、大ヒット曲「Fire」でのリフなど、メロウな中にもあの時代特有のなんとも言えないけだるさが感じられます。68年という時代を鋭利に切り抜いた傑作。
70年作の1stアルバム。黒魔術バンドとして売り出されたグループですが、ジャケットや歌詞にそういったイメージがある程度で、サウンドは、淡いトーンのオルガンを中心に、陰影のあるフルートがジャジーに絡む典型的なブリティッシュ・ロック。叙情的なメロディー、クラシカルな弦楽アレンジも印象的。好盤。
ジェファーソン・エアプレインらが鳴らしたいわゆる「シスコ・サウンド」とは一線を画す、ヘヴィでワイルドなシスコ産サイケ・ロックを提示した超重要トリオの記念すべき68年デビュー作!ガレージ、サイケデリック・ロックの大名盤としても、ハード・ロック、メタル・ロック確立以前のDNAを併せ持った、プレ・ハード・ロックの名盤としても力強いサウンドを聴かせています。ジャンルや理屈を超えて迫ってくる音のカタマリが当時のサイケデリック・シーンの物凄さを伝えているように感じられますね。Eddie Cochran「Summertime Blues」の強烈カヴァーで幕開ける冒頭の段階で完全にノックアウト!圧倒的にヘヴィでエネルギッシュな音像に頭から呑み込まれてください。
66年結成。LAを拠点に活動したサイケデリック・ロック・グループ。同じくLAを拠点にしたDOORS、そして東海岸のVANILLA FUDGEとともに、オルガンを軸に展開されるヘヴィ・サイケデリック・ロック・バンドの代表格。本作は、60年代のアトコ・レーベルで唯一100万枚を売った68年2nd。強烈に耳に絡みつくヘヴィかつ奇妙なギターリフ、呪術的なヴォーカル、地を這うように重苦しいベース・ライン、そしてバロック調のオルガン・リフレイン。表題曲「In-A-Gadda-Da-Vida」を筆頭に圧巻のヘヴィネス。
前作から一気にハード・ロック色が増した68年作の2nd。タイトかつ手数多いハード・ドライビングなドラム、グルーヴィーに動き回るベース、切れ味鋭く歪んだリズム・ギターが一体となって聞き手を飲み込むリズムのなんと強靭なこと!ここぞではベースがトーンを歪ませてハイ・ポジションで暴走して、まるでメタリカか!というぐらいのヘヴィ・メタリックなテンション!これが68年!?タメが効きつつも前のめりでエッジのあるギター・ソロはリッチー・ブラックモアの記名性たっぷりだし、ジョン・ロードのオルガンも、R&Bのグルーヴ、クラシックの端正さ、ロックのダイナミズムが一体となっていて、R&B〜ブルース〜ジャズに根ざした「オルガン・ロック」勢とは異なる個性を感じます。『イン・ロック』の前の初期3作品は、「アート・ロック」の作品と称されていますが、いやはやこのアグレッシヴさとヘヴィネスはまさに「パープル」。ドアーズのジム・モリソンを英国らしくジェントルにしたようなロッド・エヴァンスの歌唱、ギターのフィードバック音やぐるぐると渦を巻くオルガンのエコーなど、この時代ならではの空気感もいい塩梅。時間的な制約でカヴァー曲も含まれていますが、ビートルズの「We Can Work It Out」をはじめ、大胆なポップ・ソングのカヴァーにクラシックのパロディ的導入を組み合わせたり、気鋭な才能が溢れまくっています。『マシン・ヘッド』の1万分の1ぐらいしか聴かれてないだろうけど、『イン・ロック』〜『マシン・ヘッド』へと続く、栄光のバンド史における、もっともっと語られるべき確かな一歩。サイケからプログレ〜ハード・ロックへの過渡期である68年の作品の中でも光り輝く名作です。
66年に結成された米国のアート/サイケ・ロック・バンドのデビュー作にして代表作。67年発表。ほぼ全編カヴァー曲である本作を名盤たらしめたのは、原型をとどめないほどの魅力を原曲の身にまとわせる彼らのアレンジ・センス。その主役を飾るのは、自己主張の強いドラマティックでカラフルなキーボード。さらにその屋台骨を支えるのは、のちにCACTUS〜BECK,BOGERT&APPICEを結成するTim Bogert(B/Vo)、Carmine Appice(Ds/Vo)という布陣。センスのみならず、タフで確かな演奏力を保持した彼らが残した、米国アート・ロックを代表する名盤。
架空のバンド、「WILLY AND THE POOR BOYS」を演じた彼らが、米国南部音楽を真摯に志向した、C.C.R.のピュアな立脚点が改めて光る名盤(69年作)です。前作『GREEN RIVER』、次作『COSMOS FACTORY』という、ヒット・ポテンシャルの高いアルバムに挟まれた形になる今作ですが、前半後半にそれぞれREADBELLYの曲をカヴァーしていたり、綿花プランテーションでの生活を歌った「POORBOY SHUFFLE」、サン・レコードのロカビリー風な「DON’T LOOK NOW」等、南部音楽にその夢を見続けた彼らの非南部人による、C.C.R.最初で最後のコンセプチュアル・アルバムとも言えるでしょう。
スタジオ・ミュージシャンによる企画グループと言われる謎多きサイケ・グループ。ヘヴィ・サイケ・クラシックとしてファン垂涎の69年作。曲名は違うものの明らかにドアーズ「Light My Fire」をカヴァーした1曲目と2曲こそメランコリックなサイケですが、3曲目から突如ファズ・ギターが火を噴く轟音ヘヴィ・サイケへとスイッチ。あまりの爆音と手数の多さに音が割れ気味のヘヴィなリズム隊をバックに、ジミ・ヘンばりにフィードバックがグルグルと渦巻くファズ・ギターがうねりを上げ、ヴォーカルが時に轟音に沈殿していくように、時にエモーショナルに熱く、時にメランコリックにシャウトします。無名ながら、アイアン・バタフライやブルー・チアーに引けをとらない音の重さとエッジと哀愁。ヘヴィ・サイケのファンは必聴!
ワシントンの港町タコマ出身の5人組。ガレージパンクの原型として聴き継がれる65年デビュー作。音の揺らぎや間合いといった要素とは無縁の、サイケ夜明け前の純正ガレージ!直情的なシャウトで吠え倒す、ラウドで原初的なガレージパンククラシックス!
廃盤、紙ジャケット仕様、K2HD、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2300
盤質:全面に多数傷
状態:並
帯無
帯無、紙ジャケにスレあり、紙ジャケ内側に汚れあり、解説に若干黄ばみあり
69年にHARVESTレーベルよりリリースされた1st。引きずるようなリズム、歪みに歪んだギター、絞り出すようなヴォーカル。フリーク・アウト・ロックここにありの名作。
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