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GROBSCHNITT特集 – ファンタスティック&シアトリカルなジャーマン・シンフォを代表する名グループ

70年代のドイツを代表するシンフォニック・ロック・グループGROBSCHNITTの作品が新規リイシューされましたので、ピックアップいたしましょう。

GROBSCHNITTは、ドイツ西部の町ハーゲンで活動していた複数のバンドが統合し、1970年に結成されました。バンド名は、第一次世界大戦中に兵士達が自作の楽器を持ち寄って結成した「グローブシュニット楽団」より取られたようです。

メンバーにはそれぞれステージ上でのニックネームが付けられていたようで、結成初期には演劇的な演出と長尺のインプロビゼーションが持ち味でしたが、イエスをはじめとする英国プログレ・バンドから影響を受けつつサウンドを洗練させていき、独自のシンフォニック・ロック・サウンドを確立していきました。

『GROBSCHNITT』

72年にBrainレーベルよりリリースしたデビュー作が『GROBSCHNITT』です。

猛々しく連打されるドラム、ゴリゴリとしたトーンで執拗に上下動を繰り返すベース、「サイケ」な時代を引きずった重々しくも切れ味あるエレキ・ギター、そしてけたたましく鳴り響く重厚なハモンド・オルガンが一体となったソリッドかつ荘厳なオルガン・ハード・ロックを軸に、芝居がかったアクのあるリード・ヴォーカルや多声コーラスによるシアトリカルなエッセンスや、流麗なピアノの旋律とクラシカルなハモンドによる宗教的なサウンドから感じるドイツらしいロマンティシズムを盛り込んだ、このバンドならではのサウンドが印象的です。

オープニングを飾る13分を超す大曲「Symphony」をはじめ、英国のユーライア・ヒープに対抗できる世界観がみなぎる名デビュー作と言えるでしょう。

試聴 Click!

中心メンバーであるドラマーのEROCことJoachim Ehrigともう一人のダブル・ドラム体制でしたが、一人が脱退。キーボード奏者もクラシックの教育を受けたMISTことVolker Kahrsへとメンバーチェンジし、新たな5人体制で制作され、74年にリリースされた2ndアルバムが『BALLERMANN』です(オリジナルは2枚組!)。

『BALLERMANN』

ヴォーカルのシアトリカルさは一層増し、ジェスロ・タルのイアン・アンダーソンの上をいくほどのアクの強さにまずびっくり。音の方は、1stでのけたたましく畳み掛ける荘厳なハード・ロックなパートとともに、キーボード奏者が代わったせいか、陽光がこぼれるようなリリカルなピアノやファンタスティックなオルガンなど、クラシカルでロマンティシズム溢れるシンフォニック・ロックなパートも印象的。

その両軸を行き来しながらダイナミック&ドラマティックに展開する大曲が本作の聴きどころで、13分を超える「Magic Train」をはじめ、ライヴの定番でバンドの代表曲の一つとされる33分を超える「Solar Music」では、クラウス・シュルツが居た頃のタンジェリン・ドリームばりの内省と宇宙が一体となったようなスピリチュアル&スペーシーなサウンドも織り交ぜ、シアトリカルかつハードでシンフォニックでスペーシーな初期グローブシュニットならではのゴッタ煮サウンドを展開しています。

理性ではとらえられないものにロマンを求め、非現実的な演劇やファンタジーに自身を投影したドイツ・ロマン主義が息づく、ドイツでしか生まれ得ないシンフォニック・ロックの名作と言えるでしょう。

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2ndリリース後にベーシストがPOPOことWolfgang Jagerに交代。76年にVERTIGOよりリリースされた3rdアルバムが『JUMBO』です。

『JUMBO』

2ndで印象的だったクラシカル&ファンタスティックな作風へと洗練され、シンフォニック・ロック路線へと転換を果たした作品。時に優美に広がり、時に幻想的にたなびくキーボード、ゴリゴリとしたトーンでスピード感を生むベース、そして、端正なタッチでメロディを紡ぐスタイルへと変化したギターからは、イエスやジェネシスからの影響を強く感じます。

ただ、メロディアスなだけのシンフォニック・ロックに終わらないのがこのグループのデビューからの持ち味で、シアトリカルなヴォーカルとソリッドに畳み掛けるEROCのドラムが強烈な「アク」を放っています。

名曲「Der Clown」をはじめ、ファンタジックさとゴッタ煮感が絶妙にバランスした楽曲が揃ったドイツならではの愛すべき名作です。

『ROCKPOMMEL’S LAND』

3rdからメンバー変わらず、3rdで転換を果たしたシンフォニック・ロック路線をさらに推し進めた4thアルバムが『ROCKPOMMEL’S LAND』。77年作。

イエスとジェネシスからの影響を強く感じる明朗でシンフォニックなエッセンスを中心に、それを霧で覆うようにドイツらしいロマンティシズムで包み込んだ、幻想性たっぷりなジャーマン・ファンタスティック・ロックが印象的。

手数多くもタイトなドラムとクリス・スクワイア的なベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、糸をひくように繊細に紡がれるギター、流麗なキーボードがメロディアスなサウンドを織り成していきます。ヴォーカルのシアトリカルさは健在ですがアクは薄まり、ピーター・ガブリエルに比肩するような個性でサウンドの持つファンタスティックな要素を増幅させています。最高傑作とも評されるジャーマン・シンフォニック・ロック屈指の傑作!

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2nd収録の代表曲「Solar Music」を中心とするライヴ盤『SOLAR MUSIC LIVE』を78年にリリースした後、79年にリリースされた6thアルバムが『MERRY-GO-ROUND』です。

『MERRY-GO-ROUND』

歌詞の面で『ROCKPOMMEL’S LAND』でのファンタスティックな作風から転換して現実世界に戻ったようで、ヴォーカルにもシアトリカルなアクが戻っている印象。『ROCKPOMMEL’S LAND』で確立したファンタスティックなエッセンスと、バンド初期の持ち味だった演劇性やユーモアとが絶妙に混ざり合い、ジャケのイメージ通りのカラフルなサウンドが生まれた、なんて言えるでしょうか。

ドイツらしくゴッタ煮なんだけど、シンフォニックに洗練もされているサウンドはこのバンドならではの案配。

例えるなら、グリーンスレイドにフルートを忘れたイアン・アンダーソンが入っちゃった感じ!?

—–

各作品とも新規デジタル・リマスターで、クリアかつ音圧もあって高音質に蘇っています。各CDともにライヴ音源などボーナス・トラックも盛りだくさん。是非、チェックしてみてください!

GROBSCHNITTの在庫

  • GROBSCHNITT / GROBSCHNITT

    シアトリカルかつシンフォニックなジャーマン・プログレの名グループ、72年デビュー作

    70年代のドイツを代表するシンフォニック・ロック・グループ、72年にBrainレーベルよりリリースされたデビュー作。猛々しく連打されるドラム、ゴリゴリとしたトーンで執拗に上下動を繰り返すベース、「サイケ」な時代を引きずった重々しくも切れ味あるエレキ・ギター、そしてけたたましく鳴り響く重厚なハモンド・オルガンが一体となったソリッドかつ荘厳なオルガン・ハード・ロックが持ち味。バンドメンバーには、ステージ上のニックネームがついていたように、演劇的な演出も魅力だったようですが、リード・ヴォーカルの歌いまわしや多声コーラスにシアトリカルなエッセンスが溢れています。流麗なピアノの旋律とクラシカルなハモンドによる宗教的なパートなど、ドイツらしいロマンティシズムもまた印象的。オープニングを飾る13分を超す大曲「Symphony」をはじめ、英国のユーライア・ヒープに対抗できる世界観がみなぎる名デビュー作です。

  • GROBSCHNITT / BALLERMANN

    シアトリカルかつシンフォニックなジャーマン・プログレ名グループ、74年作2nd

    70年代のドイツを代表するシンフォニック・ロック・グループ、74年にリリースされた2nd。ヴォーカルのシアトリカルさは一層増し、ジェスロ・タルのイアン・アンダーソンの上をいくほどのアクの強さにまずびっくり。音の方は、1stでのけたたましく畳み掛ける荘厳なハード・ロックなパートとともに、キーボード奏者が代わったせいか、陽光がこぼれるようなリリカルなピアノやファンタスティックなオルガンなど、クラシカルでロマンティシズム溢れるシンフォニック・ロックなパートも印象的。その両軸を行き来しながらダイナミック&ドラマティックに展開する大曲が本作の聴きどころで、13分を超える「Magic Train」をはじめ、ライヴの定番でバンドの代表曲の一つとされる33分を超える「Solar Music」では、クラウス・シュルツが居た頃のタンジェリン・ドリームばりの内省と宇宙が一体となったようなスピリチュアル&スペーシーなサウンドも織り交ぜ、シアトリカルかつハードでシンフォニックでスペーシーな初期グローブシュニットならではのゴッタ煮サウンドを展開しています。理性ではとらえられないものにロマンを求め、非現実的な演劇やファンタジーに自身を投影したドイツ・ロマン主義が息づく、ドイツでしか生まれ得ないシンフォニック・ロックの名作です。

  • GROBSCHNITT / ROCKPOMMEL’S LAND

    ジャーマン・シンフォの名バンド、77年リリースの4th

    70年代のドイツを代表するシンフォニック・ロック・グループ。前作で転換を果たしたシンフォニック・ロック路線をさらに推し進めた77年リリースの4th。イエスとジェネシスからの影響を強く感じる明朗でシンフォニックなエッセンスを中心に、それを霧で覆うようにドイツらしいロマンティシズムで包み込んだ、幻想性たっぷりなジャーマン・ファンタスティック・ロックが印象的です。手数多くもタイトなドラムとクリス・スクワイア的なベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、糸をひくように繊細に紡がれるギター、流麗なキーボードがメロディアスなサウンドを織り成していきます。ヴォーカルのシアトリカルさは健在ですがアクは薄まり、ピーター・ガブリエルに比肩するような個性でサウンドの持つファンタスティックな要素を増幅させています。ジャーマン・シンフォニック・ロック屈指の傑作です。

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