2021年7月15日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
LITTLE TRAGEDIESとLOST WORLDを双頭に、豊かなクラシック音楽の土壌に根ざしたダイナミックかつ格調高いプログレ・グループが登場しているロシアのプログレ新鋭シーンに注目!
試聴しながらお楽しみください!
まずは2大ビッグネームの作品群からご紹介♪
ダイナミックなうねりを伴い押し寄せる怒涛のシンセサイザーと輝かしい管楽器隊がスリリングに絡み合いながら突き進むアンサンブルは、ずばりハンガリーのSOLARISにも比肩するエネルギーと迫力!
ロシアン・シンフォの雄、まさに貫禄の13th。
こちらは彼らの出世作として名高い名盤。キース・エマーソン譲りのテクニカルかつアグレッシヴなキーボードはそのままに、鋭角なフレーズで畳みかけるモダンでメタリックなギターが加わり、凄まじいスケールで展開していく演奏に圧倒されます…。
中国の古詞をコンセプトに作り上げた2007年作。中国要素は…?と問いかけたくなるほどいつも通りのLTですが、「静」と「動」が鮮烈に対比された激烈にドラマチックなシンフォ・サウンドはバンド史上でも屈指の完成度!
LITTLE TRAGEDIES名義ですがリーダーのkey奏者がバンド始動前に発表した98年作。これぞロシア!と言いたくなるエレガンスいっぱいのクラシカル・シンフォニック・ロックで、ELPファンとENIDファンにはとにかくオススメ!
ロシアのみならず現プログレ・シーンを代表する人気グループが、デビュー以前80年代の録音を完全リメイクした21年作!
華やかなクラシカル・シンフォを聴かせる今の作風とは趣を異にする、70s英ロック影響下のソリッドかつ哀愁溢れるサウンドが武骨でカッコいいっ!
今最もスリリングなヴァイオリン・プログレを聴かせるロシアの雄、ついに出た19年作!従来のスピードと切れ味はそのままに、ベースとキーボードが加入した事でよりダイナミックで密度の高いサウンドを構築していてもう素晴らしすぎっ!
音楽院出のヴァイオリン/マルチ・プレイヤーを中心とするロシア屈指のテクニカル・プログレ・バンド、こちらは16年作。
ロシアが生んだクラシック音楽の巨匠ストラヴィンスキーが蘇り、交響楽団とテクニカルなプログレ・バンドを従えた、といった感じ!?何という完成度・・・。
そのLOST WORLDのリーダーでヴァイオリン奏者によるチェンバー・ミュージック作品。さすがは、ロシア音楽の最高権威であるモスクワ音楽院で本格的に学んだ奇才。ストラヴィンスキーに通じる音が瑞々しく躍動する劇的なアンサンブルは出色。
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キング・クリムゾンからの影響が感じられる硬質でアグレッシヴなサウンドをベースに、クラシカルなヴァイオリンやフルートが疾走するテクニカル・アンサンブルが痛快な、現在最も注目すべき新鋭の一つですLOST WORLDの魅力に迫るインタビュー!
ロシア新鋭IAMTHEMORNINGのkey奏者によるソロデビュー作。豪華過ぎるミュージシャン達を従え、目の覚めるようにシャープでテクニカルなキーボード・プログレを展開。「鮮烈」という一言が似合う逸品!
クラシカルなバンドが多いロシア・シーンで一際異彩を放つのが、05年にデビューしたこの新鋭バンド。
06年にロシアはモスクワで結成された新鋭プログレ・グループ。
ヴァイオリンやフルートが躍動する「鮮烈」なシンフォニック・ロックを聴かせる2014年デビュー作で、同郷の新鋭LOST WORLDや、ベテランで言えばハンガリーのAFTER CRYINGあたりと肩を並べる、と言っても過言ではない傑作!
全パートのどこを切り取ってもメロディが溢れ出る、と言っても過言ではないメロディアスぶり!これはGENESISやCAMELやYESなど70年代プログレの遺伝子を受け継いだ正統派プログレとして一級の出来映え!
QUORUMのメンバーによる別プロジェクトの2015年作なんですが、ほの暗い幻想美を軸に、クリムゾンDNAのヘヴィネスあり、近現代クラシック直系のチェンバー・ロックあり、70年代的なメロディアス・シンフォあり、表現の豊かさは特筆もの!
ロシアというとキーボードをフィーチャーした壮大なシンフォニック・ロックのイメージがありますが、このグループは、歌心とヘヴィなダイナミズムとのバランスが絶妙なメロディアスなシンフォニック・ロック。
特筆すべきメロディ・センスを持った大注目バンドによる2010年デビュー作!
2011年のデビュー作もヴィンテージなプログレ・ファン歓喜の傑作でしたが、この2014年作2ndもジェネシスやイエスやEL&PのDNAを継ぎつつ、モダンなヘヴィネスで躍動する傑作です。
チェンバー・ポストモダン・オーケストラと自ら名乗るロシアはシベリア出身のグループ。
これがクラシカルで格調高い、ずばり傑作なのです!ヴァイオリンが躍動する2010年の傑作デビュー作!
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。トリオで活動をスタートし、00年にギタリストとサックス奏者が加入。5人編成で録音された初のアルバムとなった05年作。キース・エマーソン譲りのテクニカルかつアグレッシヴなキーボードはそのままに、鋭角なフレーズで畳みかけるモダンでメタリックなギターが加わり、バンドの持つ演奏の強度が今まで以上に引き出され、かなりスケールアップしています。ヘヴィなパートとの対比でクラシックそのままの優雅なパートも今まで以上に艶やかに響いて印象的。ワールドワイドにその実力を知らしめたバンドの出世作となった傑作。
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。08年作。豊穣なロシア近現代クラシックに根ざしたキーボード・ワークとメタリックなギター&リズム隊による対比によるダイナミックなサウンドは本作でも健在ですが、00年代はじめの硬質なサウンドと比べると、だいぶヴィンテージ側に振れて、マイルドに一体感溢れるサウンドとなっている印象。独特の語感を持つロシア語のヴォーカルなど、ロシアならではの哀感も特徴で、ハンガリーのソラリスに通じるような、垢抜けなさもまた魅力。イタリアのレ・オルメや東欧のソラリスあたりのユーロ・キーボード・ロックのファンが何か新鋭を聞いてみたい、という時に最適な一枚と言えるでしょう。
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。97年にGennadyがパリを訪れた際にインスピレーションに打たれて作曲&録音したバンド初録音作品ながら、当時はリリースされなかった幻の作品。当時は、ギターレスのキーボードトリオ編成で、00年にギターが加わって以降のモダンなヘヴィネスを持った作品に比べ、ヴィンテージなサウンドが特徴です。キース・エマーソンゆずりのけたたましいムーグ・シンセを中心とする、クラシカルな気品とともに暗黒の攻撃性に満ちたダイナミックなキーボード・プログレが印象的。なぜこのクオリティで、どこからも当時リリースされなかったのか・・・。実質デビュー作といえる、若きGennadyの溢れんばかりの才気がつまった名作!
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。2011年作。彼らの楽曲は大きく、ロシア近現代クラシックにHR/HMのダイナミズムを注入した鮮烈な曲と、ロマンティシズム香るリリカルな曲とに分けられますが、本作は、後者のリリカルな楽曲が多くを占めている印象。イントロから溢れだす、ギターとキーボードのユニゾンで奏でられる、まるでキャメルのような伸びやかなロング・トーンのメロディアスなフレーズ。そして、ロシア語によるシアトリカルなヴォーカルにより歌われるリリカルなメロディとそれを格調高く彩る流麗なピアノ。まるでトレースのようにコロコロとカラフルな音色のキーボードが転がるファンタスティックなパートも良いし、終始、陽光に包まれたようなアンサンブルに満ち溢れています。美しい詩情をドラマティックに彩る、ここぞで炸裂するメタリックなギターとドラムによるアクセントも印象的。ファンタスティックかつ壮大な傑作!
本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したKey奏者&コンポーザーのGennady Ilyinを中心に、ロシア南西部のウクライナ国境に近い町クルスクで結成された新鋭プログレ・グループ。2014年リリースの恐らく9枚目。エネルギッシュかつ流麗に鳴らされるムーグのリード、そこに時にユニゾンで超絶的に合わせ、時に単独で鳴り響くハモンド。オープニングから躍動するヴィンテージ・キーボードのスリリングな演奏に言葉を失います。タイトかつアグレッシヴなリズム隊とエッジの立ったギターのリフによるロック的ダイナミズムも印象的で、EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まるキーボード・プログレを基調に、クラシック直系の華麗なキメのパートを挟みつつ、これでもかとドラマティックに展開していきます。一転して、音が瑞々しく響く格調高いピアノによる静謐なパート、管楽器が豊かに鳴るロマンティシズム溢れるパートも絶品ですし、ロシア語によるエモーショナルかつ演劇的なヴォーカルか醸すもの悲しさも特筆。「静」と「動」の鮮烈な対比。LOST WORLDと並ぶ現代ロシア・プログレ屈指のグループによる渾身の大傑作です。
LOST WORLDとともに現在のロシアを代表するシンフォ・バンド、99年録音作。『SUN OF SPIRIT』同様、LITTLE TRAGEDIE名義ではあるものの実質的にはキーボーディストGENNADY ILYINのソロ作品。ギタリストの参加を除いてキーボードの多重演奏のみによる演奏という点は『SUN OF SPIRIT』と変わらないものの、純クラシカルな印象が強かった前作と比べ、こちらは打ち込みリズムを大きく取り入れ、よりロックらしい躍動感が感じられるバンド・アンサンブル的な音作りがされているのが特徴。後のバンドとしてのLITTLE TRAGEDIESのサウンドにぐっと近づいています。荘厳なシンセやオルガンが鳴り響く中を、ギターがヘヴィに切れ込んでくる場面などはまさにLT!ドラマティックに歌い込むロシア語ヴォーカルもすばらしい。硬質な音使いとクラシカルな優雅さが絶妙にバランスした音楽性は、まさにロシアという国からイメージされる音そのもの。LT前夜という位置づけにとどまらない、素晴らしい完成度を誇る一枚です。
90年代初めから活動するロシアのシンフォ・グループ。高い評価を得た06年作2ndに続く09年作。ヌケが良く疾走感溢れるリズム・ギターとアグレッシヴなリズム隊が築くスケールの大きなキャンバスの上を、ヴァイオリンとギターが奔放に美しいメロディを描き、そこに流麗なピアノが鮮やかな色を付ける。聴いていて思わず笑みがこぼれる躍動感いっぱいのアンサンブル。まさに「鮮烈」の一言。ただ、ゴリ押しで畳みかけることは決してなく、どんなにアグレッシヴなパートでも、静謐とも言えるような格調高さを常に感じさせるのが特筆もの。前作同様に「静」と「動」の対比鮮やかで、「静」のパートでは、フルートが柔らかに舞い、優美なメロディを描く。ファンタスティックなシンフォを軸に、「太陽と戦慄」期クリムゾンのような硬質なヘヴィネスや、ディシプリン期クリムゾンのような浮遊感とサウンドのエッジをうまく織り込み、なおかつ全体的には優美さでまとめ上げるセンスは超一級。サウンド・プロダクションも抜群で、モダンなビビッドさとビンテージな温かみとのバランスが絶妙。これは傑作です!
現代ロシアを代表する3人組プログレ・バンドによる13年作4th。シャープで安定感のあるドラム、テクニカルに躍動するベースを土台に、キーボードがリズム隊とは異なる変拍子でミニマルかつエスニック調のフレーズをかぶせ、緊張感を生み出す。そこにどこまでも伸びやかに、そして鮮烈に奏でられるヴァイオリン!芯のある太いトーンのギターやフルートもからみ、「静」と「動」を対比させながら流れるように畳みかけます。目の覚めるような完璧なオープニング・ナンバー。ただただ心が躍ります。2曲目以降も、切れのあるヴァイオリンが疾走するクラシカル・シンフォから、ヘヴィーにうねるギターが炸裂する70年代中期クリムゾン的ヘヴィー・プログレ、フルートをフィーチャーした民族調テクニカル・アンサンブルまで、1曲の中でめくるめく展開しながら、ハイテンションで駆け抜けます。終始テクニカルで展開が多いながらも、決して大味になることなく、精緻で格調高く気品に満ちているのがこのバンドの凄いところ。その点で、ジェントル・ジャイアントをも凌駕していると言っても決して過言ではありません。傑作3rdをさらに上回る、素晴らしすぎる傑作!
現代ロシアを代表するのみならず、ヴァイオリンをフィーチャーした新鋭プログレ・バンドとして屈指と言えるクオリティを持つトリオ、2016年作5thアルバム。オープニングから、舞踏音楽も取り込んだ躍動感いっぱいのリズム・セクションをバックに、ヴァイオリンが鮮やかなトーンでまるで天空を駆け抜けるかのように鳴り、エレキ・ギターが追随しながら疾走感を加える。イマジネーションいっぱいにめくるめく鳴り響く管楽器も凄いし、アコギとフルートによる静謐なパートの奥ゆかしさも特筆。ロシアが生んだクラシック音楽の巨匠ストラヴィンスキーが蘇り、交響楽団とテクニカルなプログレ・バンドを従えた、といった感じのまばゆすぎるアンサンブルにただただ心躍ります。何という完成度。2016年のプログレ作品の中で間違いなくトップ3に君臨することでしょう。ずばり傑作です。
ヴァイオリン/ギターetc.のAndy Didorenkoを中心に結成、現ロシアを代表するプログレ・グループにして、全世界的に見て最もスリリングなヴァイオリン・プログレを聴かせる実力派グループ、3年ぶりとなる19年作6th。Vln&G/fl/dr/perの4人編成だった前作発表後に、パーカス奏者が脱退しベーシストと女性キーボーディストが加入。バンドとして安定した5人編成で制作されたのが本作です。1曲目からアクセル全開!舞踏音楽を思わせる気品に満ちたフレーズを切れ味鋭くスリリングに紡ぐ圧巻のヴァイオリンを中心に、パーカッシヴな打音も織り込んだダイナミックなリズム隊、テンション高くアンサンブルに絡みつつもあくまでしなやかな音色のフルートがスピーディに駆け抜ける緻密にして猛烈にテクニカルなアンサンブルには、プログレ・ファンなら血沸き肉躍ること必至。キーボードが大活躍する2曲目は新境地で、テーマを豪快に奏でるシンセとオルガンがカッコいい骨太なテクニカル・シンフォ。Andyはキーボードに負けじとヴァイオリンをギターに切り替えて音数多くキレのあるプレイで応じており、火花を散らすような応酬が見事です。さらに、クラシック畑のメンバーらしい静謐な空間の中でヴァイオリンやピアノが優雅に奏でられるクラシカル・チューンも流石で、疾走感あるプログレ曲との間にあまりに鮮やか対比を生み出しており素晴らしいです。トリオ編成だった頃に比べて、アンサンブルに確かな厚みと密度が生まれ、サウンドにズシリとした重みが加わった印象を受けます。3年待った甲斐のある貫禄の傑作!
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、定価2,990+税
レーベル管理上、デジパックに若干角つぶれがある場合がございます。ご了承ください。
今やロシアを代表するプログレ・グループとして人気を確立した彼らが、1stアルバム以前の92年に残していたテープ音源を元に完全新録した21年作!ヴァイオリンやフルートが格調高く舞い踊るクラシカルなナンバーの素晴らしさは近年の作風に通じますが、武骨なリズムが導くヴォーカル・ナンバーでは、70年代のブリティッシュ・ロックのようなソリッドかつ哀愁溢れるアンサンブルを聴かせていて驚き。そこに「Epitaph」のダークな叙情から「Discipline」のクセのあるリズムセンスまでを散りばめたクリムゾン譲りのエッセンスが効いていて、思わずニンマリしてしまいます。叙情的な曲での心ここにあらずといった趣の冷たく浮遊感あるメロディもいかにもロシア的で印象的。ブリティッシュ・ロック影響下の高品質なロシアン・ロック作品として素晴らしい出来栄えであると共に、怒涛のテクニカル・シンフォを聴かせてきた彼らの原点に触れることができる点でも興味深い一枚です。
ロシア出身、ヴァイオリン/ギターetc.のAndrey Didorenkoを中心に90年代初頭に結成され、現在はアメリカを拠点に活動するテクニカル・シンフォ・バンド、24年作!今作ではAndriiがギター/ベース/ヴァイオリン/パーカッション/キーボードを兼任するソロ・プロジェクト的形態となり、フルート奏者/ヴォーカリスト/ドラマーらをゲスト・ミュージシャンに迎えての制作となっています。最長でも3分台というコンパクトな全16の楽曲群で構成される本作ですが、注目すべきはその恐ろしいまでの攻撃性。テクニカルでエッジの効いた音ではありつつも、あくまでクラシカルな気品高さが先立っていた従来の彼らを払拭するかのように、リズム・セクションとギターを中心にこれでもかとヘヴィかつタイトに攻め立てるサウンドに驚かされること必至。デビュー時より内包していたKING CRIMSONの影響が、むき出しの狂暴性となって襲い掛かってきます。バンドを特徴づけてきたヴァイオリンも狂気を露わにしながらスリリングに弾きまくっていて圧巻。荒れ狂うようなヘヴィ・プログレ・チューンが数曲続くと、かつての彼らを思わせる優美なクラシカル・シンフォニック・ロックが悠然と立ち上がって来る構成も見事で、その振れ幅が素晴らしい対比を生み出しています。クラシカル・サイドではゲストの女性ヴォーカルによる麗しくも憂いを帯びた歌声が絶品。KING CRIMSONファン、特に『太陽と戦慄』が好きな方はきっとニンマリとしてしまうでしょう!
ロシアの新鋭グループ、2011年のデビュー作。もうオープニング・ナンバーのイントロからキてます。リック・ウェイクマンとアンディ・ラティマーが共演!?っといった感じで、マイルドなトーンの流麗なギターとクラシカルなピアノが美しい旋律で幕を開け、一転して、マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』を彷彿とさせるような緊張感あるピアノに切り替わったかと思うと、ドラムが走りだし、視界が一気に広がり、ギターとキーボードから次々とメロディが溢れ出る!この展開に心躍らないプログレ・ファンは居ないでしょう。さぁさぁ、ヴォーカルはどんな感じかな、と待っていると、透明感のある歌声と包み込むような歌唱が素晴らしい男性ヴォーカルが伸び伸びと美しいメロディを歌い上げる。バックではコロコロとリリカルなピアノがサポート。それにしても、全パートのどこを切り取ってもメロディが溢れ出る、と言っても過言ではないメロディアスぶり!これはGENESISやCAMELやYESなど70年代プログレの遺伝子を受け継いだ正統派プログレとして一級の出来映え!往年のプログレ・ファンは必聴の大傑作です。
05年デビュー、ロシア出身のインスト・サイケ/プログレ・バンドによる16年ライヴ作。のっけから17分の大曲で彼らの音世界へと引き込まれます。シンセやヴァイオリン、サックスが思い思いにフレーズを奏で交歓する浮遊感たっぷりの導入部に、リズムが切れ込み、スリリングにアンサンブルが立ち上がってくる展開は、GONG『YOU』を思い浮かべずにはいられない息をのむ素晴らしさ。パーカッションを交え猛烈な音数でまくし立てるトライバルなリズム・セクションは相変わらずの超絶度合いだし、不穏な旋律を紡ぐヴァイオリンと暴走するサイケデリックなワウギターが対比するアンサンブルは凄まじい熱量を放ってます。演奏を適度にクールダウンさせるスペイストーンのシンセもいい仕事です。ライヴでも演奏のクオリティは一切下がっていません。GONG影響下にありながらもフォロワーという域を大きく超え出た孤高のサウンドが炸裂している驚異のライヴ・パフォーマンス!
05年デビュー、ロシア出身のサイケ・プログレ/ジャズ・ロック・バンドによる21年作。
ロシアの新鋭グループ、2011年のデビュー作。もうオープニング・ナンバーのイントロからキてます。リック・ウェイクマンとアンディ・ラティマーが共演!?っといった感じで、マイルドなトーンの流麗なギターとクラシカルなピアノが美しい旋律で幕を開け、一転して、マイク・オールドフィールド『チューブラー・ベルズ』を彷彿とさせるような緊張感あるピアノに切り替わったかと思うと、ドラムが走りだし、視界が一気に広がり、ギターとキーボードから次々とメロディが溢れ出る!この展開に心躍らないプログレ・ファンは居ないでしょう。さぁさぁ、ヴォーカルはどんな感じかな、と待っていると、透明感のある歌声と包み込むような歌唱が素晴らしい男性ヴォーカルが伸び伸びと美しいメロディを歌い上げる。バックではコロコロとリリカルなピアノがサポート。それにしても、全パートのどこを切り取ってもメロディが溢れ出る、と言っても過言ではないメロディアスぶり!これはGENESISやCAMELやYESなど70年代プログレの遺伝子を受け継いだ正統派プログレとして一級の出来映え!往年のプログレ・ファンは必聴の大傑作です。
ヴァイオリン/ギターetc.のAndy Didorenkoを中心に結成、現ロシアを代表するプログレ・グループにして、全世界的に見て最もスリリングなヴァイオリン・プログレを聴かせる実力派グループ、3年ぶりとなる19年作6th。Vln&G/fl/dr/perの4人編成だった前作発表後に、パーカス奏者が脱退しベーシストと女性キーボーディストが加入。バンドとして安定した5人編成で制作されたのが本作です。1曲目からアクセル全開!舞踏音楽を思わせる気品に満ちたフレーズを切れ味鋭くスリリングに紡ぐ圧巻のヴァイオリンを中心に、パーカッシヴな打音も織り込んだダイナミックなリズム隊、テンション高くアンサンブルに絡みつつもあくまでしなやかな音色のフルートがスピーディに駆け抜ける緻密にして猛烈にテクニカルなアンサンブルには、プログレ・ファンなら血沸き肉躍ること必至。キーボードが大活躍する2曲目は新境地で、テーマを豪快に奏でるシンセとオルガンがカッコいい骨太なテクニカル・シンフォ。Andyはキーボードに負けじとヴァイオリンをギターに切り替えて音数多くキレのあるプレイで応じており、火花を散らすような応酬が見事です。さらに、クラシック畑のメンバーらしい静謐な空間の中でヴァイオリンやピアノが優雅に奏でられるクラシカル・チューンも流石で、疾走感あるプログレ曲との間にあまりに鮮やか対比を生み出しており素晴らしいです。トリオ編成だった頃に比べて、アンサンブルに確かな厚みと密度が生まれ、サウンドにズシリとした重みが加わった印象を受けます。3年待った甲斐のある貫禄の傑作!
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、定価2,990+税
レーベル管理上、デジパックに若干角つぶれがある場合がございます。ご了承ください。
現代ロシアを代表するのみならず、ヴァイオリンをフィーチャーした新鋭プログレ・バンドとして屈指と言えるクオリティを持つトリオ、2016年作5thアルバム。オープニングから、舞踏音楽も取り込んだ躍動感いっぱいのリズム・セクションをバックに、ヴァイオリンが鮮やかなトーンでまるで天空を駆け抜けるかのように鳴り、エレキ・ギターが追随しながら疾走感を加える。イマジネーションいっぱいにめくるめく鳴り響く管楽器も凄いし、アコギとフルートによる静謐なパートの奥ゆかしさも特筆。ロシアが生んだクラシック音楽の巨匠ストラヴィンスキーが蘇り、交響楽団とテクニカルなプログレ・バンドを従えた、といった感じのまばゆすぎるアンサンブルにただただ心躍ります。何という完成度。2016年のプログレ作品の中で間違いなくトップ3に君臨することでしょう。ずばり傑作です。
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。トリオで活動をスタートし、00年にギタリストとサックス奏者が加入。5人編成で録音された初のアルバムとなった05年作。キース・エマーソン譲りのテクニカルかつアグレッシヴなキーボードはそのままに、鋭角なフレーズで畳みかけるモダンでメタリックなギターが加わり、バンドの持つ演奏の強度が今まで以上に引き出され、かなりスケールアップしています。ヘヴィなパートとの対比でクラシックそのままの優雅なパートも今まで以上に艶やかに響いて印象的。ワールドワイドにその実力を知らしめたバンドの出世作となった傑作。
05年デビュー、ロシア出身のインスト・サイケ/プログレ・バンドによる16年ライヴ作。のっけから17分の大曲で彼らの音世界へと引き込まれます。シンセやヴァイオリン、サックスが思い思いにフレーズを奏で交歓する浮遊感たっぷりの導入部に、リズムが切れ込み、スリリングにアンサンブルが立ち上がってくる展開は、GONG『YOU』を思い浮かべずにはいられない息をのむ素晴らしさ。パーカッションを交え猛烈な音数でまくし立てるトライバルなリズム・セクションは相変わらずの超絶度合いだし、不穏な旋律を紡ぐヴァイオリンと暴走するサイケデリックなワウギターが対比するアンサンブルは凄まじい熱量を放ってます。演奏を適度にクールダウンさせるスペイストーンのシンセもいい仕事です。ライヴでも演奏のクオリティは一切下がっていません。GONG影響下にありながらもフォロワーという域を大きく超え出た孤高のサウンドが炸裂している驚異のライヴ・パフォーマンス!
今やロシアを代表するプログレ・グループとして人気を確立した彼らが、1stアルバム以前の92年に残していたテープ音源を元に完全新録した21年作!ヴァイオリンやフルートが格調高く舞い踊るクラシカルなナンバーの素晴らしさは近年の作風に通じますが、武骨なリズムが導くヴォーカル・ナンバーでは、70年代のブリティッシュ・ロックのようなソリッドかつ哀愁溢れるアンサンブルを聴かせていて驚き。そこに「Epitaph」のダークな叙情から「Discipline」のクセのあるリズムセンスまでを散りばめたクリムゾン譲りのエッセンスが効いていて、思わずニンマリしてしまいます。叙情的な曲での心ここにあらずといった趣の冷たく浮遊感あるメロディもいかにもロシア的で印象的。ブリティッシュ・ロック影響下の高品質なロシアン・ロック作品として素晴らしい出来栄えであると共に、怒涛のテクニカル・シンフォを聴かせてきた彼らの原点に触れることができる点でも興味深い一枚です。
ロシアの新鋭プログレ・デュオIAMTHEMORNINGのキーボーディストによる18年デビュー作。メンバーが驚きの実力派揃いで、ドラムはキング・クリムゾンのGavin Harrison、ベースはスティーヴ・ハケット・バンド他のNick Beggs、ヴォーカルはマリリオンのSteve Hogarth、フルート&サックスはタンジェント〜ソフト・マシーンのTheo Travis、さらに1曲ではJordan Rudessも参加したまさに鉄壁の布陣で制作されています。IAMTHEMORNINGでも聴かせた流麗かつテクニカル、まさに「鮮烈」という一言が似合うピアノ/キーボードのプレイは、相変わらず抜群の冴えを見せています。特にクラシックの並々ならぬ素養が滲むピアノのプレイは息を飲むような美しさがあって見事。また実力者たちの中にあって随所で存在感を見せる同郷ロシアのギタリストVLAD AVYによるフリップ憧憬の緊張感あるギターワークも聴きどころです。同じロシアで言えばLOST WORLDに通じる舞うように華麗なファンタジックさが強烈に魅力的な傑作!
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