2015年3月3日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
昨日入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
プログレ、ロック、ジャズ・ロック、サイケ、ハード・ロック、フォークなどジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいります。
一枚目は、カケレコ一押しの東欧はスロバキアが誇るジャズ・ロック・グループからまいりましょう。
キーボードとギターによる圧倒的にアグレッシヴかつスリリングなバトルが持ち味のスロバキアを代表するグループ。
75年作1stと76年作2ndをカップリングした2枚組が再入荷しました。
クラシカルな高速ユニゾンで幕を開け、ドラマティックなキメの変拍子を織り交ぜ、スピーディーに畳みかける1st、よりクロスオーヴァーへと進化したスリリングかつ浮遊感も漂わせる2ndともに東欧ジャズ・ロック/プログレ屈指の名作ですよ~。
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スラヴつながりで、ロシアへ~。
ロシア南西でウクライナに近い町、クルスク出身。あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院で学んだ作曲家/Key奏者のGennady Ilyinにより94年に結成された90年代以降のロシア・プログレ・シーンを代表するキーボード・プログレ・バンド。
2014年作『AT NIGHTS』がロングセラー中ですが、旧作も人気ですよ~。
特に人気なのが、2枚組の大作となったこの06年作。
キース・エマーソンばりに時にけたたましく、時に美旋律極まるキーボードを中心に、ロシア語の民謡調&シアトリカルなヴォーカルが哀感を添えて、もうすごいテンションとエモーション。
00年代のロシア屈指のプログレ傑作と言えるでしょう!
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クラシカルで重厚なサウンドと言えば、イタリアははずぜませんね!
ということでイタリアへ!
96年にローマで結成、キーボード奏者がフルートも吹き、ベースとギターが兼任する編成のキーボード・トリオ。2013年作4th。
EL&P、バンコ、イル・バレット・ディ・ブロンゾなどに影響を受けたようですが、なるほど、キーボードが豪快に鳴らしながら邪悪に畳みかけるヘヴィ・シンフォ・パートと流麗なフルートをフィーチャーした叙情的なパートとがめくるめくダイナミックな展開は圧巻!
ヘヴィ・シンフォもいいけど、イタリアと言えば、リリカルなメロディもまた魅力的ですよね~。その点では、この作品がオススメですよ~。
P.F.M.からCELESTEまでを宿す香り高く豊潤なイタリア叙情に、MOON SAFARIの爽やかなポップフィーリングを加えたようなサウンドが素晴らしい~。
ファンタスティック極まる大充実の2013年デビュー作!
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メロトロンというと、60~70年代という印象を持つ方が多いかもしれません。しかし00年代以降に登場した新鋭の中には、この幽玄なる響きに魅せられたバンドが数多く存在するんです。そんなわけで、メロトロンを巧みに導入した世界中の新鋭グループたちを一挙ご紹介いたします!
イタリアには、PICCHIO DAL POZZOをはじめ、カンタベリー影響下のジャズ・ロック・グループもこれまでに輩出していますが、この新鋭はその系譜にある好グループです。
これはハットフィールド meets キャメル!? しかも2011年の新鋭なの?
70年代のカンタベリーの発掘音源と言っても信じちゃう感じ!
まさかカリブ海の国キューバに、フラワーキングスやホストソナテンに匹敵するシンフォ・グループが登場するとは・・・。
前作も傑作でしたが、2つの組曲からなる壮大なコンセプト作となった本2013年作2ndは、1stを遥かに凌ぐ壮大なファンタジア・・・。あぁ、絶品。
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ハイ・トーンのヴォーカルとヌケの良いコーラス・ワーク、そして、突き抜けるように躍動感いっぱいのアンサンブル。そんなイエスのDNAを継ぐ00年代以降の世界各国のプログレ作品をセレクト!
中南米でシンフォと言えば、メキシコのこのグループははずせませんね!
この音がベテラン!? メキシコのベテラン恐るべし。
凶暴と言えるほどの硬質なテンションと幻想性との見事な同居。これはシンフォ・ファン必聴!
南米から往年の名品もセレクト。
ウルグアイに、キング・クリムゾンとジェントル・ジャイアントをブレンドしたような、イタリアン・プログレ名作にも比肩しちゃうような作品があったって!?
スタジオ・ミュージシャンとして活動していた1960年生まれのWilliam Beckers(キーボード、ドラム)と、80年代にはニュー・ウェイヴ・バンドで活躍もしたFrank Van Bogaert(ヴォーカル、キーボード、ギター)によるベルギーのユニット。2012年作2nd。
。デビュー作からピンク・フロイドやアラン・パーソンズ・プロジェクトから影響を受けた、緻密なスタジオ・ワークとポップ・センスが光る知性的なプログレ・ポップはかなりの完成度でしたが、この2ndではさらに突き抜けていて、青空へと飛び立つジャケの通りにヌケの良いシンフォ・ポップを展開!
洗練を極めたポップ・センスとプログレッシヴなシンセ・ワークの見事な調和は、現代版アラン・パーソンズ・プロジェクトと言っていい完成度です。
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「プログレ」の母国イギリスからも優れたグループが登場!
イギリス南東部のブライトン出身で、ヴォーカル、ギター、トランペット、オルガンを操るマルチ奏者ロビー・ウィルソンを中心に07年に結成された4人組。現代イタリア・プログレ・シーンの注目のレーベルAltrockと契約し、その傘下のFADING RECORDSより2012年にリリースされたデビュー作。
レーベルからのインフォには、参考バンドとして英国70sプログレの名グループFANTASYとアイスランドのポスト・ロック・バンドSIGUR ROSが挙げられていますが、なるほどその通り!
ジャケットのイメージ通りのいかにも英国的な牧歌性や幻想性と、宗教的とも言える崇高さとが完璧に融合したサウンドにただただ言葉を失う孤高の傑作!
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90年代以降のプログレシーンを盛り上げる北欧スウェーデンやイタリアに負けじと、本場イギリスからも、イエスやジェネシスやクリムゾンなど往年のグループのDNAを継いだ好グループが出てきております。注目の作品をセレクトいたしましょう。
「神秘的なシンフォ」つながりでドイツ往年の名作をピックアップ。
ドイツらしい神秘性とナチュラルに澄み切った世界観で聴かせるクラシカル・シンフォニック・ロックバンドの82年デビュー作。
まるでキャメルにアニー・ハズラムが参加した感じ!
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プロテスタントの敬虔主義をベースにして生まれた職人的ストイシズムと人間の感情にフォーカスしたロマン主義が息づくドイツで生まれた、器楽的に繊細でいてファンタスティックなリリシズムに溢れたジャーマン・シンフォニック・ロックを特集!
バッハの「フーガ」を取り入れて、荘厳なチャーチ・オルガンで盛り上げたと思ったら、ラウドで荒削りなギターでスリリングに畳みかける!これぞジャーマン・クラシック・ロックと言うべき魅力に溢れた名品ですね。
当時軍事独裁政権下だったギリシアで、こんなにもリリカルでドリーミーなフォーク作品が生まれていたとは。
男女ヴォーカルのギリシアのグループによる69年作。
ピアノ、フルート、ハープシコードが実に美しい涙の逸品。
ギリシアと言えば、昨年末にこんなディープ盤がリイシューされました。
直接的に似てるわけではないけど、なんだかジョージ・ハリスンが頭に浮かんだり、人懐っこさと崇高さのバランスが近いのかもなぁ。
ギリシャを代表するバンド、APHRODITE’S CHILDのドラマーによる73年作ソロがリイシュー!
韓国BIG PINKレーベルつながりで、ポール・マッカートニーの来日が楽しみなあなたのために、最後はこちらをピックアップ!
ポール・マッカートニー~ピート・ハムの系譜にあるエネルギッシュなヴォーカルと甘くキャッチーなメロディがたまらない!
アビーロードなどで録音され、77年にEMIよりリリースされたニッチなパワー・ポップ名品!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
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先週は、1000枚以上の中古CDをたっぷり放出いたしました。
中古CDの在庫、大充実中ですので、リストをチェック是非。
紙ジャケの在庫も充実中。国内盤紙ジャケットCDのみに限定したリストはこちら!
聴かなくなったプログレ&オールド・ロックのCDがございましたら、カケレコを是非ご検討ください。
2015年2月の平均買取価格は、26,558円(平均55枚)!
1枚1枚、専任スタッフが丁寧に査定させていただきます。
イギリス南東部のブライトン出身で、ヴォーカル、ギター、トランペット、オルガンを操るマルチ奏者ロビー・ウィルソンを中心に07年に結成された4人組。現代イタリア・プログレ・シーンの注目のレーベルAltrockと契約し、その傘下のFADING RECORDSより2012年にリリースされたデビュー作。アルバムの幕を静かに開けるのが鉄琴の一種であるグロッケンシュピール。まるでオルゴールのように静謐でいてファンタスティックなイントロではじまり、ドラムが入ると、オルガンが幻想的にたなびき、トランペットやストリングスなど管弦楽器が艶やかな音色を奏でるなど、クラシック・ミュージック由来の格調高さと温かみとともに、ポスト・ロック的な浮遊感が絶妙にブレンドされたイマジネーション溢れる音世界が次々と描かれていきます。ささやくように歌うハイ・トーンの繊細でメランコリックな美声男性ヴォーカル、聖歌隊のように厳粛なコーラス・ワークも絶品。レーベルからのインフォには、参考バンドとして英国70sプログレの名グループFANTASYとアイスランドのポスト・ロック・バンドSIGUR ROSが挙げられていますが、なるほどその通り!ジャケットのイメージ通りのいかにも英国的な牧歌性や幻想性と、宗教的とも言える崇高さとが完璧に融合したサウンドにただただ言葉を失います。全ての楽器と声とが信じられないほどに繊細に紡がれた、凛とした音の透明感。デビュー作とは思えない孤高の逸品です。これは名作でしょう!
ハード・クラシカルなオルガンを中心にしたスモーキーなジャーマン・ロックを聴かせるドイツのグループの71年作。バッハの「フーガ」を取り入れた楽曲を初めとして、チャーチ・オルガンのごときエコーを効かせたハモンド・オルガンの様式美で聴かせるクラシカルなセクションと、ラウドで荒削りなギターが勢い任せに引っ張るサイケデリック・ハードなセクションに分かれた楽曲は非常にスリリングな表情を見せ、その節操の無いサウンドがとても魅力的です。ジャーマン・ロックらしい実験色も覗かせるなど、個性的でマニアックな好作です。
イタリアの新鋭プログレ・バンド、2013年デビュー作。凛とした響きのアコギ・アルペジオ、格調高いピアノ、クラシック然とした艶やかなストリングス、柔らかに舞うフルート。オープニングからまるであのチェレステの傑作のように、イタリアならではの叙情が溢れ出します。英語で歌うジェントルでハートウォームな男性ヴォーカルも特筆。2曲目に切り替わるとドラムが入り、ヴィンテージなトーンのシンセが軽やかに伸びやかに透明感あるメロディを奏でます。包み込むように優美なハーモニーも絶品。この躍動感あるポップセンスは、そう、まるでムーン・サファリ!ポップさはそのままに、ギターは初期P.F.M.を彷彿させるし、メロトロンも溢れるし、まだ2曲目までしか聴いてないのに、イマジネーション豊かなアンサンブルの連続に圧倒されます。たおやかなアコギを基調としたハートウォームさとP.F.M.など70年代のイタリアン・プログレのDNAを継いだプログレッシヴな感覚とが見事に融合したファンタスティックすぎる名作。これはオススメです。
ギリシア、69年作。アコギの爪弾きをベースに、ピアノ、フルート、ハープシコードが透明感溢れるリリカルなフレーズを添える美しいアンサンブルと、ちょっと虚ろな男女ヴォーカルとによるフォーク作品。繊細で格調高いサウンドは、季節で言えば「冬」。ピンとはった空気に心引き締まる好盤。
ドイツらしい神秘性とナチュラルに澄み切った世界観で聴かせるクラシカル・シンフォニック・ロックバンドの82年デビュー作。ピアノを中心にしたアコースティックな雰囲気と、CAMELに負けず劣らずな叙情的なギター、ピンポイントで楽曲に彩りを添えるサックスが印象的な好作ですが、最も特筆すべきはAnnie Haslam系の女性ソプラノボーカルMarion Weldertの存在であり、そのアコースティックなバンド・アンサンブルも相まって、RENAISSANCEが引き合いに出されるのは必至。非常にクオリティーの高いジャーマン・シンフォニックロックの名盤です。
ギリシャの名バンドAPHRODITE’S CHILDのドラマーによる73年作ソロ。ビートリッシュなポップさはあるものの、サイケデリックというか白昼夢といった感じの繊細な幻想性が渦巻いているのがいかにもギリシャ・ロックで、『666』のサウンドを確かに受け継いでいます。遠い記憶のように、現実と非現実の間でたゆたう音世界は、どこか懐かしく、どこか蓋をしたいようで、何とも言えぬ味わい。直接的に似てる気はしませんが、なんだかジョージ・ハリスンが頭に浮かんだり、もしかすると人懐っこさと崇高さのバランスが近いのかもしれません。メロディはフックあるし、味わい深い好盤です。
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