2015年3月3日 | カテゴリー:カケレコ情報,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
カケレコの2015年2月のベストセラーの集計ができましたので、発表いたしましょう。
カケレコは、新譜を届けることはもちろん、マイナーながら優れた作品の魅力を伝えてロングセラーにしていきたい、と思っていますが、2月のランキング中、2013年以前に入荷したロングセラー作品が5枚と半数を占めています。
バンドの出身国も、イスラエル、スペイン、エストニアとプログレ主要国ではない国で、カケレコならではのロック探求のワクワクがつまったランキングになりました。
どうぞ、お楽しみください!
先月につづいてのランキング1位!
ヴォーカル&ギターのRoss Staggが出した募集に、元QUATERMASSのドラマーMick Underwoodが応募したことがきっかけに結成されたブリティッシュ・ハード・ロック・バンド。
グラム・ロック色の強かった76年デビュー作からサウンドをすっきりさせ、エッジの立ったハード・ロックを聴かせる77年作2nd。
な、なるほど、「ポスト・ディープ・パープル」としてプロモーションされたのも納得なスピード感と切れ味。
このオープニング・ナンバー「Down To You」、名曲だなぁ。
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ビート・ブーム、サイケデリック革命、シンプルなバンド演奏へと回帰したブルース・ロック・ブームを経て、テクノロジーの発達とともに60年代末にいよいよ花開いた「ブリティッシュ・ハード・ロック」!胎動の67年からメジャーシーンを席巻した70年まで、年代を追って英ハード・ロックの名作をピックアップしながら、英ハードの進化と深化を探ってまいります。
(クイーン + ドリーム・シアター)÷モンティ・パイソンと言えるサウンドで2012年に鮮烈にデビューしたスペインの新鋭プログレ・バンド。
デビュー作も突き抜けてましたが、この2ndもまた強烈!
クイーンからディープ・パープル、果てはLAメタルやビック・バンドまでを素材に稀代の諧謔精神で「プログレ」に仕立てあげたオープニング・ナンバーから飛ばしまくり!
1stに続き、いやはや恐るべしな奇天烈プログレとなった快作!
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ブラック・サバスの前身バンドEARTHの音源と、ジューダス・プリースト結成前にグレン・ティプトンが参加していたバンドFLYING HAT BANDの音源をカップリングしたスプリット盤。
EARTHは、ブラック・サバスと改名する直前のバンド名で、サバスと全く同じ4人のメンバー。レーベルへのアピールのために68年に録音された音源で、「Rebel」なんて初々しいサイケ・ポップでびっくり!だけど、声はまさしくオジー!
中世/古楽的ロックを追求するデュオ「VITAL DUO」でも活躍する双子のPayssan兄弟Thierry Payssan(Key)とJean-Luc Payssan(ギター)を中心に80年代から活躍するフランスのプログレ・バンド。
09年作から6年ぶりの2015年作で2枚組の大作。
ベテランとは思えない、微笑ましくも尖ったジャケのイメージ通りの音の切れ味!
ドライヴ感たっぷりの古楽諧謔プログレここにあり!
まさか00年代にエストニアに、ソフト・マシーンやハットフィールドのDNAを継ぐカンタベリーなグループが生まれるとは・・・。
カンタベリー・ミュージックのファンに高く評価された2010年作4thアルバム。
硬質さとリリシズム、それを包むエストニアならではの透明感。ただただ絶品!
2010年の新入荷時にベストセラーとなり、その後、レーベル在庫切れで長らく入荷していませんでしたが、昨年末に久々に再入荷。その後、ロングセラーとなっている傑作ですよ~。
09年に結成されたヴァイオリン奏者の高島圭介を中心とする日本のプログレ・バンド。高く評価された13年のデビュー作と同じく、フランスMUSEAレーベルから世界配給される15年の2ndアルバム。
ずばりU.K.への現代ニッポンからの回答とも言える傑作!
古くからイスラエル・プログレを代表する傑作としてマニアの間で語られている作品。ヴァイオリンやキーボード奏者を含む8人編成のグループ、77年作。
まるでイエス meets アルティ・エ・メスティエリ。
イタリアが誇るP.F.M.ともタメを張れる大傑作!
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本日は、イスラエル・プログレの古典的名作ZINGALEの77年作『PEACE』をピックアップいたしましょう。
2010年作『PHLOX』につづいてリリースされた2013年作スタジオ・ライヴ作『VALI』もロングセラー中!
ライヴ録音とは思えない精緻さとダイナミズムで、カンタベリー・ロックの音を鋭く尖らせて倍速にしたような、痛快極まるアンサンブルが全編で炸裂する傑作!
ルックスはまるでローリー寺西だし、モンティ・パイソン好きのパフォーマーがメンバーに居るし、謎だらけのスペイン新鋭。でも、音は、プログレ、HR/HM、アヴァン・ロックをゴッタ煮して、恐るべしな諧謔精神でまとめた希代の奇天烈プログレ!
ずばりイスラエルのトレースと言えるイスラエル出身のキーボード・トリオ。06年作の2nd。
バロック調のクラシカルなキーボードと丁寧に歌われる美しいメロディ。
こちらもロングセラー作!
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エストニアのジャズ・ロック・グループ、2010年の4thアルバム。手数多くシャープでアグレッシヴなリズム隊、流麗なフェンダー・ローズ、たおやかに飛翔するサックス!リズム隊の硬質さとエレピや管楽器のしなやかさとのバランスが絶妙。カンタベリー・ミュージックの遺伝子を受け継ぐ正統派グループ!これは素晴らしい作品です。ジャズ・ロックのファンにはかなりオススメ!痺れますよ。
このスペインの新鋭プログレ・グループの個性の突き抜けっぷりときたら!内ジャケに映るオペラティック&ユーモラスなメンバー写真からキてますが(ローリー寺西みたい)、演奏メンバー6人にステージ上で活躍するパフォーマー2人という編成もまた得体が知れません!演奏と演劇的なパフォーマンスの要素を一つにしたライヴ活動を行っているようですが、う〜む、いったいどんな音なんだ!そんな彼らの2012年デビューですが、サウンドを聴いてまたまたびっくり!クイーンもびっくりなオペラティックな多声コーラスで幕を開けると、ギターとムーグがユニゾンで切れ込んで、青空へと突き抜けるようなメロディアスなフレーズを高速で奏でる!エモーショナルで力強い歌唱を聴かせるヴォーカルも良いし、その後ろではメロトロン風のヴィンテージな音色のキーボードが鳴り響いているし、リズム隊は超重量級でメタリックにぶっ放してるし、すごいぞDRY RIVER!彼らのWebでインフォを見ると、メンバーのフェイヴァリット・バンドには、クイーンの他、ドリーム・シアターやメタリカといったメタル・バンドの他、フランク・ザッパやスティーヴ・ヴァイなどの曲者も上げられていて、パフォーマーの2人のフェイヴァリットはモンティ・パイソンという始末。プログレ、HR/HM、アヴァン・ロックをゴッタ煮にして、恐るべしな諧謔精神でまとめあげた希代の奇天烈プログレ。北欧のMOON SAFARI、インドネシアのDISCUSといったバンドが近年、新鋭プログレシーンで多いに話題になりましたが、その次に話題になるべき実力を持ったグループとカケレコが自信を持って推薦!オススメですよ〜。
ヴォーカル&ギターのRoss Staggが出した募集に、元QUATERMASSのドラマーMick Underwoodが応募したことがきっかけに結成されたブリティッシュ・ハード・ロック・バンド。グラム・ロック色の強かった76年デビュー作からサウンドをすっきりさせ、エッジの立ったハード・ロックを聴かせる77年作2nd。アルバムは名曲「Down To You」で幕開け。英国的な気品と幻想性に満ちたオルガンと多声コーラスのイントロ、そこに切り込むシャープなギター・リフと飛翔するムーグ・シンセ!そして、疾走するタイトなリズム隊、絞りだすようにシャウトするエネルギッシュなハイ・トーンのヴォーカル!その他の曲も、「ポスト・ディープ・パープル」としてプロモーションされたのも納得なスピード感と切れ味で畳み掛けるハード・ロックの佳曲ぞろい。英ハード・ファン必聴の名作です。
エストニアのジャズ・ロック・バンド、12年スタジオ・ライヴを収録した13年作。シャープな高速変拍子リズム・セクション、野太いトーンでフリーキーに疾走するサックス、ゴリゴリと弾き倒すようなアグレッシヴなギター、そしてカンタベリー系のクールでしなやかなエレピ。デビューからのヘンリー・カウやハットフィールドのDNAを継いだテクニカルかつ流麗なジャズ・ロックをライヴ録音とは思えない精緻さとダイナミズムで一気に聴かせています。カンタベリー・ロックの音を鋭く尖らせて倍速にしたような、痛快極まるアンサンブルが全編で炸裂する傑作!
中世/古楽的ロックを追求するデュオ「VITAL DUO」でも活躍する双子のPayssan兄弟Thierry Payssan(Key)とJean-Luc Payssan(ギター)を中心に80年代から活躍するフランスのプログレ・バンド。09年作から6年ぶりの2015年作で2枚組の大作。中世トラッドや古楽、地中海音楽や南欧トラッドミュージックを織り交ぜながら、イエスやグリフォンやマイク・オールドフィールドからの影響を感じさせるサウンドは80年代のデビュー時から変わらず魅力的。オープニング・ナンバーからエネルギッシュで、性急に畳み掛けるリズム隊や前につんのめるようなシャープなエレキ・ギターによるドライヴ感とともに、古楽器が圧倒的なテクニックで格調高くも軽やかに鳴らされます。全体をシンフォニックにまとめあげるヴィンテージなキーボードもいい感じ。ベテランとは思えない、微笑ましくも尖った諧謔センスたっぷりのジャケのイメージ通りに切れ味バツグンな音楽センスがみなぎるさすがの快作。これは名作です!
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