2023年8月9日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
もうすぐお盆休みですね。
故郷への帰省を計画されている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
カケレコも8月11日(金)~8月15日(火)は休業とさせていただきますが、そういえばお盆の間、どんな音楽を聴きましょう?
そんなわけで、カケレコの豊富な新品/中古在庫から「お盆の帰省に連れていきたい ブリティッシュ・プログレ」を集めてみました!
1枚目は、すべてのプログレッシヴ・ロック・バンドの中で最も英国然とした音楽性を聴かせると言われたGENESISにしてみました!
故郷への帰省は、英国の田園風景を想起させる73年の傑作『Selling England By The Pound (月影の騎士)』を一緒に連れて行ってみてはいかがでしょう!?
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2枚目は、多重録音の天才MIKE OLDFIELDの75年作『Ommadawn』です!
アイリッシュ・フォークを下地に持つMIKE OLDFIELDの楽曲は、GENESISなどの英国抒情とはまた違った響きを持っています。
やはり田舎への帰省なら、トラッド・フォークからも選んでおきたいですよね
ということで、MELLOW CANDLEの72年作『Swaddling Songs (抱擁の歌)』です!
TUDER LODGE、SPIROGYRAと並んでブリティッシュ・フォークの「三種の神器」と評される傑作。
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4枚目は、女性ヴォーカリストAnnie Haslamを擁するRENAISSANCEの73年作『Ashes Are Burning (燃ゆる灰)』です!
まだゲスト扱いながら、その後のRENAISSANCEの核となっていくギタリストのMichael Dunfordが参加。
Annie Haslamの歌声とアコースティックなサウンドが、 故郷の風景にマッチするはず!
5枚目は、プログレ・ファンにも人気の高いジャズ・ミュージシャンNEIL ARDLEYの76年作『Kaleidoscope Of Rainbows』です!
NUCLEUSメンバーの他、ブリティッシュ・ジャズ・シーンで活躍するミュージシャンたちが多数参加。
のどかな故郷で、静かに夜空を眺めながら聴きたいスペーシーな傑作です!
カンタベリー・ロックからも選びたいと思います。
HATFIELD AND THE NORTHの74年作『Hatfield And The North』なんていかがでしょう?
カンタベリー・ロックならではのひねくれたポップセンス、そしてマイルドな音楽性で長距離の移動も楽しめそう!
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7枚目は、トリプル・メロトロン・グループとしてプログレ・ファンにはよく知られたSPRINGの71年作『Spring』です。
このアルバムも、田園風景にマッチするような牧歌的なサウンドですよね。
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SPRIGUNSといえば、76年作『Revel Weird & Wild (奇妙な酒宴)』や77年作『Time Will Pass』が知られていますが、ここはあえてMANDY MORTON AND SPRIGUNS名義の最終作『Magic Lady』を選んでみました!
本作を制作中、Mandy Mortonが敬愛するヴォーカリストSandy Denny(Fairport Convention)が急逝。
タイトルの「マジック・レディ」は、Mandy MortonがSandy Dennyに捧げたメッセージなんですね。
先祖の霊が帰ってくるとされているお盆に、故人への敬意に溢れた追悼盤という側面を持つ本作を改めて聴いてみるのはいかがでしょう?
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9枚目は、KING CRIMSONのIan McDonaldとMichael Gilesがデビュー・アルバム『In The Court Of The Crimson King』を発表後にグループを脱退して結成したユニット、McDONALD AND GILESですね。
このアルバムも、田舎の風景にフィットするような素朴な味わい深さがあって素晴らしいですよ!
最後は、せっかくですから新鋭プログレ・バンドから選びたいですね。
10枚目は、現代のブリティッシュ・プログレを代表するバンドのひとつ、BIG BIG TRAINの2013年作『English Electric Part Two』です!
70年代のGENESISに勝るとも劣らない英国抒情を持つ彼らの「English Electric」シリーズは、「Part One」「Part Two」ともに大傑作!
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90年代~00年代のイギリス屈指のプログレ新鋭バンドと言えるBIG BIG TRAINを特集。バンドのオフィシャル・サイトのヒストリーを元に、バンドのラインナップの変遷を見ていくとともに、作品を聴いてまいりましょう。
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90年代以降のプログレシーンを盛り上げる北欧スウェーデンやイタリアに負けじと、本場イギリスからも、イエスやジェネシスやクリムゾンなど往年のグループのDNAを継いだ好グループが出てきております。注目の作品をセレクトいたしましょう。
お盆の帰省に連れていきたいブリティッシュ・プログレというテーマでお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?
少し定番すぎるセレクションになってしまいましたが、どのアルバムも皆さんの休日を豊かに彩ってくれるはずです!
KING CRIMSONの歴史的デビューアルバム「In The Court Of The Crimson King」に参加し脱退したIan McDonaldとMichael Gilesが、Michael Gilesの兄弟であるPeter Gilesとユニットを組みリリースされた名盤。その内容はイギリスの田園風景が浮かんでくるような、のどかでアコースティックな雰囲気が素晴らしい叙情作となっています。Ian McDonaldはマルチ・プレイヤーぶりを発揮しサックス、フルートに加えピアノ、オルガン、ギターも演奏。盟友Peter Sinfieldが作詞で参加した20分超えの「バードマン」で締めくくるまで、高いクオリティーを保った傑作です。
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、定価2000+税
盤質:全面に多数傷
状態:並
帯有
盤に汚れあり、カビあり
紙ジャケット仕様、HDCD、デジタル・リマスター、定価2000+税
盤質:傷あり
状態:並
帯無
帯無、若干カビあり
デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:並
ケースに小さいヒビあり、若干カビあり、若干ビニールソフトケースの圧痕あり
元CARAVANのRichard SinclairとSteve Miller、元MATCHING MOLEのPhil Miller、後にNATIONAL HEALTHで活躍するPip Pyleにより結成され、Steve Millerが脱退、KHANを経たDave Stewartが参加したカンタベリー・ジャズ・ロックバンドの代表格の74年デビュー作。HENRY COWのJeff ReighやRobert Wyattも参加した本作は、メンバーの確かな技巧に裏打ちされた複雑な楽曲構成や、変拍子を用いたテクニカルなインタープレイを持ちつつも、カンタベリー独特の質感、メロディーの味わい、ポップ・センス、ユーモアを散りばめた極上のファンタジアを描く傑作です。
盤質:傷あり
状態:良好
YARD BIRDSのKeith Relf、Jim McCartyを中心に結成されるも、2枚のアルバムを残し解散したイギリスのグループ。72年にソプラノ・ボーカルAnnie Haslamを擁し新体制で活動を再開、ロック・フォーク・クラシックが交差する幻想的な楽曲は今なお色褪せることはありません。本作は73年にリリースされた2nd。クラシカルな中に多少のサイケデリック感覚を残したデビュー作から方向性が定まり、牧歌的なのどかさと英国叙情、オーケストラを従えたシンフォニック・ロックの世界を作り上げています。以降ライブでも取り上げられる機会の多い名曲となった「カーペット・オブ・ザ・サン」「燃ゆる灰」などを収録。
盤質:無傷/小傷
状態:良好
Mike Oldfieldの作品への参加でも有名なClodagh Simmondsが在籍したブリティッシュ・フォーク・ロックの代表的グループの72年作。TUDER LODGE、SPIROGYRAと並んで英国トラッド・フォークの「三種の神器」と言われる本作は、適度なサイケデリアとアコースティックな味わいを持ち、湿り気のある英国叙情を伝えます。ジャジーなリズム・セクションを下地に端正なピアノやハープシコードがクラシカルに響き、楽曲によっては隠し味にメロトロンをまぶした作風。加えてバンドの個性である女性ツインボーカルは、ただただ美しいメロディーを歌い上げます。David WilliamsとAlison O’Donnellは本作リリース後に南アフリカへと渡りFLIBBERTIGIBBETを結成します。
廃盤、紙ジャケット仕様、SHM-CD、08年24bitデジタル・リマスター、定価2667+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
若干カビあり
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、定価2039+税
盤質:全面に多数傷
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり
盤質:無傷/小傷
状態:並
小さいケースツメ跡あり、若干カビあり
Gus Dudgeonのプロデュースで録音され、NEONレーベルからリリースされたイギリスのプログレッシブ・フォーク・ロック・グループによる71年作。トリプル・メロトロン・グループとしての話題性が先行しがちなグループであり、事実楽曲にはメロトロンのストリングスやフルートと言った王道音色からオルガン、チェロなどまで幅広いメロトロン・サウンドが使用されています。しかしその音楽性の基本となっているのは牧歌的で親しみやすい素朴さを持った田園フォーク・ロックといった趣のサウンドであり、むしろその点にこそ彼らの個性を見出すべき叙情的な名盤と言えるでしょう。
オリジナル・マスター・テープからのデジタル・リマスター、DISC2にデモや71年のスタジオ録音曲を12曲収録した2枚組
多重録音という言葉が既に死語となりつつある現代においてさえ強烈な存在感と圧倒的な完成度を誇るイギリスのマルチ・プレイヤーの75年3rd。淡く儚い旋律が印象的な物悲しいイントロで幕を開け 、ケルティックなフレーバーをまぶしながら牧歌的な叙情を感じさせます。女性ボーカルの効果的な登用、そしてアフリカン・パーカッションはじめ民族楽器の導入によるエキゾチックさも楽曲に上手く溶け込み、それを覆う爽やかな雰囲気は彼の一番の個性と言えるでしょう。精神を病むほどに追い込まれながら、一切の妥協なく練り上げられた名盤です。
KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1973年に発表された5枚目のスタジオ・アルバム『月影の騎士』は、全英3位、全米70位に輝いた傑作。Peter Gabrielのアカペラで厳かに幕を開ける「Dancing With The Moonlit Knight」から、シングル・ヒットとなった「I Know What I Like」、シンフォニック・ロックのお手本と呼ぶべき傑作 「Firth Of Fifth」、Phil Collinsがヴォーカルを務める「More Fool Me」、シアトリカル・ロックの色濃い「The Battle Of Epping Forest」、キーボーディストTony BanksとギタリストSteve Hackettのアコースティック・アンサンブルが美しい「After The Ordeal」、そして、Tony Banksのキーボード・オーケストレーションに鳥肌さえおぼえる「The Cinema Show」まで、完璧なシンフォニック・ロックを展開。「Dancing With The Moonlit Knight」のメロディーが再び繰り返される「Aisle Of Plenty」で幕を閉じるまで、一瞬たりとも聴き逃せない傑作です。
CASCDX1074/724383977727(VIRGIN)
DEFINITIVE EDITION REMASTER
盤質:全面に多数傷
状態:並
小さいカビあり、その他は状態良好です
不動の2人であるGreg Spawton(G)とAndy Poole(B)により90年に結成され、90年代〜00年代のイギリス屈指のプログレ新鋭バンドへと上り詰めたグループ。元XTCのギタリストDave Gregoryの加入、09年作から加入のヴォーカリストDavid Longdonが作曲に加わるなど、新生BIG BIG TRAINとして制作したコンセプト作『ENGLISH ELECTRIC』の第二弾。12年作。『Part One』では、ゆったりと紡がれる叙情的な楽曲が印象的でしたが、本作での15分を超えるオープニングの大曲「East Coast Racer」では、ジェネシスやイエスへの愛情がつまったスリリングかつドラマティックなキメのパートが盛り込まれていて、『Part One』よりも器楽性が高まっています。英国の大地を飛翔するようなスケールの大きなメロディアス・ロックを軸に、プログレならではのテクニカルなパートが躍動感を高めていて、めくるめくドラマはただただ圧倒的。彼らの持つ幻想性、器楽性、メロディ・センス、「ヴィンテージ」と「モダン」とをつなぐアレンジ・センス、すべてがつまった新たな代表曲と言えるでしょう。2曲目以降も、ジェネシスとXTCとアラン・パーソンズ・プロジェクトのピースを組み合わせつつ、憧憬に終わらず、「モダン」な音像へと高めた、と言える素晴らしい楽曲ぞろいで、新たなメンバーとともにバンドとしてのスケールを増し、新たな地平へと躍り出た傑作です。
英国フォークを代表するフィーメール・ヴォーカリストの一人、マンディー・モートンを中心としたエレクトリック・トラッド・グループ。「Time Will Pass」に続き、78年にリリースされた3rdアルバム。1st、2ndに比べると知名度は低いですが、情感溢れるマンディの歌唱や、演奏のダイナミズムと格調高さなど、完成度は勝るとも劣らない名作。
ボーナス・トラック2曲
盤質:全面に多数傷
状態:良好
ケースツメ跡あり、CDの非記録部分に劣化あり(当店機器では再生に影響なし)
英国のジャズ・キーボーディスト/コンポーザー、ニール・アドレー。イアン・カーをはじめとするNUCLEUSのメンバーや英国ジャズ・ミュージシャンを多数迎えて制作された76年作。硬質なリズム隊やダイナミックなブラス・セクションに象徴されるモダン・ジャズを軸としつつも、スペーシーなシンセやテリー・ライリーの「A Rainbow in Curved Air」を彷彿とさせるような木管楽器のミニマル・フレーズが織り成す響きが非常に神秘的。繊細でムーディーなジャズ・タッチの中にどこかサイケデリックな色鮮やかさもあり、宇宙的な広がりを感じさせるファンタジックなジャズ・ロック作に仕上がっています。
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