2020年11月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ増田です。
すっかり秋模様ですね。秋と言えば、芸術の秋!過ごしやすい秋の夜長に、クラシカルでエレガントなピアノ・プログレはいかがでしょうか。
今回はオルガンでもシンセでもなく、気品溢れるピアノがフィーチャーされている世界のプログレ作品をセレクトいたしました!
まずは英国クラシカル・ロックの代表格ルネッサンスによる75年作4th、『シェエラザード夜話』。
コルサコフの交響曲をモチーフにしたB面の大曲「シェエラザード夜話」もさることながら、この1曲目「Trip to the fair」も素晴らしいクラシカル・ピアノ・プログレ!
クラシカルで凛としたピアノのイントロに、美麗な女性ヴォーカルと幻想的なコーラス・・・まさにファンタジーの世界に導かれるかのような一曲ですね。
次はクラシカル・プログレの宝庫、イタリア!70年代の傑作から新鋭まで一挙ご紹介いたします。
初っ端からマイナーですが、クラシカル・ロックの最上級と言える傑作。76年作。
芳醇なピアノとヴァイオリンに、甘くふくよかなギターが織り成すアンサンブルは「ロック」の枠を超えた優美さ。
西洋音楽の長い歴史をバックボーンに持つイタリアだからこそ生み出せるサウンドですね。
こちらもマイナーながら、イタリアン・クラシカル・ロックの旨味がギッシリ詰まった名盤!75年作。
天上に昇るように優雅なピアノのイントロに、さらにうっとりするようなヴァイオリンやシンセが絡んできて、でもどこか人懐っこいポップさもあって。
メジャー・グループのような洗練された完成度はありませんが、イタリアン・ロックならではの「味」がそこかしこから溢れ出る逸品!
key奏者Angelo Santo Lombardiを中心とするイタリア新鋭、18年作3rd。
エレガントなピアノやふくよかなシンセ、荘厳なチャーチ・オルガンを用いつつドラマチック&詩情たっぷりに展開してゆくアンサンブルがいいなあ。
BANCOやPFMをはじめとする70年代イタリアン・ロックへの愛に溢れた好作品!
次は東欧、ハンガリー!
この曲の冒頭での躍動感みなぎるピアノ!キース・エマーソンばりのキレ味ですよね。
元AFTER CRYINGの超絶Key奏者によるテンション溢れるシンフォ・プログレ!
次はポーランドのメロディアス・シンフォ・グループによる07年作。
美麗な作品の多いポーランドのシンフォ・シーンの中でも屈指と言える幻想美と溢れる美メロ。
ファンタスティックなジャケのイメージ通りの逸品です。
幽玄なメロトロンや美麗なピアノをフィーチャーしたポーランドの4人組、20年デビュー作!
クラシックやジャズのテイストも取り入れた、端正でドラマティックなインスト・プログレを聴かせる文句なしの名品です。
次はロシア!母国のみならず、新鋭プログレ・シーンを代表すると言ってよいこのグループの13年作4thをピックアップ。
テクニカルに駆け巡るヴァイオリン、リリカルに吹き抜けるフルート、アヴァンギャルドかつ流麗に疾走するピアノ!
密度、緊張感、叙情性、どれをとっても最高峰と言える傑作!
次もロシアの新鋭、11年デビュー作。
芳醇なヴォーカル、壮大な女性コーラス、伸びやかなギターに饒舌でドラマチックなピアノ…。
全パートのどこを切り取ってもメロディが溢れ出る、と言っても過言ではないメロディアスぶり!
次は南米よりこんな作品をご紹介!78年作+82年作。
哀愁漂うフォルクローレ調のバンド演奏を格調高い管弦楽器の調べがクラシカルに彩る、詩的な美しさを持つサウンドが素晴らしさと来たら!
70年代末のアルゼンチンにこんなにも知的で洗練度の高いグループがいたとは。
次はイスラエル出身の新鋭16年作!
流麗で技巧的なピアノの旋律に、イスラエルらしい爽やかなヴォーカル・メロディが合わさったアンサンブルがとにかく快感!
シャープなリズムにオルガンとエレピが舞うパートでは70sジャズ・ロックの香りも漂ってきて、洗練されつつヴィンテージ感もたっぷり。これはたまりません!
最後はこちらの多国籍プログレ・プロジェクトによる18年作。
鋭角的なギターに気品ある管楽器、ラフマニノフなど近現代クラシックの素養を感じさせるシャープなピアノが躍動する、エレガント&スリリングなアンサンブルが実にCOOL!
パリ在住の米国人作曲家/ピアニストを中心に、世界各国の実力派ミュージシャン10名が織り成すドラマチックなアヴァン・プログレ!
いかがでしたか?こちらの記事もどうぞ!
YARD BIRDSのKeith Relf、Jim McCartyを中心に結成されるも、2枚のアルバムを残し解散したイギリスのグループ。72年にソプラノ・ボーカルAnnie Haslamを擁し新体制で活動を再開、ロック・フォーク・クラシックが交差する幻想的な楽曲は今なお色褪せることはありません。本作は75年にリリースされた4thであり、彼らの代表作の呼び声も多い名盤。特にリムスキー・コルサコフの同名交響曲に端を発した「シェエラザード夜話」は、「アラビアン・ナイト」の世界をコンセプトに据えた20分を超える超大作であり、オーケストラ・サウンドとロックの融合を目指した英国ロックの1つの結論と呼ぶべき傑作。米国での成功で勢いに乗った彼らの生み出したシンフォニック・ロックの世界は他の追随を許しません。
ポーランドの叙情派シンフォ・グループ。07年作。荘厳なキーボード、鍵盤の上を軽やかに舞うクラシカルなピアノ、ロング・トーンのエモーショナルなギター、伸びのある歌声のふくよかなヴォーカルが印象的。アコースティックかつ瑞々しいタッチのファンタスティックなアンサンブルを基本に、シャープで硬質なドラムやメタリックなギター・リフなどの現代的なヘヴィネスを加えた、「静」と「動」の振幅激しいドラマティックなシンフォニック・ロック。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!