カケハシ・レコードです。
2022年11月のカケレコ・ベストセラー上位タイトルをご紹介いたします!
11月は新鋭プログレと往年のリイシュー・タイトルがバランスよくランクインしていますね。
人気のスパニッシュ・プログレ新鋭による待ちに待った新作や、BIG PINKの最新リイシューなどが注目を集めました。
その他にも耳の肥えたカケレコ・ユーザーの皆様が今どんな作品に注目しているのか、ぜひチェックしてみてください☆
注目作がひしめいておりましたので、今回は少し多めにTOP15をご紹介!
11月カケレコの主役となったのはやはりこのバンド!
現代スペインが誇る新鋭プログレ・バンド、傑作『2038』から4年ぶりとなった22年作。
往年のQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたような、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます!
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リイシューではBIG PINKのこのアルバムが大人気でしたよ♪
アメリカはミシシッピ出身のゴスペル・シンガーによるソロ・アルバム。
テン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リーと組んだスワンプ名作『On The Road To Freedom』でご存知の方も多いと思います。
この70年作、プロデュースはアラン・トゥーサン、バックにアトランタ・リズム・セクション、メリー・クレイトン、クライディ・キング…ってもう間違いなしの米スワンプ名盤!
9月初入荷ながら、まだまだ根強い人気を誇るのがこの作品!
現ポーランド・シンフォの雄、待望の22年作!
ラティマーばりに泣きまくる哀愁のギターと、フロイド譲りの深遠な音空間を作り上げるキーボード、そして新ヴォーカルの情緒豊かな歌唱。
どこを切り取ってもグッと来てしまうドラマ性に満ち満ちた会心作!
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ポーランドのみならず、現代のプログレ・シーン屈指と言えるグループMILLENIUM。デビュー20周年を迎え、活動を包括するボックスもリリースした彼らの、これまでの作品をピックアップしながら、その軌跡を追っていきます!
南米ブラジルの素晴らしいヴィンテージ・プログレが4位にランクイン!
SAMURAI OF PROGの作品にも参加するブラジルのキーボーディストによる22年作。
ハモンド・オルガンをこれでもかとスリリングに弾きまくる一曲目からヴィンテージ・キーボード好きのハートを鷲掴みにしてきますよ~。
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今回取り上げるのは、70年代プログレ&ロックへの憧れと敬意を感じさせるヴィンテージなサウンドを鳴らすバンドたち。厳選してピックアップ!
プログレ・ファンのみならず、ポスト・ロック好きにもオススメできるこのポーランド新鋭2ndも激オススメです~
ポスト・ロック的洗練性と音響感覚+フロイドをバックボーンに持つメランコリーと深い陰影。
残響が木霊する幻想のギターとひたすら切なく美しいピアノが織り上げる、暗闇の中から浮かび上がるように劇的なサウンドが素晴らしい待望2ndアルバム!
良質なキャメル系シンフォを生み出し続けるオランダのプログレ・シーン筆頭格による22年作も要チェックですよ☆
9年ぶりの作品とは思えない、何事もなかったようにFHらしさ100%のサウンドを繰り広げる22年作。美旋律ギター&リリカルなフルートを操り「オランダのアンディ・ラティマー」の名を欲しいままにするEddie Mulderの活躍に注目!
最近BIG PINKが力を入れているのがモータウン所属ギタリストとして活躍したDENNIS COFFEY関連作。本作もナイスな一枚!
モータウンに所属したギタリストによるこのアルバム、凄く良いです。
ゼップの名曲のリフを拝借しサイケデリック&ソウルフルなインストに仕立て上げたナンバー、ジェフ・ベックに通じるトリッキーな音運びに痺れるナンバーなど、英ロック好きにもきっと刺さる快作!
往年のフレンチ・プログレ・ファンにはこの作品をぜひ聴いて欲しい!
仏プログレ名バンドPULSARのkey&gによって結成されたバンドの22年3rd。
CAMELやPINK FLOYDのファン、そしてPULSAR『Halloween』が好きな方に是非体験して欲しい、叙情的にして夢想的な音世界が素晴らしい絶品シンフォ!
再びBIG PINKから、愛すべき英SSW/ギタリストの2ndソロがランクインしました。
ギャラガー&ライル、スティーラーズ・ホイール、G.フェイム、B.レドン、K.ジョーンズなど英米の豪華メンツが大挙した2ndソロ。
ユルくもゴキゲンに紡ぐカントリー・ロッキン&パブ・ロッキンな演奏と、愛すべきヘロヘロ・ヴォーカルが最高にマッチ!
4位につけたRonaldo Rodriguezが在籍するこのバンドのデビュー作もまた良いんですよ~!
濃厚なブルース・フィーリングの帯びたギター&オルガン/エレピが活躍する、このサイケ・ハード/ジャム・バンド的アンサンブル、むせかえるような70年代臭がぷんぷん!
洗練されていない録音のせいで本当に70年代の音源みたいに聴こえるのがまた良い!
ヴィンテージ・テイスト満点のこのイタリアン・ロック新鋭も要注目!
新鋭でここまで70sイタリアン・ロックと言われても不思議に思わないサウンドそうそうありません。
UNREAL CITYやCELLAR NOISEで活躍するマルチ奏者2人が創り上げた、70s伊ロックへの愛情100%インスト・プログレ!
FLAMBOROUGH HEADへの復帰でも話題のギタリストによるソロ・アルバムもFHに負けず劣らず絶品なんです♪
Flamborough Head譲りのスケール大きなシンフォニック・ロック、瑞々しいソロアコギ曲、そして本作では神秘的なアンビエント調も織り込んで色彩豊かに聴かせる22年作。CAMELのColin Bass&KAYAKのTon Scherpenzeel参加!
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70年代の楽器と見なされている節があるメロトロンですが、プログレにおいては現在も現役バリバリの楽器であることはご存知でしょうか。今回は、そのあたりが実感していただけるメロトロンが溢れまくりの新鋭プログレ作品をご紹介してまいりましょう~。
ブラジルのGG!?による傑作が21年リイシュー!
70年代のブラジルに初期ジェントル・ジャイアント影響下の素晴らしいバンドがいたって!?
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英国が誇る超絶技巧集団GENTLE GIANTを起点にして、変拍子たっぷりの各国テクニカル・プログレを探求!
スワンプ・ロック・ファンには堪えられない、ドン・ニックス・ワークスの75年作!
冒頭からこれぞスワンプ・ロックという跳ねまくりの演奏とソウルフルでパワフルなヴォーカルが炸裂。ドン・ニックスがアレンジを手掛けた75年作!
今年6月初入荷ながらも15位以内をキープし続ける脅威の作品がコレ!
QUATERMASSの2人John Gustavson&Pete Robinsonが北欧の凄腕たちと組んだ超絶ジャズ・ロック作!このテンションMAXで畳みかける凄まじい演奏、MAHAVISHNU ORCHESTRAファンなら「おおっ!」となるはず。
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いかがでしたか?
気になる作品が見つかりましたら幸いです♬
現在のポーランド・シンフォ・シーンの中核を担う人気グループ、スタジオ・アルバム15作目となる2022年作。本作より新ヴォーカルにキーボーディストRyszard KramarskiのバンドTRKPROJECTのDawid Lewandowskiが加入。80年代以降のキャメルを想起させる、どこか物悲しくもエモーションいっぱいに広がる雄大かつ重厚なインスト・パートと、従来のピンク・フロイドからの影響をモダンに昇華させたスタイリッシュでメロディアスなヴォーカル・パートがこれでもかとドラマチックに対比されるスタイルは、これぞMILLENIUM節としてさらに極まっています。タイトに刻む安定感抜群のリズム・セクションを土台に、まさにラティマーばりに泣きまくる哀愁ほとばしるギターと、シンセを軸にフロイド譲りの深遠な音空間を作り上げるキーボードによる、激情とメランコリーを揺れ動くアンサンブルはかつてない素晴らしさ。そんな演奏に渾身の歌を乗せる新ヴォーカルも特筆で、ハートフルな温かみも滲む、歴代ヴォーカルでも屈指の情緒に富んだ歌唱がMILLENIUMサウンドの説得力を引き上げます。どこを切り取ってもグッと来てしまうドラマ性に満ち満ちた、15作目にしてキャリア屈指の会心作!
スウェーデンを代表するKey/管弦楽器奏者Bjorn J:son LindhやQUATERMASS〜HARD STUFFのJohn Gustavsonらによるプロジェクトで73年に唯一作を残したBALTIK。そのメンバーだったB.J.Lindh、John Gustafson、Jan Schaffer(g)らに、Gustafsonの盟友Peter Robinsonが合流して結成されたジャズ・ロック/フュージョン・グループ、74年唯一作。全楽器が圧倒的なテンションと音数でスリリングに疾走するド派手なジャズ・ロックは、かなり明白にMAHAVISHNU ORCHESTRAへの対抗心を感じさせるもの。ガンビア出身ドラマーMalando Gassamaがパーカションも多用し猛烈な手数で捲し立てると、Gustafsonも負けじとキレのあるベースで応じ、その上でSchafferの熱量高いテクニカル・ギターとRobinsonの目にもとまらぬエレピが火花を散らします。凄いのがそこに割って入るLindhのフルート。ギターの速弾きと難なくユニゾンするスーパープレイはさすがの一言です。Ian Andersonばりの唾吐きフルートも決まってます。数あるMAHAVISHNU ORCHESTRA直系ジャズ・ロックの中でも、このテンションMAXの畳みかけは屈指の凄まじさでしょう。英国とスウェーデンの凄腕たちが持ち前のテクニックを存分に披露したジャズ・ロック痛快作!
12年デビュー、メンバーほぼ全員がクイーンとドリーム・シアターをフェイバリットに挙げるスペインの要注目新鋭プログレ・バンド、前作から4年を経てついに届けられた4thアルバム!従来はQUEEN+DREAM THEATERを土台に豊富なアイデアが渦巻く奇想天外ロックを練り上げていた彼らですが、本作ではQUEEN+DTの土台と溢れんばかりのエネルギーはそのままに、よりストレートでドラマティックな表現で生き生きとロックするパフォーマンスが魅力的。80年代後半〜『Made In Heaven』あたりのQUEENにHR/HM的ヘヴィネスを纏わせたようなスタイルの、最高に熱くて強烈にキャッチーなサウンドに終始虜にされます。美しいピアノ独奏に続き、ソリッドに刻むギターリフと雄々しいヴォーカルが走り出す導入部から、もうDRY RIVERの世界に惹きこまれています。相変わらずとことん情熱的なスペイン語ヴォーカルと、まさにBrian MayのフレーズセンスとJohn Petrucciの畳みかける技巧を合わせたような超絶ギターが重量感たっぷりのリズムに乗って疾走する、パワフルかつ荘厳な1曲目で早くもノックアウト。そんな1曲目のテンションのままにスケール大きくパッション全開で展開してくサウンドは、従来のアルバムが気に入ったならまず間違いありません。QUEENファン、DTファン、そしてメロディアス・ハードが好きな方にも激オススメの一枚に仕上がってます。文句なしのカケレコメンド!!
Mylon LeFevreはゴスペル・グループで活動をスタートしたミシシッピ出身のシンガーで73年にアルヴィン・リーとのアルバムをリリースしたことでも知られています。本作はバンド名義での70年デビュー作。アラン・トゥーサンがプロデュース、バックはアトランタ・リズム・セクション、コーラスにクライディ・キング、メリー・クレイトンら鉄板の面々が参加しています。グルーヴィーな演奏にソウルフルなヴォーカル、間違いなしの米スワンプ名盤!
イタリア、UNREAL CITY/QUEL CHE DISSE IL TUONOのFrancesca Zanettaと、CELLAR NOISE/QUEL CHE DISSE IL TUONOのNiccolo Gallaniという2人の実力派マルチ・プレイヤーが結成したユニット、22年デビュー作。ヴィンテージ嗜好のイタリア新鋭は多くいますが、ここまで70年代イタリアン・ロックと言われても不思議に思わないサウンドそうそうありません。叙情的にたなびくオルガン、丸みのある幻想的なトーンのギター、そしてリリカルに舞い上がるフルート。22年作ということでどうしても音がクリアなのですが、演奏や音選びへのこだわりは尋常ではありません。メタリックだったりエレクトニックだったりという現代的なアプローチは一切排して、往年のイタリアン・ロックへの愛情100%で作り上げたような素晴らしいインスト・プログレです。
70年代後半に活動したブラジルのプログレシッヴ・ロック・バンド、76年のデビュー作。リズム隊とギターを軸に展開するジャズの素養をベースとする洗練されたアンサンブルに、シンセとピアノを中心に操るキーボードが南米らしい柔らかで少し翳りのある叙情美を加える気品高きサウンドには、南米プログレ・ファンなら感動を禁じ得ないはず。変拍子リズムに乗って各楽器がフレーズの断片を緻密に折り重ねていくミステリアスな展開や、ヴォーカルが歌う浮遊感あるメロディ、コーラスワークなど、初〜中期GGを彷彿させるパートがあちこちに現れるのも印象的で、影響下にあったのは間違いないでしょう。確かな演奏力と先の読めないユニークな楽曲構成で聴かせる南米プログレの名盤!
70sフレンチ・シンフォの代表格PULSARのキーボーディストJacques RomanとギタリストGilbert Gandilによって結成されたバンドの22年3rdアルバム。PULSARやラティマー主導による80年代後半以降のCAMELに通じる叙情的ながらもシリアスな手触りを持つサウンドに、実にフレンチ・プログレらしいアーティスティックで夢想的なタッチを加えた、イマジネーション溢れるシンフォニック・ロックに心奪われること必至。「幽玄」というワードがぴったり来る霧の奥から響くように儚げなキーボード、そしてラティマーやS.ロザリーばりにエモーショナルな音運びのエレキ&物悲しいタッチのアコギを折り重ね幻想的に聴かせるギター。そこに温かく味わいある男性ヴォーカルと美声の女性ヴォーカルが繊細に歌を乗せていきます。シンセがメランコリックにたなびくヒンヤリとしたトーンのナンバーは往年のPINK FLOYDも彷彿。CAMELファン、PINK FLOYDファン、そしてPULSAR『Halloween』がお気に入りという方には是非体験して欲しい音世界です。
元AMEN CORNER〜FAIRWEATHER、クラプトンやロジャー・ウォーターズのツアーサポートでも知られる英ギタリスト/SSW、75年の2ndソロ。グリン・ジョンズによるプロデュースで、ギャラガー&ライル、スティーラーズ・ホイール、ジョージィ・フェイム、バーニー・レドン(イーグルス)、B.J.コール、ケニー・ジョーンズほか英米の豪華メンバーがバックアップ。そんなメンツから想像できる通りと言える、愛すべきカントリー・ロック/パブ・ロックを楽しませてくれます。楽しげに弾むリズム、洒脱に転がるピアノ、賑々しくかき鳴らすアコギ、心地よさそうに宙を泳ぐペダルスティールなどが、ユルくもゴキゲンに紡ぐ大変味わいあるアンサンブル。そこに乗るA.F.Lowのヴォーカルは、AMEN CORNER時代から変わらずちょっとヘロヘロした頼りなさがあるのですが、それが何とも彼独特の和み感をもたらしていて堪りません。そんなほんわかムードのナンバーが続くと思いきや、合間にはAORタッチの洗練されたナンバーが出てきてアルバム全体のテイストをキュッと引き締めているのがまたニクいところ。何とも脱力を誘うジャケットにピンと来たら是非。
ポーランドのクラクフを拠点に活動する新鋭プログレ・グループ、22年リリースの2ndアルバム。ポスト・ロックを通過した洗練性&音響感覚+ピンク・フロイドをバックボーンとするポーランドらしいメランコリー&深い陰影、と言える叙情派メロディアス・インスト・プログレは、20年の1stアルバムより変わらず健在。残響が木霊する幻想的なギターとひたすら切なく美しいピアノが織り上げる、暗闇の中から浮かび上がるような劇的なサウンドに惹きこまれます。ラストには24分を超える大作が待っており、前作でも印象的だったメロトロンも随所に散りばめながら気品高くもダイナミックに進行していく、ストーリー性に富んだ幻想シンフォ絵巻に圧倒されます。リズム隊+ギター+ピアノを基本とするシンプルなサウンドにもかかわらず、このイマジネーションが溢れんばかりのサウンドを創り上げる実力は本当に見事という一言です。傑作!
ブラジル出身、CARAVELA ESCARLATE〜ARCPELAGO〜BLUE RUMBLEなどのヴィンテージなプログレ・バンドを多数率い、SAMURAI OF PROGの作品にも参加する奇才キーボーディスト、22年ソロ名義作。彼が率いてきた上記バンドに通じるヴィンテージなテイストがプンプンのキーボード・インスト・プログレを展開。ハモンド・オルガンをこれでもかとスリリングに弾きまくる一曲目からヴィンテージ・キーボード好きのハートを鷲掴みにしてきます。以降の曲ではそんなオルガンに色彩豊かなトーンで躍動するシンセや幽玄のメロトロン・ストリングスも重なり、薫り高きキーボード・サウンドを作り出していて堪りません。ジャズ・ロック的なタイトさでアンサンブルを引き締めるリズム・セクション、そして優美にもハードエッジにも自在なスタイルでキーボードに応じるギターの腕利きっぷりにも注目です。これはとにかくヴィンテージなキーボード・サウンドに心行くまで浸りたいというプログレ・ファンには持ってこいの一枚。辺境臭さは一切なく、全てのキーボード・プログレ好きに聴いてみて欲しいサウンドです。
ブラジル、CARAVELA ESCARLATE〜ARCPELAGOを率いるキーボーディストRonaldo Rodriguezが在籍するインスト・バンドの22年作1st。濃厚なブルース・フィーリングの帯びたギター&オルガン/エレピを軸に展開するサイケ・ハード/ジャム・バンド的スタイルのアンサンブルは、むせかえるような70年代エッセンスが漂ってきてただただ最高です。時にボンゾへの意識も感じられる打ち下ろすような重いドラミングと敏捷に動くベースも抜群のカッコ良さ。ブラジルという土地柄もあってか録音が洗練されていないのが、本当に70年代の音源であるかのような錯覚をもたらしているのもGOOD。プログレ・ファンのみならず、70sサイケ・ハードやジャム・バンドがお好きな方にも是非オススメしたい快作!
米女性SSWがATLANTICからリリースした75年唯一作は、ドン・ニックスがアレンジを手掛けたスワンプ・ロック作。全曲オリジナルということです。ボブ・ディラン、レナード・コーエン等のアルバムに参加したロン・コーネリアス(g)や、ポール・サイモン、アレサ・フランクリン、ジョージ・ハリソンなど数々の作品に参加したリチャード・ティー(p)、コーラスでジニー・グリーンらが参加しています。冒頭から跳ねまくりの演奏とソウルフルでパワフルなヴォーカルが炸裂するファンキーなスワンプ・ロックの名作!
オランダの人気シンフォ・グループFLAMBOROUGH HEADやLEAP DAYで活躍するギタリストの22年作8thソロ。CAMELのColin BassやKAYAKのTon Scherpenzeelがゲスト参加しています。バンド編成でのスケール大きなシンフォニック・ロック曲とアコギに自身のフルートも交えてリリシズムが零れ落ちるように瑞々しく聴かせるアコースティック曲をバランスよく配した、直近作と路線を同じくする作風は本作でも揺るぎない美麗さを誇ります。本作での新境地と言えるのが、合間で数曲聴けるアンビエント・タッチのサウンド。木琴によるミニマルなリズムにシンセとエレキギターがデリケートなタッチで音を乗せる神秘的なナンバーや、ストリング・シンセと中世的なアコギが気品高く調和するAnthony PhillipsのPP&Pシリーズを思わせるナンバーなど、新たなカラーを織り込んでアルバム全体を色彩豊かに構築しているのが魅力。相変わらずのファンタジックで優しい音世界にひたすら魅了される名品です。
現オランダを代表するシンフォニック・ロック・グループ、スタジオ作としては9年ぶりとなった22年作!前13年作ではバンドを離れていたギタリストEddie Mulderが復帰しており、ハケット+ラティマーと言えてしまう気品たっぷりの美旋律ギターを全編で披露しているのが何より嬉しいところ!そんなギターに輝かしい音色で絡むオルガンやシンセ、そして少し影のある落ち着いた声質で歌う女性ヴォーカルが加わり、まさにGENESIS+CAMELと形容すべきファンタジーを並々と湛えた極上シンフォが堪能できます。さらにEddieのソロワークで追求してきたリリカルなアコースティック・サウンドがバンドにフィードバックされているのも聴き所で、淀みない清流のように美しいアコースティック・ギターのプレイやハートフルなフルートも奏でる多才ぶりで「オランダのアンディ・ラティマー」の名を欲しいままにしています。9年というブランクがあったとは思えない、何事もなかったようにFLAMBOROUGH HEADらしさ100%のサウンドを繰り広げる素晴らしい一枚!
デトロイト出身、モータウン所属セッションマンとしてウィルソン・ピケット、テンプテーションズ、フォー・トップス、デル・シャノン、リンゴ・スターなど大御所アーティスト達の作品でプレイした白人ギタリストDennis Coffeyが、自身を含む3人のギタリストを中心に結成したグループの71年作。スコンッとタイトに刻むドラムとグルーヴ感満点のベースによるファンキーなリズム・セクション、そしてサイケデリックな熱量を伴ってワイルドにプレイするギターがカッコいい、ゴキゲンなサイケデリック・ソウル・インスト。テクニックを全面に押し出しているわけではありませんが、時折ジェフ・ベックばりにトリッキーな音運びが耳を惹き、どことなく『Blow By Blow』『Wired』にも通じる魅力があります。注目は2曲目「Whole Lot Of Love」で、LED ZEPPELINのあの名曲のリフを拝借してサイケデリック&ソウルフルなインストに仕立て上げた痺れる一曲。米シングル・チャートTOP10に入った4曲目「Scorpio」も聴き所で、まるでブラスのように厚みあるトリプル・ギターによるリフでかっ飛ばす序盤から、小気味良いパーカッションに乗って旨味たっぷりのベースソロが炸裂する中盤への流れが最高です。ソウルやファンク好きの方は勿論ですが、前述のとおりジェフ・ベック・グループやジェフのソロ作がお好きな方にも刺さると思います!
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