2022年9月21日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
スタッフ佐藤です。
古くはビートルズ、ムーディー・ブルース、キング・クリムゾンらの使用に始まり、
60~70年代ロック/プログレの名盤を独特の奥ゆかしい音色で彩ったメロトロン。
メロトロンの役割をデジタルに進化させたサンプラーの存在もあり、今では過去の楽器と見なされている節がありますが、
プログレにおいては今なお現役バリバリであることはご存知でしょうか。
というわけで、そのあたりが実感していただけるメロトロンが溢れまくりの新鋭プログレ作品を各国よりご紹介してまいりましょう~。
最初に登場するのは、前作2ndのメロトロン過多っぷりも素晴らしかったこのフランス新鋭、待望の3rd作!
フランスの人気アヴァン・プログレ・トリオ、待望の22年作!
冒頭からかなり素晴らしいです。この1曲目、例えるなら1stをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロンを担いで飛び入り参加したかのよう!?
ジョワァ~とファンタジックに高鳴るメロトロンがもう堪らん♪
試聴は下記ページで可能です!
https://alcofrisbass.bandcamp.com/album/le-mystere-du-gue-pucelle
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MOON SAFARIばりのメロディセンスを持つこのグループもメロトロンたっぷり♪
マルタ出身でチェコを拠点とするグループなのですが、MOON SAFARIばりのポップで親しみやすいメロディがとめどなく溢れてきます。四半世紀を超えるバンドとは思えないサウンドの鮮度に驚かされる愛すべき一枚!
ドラマチックに演奏を盛り上げるメロトロンの使い方もSO GOOD!
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7年待った甲斐がありました…!叙情美にかけては現ポーランド最高峰と言えるプロジェクト、持ち味の幻想美溢れるサウンドメイクはそのままにスタイリッシュなメロディアス・シンフォに進化を遂げた傑作!
06年デビュー作でシンフォ・ファンの度肝を抜いたハンガリーの新鋭バンドによる待望の3rd。メロトロンが幻想のカーテンをなびかせ、フルートが幽玄を奏で、品のある艷やかなシンセが疾走し、そして柔らかなアコースティックギターが心地よく響く、驚くほどに瑞々しく透明度の高いアンサンブル。そして土着的な響きを持つハンガリー語を息を呑むほど神秘的に聴かせる女性ヴォーカル。今作も信じられないような繊細さで織り上げていく浮遊感ある美麗世界が素晴らしっ!
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これがカリブの島国キューバのバンドだって?このシリアスさと深いダークネスは、ヨーロッパのバンドと言われても信じちゃいますね。もちろんメロトロンもダイナミックにフィーチャー。フロイド、クリムゾンのエッセンスも貪欲に取り込んだ、奥行ある幻想空間と肉感的ヘヴィネスが同居した会心作!
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今オランダのプログレ・シーンで最も忙しい男と言える彼の、アコースティカルな過去作をシンフォニックにリアレンジ再録した18年作!メロトロンを見事に使いこなした幻想的なナンバーも素晴らしいし、全シンフォ・ファンのハートを掴むどこまでもファンタジックで優美に作り上げられた一枚!
冒頭で紹介したフランス新鋭の2nd。
まるでナショナルヘルスとクリムゾンを融合させたような、エレガントかつテンションみなぎるアヴァンプログレなのですが、大胆に主旋律を奏でるメロトロンの存在感も素晴らしい!
フランスらしい先の読めないアーティスティックな展開の連続に、とにかく聴いていてワクワクが止まらない快作!
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こちらもフランス発のプログレ・ユニット。
メロトロン、ソリーナ、ローズ、ハモンドなど、ヴィンテージ・キーボードがこれでもかと溢れるファンタスティックかつ陰影豊かなシンフォニック・ロックを鳴らします。
特に、デリケートに鳴らされるどこか影を感じさせるメロトロンの音色は他のバンドとは一線を画す独自の魅力を発揮しています。
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マイケル・クアトロをはじめとする、世界のニッチな実力派プログレ・キーボーディストによるソロ作/リーダー作を探求したいと思います☆
さざ波のように淡く揺らいだり、ふわりとファンタジックに広がったり、ここぞで優雅に湧き上がってきたり、メロトロンで満たされたノスタルジーを喚起するサウンドに、メロトロン好きならきっと涙が出そうになるはず。
米新鋭メロディアス・ロック・ユニット、18年作!
日本にもメロトロンにこだわったプログレ・バンドが!?
沖縄出身の女性ヴォーカリストMizukiを中心とするグループによる18年作2ndで、初期クリムゾンばりの哀感溢れるメロトロン、フォーカスに通じる中世エッセンス、そしてエモーション豊かな凛と美しいヴォーカル。
前作以上に気高く洗練された世界観を提示する傑作に仕上がっています!
そのMIZUKI DA FANTASIAで活躍した女性key奏者による待望のソロ・デビュー作!
圧倒的表現力のピアノと大河の流れのごとき雄大なメロトロンが織りなす、「クラシック+ロック」の理想形と言えるキーボード・プログレがお見事!
英国にもいいメロトロン・サウンドを聴かせるグループがいます。
洪水のように溢れ出すメロトロンをバックに、リリカルなエレキ&アコギやシンセやフルートが優美に舞う格調高くファンタスティックなシンフォを聴かせます。
アルバムのどこを切り取ってもメロディが止めどなく溢れてきて堪りません!
名実ともに現英国プログレの頂点に位置するバンドによる17年作!
モダンなスタイリッシュさとジェネシス憧憬の70年代テイストを絶妙に取り合わせる手腕が相変わらず見事すぎる貫禄の一枚。
もちろん美しいメロトロンの調べもたっぷり味わわせてくれます。1曲であのJudy Dybleがヴォーカル参加!
上の方で18年作をご紹介しましたが、メロトロンの活躍度という点ではこの06年デビュー作も取り上げないわけにはいきません。
たおやかなアコギをバックにフルートがリリカルに舞い、溢れんばかりにメロトロンが鳴らされる!極めつけは、美声の女性ヴォーカル!
ファンタスティックなシンフォニック・ロックとして一級品の傑作!
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ギターがサイケデリックにうなり、持ち味のメロトロンが荘厳に溢れだすオープニングからグワンと持ってかれます。
北欧プログレの雄による渾身の2015年作!
アネクドテンやアングラガルドらレジェンドに最も近い存在として北欧では頭抜けたバンドでしたが、まさかここまで格段の進化を遂げてくるとは驚きました…。
轟々たるメロトロンを伴ったアネクドテンばりの強度あるヘヴィネスとイエスの雄大に広がるファンタジーが調和する、至高の17年作!
現代を生きる新世代プログレ・バンド達による渾身のメロトロン・サウンド、ご堪能いただけたでしょうか。
他にもまだまだメロトロンをフィーチャーした新鋭バンドはたくさんいますので、引き続き探求をお楽しみいただければ幸いです!
06年デビュー作『HOLDFENYKERT』でシンフォ・ファンの度肝を抜いた、ハンガリー出身/ルーマニアを拠点とする新鋭シンフォ・グループ、18年作3rd。いや今作も素晴らしいですよ〜!シャープなキレを持つリズム・セクションを土台として、メロトロンが幻想のカーテンをなびかせ、フルートが幽玄を奏で、品のある艷やかなシンセが疾走し、そして柔らかなアコースティックギターが心地よく響く、驚くほどに瑞々しく透明度の高いアンサンブル。そこに命を吹き込むのが、土着的な響きを持つハンガリー語を息を呑むほど神秘的に聴かせる女性ヴォーカル。それらがしなやかに組み合わされて形作られていくどこまでも繊細な音世界は、過去作よりもさらに美しく洗練されている印象です。ここぞという場面でヴァイオリン奏法を駆使して優美に泣くギターのプレイも胸を打ちます。パーカッションを交えエキゾチックに彩る民族エッセンスもシンフォニックなサウンドに自然に溶け込んでいて素晴らしい。終始、この世とは思えない淡く浮遊感ある幻想世界が眼前に広がる名品。文句なしにおすすめ!
カケレコ国内盤(帯・解説付仕様)、ペーパーケース仕様、黒い盤面の特殊CD-R、定価2990+税
レーベル管理上の問題によりペーパーケースにスレがある場合がございます。また自主制作CDにつき、ジャケットの色味が画像と異なる場合がございます。予めご了承ください。
ペーパーケース仕様、盤面が黒い特殊CD-Rです
ペーパーケースにスレがございます。また自主制作という関係上、ジャケットの色味が画像と異なっている場合がございます。ご了承ください。
ペーパーケース仕様、盤面が黒い特殊CD-Rです
盤質:全面に多数傷
状態:良好
全面複数キズあり、ペーパーケースにスレあり
ハンガリーのグループ。06年のデビュー作。たおやかなアコギをバックにフルートがリリカルに舞い、溢れんばかりにメロトロンが鳴らされる!極めつけは、流れるように美しいメロディとスッと入ってくる美声の女性ヴォーカル!全体的に柔らかな音像でハードさは無いものの、タイトなリズム隊のせいか、演奏はダイナミズムに溢れています。全員がテクニック抜群ですが、特にアコギ奏者はかなりの腕前で、格調高くリリカルなリードは必聴。ファンタスティックなシンフォニック・ロックとして一級品の傑作。本当に素晴らしいです。
ペーパーケース仕様、新装ジャケット&オリジナル・オーディオでの2014年新規リイシュー盤。バンドサイトでは、MUSEA盤と異なる06年にハンガリーでリリースされた音源で、LPのようなアナログのフィーリングを最大限に活かし、アコースティックやメロトロンが魅力的に響くようにミックスされているそうです
ペーパーケース仕様、新装ジャケット&オリジナル・オーディオでの2014年新規リイシュー盤。バンドサイトでは、MUSEA盤と異なる06年にハンガリーでリリースされた音源で、LPのようなアナログのフィーリングを最大限に活かし、アコースティックやメロトロンが魅力的に響くようにミックスされているそうです
ペーパーケースにスレがあるため、値引きセール品になります。
全ての演奏を務めるマルチ奏者Kamil Konieczniakによるポーランドのシンフォ・プロジェクト、実に7年ぶりに届けられた19年作4th。08年1st、09年2ndでヴォーカルを務めた元MILLENIUMのLukasz Gall、彼の後任として前12年作で歌ったMarcin Jajkiewicz、そして本作では三代目ヴォーカリストとなるMarcin Staszekをフィーチャー。持ち味だったひたすら泣きのフレーズを紡ぐギターと幻想のキーボードが織りなす叙情派シンフォ・スタイルはそのままに、プログラミング音響もセンス良く織り交ぜ格段に洗練されたメロディアス・シンフォへと進歩を遂げていて素晴らしいです。奥行ある深遠なシンセ、霧のように淡く広がる(疑似?)メロトロンらが作り出す幻想美が滲むサウンドメイクに、力強さとナイーヴさを備えたスタイリッシュなハイトーンVoが映えます。相変わらずひたすら美旋律だけを紡ぎ出すギターもさすがです。また6曲目ではMILLENIUMのサックス奏者、7曲目では初代ヴォーカルのGallが参加していてただでさえドラマチックなサウンドを一層盛り上げます。7年ぶりながら現ポーランド随一の幻想的な音作りは健在の一枚です。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、定価2990+税
レーベル管理上の問題により、デジパックに角つぶれがある場合がございます。予めご了承ください。
2017年にデビューし3枚のアルバムを残したMIZUKI DA FANTASIAのピアニスト/キーボーディストによる20年ソロ・デビュー作。クラシックとロックの真なる融合を目指し制作されたという本作、一曲目の組曲からその圧倒的な美意識に貫かれた壮麗な音世界に息をのみます。繊細に奏でる序盤から徐々に力強いタッチで躍動しはじめるダイナミックなピアノと大河の流れのごとく雄大なメロトロンが重なり、ソプラノ・ヴォーカルも交えて展開するサウンドは、キーボード・プログレ・ファンなら歓喜すること間違いなしです。古典クラシックに迫る風格を備えた自作のパイプ・オルガン独奏曲も素晴らしいし、叙情美溢れる旋律を紡ぐピアノと荘厳なヴァイオリンやチェロが繰り広げる『Conserto Grosso』ばりのクラシカル・ロックもこれでもかと熱くドラマチック。モーツァルトやシベリウスの曲も収録しており、クラシック奏者としての矜持を感じさせるピアノの表現力にも注目です。まさに「クラシック+ロック」の理想形を封じ込めたと言える傑作デビュー作!
盤質:傷あり
状態:良好
帯-
情報記載シールなし、スリップケースに軽微なスレ・小さい圧痕あり
盤質:傷あり
状態:並
帯-
スリップケースにスレ・圧痕・若干黄ばみあり
Patrick Dufour、Fabrice Chouette、Frederic Chaputの実力派マルチ・プレイヤー3人により結成、2015年と18年に完成度の高いアヴァン・プログレ作品をリリースしたことでプログレ・ファン注目の存在となっているフランス新鋭、待望の22年作3rd!あのMINIMUM VITALのJean-Luc Payssan(g)がゲスト・プレイヤーとして、Thierry Payssanがマスターなど制作にかかわっています。1曲目から早くもかなり素晴らしいです。このサウンド、例えるなら1stアルバムをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロンを持って飛び入り参加したかのよう!メロトロンがジョワァ〜とファンタジックに高鳴る中を、フルート(おそらくメロトロン)とオルガンがリリカルに絡む美し過ぎるアンサンブル。それが突如鋭角的なリズムとともに緊張感を増し、クリムゾンが顔を出します。その間もミステリアスに浮遊するシンセのプレイがいかにもなフレンチ・プレグレっぽさを付与。不意に演奏が静まると、今度はエレピが淡く揺らめきオルガンがメロディアスに歌うPDPそのものな神秘的音空間へ。オルガンのプレイにはDave Stewartが感じられ、従来作と同じくNATIONAL HEALTHからの影響も見え隠れします。終盤はタイトでリズミカルな躍動感と共にスリリングに疾走するキーボード群が痛快。ここはまさしくMINIMUM VITALでしょう。10分余りの中で目まぐるしく変化する変幻自在すぎるサウンドにノックアウト必至です。よりカンタベリーな芳醇さを増していく以降の曲も勿論絶品。メロディアスな中にもアヴァンギャルドなタッチをまぶした演奏は、HATFIELD & THE NORTHファンなら堪らないでしょう。4曲目でのJean-Luc Payssanによる多彩なギター&マンドリンのプレイも聴き所です。さすが、見事に期待を上回ってくる傑作!
試聴は下記ページで可能です!
https://alcofrisbass.bandcamp.com/album/le-mystere-du-gue-pucelle
2015年のデビュー作で、完成度の高いアヴァン・プログレを披露した注目のフランス新鋭による、待望の18年作2nd!まるでナショナル・ヘルスとキング・クリムゾンを融合させたような、エレガントかつテンションみなぎるアヴァン・プログレは本作でも健在!緩急自在のシャープで俊敏なリズム・セクションを土台に、ナショナル・ヘルスにおけるデイヴ・スチュワートを思わせるメロディアスで理知的な音運びのオルガンと大胆に主旋律を奏でるメロトロンを中心とするキーボード、そしてナイフのような鋭いトーンで空間を切り開くフリップ直系のギターが、緻密にフレーズを重ね合い織り上げていくサウンドは、芳醇にしてどこまでもスリリング。緊張感あるギターとオルガンの掛け合いの中でメロトロンが不穏に浮き沈みする切迫感あるパートから、ピアノとコルネットが妖しく舞い踊るパート、そしてメロトロンが堰を切ったように溢れ出すパートへ。次々と場面が移り変わっていく、フランスらしい先の読めないアーティスティックな展開の連続に、とにかく聴いていてワクワクが止まりません。何というアイデアの豊富さ。これはクリムゾン・ファン、カンタベリー・ロック・ファンなら是非ともお試しいただきたいサウンド。カケレコメンド!
アネクドテンやアングラガルドといった90年代北欧ヘヴィ・シンフォを正統に受け継ぐノルウェー出身グループによる待望の17年作4th。1曲目の大作からもう怒涛の名曲!!荒々しく吹き荒れるようなリズム・セクションの中を、ギターとシンセがうねりのあるフレーズを見事にユニゾンし、スケール大きく勇壮に進行していく圧倒的な質量感のシンフォニック・ロックが押し寄せる冒頭数分で、プログレ・ファンならノックアウト必至。前作でも感じさせたアネクドテンばりの強度あるヘヴィネスとイエス的な雄大なファンタジーが融合したかのようなサウンドが遂に完成を見たようです。美声ではありませんがジョン・アンダーソンを意識したような雄々しくも高らかなヴォーカルが歌い上げると、北欧の太古の森を浮かばせるフルートとリコーダー、そしてバンドの持ち味である気品高く溢れ出す至高のメロトロン…。シンフォファンのツボを余すことなく押しまくるサウンドに感動が収まりません。北欧トラッドの神秘的かつ哀愁みなぎる旋律を大胆に取り入れ、気高く歌い上げるヴォーカルと神秘的なコーラス、エネルギッシュに躍動するオルガン、メロトロン、シンセが、生命感溢れるサウンドを織り上げていく4曲目も涙なしには聴けない一曲。もともと北欧では頭抜けた素晴らしいバンドでしたが、まさかここまで格段の進化を遂げてくるとは驚きました。文句の付け所のない会心作!
ヴィンテージ・キーボードやエレクトリック・ブズーキを操るマルチインストゥルメント奏者、MOTISことEmmanuel Tissot率いるグループ。2014年作6th。ANGE直系のシアトリカルなシンフォニック・ロックを軸に、MALICORNEに通じるフレンチ・トラッドのフレイヴァーが香るサウンドが持ち味。とにかくメロトロンM400やソリーナやローズやハモンドなどヴィンテージ・キーボードがこれでもかとフィーチャーされていて、特にメロトロンが大活躍!幻想的に溢れるメロトロンをバックにリリカルに紡がれるハモンド、そして、スティーヴ・ハケットを彷彿させる格調高いマンドリンやブズーキが織り成すファンタスティックなアンサンブルは、ジェネシス〜アンジェあたりのファンはたまらないでしょう。MOTISによるフランス印象派絵画のように柔らかで親しみやすいハイ・トーンのヴォーカルとフックあるメロディも特筆。なんと、アトールの名ヴォーカリスト、アンドレ・バルザーがゲスト参加し、1曲でヴォーカルを担当。この曲がまた素晴らしい!アナログ的な温かなサウンドプロダクションも印象的で、70年代の発掘作品と言っても分からないでしょう。これはシンフォニック・ロックのファンは必聴の快作!
94年結成、地中海に浮かぶ島国マルタ共和国出身で、現在はチェコを拠点とする新鋭グループによる2020年作。これは素晴らしいです!全編を彩る流麗なピアノ、叙情たっぷりのフレーズを次々と奏でるドラマチックなギターが印象的なメロディアス・プログレなのですが、特筆はビックリするくらいにポップで親しみやすいメロディ。少年のような実直さと優しさを感じるヴォーカルに瑞々しいコーラスが絡むスタイルは、メロディの良さも相まって、MOON SAFARIも想起させるほど。そんなサウンドを雄大に盛り上げるメロトロンの使い方も見事です。21分の大作は、GENESIS的な英国叙情やSPOCK’S BEARDに通じる洗練されたモダンな構築性を発揮しながら、ひたすらキャッチ―なメロディが紡がれ続ける名曲で興奮必至です。演奏面ではピアノの存在が大きく、Ben Foldsばりのピアノ弾き語りポップスにシンフォニックな味付けをしたようなスタイルとも言えるかも。四半世紀の活動歴を持つバンドとは思えないサウンドの鮮度に驚かされる愛すべき一枚。カケレコメンド!
イギリスのインスト・シンフォ・グループ、08年作の2nd。メロトロンの洪水をバックにリリカルなエレキ&アコギやシンセやフルートが優美に舞うファンタスティックな英シンフォ。アルバムのどこを切り取ってもメロディが止めどなく溢れてきます。圧倒的な叙情性!ヘヴィさは無く、1音1音丁寧に編み上げられた手工芸品のような逸品。CAMELやGENESISタイプのシンフォニック・ロックのファンは必聴です!
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