2021年10月17日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
日本人にとって最も馴染みの深い英国ロックのレジェンド・ミュージシャンと言えば、エリック・クラプトン。
ロック界屈指の大物だけに、彼に関わってきたミュージシャンもまた多彩かつ腕利き揃いです。
今回は、メジャー所からややニッチな方まで、クラプトンの活動に関わってきたアーティストをカケレコ在庫を中心にピックアップ。
まずは、クラプトンとは無二の親友であったこの方からスタートいたしましょう♪
セルフタイトルにも自信が現れた、ジョージらしさ満点のメロウな美曲満載の一枚がコレ!
全編で誠実かつ歌心いっぱいのメロディ、それを彩るアコギとスライドギターの優美で柔らかなアンサンブルが光ります。
クラプトンのギターから幕を開けるOPナンバー「Love Comes To Everyone」をどうぞ♪
そのジョージと共にツアーメンバーとして、そしてアルバム・レコーディングにも参加したこの夫婦スワンプ・デュオ、70年前後のクラプトンの活動を語る上では外せません。
1970年、スーパー・グループBLIND FAITHを辞めてまで、クラプトンはこの夫婦のサポート・ギタリストとしてツアーに同行。同年にリリースされた音源が、英米スワンプ・ロックの最重要な一枚と言えるこの作品。
リズム隊は、カール・レイドル(ベース)、ジム・ゴードン(ドラム)という後にD&Dとなる2人。加えてリタ・クーリッジやデイヴ・メイスンも参加。
1曲目から強烈なグルーヴで熱くメロウなシャウトを炸裂させ、クラプトンのギターも炸裂!
スワンプ・ロック・ムーヴメントの起点となったロック史上に残る傑作ですね!
かねてよりクラプトンが共演を熱望していたギタリストがデュアン・オールマン。ピックアップするのは勿論この歴史的名盤!
上記デラボニとの活動を通じて出会ったメンバーたちにデュアンを加えて結成された伝説のバンド!
敏腕トム・ダウドのプロデュースで残されたこの唯一作、正直なところ有名曲「Layla」も霞むくらいに名曲が詰まりまくってます。
ここではデュアンが本領発揮した、本作中最高のグルーヴが味わえる「Keep On Growing」をどうぞ~。
続いては幾度もの名共演を残した、クラプトンがリスペクトしてやまないカントリー・ブルースの巨匠SSW!
クラプトンがカバーした「コカイン」や「アフター・ミッドナイト」の作者!
クラプトンはもちろん、ニール・ヤングや細野晴臣『HOSONO HOUSE』あたりのファンなら、このコクと旨味はたまらんですよね。
これほど芳醇なサウンドを奏でる方が、「アフター・ミッドナイト」をクラプトンが取り上げなければ引退していただろうというから驚きです。
こちらも、クラプトンと素晴らしい共演作を残している「キング・オブ・ブルース」。
ストーンズ/クラプトン/ジョー・コッカー/デヴィッド・ギルモア/ポール・キャラック/ドクター・ジョン/ヴァン・モリソン…。
彼を敬愛するミュージシャンがこぞって参加したゴキゲンなブルース・ロック・アルバム。
自身のアイドルとの共演とあって、心なしか気負ってる感じがしなくもないクラプトン参加曲をどうぞ♪
クラプトンのツアーサポートとして長年活躍したこの人も取り上げなければなりません。
91年のジョージ&クラプトンの来日公演でも地味に良い味出してましたね!
60~70年代にはビート・バンドAMEN CORNERやプログレ・バンドFAIRWEATHERを率いたいぶし銀ギタリスト/SSWの80年作。
このパブ・ロックと屈託ないポップ・センスが結びついたようなサウンドは、まるでDr.FEELGOODとロイ・ウッドが共演したような感じ?
垢ぬけないヘロヘロ・ハイトーンvoもかえって愛すべきだなぁ~。
こちらもA.F.ロウ関連では外せない一枚。
バンド名から分かる通り彼のリーダーバンドがネオンに残した作品で、いかにもブリティッシュなジャケは勿論キーフ!
プログレ・ファンからもロック・ファンからも見逃されニッチ沼に溺れてしまっている気がしますが、これが絶品英スワンプ・ロックなんです!
クラプトンを支えたもう一人の名ギタリストもご紹介。
クラプトンを差し置いて当時「英ロック界で最も卓越したギタリスト」と評されたこの名手!
70~80年代にはクラプトンのツアーメンバーとしても活躍した天才ギタリストAlbert Lee率いる英スワンプ・グループ。
デイヴ・メイスンやデラニー&ボニーのファンは必聴の一枚ですね!
ご機嫌すぎるこのナンバー、最高!
楽曲提供という形でクラプトンを支えたこの人も押さえておきたいところ!
なんと感動的なメロウ・スワンプだろう(涙)!
クラプトンやデイヴ・メイスンへの楽曲提供を行っているだけの実力の持ち主。
参加したニッキー・ホプキンスによる流麗なピアノも絶品(再び涙)!
そのJERRY WILLIAMSが率いたバンドによる作品もまた絶品なんです。
スワンピーな土臭さとウェストコースト・ロックの黄昏感とのなんという絶妙なるブレンド!
最後に、クラプトンが参加したややニッチな作品2枚をご紹介してお別れしたいと思います♪
英ブルース・ロック隆盛の立役者マイク・ヴァーノンがプロデュースで、演奏陣は、クラプトン、ポール・コゾフ、スタン・ウェブ、ジャック・ブルース、ミッチ・ミッチェル、ジム・キャパルディ、ブライアン・オーガーって、英ブルース・ロック・オールスターじゃん!
イギリスきっての実力派フィメール・スワンプ・シンガーが残した69年作。
こちらも物凄い豪華メンバー参加のスーパーセッション作!
エリック・クラプトンにジェフ・ベックにトッド・ラングレンにキース・エマーソンにドクター・ジョンにリンダ・ロンシュタットに…まだまだ居て書ききれぬ!
いかがだったでしょうか。
お時間ありましたら英スワンプ&ブルース・ロック関連の記事も合わせてお楽しみください☆
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デレク&ザ・ドミノス『レイラ』やジョージ・ハリスン『オールシングス・マスト・パス』など、華々しいトップ・アーティスト達による英スワンプ名作の裏に、マイナーながら、米ルーツ・ミュージックのコクと英国的な叙情性や牧歌性が絶妙にブレンドされた愛すべき作品が数多くリリースされています。そんな愛すべきニッチなブリティッシュ・スワンプ作品をピックアップいたしました。
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エリック・クラプトンがデラニー&ボニーのツアーを通して知り合った米南部系ミュージシャンと結成したグループ。70年リリースのバンド唯一作であり、ロック史上に残る傑作。ジョージの『All Things Must Pass』に通ずるような泥臭くもメロディアスな「I Looked Away」「Bell Bettom Blues」(クラプトン屈指の美メロ)「Keep On Growing」(抜群のグルーヴ)と続き、魂のブルース「だれも知らない」、静謐なフォーク・ロック「I Am Yours」、クラプトンのギターとデュアン・オールマンのスライド・ギターが火をふく「ハイウェイの関門」、メロウかつ粘っこい絶品スワンプ・ロック「Tell The Truth」、クラプトン屈指の名演「愛の経験」、感情ほとばしるジミへの追悼曲「Little Wing」、そして極めつけが「いとしのレイラ」、フォーキーな最終曲「庭の木」も絶品。もう「いとしのレイラ」が霞むぐらいの名曲の数々。僕は正直、好きな順でいけば、「いとしのレイラ」は下の方です。それぐらいの充実作。ロック史上に残る金字塔です。
クラプトン・バンドのサポート・ギタリストとしても知られるアンディ・フェアウェザー=ロウが結成した5人組グループ。71年にNEONレーベルよりリリースしたグループ唯一のアルバム。土臭いギター、ソウルフルなヴォーカル、CS&Nばりの分厚いハーモニーが印象的な英国スワンプ・ロック。さすがクラプトンに認められるだけあり、リフ、リズム、ソロともに雄弁なギターはかなりの迫力。ハモンド、サックスも英国らしい叙情的なフレーズで好サポートしています。ジャケットはキーフ。
エリック・クラプトンやデイヴ・メイスンにも曲を提供したいぶし銀のSSW。72年作ソロ。翌年に『夢見る人』をリリースする(その中の4曲で共作)ニッキー・ホプキンスや、ニール・ヤング『今宵その夜』などでお馴染みのギタリスト、ニルス・ロフグレンが参加しているのも注目。線の細いヴォーカルが特徴で、アクの強さはなく、繊細な叙情美溢れるソウルフル&メロウな歌唱が光ります。ウイスキーを飲みながら深夜に聴きたい翳りあるスワンピーなナンバーはもちろん、なんと言っても、ニッキー・ホプキンスの流麗なピアノをフィーチャーしたアーシーなバラードが絶品。もう最上級の男の哀愁と切なさ。スワンプ・ファンはもちろん、SSWファンも、ニール・ヤングなどフォーク・ロックのファンも必聴!あっ、クラプトンのファンももちろん!彼が参加していたグループ、HIGH MOUNTAIN HOEDOWNもあわせて是非!
エリック・クラプトンやデイヴ・メイスンにも曲を提供した名ソングライターのジェリー・ウィリアムス率いる米フォーク/スワンプ・ロック・グループ、69年の唯一作。ズシリと響くベース、タイトでもったりとしたリズムを刻むドラムはスワンピーですが、ハイ・トーンの流麗なヴォーカルと巧みなコーラス・ワークが印象的なため、たいへんメロディアス。それにしてもヴォーカル&メロディが絶品!男性版キャロル・キングと言えるようなアーシーかつ洗練された歌唱から、声を張ったシャウトまで表情豊か。楽曲もバーズやバッファロー・スプリングフィールドを彷彿させるヌケの良いフォーク・ロックから、ブラスも入ったスワンピー&メロウなナンバーまで本格感プンプン。スワンピーな土臭さとウェストコースト・ロックの黄昏感とが絶妙にブレンドした名作。
69年に録音され、73年に2枚組でリリースされたスーパー・セッション・アルバム。何と言っても参加メンバーがびっくりするほど豪華!エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、トッド・ラングレン、キース・エマーソン、ドクター・ジョン、ミッチ・ミッチェル、ハーヴェイ・マンデル、リンダ・ロンシュタット、バーニー・レドン、デラニー・ブラムレットなどなど、英米超豪華メンバーの揃い踏み。演奏もさすがの切れ味。ロック・ファンは文句無しに楽しめる好企画盤です。
Janis Joplinを彷彿とさせるアメリカ出身の女性ヴォーカル、69年作。英ブルース・ロックの仕掛け人Mike Vernonがプロデュースで、英ブルース・ロック・オールスターというべきゲスト陣の豪華さは特筆もの!Eric Clapton、Paul Kossoff、Stan Webb、Jack Bruce、Mitch Mitchell、Jim Capaldi、Chris Wood(TRAFFICのSax)、Brian Augerなど、すごいメンツですね。演奏もノっていて、特にBluesbreakers時代を彷彿とさせるエッジの立ったClaptonのギター、タメの効いたエモーショナルなKossoffのギターは必殺!バックに負けてないソウルフルなシャウトも良いです!名作!
後にクラプトンとも活動する敏腕ギタリストAlbert Lee率いるブリティッシュ・ロック・グループ、73年の3rdアルバムにしてラスト作。英国的な叙情性溢れるメロディ、スワンプやカントリーのエッセンスを取り入れた芳醇なアンサンブルが印象的。ストリングスやピアノがフィーチャーされていることもあり、土臭さはなく全体的に流麗なところがいかにも英国。PARRISH & GURVITZ BAND、MARK ALMOND、PROCOL HARUMなどと通ずる哀愁が滲む好グループ。
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