2022年9月8日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
先日リマスター&リイシューされた、ノルウェーのハード・ロック・バンドHOSTによる2作品はもうチェックされましたか?
これがNWOBHMファンも見逃せない、強烈な泣きと哀愁にまみれたハード・ロックなんですよね~。
今回は、そんなHOSTと同じく哀愁てんこもりなユーロ・ハード・ロック作品を見てまいりたいと思います。
一般的にはプログレ作品ながら、哀愁ハード・ロックとして聴いても問題ない名盤からもいくつかチョイスしておりますよ。
それでは件のHOSTから出発いたしましょう☆
NWOBHMに通ずるエッジの立ったアグレッシヴなギターリフ、強烈に哀愁を帯びた泣きのメロディ。
アメリカのWINTERHAWK辺りが好きなら是非おすすめの、哀愁たっぷり絶品北欧ハード!
哀愁ハード・ロックならこの2ndも外せません。
ソリッドに繰り出すギターリフを軸に、テクニカルなオルガン、変拍子を織り交ぜたスリリングなリズム隊が絡むテンション抜群のノルウェー産ハード・プログレ快作!
イギリスからはやっぱりこのバンド。
この1曲目を聴いて、血湧き肉踊らぬハード・ロック・ファンはいないと断言!
エッジの立った切れ味抜群のギター&鮮やかに舞うピアノのコンビネーション、そして哀愁のシャウト・ヴォーカル。
これぞブリティッシュ・ハード必殺盤!
ジェノバ出身のグループは歌心が魅力ですね。このグループはその代表格。
本作はニコ・ディ・パロの志向が反映された、ドラマティックなハード・ロック系ナンバーが特に聴きモノです。
中でもアルバムのフィナーレを飾るこの曲なんて、ヴォーカルの熱唱に導かれ、これでもかと畳み掛ける叙情展開に完全ノックアウト・・。
ジャケの気味悪さはトップクラスですが…
中身はEL&PとDEEP PURPLEが合体したような、オルガンとギターがクラシカルに絡み合うアンサンブルがめっちゃスリリング!
これでもかとクラシカル&ドラマチックな演奏で迫る、知られざるジャーマン・ハード・ロック逸品。
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スタッフが日替わりのテーマでオススメ作品をご紹介する「日々是ロック」。今日はひっそり充実中のジャーマンものコーナーからハード・ロック作品をセレクト!
ハードロックの流れを汲んだプログレとして、タイ・フォン以上のグループはそうそういませんね。
当時のフレンチ・プログレでは異色とも言えるこのひたすらエネルギッシュに駆け上っていくような劇的過ぎるサウンドと、そして絶え間なく胸を打つ切々としたハイトーン・ヴォーカル。
これをプログレ・ファンだけのものにしておくのはあまりに惜しい!
タイフォン・ファンならば、この作品も是非に!
ブルージー&ハードなギターを中心にテクニカルに畳み掛ける演奏、壮大な構築性、厳かに歌い上げる母国語ヴォーカル、絶品の一言ですね。
ずばりチェコ・プログレNO.1グループ!
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70年代より、ユーロ諸国や南米/アジアなどの辺境には、英米の名バンドたちにも負けないハイレベルなプログレ・バンドが数多く存在しました。
今回は、そんな中から東欧は旧チェコスロヴァキアのプログレ・グループたちを一挙ご紹介いたしましょう。
旧ユーゴで最も売れたという名ハード・ロック・バンドといえばこのBIJELO DUGME。
彼らの放つ哀愁を堪能したいなら、このバラード編集盤が最適。
もうこれぞ東欧!と言いたくなる、翳り深き哀愁がほとばしる必殺バラードをどうぞ!
こちらも旧ユーゴはクロアチアで生まれた傑作!
プログレッシヴなナンバーも良いですが、エッジの立ったトーンのエネルギッシュなリズム・ギターが冴えるハード・ロックもまた魅力的。
ウィッシュボーン・アッシュばりのドラマチックなツインリード、幻想的にたなびくオルガン&フルート、そして、炸裂するデヴィッド・バイロンばりのハイトーン・シャウト!
70年代エストニアの伝説的ハード・ロック・グループ!
ツェッペリンも思わせるブルージーな演奏を土台に、イタリアン・ロック彷彿のダイナミックさ、説得力あるエストニア語のヴォーカルを乗せた、哀愁ハード・ロック・ファン必聴音源ですよ~!
いかにもなバンド名を冠した、ギリシャを代表するプログレ・グループ。
あのヴァンゲリスがプロデュースした彼らの代表作がこちら。
とめどない哀愁の旋律とツーンと尖ったトーンのギターが印象的で、例えるならマイク・オールドフィールドがハード・ロックに挑戦した感じ!?
いかがだったでしょうか。
気になる作品を見つけていただけましたら幸いです!
ベトナム系フランス人を中心に結成され、ASIA MINORと並び、混血グループの強みを生かした無国籍な魅力を持ちながらも、フランス産らしいシンフォニック・ロックと独特の哀愁、そしてテクニカルなバンド・アンサンブルで有名なグループの76年2nd。基本的な路線は前作と変わらず、普遍的なメロディーと哀愁を放ちながら、ハードに、そしてシンフォニックに盛り上げる作風となっていますが、前作以上に幻想を帯びた楽曲構成とアレンジの上手さが見て取れ、彼らの持ち味である美しいメロディーと絶妙に絡みついた、デビュー作と並ぶ傑作となっています。
紙ジャケット仕様、07年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、定価2095+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
紙ジャケット仕様、07年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、定価2095+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
英ハード・ロック・グループ、73年作の1st。エッジの立ったキレ味抜群のギター、リズミックで叙情性溢れるピアノ、力強いシャウト・ヴォーカル、コシのあるリズム。これは文句なしに格好良いです。ピアノが美しく響く引きの部分から、左チャンネルにギターがテンション溢れるフレーズで切れ込んでくるのを合図に全パートが一体となって畳みかけ、シャウト・ヴォーカルが仁王立つ。鳥肌ものの格好良さ。圧倒的な存在感です。ハード・ロック・ファン必聴の名作。
イタリアを代表するプログレッシブ・ロックバンドの72年の作品。Nico Di Paloのハードな音楽性の色濃い作品となっており、純ハードロック然とした楽曲から哀愁のバラード、キーボーディストMaurizio Salviが大活躍のシンフォニック・ロックまでを放り込んだイタリアン・ロックを代表する1枚。もともと雑多な音楽性を持ちながら咀嚼能力に優れたNEW TROLLSらしい作品となっています。本作を発表後にバンドは分裂、Nico De Paloは新バンドIBISを結成、一方Vittrio De ScaltiはN.T. ATOMIC SYSTEM名義でクラシカルな音楽性を追求した名盤「ATOMIC SYSTEM」をリリースします。
旧ユーゴ・クロアチアはザグレブ出身のプログレ・グループ、PGP-RTBレーベルから75年にリリースされたデビュー作。幻想的にたなびくオルガンやフルート、ウィッシュボーン・アッシュばりのドラマティックなツイン・リード、そして、デヴィッド・バイロンを彷彿させるハイ・トーンのシャウト・ヴォーカル。叙情的で陰影に富んだサウンドは、ハーヴェストやヴァーティゴ・レーベルの叙情的な英プログレのファンにはたまらないでしょう。エッジの立ったトーンのエネルギッシュなリズム・ギターが冴えるハード・ロックもまた魅力的。旧ユーゴ屈指の名作です。
73年作、スイスのハード・ロック・グループによる自主制作盤。ギターとオルガンによるクラシカルなリードが印象的なサウンド。ソロ部分だけでなく、バッキング部分もなかなか優れており、緊張感に富んだリズムアレンジを多用し、泣きのツボを押さえたドラマティックなアンサンブルが秀逸。流れるようなメロディーを引き立てています。佳曲揃いの好盤。
ギタリストRadim Hladikを中心に68年に結成され、チェコ・プログレの最高峰バンドとして活躍したグループによる79年作。前77年作で見せたプログレ然とした構築性を持つシンフォニックなサウンドを推し進めつつ、ハード・ロック的なキレ味を持つタイトなアンサンブルで突き進むスタイルは、フランスの名バンドTAI PHONGを引き合いに出したい素晴らしさ。タイトで重厚なリズム・セクションを土台に、名手Radim Hladikが泣きのフレーズ満載のギターワークで畳みかけ、シンセがスケール大きく広がり、哀愁みなぎるチェコ語ヴォーカルが切なくも雄々しい表情で歌い上げます。プログレ好きにもハード・ロック好きにも是非聴いて欲しい東欧屈指の傑作です。オススメ!
スウェーデンのグループ、76年作。ソリッドかつ切れのあるギター・リフを中心に、テクニカルなオルガン、変拍子を織り交ぜたスリリングなリズム隊が絡むテンション溢れるハード・プログレ。全曲スウェーデン語。
ギリシアを代表するプログレッシヴ・ロック・グループ。あのヴァンゲリスがプロデュースした76年作の4thアルバム。前作までのハード・ロックを土台に、幾重にもキーボードが絡み、スケールの大きなサウンドを聴かせています。独特な粒立ちのギター・トーンやツーンと透明感のあるエキゾチックなキーボードなど、ギリシアを代表する名作『APHRODITE’S CHILD/666』を彷彿とさせます。バンドの躍動感は変わらずで、ギタリストのセンスは特筆もの。スリリングなリフといかにもギリシア!と言えるスリリングなソロでヴァンゲリスの才能に対抗しています。ギリシア・プログレを代表する名作。
ノルウェーのグループ、74年作1st。NWOBHMに通ずるエッジの立ったアグレッシヴなギターリフ、強烈に哀愁を帯びた泣きのメロディ、線は細めながらエモーショナルで胸を打つヴォーカル、後ノリの沈み込むようにタメの効いたリズム隊。そして、時折アクセントとして挿入されるクールなトーンのキーボードやピアノ。マイナー調のハード・ロックが好きな方は間違いなく気に入るでしょう。聴いていて、アメリカの名グループWINTERHAWKを想い出しました。
エストニア・ロック・シーンの名ドラマー/ヴォーカリストGunnar Grapsが70年代に率いたギタートリオ編成のハード・ロック・バンド。70年代前半に録音された音源10曲を一枚のアルバムとして編集した18年リリース作品。変則的な内容ではあるものの、各曲にみなぎるエネルギーは並ではありません。イタリアのBIGLIETTO PER L’INFERNOやRACCOMANDATA RICEVUTA RITORNO等を想起させる、幻想的なアコースティック・パートとゴリッとヘヴィなハード・ロック・パートで構築された1曲目から素晴らしく、イタリアン・ロック・ファンならここで早くもハートを鷲掴みにされそう。エッジの立ったスピーディなギターリフに乗ってヴォーカルがユーモラスに歌う2曲目、饒舌なギターとヴォーカルの絡みが絶品なけだるいブルース・ロックの4曲目も素晴らしく、エストニアということ忘れるほどのメインストリームな本格感が漂います。ブルースを土台に細かなニュアンスにまでこだわった高い表現力を持つギターはもちろん、テクニックに裏打たれた安定感と共にグイグイと演奏を引っ張る性急なビート感も持ち合わせたGunnarのドラミングも見事です。しかし最大の魅力と言うなら、Gunnarの全編にわたりこれでもかと哀愁たっぷりに歌い上げるエストニア語ヴォーカル。ヨレヨレのようでいて不思議な説得力を帯びた歌声には何か天性のものを感じさせます。辺境哀愁ハード・ロックとして、これは多分とんでもない発掘モノ!
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