2023年6月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
イタリアン・プログレと言えば、多くの方が情熱的でドラマティックなサウンドを想像されるのではないかと思います。
そんなイタリア勢において個性的と言える、クールかつリリカルなサウンドを描き出すのがPicchio Dal Pozzo。
英カンタベリー・ロックに通じる淡くも芳醇な音使いの中にアヴァンギャルドな切れ味を隠し持ったサウンドは、70年代イタリアン・ロックでも屈指と言えるアーティスティックな感性が息づいていますよね。
今回は、そんなPDPがお好きな方にオススメしたい新鋭プログレ作品をピックアップ。
カンタベリー・ロック憧憬とアヴァンギャルドな感性が見事に融合した好作品ばかりでお送りします♪
それでは、PDPの愛すべきデビュー・アルバムから出発!
一音一音が必然的に鳴らされるかのような緻密かつ理知的なサウンドは、イタリアのHATFIELD AND THE NORTHといった印象。
兄弟バンドNEW TROLLSの情熱的なサウンドとは対照的に、繊細で芸術的な音作りが印象深い名作です。
それでは、話題の23年作からまいりましょう。
あの大人気フレンチ・プログレ新鋭からの派生プロジェクト、これがまた素晴らしいんです!
フランスの人気アヴァン・プログレ・トリオALCO FRISBASSの2人が結成したユニット、23年作!
HF&Nらカンタベリー譲りの芳醇さと伊PICCHIO DAL POZZOのピリッと緊張感の効いた芸術的センスを合わせたような、マジカルなサウンドの連続に興奮必至!
そのPASKINELの母体と言えるこのバンドも、一曲目からPDPテイスト満点で堪らない~。
フランスの人気アヴァン・プログレ・トリオ、22年作!
冒頭からかなり素晴らしいです。
この1曲目、例えるなら1stをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロン担いで飛び入り参加したかのよう!?
試聴は下記ページで可能です!
https://alcofrisbass.bandcamp.com/album/le-mystere-du-gue-pucelle
PDPと同郷イタリアからは、現代のPDPと言っても過言ではないこのバンドをチョイス!
ずばり現代版PICCHIO DAL POZZO!
暴走するドラム、縦横無尽に暴れ回るサックス、熱いヴォーカル、テンションみなぎるピアノ、Rフリップに真っ向勝負なギター。
もの凄いテンション!
イタリアからはもう一枚、とっておきがございます☆
ピッキオ・ダル・ポッツォやジャズ・ロック期ザッパを彷彿させる管楽器の掛け合いだなぁと思っていると、異次元世界を音像化したような強烈なアヴァンギャルド・プログレが襲いかかってきて戦慄!
気品ある佇まいと尋常ならざる緊張感を両立した孤高の一枚。
スペインにもPDPやカンタベリー・ロックからの影響を見事に昇華させた鬼才がいました!
HENRY COWやPICCHIO DAL POZZOからヒントを得たことを感じさせる、緻密にしてメロディアスなアヴァン・プログレは実に素晴らしい完成度。
スペインのアヴァン・プログレ筆頭OCTOBER EQUUSを率いる鬼才ギタリスト、21年作!
なんとシベリアの地にもPDPフォロワーがいるんです!
チェンバー・ポストモダン・オーケストラと自ら名乗るロシアはシベリア出身のグループ。
これがPDPの影響を感じさせつつもクラシカルな格調高さをより強調した、ずばり傑作なのです!
ヴァイオリン好きは試聴是非!
ラストは南米アルゼンチンから!
サムラやPDPに通じる忙しなくも芳醇なアンサンブルが特徴のアルゼンチン産レコメン系アヴァン・プログレ!
様々な演奏の断片を切り貼りしたかのようにコロコロと表情が切り替わる先の読めないサウンドに翻弄されます。
南米的なエッセンスはさほど感じず、その分上記のバンドのファンに自信を持ってお勧めできる一枚となっています。
いかがでしたか?
気になる作品が見つかりましたら幸いです!
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Patrick Dufour、Fabrice Chouette、Frederic Chaputの実力派マルチ・プレイヤー3人により結成、2015年と18年に完成度の高いアヴァン・プログレ作品をリリースしたことでプログレ・ファン注目の存在となっているフランス新鋭、待望の22年作3rd!あのMINIMUM VITALのJean-Luc Payssan(g)がゲスト・プレイヤーとして、Thierry Payssanがマスターなど制作にかかわっています。1曲目から早くもかなり素晴らしいです。このサウンド、例えるなら1stアルバムをレコーディング中のPICCHIO DAL POZZOに、KING CRIMSONがメロトロンを持って飛び入り参加したかのよう!メロトロンがジョワァ〜とファンタジックに高鳴る中を、フルート(おそらくメロトロン)とオルガンがリリカルに絡む美し過ぎるアンサンブル。それが突如鋭角的なリズムとともに緊張感を増し、クリムゾンが顔を出します。その間もミステリアスに浮遊するシンセのプレイがいかにもなフレンチ・プレグレっぽさを付与。不意に演奏が静まると、今度はエレピが淡く揺らめきオルガンがメロディアスに歌うPDPそのものな神秘的音空間へ。オルガンのプレイにはDave Stewartが感じられ、従来作と同じくNATIONAL HEALTHからの影響も見え隠れします。終盤はタイトでリズミカルな躍動感と共にスリリングに疾走するキーボード群が痛快。ここはまさしくMINIMUM VITALでしょう。10分余りの中で目まぐるしく変化する変幻自在すぎるサウンドにノックアウト必至です。よりカンタベリーな芳醇さを増していく以降の曲も勿論絶品。メロディアスな中にもアヴァンギャルドなタッチをまぶした演奏は、HATFIELD & THE NORTHファンなら堪らないでしょう。4曲目でのJean-Luc Payssanによる多彩なギター&マンドリンのプレイも聴き所です。さすが、見事に期待を上回ってくる傑作!
試聴は下記ページで可能です!
https://alcofrisbass.bandcamp.com/album/le-mystere-du-gue-pucelle
22年作『LE MYSTERE DU GUE PUCELLE』がCDでは年間カケレコ・ベストセラー第1位に輝いた、フランスのアヴァン・プログレ・トリオALCO FRISBASS。そのメンバー3人のうちの2人、共にマルチ・プレイヤーのPatrick DufourとFrederic Chaputが結成したユニット、23年デビュー作!ずばり、ALCO FRISBASSが気に入られたなら必聴の内容です。プログラミングとは思えない「技巧」を感じる緻密なドラミングと、リッケンバッカーと思われるブンブンと唸るベースが刻む起伏に富んだリズムからしてワクワクしますが、そこにメロディアスながらちょっぴりひねたフレージングが楽しいエレキ・ギター、フワフワと浮遊するスティール・ギター、輝かしく響くメロトロン風シンセらが次々と飛び込んできます。1曲目にはALCO FRISBASSのもう一人Fabrice Chouetteがゲスト参加、デイヴ・スチュワートばりのオルガンを聴かせていて、ALCO FRISBASSそのものな一曲に仕上がっており堪りません。以降もNATIONAL HEALTHやHATFIELD & THE NORTHの芳醇さと伊PICCHIO DAL POZZOのピリッと緊張感の効いた芸術的センスを合わせたような、マジカルなサウンドの連続に興奮必至です。ALCO FRISBASSファンは勿論ですが、イタリアのFONDERIA、アメリカのINNER EAR BRIGADEあたりがお好きな方にも是非是非オススメ♪
アルゼンチン出身のアヴァン・プログレ/ジャズ・ロック新鋭、2020年作。SAMLA MAMAS MANNAやPICCHIO DAL POZZOに通じる忙しなくも芳醇なレコメン系アヴァン・プログレで、管楽器がメロディアスにリードするカンタベリー・タッチ、クリムゾン的緊張感を孕んだテクニカル・アンサンブル、シンセがたなびく静謐なパートなど、様々な演奏の断片を切り貼りしたかのようにコロコロと表情が切り替わるサウンドに翻弄されます。南米的なエッセンスはさほど強くなく、上記したヨーロッパのレコメン系グループがお好きな方にオススメしたい作品です。
ユニヴェル・ゼロに強く触発された暗黒プログレッシヴを得意とするスペインのバンド、オクトーバー・イクースのリーダー、アンヘル・オンタルヴァのソロ5作目。バンド編成にバスーン、フルートを交え、ヘンリー・カウを思わせる緻密さに、ピッキオ・ダル・ポッツォにも通じる南欧ならではのメロディアスな変拍子にドラマティックさを加えた音楽性はイタリアのユーゲンにも通じる硬派ながらも情感豊かなもの。オクトーバー・イクースの従来作を大幅に上回ると共に、暗黒チェンバー指向にとどまらない、広義のプログレッシヴ・ファンに聴かれるべき大傑作!(レーベルインフォより)
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