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【KAKERECO DISC GUIDE Vol.27】「プログレの素晴らしさ」を詰め込んだ、圧巻の会心作!WOBBLERの17年作『FROM SILENCE TO SOMEWHERE』

スタッフ増田です。

毎月更新される「カケレコセレクト100」よりスタッフがイチ押しの作品をご紹介するKAKERECO DISC GUIDE。

今回は北欧ノルウェーのプログレ・グループ、WOBBLERによる17年作『FROM SILENCE TO SOMEWHERE』をご紹介いたしましょう。

■WOBBLERって?

WOBBLERはノルウェーの首都オスロ近郊の街、ヘーネフォスにて結成された新鋭プログレ・グループ。とはいえデビューは1999年ですから、既に20年近いキャリアを持つベテランと言ってよいでしょう。2018年現在までに4作のアルバムをリリースしており、昨年17年にリリースされた本作『FROM SILENCE TO SOMEWHERE』が最新作にあたります。

メンバーは以下の通り。

Kristian Karl Hultgren – ベース、バスクラリネット、バスリコーダー(1999~)
Lars Fredrik Froislie – キーボード、コーラス(1999~)
Martin Nordrum Kneppen – ドラム、パーカッション、リコーダー(1999~)
Andreas Wettergreen Stromman Prestmo – リード・ヴォーカル、ギター、グロッケンシュピール、パーカッション(2009~)
Geir Marius Bergom Halleland – リード・ギター、コーラス(2011~)

09年の2nd『AFTERGLOW』リリース後にオリジナル・ヴォーカリストが脱退し新メンバーに交代、また11年の前作3rd後にリード・ギタリストが脱退し、本作から新メンバーが加わっています。

さてそんなWOBBLERによる17年作は、発売以降世界各地で「彼らの最高傑作」との高評価を獲得。ノルウェーの音楽サイトEvig lyttarでは2017年のノルウェーのベスト・アルバムにランクインし、またプログレ情報サイトProg Archivesのオールタイム・アルバム・ランキングで21世紀の作品で最高位の18位を記録しています(2018年6月現在)。

元々ANGLAGARDやANEKDOTENといった同郷90年代のプログレを受け継ぐグループとして評価の高かった彼らですが、過去作と比べても各段の賛美を受ける本作。一体どんな作品なのでしょうか!?

■プログレ・ファンなら感動しない訳がない!?20分に及ぶ大曲「From Silence to Somewhere」の素晴らしさ

前述の通り、過去の作品ではANGLAGARDやANEKDOTENといった北欧のグループと比較されるダークでヘヴィなサウンドを特徴としていた彼ら。また元々KING CRIMSONやPFM、GENTLE GIANTなどの70年代プログレ的な作風を志向して結成されたということもあり、オルガンやメロトロンなどヴィンテージな楽器をフィーチャーしたサウンドは「懐古的」とも表現されてきました。

本作でも彼らのトレードマークである溢れんばかりのメロトロンやアグレッシヴなオルガンは健在。ANGLAGARDやANEKDOTENに通ずる強靭なアンサンブルも披露しつつ、さらにそこへYESばりの輝かしい躍動感、「危機」にも匹敵する緻密でダイナミックな構成力が加わり、よりスケール感に富んだ圧巻のプログレッシヴ絵巻を作り上げています。

♪From Silence to Somewhere

試聴 Click!

アルバムのハイライトは20分に渡る1曲のタイトル・トラック「From Silence to Somewhere」。重厚かつ疾走感に溢れるイントロに始まり、繊細なギターのアルペジオをフィーチャーした叙情パート、古楽器風のリコーダーやバンジョーを取り入れた神秘的なパート、またエッジの効いたギターやフルートやオルガンが嵐のように吹き荒れるスリリングなパートなどを経て、メロトロンが洪水の様に押し寄せる壮大なクライマックスへ・・・。

ドラマチックに移り変わる怒涛の展開、緊張感漂わせつつここぞという所ではどこまでも叙情的で優美に聴かせる構成力の高さ。ヘヴィで激しいパートもありつつ、全体的に北欧らしい透明感とファンタジックさに包まれた瑞々しいアンサンブル。ずばり英国や北欧プログレのファンで、これを聴いて心動かされない人間は皆無と言ってよいでしょう!

YES、EL&P、KING CRIMSON、KAIPA、そしてANGLAGARDやANEKDOTEN・・・70年代、そして90年代のプログレのエッセンスを汲み取り、彼らならではの手腕で2010年代に再構築した、現代プログレの金字塔。

プログレッシヴ・ロックの素晴らしさが詰まりに詰まったといっても過言ではない、会心の力作です!


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