2019年6月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
早いもので、2019年も上半期が終わろうとしていますね。
この半年で、カケレコのラインナップにも魅力ある新たなCDが多数加わりました。
というわけで、今回は19年上半期に人気を集めた新作&リイシューCDを、【新作部門】と【リイシュー部門】に分けてTOP10でご紹介してまいります。
試聴音源を楽しみながらご覧ください☆
今最もスリリングなヴァイオリン・プログレを聴かせるロシアの雄、ついに出た19年作!従来のスピードと切れ味はそのままに、ベースとキーボードが加入した事でよりダイナミックで密度の高いサウンドを構築していてもう素晴らしすぎっ!
ポーランド・シンフォ注目株、待望の19年5th!新女性ヴォーカルのエモーショナル&アグレッシヴな歌唱と、端正かつ陰影に富んだ宝石のように美しいアンサンブルが見事に調和してるなぁ。傑作!
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90年代~00年代のイギリス屈指のプログレ新鋭バンドと言えるBIG BIG TRAINを特集。バンドのオフィシャル・サイトのヒストリーを元に、バンドのラインナップの変遷を見ていくとともに、作品を聴いてまいりましょう。
古き良きプログレへの敬意を抱きつつ、新たな時代のプログレを模索した19年作3rd。メロトロンやムーグや躍動し、存在感みなぎる女性ヴォーカルが歌い上げるこれぞ会心作!
キャリア30年でこのファンタジックで瑞々しいサウンドはほんと凄い…。20人超の管弦楽隊を従え制作された、スケール大きくもジェントルな優しさに満ち溢れた19年作!
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何とスタジオ・ジブリの作品世界に触発され制作されたという19年作7th!従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった傑作です!
70sイタリアの代表するへヴィ・プログレ・バンドが17年におこなった奇跡の来日公演を収録!荘厳さの中に邪悪な気配が立ち込めるあの個性的なサウンドを、45年の歳月を経てほぼ完璧に鳴らしていて、その再現度にただただ驚きます…!
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続々登場する新鋭バンドに負けじとハイクオリティな作品を発表している、70年代に活躍したベテラン・バンド/アーティストたちの作品に注目してまいります☆
PFMの陰影ある叙情美、BANCOのダイナミズムとロマン、LE ORMEの気品あるファンタジーを併せ持ったような凄いバンドだ…。これぞ「正統派イタリアン・シンフォ」と呼びたい、スケールの大きさと熱きロマンティシズムが同居する会心作!
ポーランドの実力派ALBIONから脱退した女性Voやkey奏者が新たに結成したシンフォ・グループ。抑制の効いたしっとりと叙情的な演奏によって、女性ヴォーカルの深みある表現力をより際立たせた素晴らしき一枚です。
あのGOLDEN EARRINGのメンバーも巻き込んだ、オランダの名バンドSUPERSISTERの後継グループ!ナショナル・ヘルスとキャラヴァンを合わせてクラシカルなシンフォ風に料理したって感じの、知的かつ芳醇なサウンドが流石だ…。
ブラジルの男女シンフォ・ユニットが敬愛するRUSHを全編カバーしたトリビュートなのですが、持ち味のドリーミーなギターワークや艷のある女声ヴォーカルが新鮮な好カバーが揃っていて、コレは良いです♪
名実ともにエストニアを代表する名バンドですね!当時4曲のみがEPとしてリリースされた幻のアルバムの完全版を含む18年編集盤で、エストニア最高のバンドたる所以をたっぷりと堪能できる素晴らしい逸品なのです♪
ハードロック的凶暴さとクラシカルな叙情性を絶妙に織り交ぜたサウンドは、イタリアン・ロックに求めるべき要素を余さず揃えたものと言えるかも。イタリアン・ロック・ファンなら絶対に聴いてほしい名盤!
フォーク、ロック、クラシックを絶妙に配合した名曲群に命を吹き込む天使の歌声。何というか、もうこれがNO.1ですよね・・
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音楽ライター後藤秀樹氏による連載コラム「COLUMN THE REFLECTION」。今回取り上げるのは、第2期ルネッサンスの1st『プロローグ』と2nd『燃ゆる灰』!
ジャニスを思わせるソウルフルな女性ヴォーカルに切れ味たっぷりのブラス、ジミ・ヘンばりのファズ・ギターが炸裂!この米ブラス・ロック、はちゃめちゃに格好いいです。
これ、ジャズファンク+カンタベリーと言えちゃうかな?ヴァンデ総帥からMAGMAの2ndドラムに抜擢されるメンバーやB.パガノッティがいたCRUCIFERIUSの元メンバーなど実力者が集った仏ジャズ・ロック・バンド、強靭かつ気品高い73年デビュー作!
リリカルな英ロック名盤を残したパーラー・バンドの後身グループと言えば?ファンク・テイストを大胆に導入した、グルーヴィ―かつゴキゲンなロック・チューンが満載の好盤74年作!
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ZZ TOP、SPOOKY TOOTH、BLACK SABBATH…。名バンドたちの前身&後身にあたる知られざるグループたちを探求します!
2ndはイエスに接近しますが、このデビュー作は、アトミック・ルースター~EL&Pばりにオルガンが攻撃的に炸裂するプログレ・ハードを展開!初期イエス風のアグレッシヴさや伊ヘヴィシンフォばりの畳みかけも折り込んだ北欧プログレ・ハード秘宝!
アルゼンチン・ロックの原点と言うべき名グループが再結成して放った80年作3rd。1stの頃の胸に迫る切ないリリシズムはそのままに、洗練のメロウAORに仕上げた名品!
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アルゼンチンのロック・シーンの基礎を築いたと言われる2人のミュージシャンSPINETTAとCHARLIE GARCIAを始め、往年のアルゼンチン・プログレのエッセンスを受け継ぐアルゼンチン新鋭たちをレコメンド☆
フランキー・ミラーやロバート・パーマーに比べると知名度は低いですが、実力は決して劣らぬ英国の名ブルー・アイド・ソウル・シンガー!バックにブラス・ロック・バンドIGUANAのメンバーを迎え、コクたっぷりの本格ホワイト・ソウル/AORサウンドを聴かせる名作です。
ジェスロ・タルにも通じるいなたいトラッド・ロックで幕を開けますが、徐々にサックスとファズギターが暴れだしてクリムゾンばりに強度と重量感が増していきます。ジャケ通りの混沌が渦巻くフィンランド・プログレの怪作。
気になる作品を見つけていただければ幸いです!
YARD BIRDSのKeith Relf、Jim McCartyを中心に結成されるも、2枚のアルバムを残し解散したイギリスのグループ。72年にソプラノ・ボーカルAnnie Haslamを擁し新体制で活動を再開、ロック・フォーク・クラシックが交差する幻想的な楽曲は今なお色褪せることはありません。本作は73年にリリースされた2nd。クラシカルな中に多少のサイケデリック感覚を残したデビュー作から方向性が定まり、牧歌的なのどかさと英国叙情、オーケストラを従えたシンフォニック・ロックの世界を作り上げています。以降ライブでも取り上げられる機会の多い名曲となった「カーペット・オブ・ザ・サン」「燃ゆる灰」などを収録。
エストニアのYESとも称される、名実ともに同国を代表するプログレ/ロック・バンド。70年代後半にフルアルバムとしてリリースが予定されながらも、ソ連の検閲により4曲のみのEPとしてリリースされた作品『Pohi Louna Ida Laas…』の12曲完全版をCD1に収録。YESやNEKTARあたりを彷彿させるファンタジックな飛翔感、目まぐるしく場面転換するような複雑な曲構成とシアトリカルさコミカルさも織り込んだ表情豊かな音楽性で一気に聴かせる名作です。CD2には同時期のライヴやレア音源13曲を収録。エストニア最高のバンドの所以をたっぷりと堪能できる素晴らしい作品です!
【Disc 1】 Põhi, Lõuna, Ida, Lääs…
1-1. Põhi, Lõuna, Ida, Lääs… 6:06
1-2. Laul Teost 2:24
1-3. Omaette 2:40
1-4. Ajaloo Õppetund 2:33
1-5. Couplet In Estonian (Ha, Ha, Ha, Ha) 4:16
1-6. Läänemere Lained 3:15
1-7. Mis Saab Sellest Loomusevalust? 7:36
1-8. Üle Müüri 3:39
1-9. Keldrikakand 0:57
1-10. Elupõline Kaja 4:49
1-11. Ei Mullast… 2:43
1-12. Klaperjaht 1:15
【Disc 2】 Ruja Laval / Parallelmaailmad
2-1. Ahtumine 7:49
2-2. Keldrikakand 0:53
2-3. Ei Mullast… 2:48
2-4. Isamaa 1:07
2-5. Klaperjaht 0:48
2-6. Kimalane Ungaris (Andrus Vahti Soolo) 1:04
2-7. Oh Öelge, Doktor 2:37
2-8. Omaette 2:03
2-9. Avanemine 4:19
2-10. Meediaaskeldus 1:48
2-11. Stereo I 4:32
2-12. Ma Mustas Öös Näen… 2:48
2-13. Ootamisest Ja Olemisest 7:44
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、2枚組、Disc2には76/78年のライヴ音源8曲と同時期のスタジオ・レコーディング5曲を収録、デジタル・リマスター、定価3190+税
フィンランドのプログレ・ファンジン『COLOSSUS』の編集者であり、雑誌主催のトリビュート盤でも活躍するフィンランド在住のイタリア人Marco Bernard(B)を中心に、MIST SEASONでも活躍するフィンランド人ドラマーKimmo Porsti、プログレ・バンドRESISTORも率いるギター/ヴァイオリン/フルート/ヴォーカルの米国人Steve Unruhによる多国籍トリオ・グループ。19年作7th。本作の特徴は何と言ってもあのスタジオ・ジブリの作品世界に触発された作品であること。コロコロと愛らしく鳴るピアノや、美しい詩情を湛えたフルート、悠久を奏でるように格調高いヴァイオリンらがデリケートに紡ぎ上げる、宝石のように輝かしく温かなファンタジーが滲むアンサンブルが素晴らしい!圧倒的なスケールで聴き手に押し寄せるシンフォニック・ロックをメインとしていた従来から、作品テーマを受けてより繊細な表現に力を入れている印象を受けます。リリシズムが零れ落ちるような演奏と共にピアニスト/シンガーの富山優子氏が日本語で歌う6曲目なんて、本当にジブリ作品で流れていてもいいような完成度で驚き。他にもジブリ諸作品で印象的だったモチーフが各曲に散りばめられていて、お好きな方なら聴きながら思わずニンマリとしてしまうでしょう。最終曲ではイタリア新鋭IL TEMPIO DELLE CRESSIDREの美声女性ヴォーカルEliza Montaldoの日本語による慈しみに溢れた歌声が感動を呼びます。いつもながら豪華ゲスト陣にも注目で、LATTE E MIELE、HOSTSONATEN、KARFAGEN、GLASS HAMMER他、北欧から南米まで各国から実力派が集結。従来の壮大なシンフォニック・ロックに、息をのむような深みある「静」の表現力が加わった傑作です。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】紙ジャケット仕様、定価2990+税
レーベル管理上の問題により、紙ジャケットに若干スレがある場合がございます。予めご了承ください。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】紙ジャケット仕様、定価2990+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干スレあり
ヴァイオリン/ギターetc.のAndy Didorenkoを中心に結成、現ロシアを代表するプログレ・グループにして、全世界的に見て最もスリリングなヴァイオリン・プログレを聴かせる実力派グループ、3年ぶりとなる19年作6th。Vln&G/fl/dr/perの4人編成だった前作発表後に、パーカス奏者が脱退しベーシストと女性キーボーディストが加入。バンドとして安定した5人編成で制作されたのが本作です。1曲目からアクセル全開!舞踏音楽を思わせる気品に満ちたフレーズを切れ味鋭くスリリングに紡ぐ圧巻のヴァイオリンを中心に、パーカッシヴな打音も織り込んだダイナミックなリズム隊、テンション高くアンサンブルに絡みつつもあくまでしなやかな音色のフルートがスピーディに駆け抜ける緻密にして猛烈にテクニカルなアンサンブルには、プログレ・ファンなら血沸き肉躍ること必至。キーボードが大活躍する2曲目は新境地で、テーマを豪快に奏でるシンセとオルガンがカッコいい骨太なテクニカル・シンフォ。Andyはキーボードに負けじとヴァイオリンをギターに切り替えて音数多くキレのあるプレイで応じており、火花を散らすような応酬が見事です。さらに、クラシック畑のメンバーらしい静謐な空間の中でヴァイオリンやピアノが優雅に奏でられるクラシカル・チューンも流石で、疾走感あるプログレ曲との間にあまりに鮮やか対比を生み出しており素晴らしいです。トリオ編成だった頃に比べて、アンサンブルに確かな厚みと密度が生まれ、サウンドにズシリとした重みが加わった印象を受けます。3年待った甲斐のある貫禄の傑作!
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、定価2,990+税
レーベル管理上、デジパックに若干角つぶれがある場合がございます。ご了承ください。
実力派がひしめく現ポーランドでも屈指の人気シンフォ・グループによる、3年ぶりとなった19年5thアルバム。前作からの大きな変化として女性ヴォーカルの交代が挙げられます。前任者はどこか緊張感のある厳かな歌唱が印象的でしたが、後任はより感情を強く出すエモーショナルな歌唱が素晴らしく、これまでになくドラマ性を高めており特筆です。演奏陣はさすがで、耳を引くユニークなリズムパターンを織り交ぜて存在感を示すリズム・セクション、ポーランドらしい陰影と哀感を乗せひたすら美麗フレーズを繰り出すギター、バックを気品高く流れゆくストリング・シンセらが、呼吸をぴったり合わせ紡ぎ上げていく宝石のように美しいアンサンブルに聴き惚れます。また出番は多くないものの、物悲しいリリシズムと柔らかなファンタジーを併せ持つピアノのタッチも絶品で、LOONYPARKらしい角のないしなやかな音色使いを象徴しているかのよう。従来どおりの端正で美しいアンサンブルと新ヴォーカルが担うアグレッシヴな表情が見事に調和した傑作!
イギリスはジャージー島で結成され陰影溢れるブリティッシュ・ロック名盤の72年唯一作を残したPARLOUR BAND。彼らがドラマー変更に伴いバンド名を”A BAND CALLED O”と改め制作した74年作。英国叙情が匂い立つようなリリカルな作風だったPARLOUR BANDから一転、ファンク・テイストを大胆に取り入れたグルーヴィ―かつゴキゲンなロック・チューンが並びます。前任者よりソリッドで勢いのあるドラミングを土台に、ワウを効果的に用いたエッジの立ったカッティングが印象的なギターと、その合間を縫うようにエレピ&クラヴィネットでクールに音を刻むキーボード、そしてS.マリオット彷彿のR&Bなコクを含んだヴォーカルらがタイトにアンサンブルを組上げており、職人的ともいえる隙のない演奏は見事です。マリオットっぽいヴォーカルが映えるHUMBLE PIEカバー「RED LIGHT MAMA RED HOT!」を皮切りにファンキーなアレンジが中心ですが、華やかなコーラスワークが彩るCAPABILITY BROWNの後進KRAZY KATやROCOCOあたりに通じるモダン・ポップ、終盤に現れる前身PARLOUR BAND直系の憂いを帯びたブリティッシュ・ロックなども大いに聴き所となっています。R&B/ファンク・テイストあるロック・サウンドがお好みの方はもちろん、上記モダン・ポップ・ファンにもオススメしたい、高品質なブリティッシュ・ロックの逸品!
ノルウェーのグループ、73年作の1st。ブリティッシュ・ロックからの影響が強い陰影に富んだハード・ロックを軸に、変拍子の中をオルガンやギターがウネリを上げるプログレッシヴなパートを織りまぜたダイナミックな展開が聴き所。ハード・ロックやプログレなど、同時代のブリティッシュ・ロックを飲み込んだアーティスティックなサウンドが魅力的な好盤。
2014年に始動したギタリスト/マルチ奏者と女性ヴォーカリストによるブラジル産シンフォ・プロジェクト、18年作。彼らが敬愛するバンドRUSHに捧げたトリビュート作品となっています。アレンジ自体は原曲に忠実と言えますが、ギターの響きに顕著な持ち前のドリーミーな感覚、そして艷やかな女声ヴォーカルによって丹念に紡がれるRUSHナンバーの数々が新鮮です。「Limelight」に始まり「Closer To The Heart」「Nobody’s Hero」「Tears」「Here Again」など14曲を披露。RUSHに対する素直なリスペクトが感じられる好カバー作!
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