スタッフ佐藤です。
今回は、ロックの歴史に名を刻むバンドたちの「前身&後身にあたるグループ」の数々をご紹介していきたいと思います。
元バンドとの音楽性に違いなどに注目してお楽しみいただければ嬉しいです!
いきなりメジャーとは言えないグループで恐縮ですが、19年にめでたくリイシューされたのでまずはこちらをご紹介。
リリカルな英ロック名盤を残したパーラー・バンドの後身グループで、パーラー・バンドとは打って変わって、ファンク・テイストを大胆に導入したグルーヴィ―かつゴキゲンなロック・チューンが満載の74年1st。
でも終盤は前身バンドに通じる英国叙情も姿を見せて、やっぱり堪りませぬ☆
いぶし銀の名ブリティッシュ・ロック・バンドSPOOKY TOOTHの前身グループはご存知かな?
アメリカン・ルーツ・ロックへの憧れとサイケデリックな時代の空気が融合したサウンドは、当時で言えばTRAFFICやSMALL FACESと同傾向のアプローチ!
オススメです!
なんと、ブラック・サバスの前身バンドEARTH(メンバーは同じ!)と、プリースト結成前のグレン・ティプトン参加バンドFLYING HAT BANDの音源を収録したスプリット盤。
聴き所は何と言ってもEARTHで、この「Rebel」なんてそのまんま初期サバスがサイケ・ポップをやったって感じのナイスな一曲!
オジーはもうオジーだし、曲調に対してやけに重々しいギターもさすがとしか言いよう無し!
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どんな有名ミュージシャンにも無名だった時代がありますよね。というわけで今回は、大御所ミュージシャンたちの下積み時代の作品に注目!
ヒプノシスの唇ジャケで有名なキャパビリティ・ブラウンの主力メンバーによるグループですが、これが美メロ&ハーモニー満載の英モダン・ポップの傑作!
これはPILOTや10ccやQUEENのファンなら歓喜すること間違いなし~!
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70’s英ロックの名バンドCAPABILITY BROWNの後身バンドとして知られるKRAZY KATによる76年1st『CHINA SEAS』をピックアップ!
英国ブラス・ロック最果ての一枚!
熱くむせぶホーン・セクションとエルキー・ブルックスの力強いフィメール・ヴォーカルが発するエネルギーが凄すぎる…!
なるほど、あのVINEGER JOEの前身グループなのか!納得!
MUNGO JERRYのヴォーカルRay Dorsetが在籍した、事実上の前身グループ!
MUNGO JERRYからは想像できない初期ROLLING STONES影響下のワイルドなサウンドがカッコ良し。
尖ったRayのヴォーカルも聴き所!
後にZZ TOPで強靭なリズム・セクションを担うDusty Hill(B)とFrank Beard(Dr)の2人が在籍した、ZZ TOPの前身バンドの一つがこのバンド。
そのサウンドは、切れ味鋭いブルース・ギターを擁したテキサン・ヘヴィ・サイケ・ブルース。
この時点ですでに図抜けた存在感で迫りくるリズムワークに圧倒されますねぇ。
Dustyの兄で、のちにテキサス・ブルースの名手となるギタリストRocky Hillによるアグレッシヴなギターも特筆もののすばらしさです。
バンド名はミシシッピだけどオーストラリアのグループです。
抜群のコーラス・ワークと、ちょっといなたいごった煮サウンドは、サイケがかったCSN&Yと言えそうでとてもいい感じ。
このMISSISSIPPIが渡英時に、多国籍プログレ・バンドESPERANTOに在籍していたヴォーカル/ギターのGlenn Shorrockと意気投合して結成したのが、LITTLE RIVER BAND。
数作品をジョージ・マーティンがプロデュースしたことでも知られる人気グループですね。
英語圏を離れ、ここからは世界各国のシーンを見てまいります☆
PFMと並ぶ世界的イタリアン・ロック・バンドGOBLINの前身が、このバンド。
YESをイタリアならではの熱情でさらに加速させた、といった感じのアンサンブルから溢れんばかりのエネルギー!
キース・エマーソンとスティーヴ・ハウとジョン・ウェットンがぶつかりあった感じとも言える!
IL BARICENTROも素晴らしいけど、前身バンドによる73年唯一作も実に見事な一枚。
超技巧派ピアノがダイナミックに舞い飛び、リズムがズシズシと迫り来て、ヴォーカルが哀愁たっぷりに歌い上げる。
ロマンあふれるメロディのすばらしさにも注目の、極上イタリアン・ジャズ・ロック!
ロジャーディーンのアートワークで知られるデンマークのバンドMIDNIGHT SUN。
その前身となったバンドなのですが、これがサイケ、ジャズ、クラシックを融合し洗練された演奏で聴かせる個性派ポップ。
60年代デンマークにこんな実力派がいたとは!
「ポーランド・ロックの父」とも謳われる名シンガー/オルガン奏者の全盛期パフォーマンスを収めた、73年ヘルシンキ公演。
バックメンバーは翌年にデビューを果たすSBBの3人!
すでに圧巻のテクニックを駆使したスリリングで熱気ある好演を披露しています。
旧ユーゴまで来ると前身とか後身とか言われてもピンとこないかなぁ。でも構わず続けちゃいます!
旧ユーゴの有力バンドだったDRUGI NACINの中心メンバーにより結成された後継グループが彼らです。
リッチー・ブラックモア直系のギター、イアン・アンダーソンばりのフルートが活躍しますが、陰影を帯びたドラマチック&ヘヴィなアンサンブルは、「東欧のユーライア・ヒープ」と呼べる素晴らしさ。
ジャケも雰囲気あるっ!
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あるときはクラシカルに格調高く、あるときはジャジーかつ芳醇に、あるときはグルーヴィーで熱量たっぷりに…。辺境地で鳴らされた個性豊かなオルガン・ロックの数々をピックアップしてまいりたいと思います。
最後はインドネシア!
70年代インドネシアを代表するプログレ・バンドGIANT STEPの前身にあたるグループによる70年録音作品。
牙を剥くように凶暴なファズギター、しゃがれ気味のハイトーンVo、フルートらが渦巻く、この高温多湿な濃厚サウンド。
辺境臭が匂い立ってくるかのよう!
ヴォーカルやギターなどCAPABILITY BROWNの主力メンバーにより結成されたグループ。76年作1stと77年作2ndとをカップリングした2in1CD。美しいツイン・リード・ギターとドラマティックなコーラス・ワークによるポップ・プログレ、ヌケの良いギター・リフとキャッチーなメロディ&ハーモニーによるハード・ポップ、粘っこいファンキー・ロック、英国らしい憂いのあるメロディと流れるようなアンサンブルが胸にしみるフォーク・ロックなど、どの曲も印象的なメロディと味わい深いアンサンブルが絶妙な佳曲ぞろい。CAPABILITY BROWNのファンはもちろん、PILOTや10ccやBADFINGERやQUEENなどブリティッシュ・ポップのファン、ニッチ・ポップのファンはかなりグッとくるグループです。おすすめ
イギリスはジャージー島で結成され陰影溢れるブリティッシュ・ロック名盤の72年唯一作を残したPARLOUR BAND。彼らがドラマー変更に伴いバンド名を”A BAND CALLED O”と改め制作した74年作。英国叙情が匂い立つようなリリカルな作風だったPARLOUR BANDから一転、ファンク・テイストを大胆に取り入れたグルーヴィ―かつゴキゲンなロック・チューンが並びます。前任者よりソリッドで勢いのあるドラミングを土台に、ワウを効果的に用いたエッジの立ったカッティングが印象的なギターと、その合間を縫うようにエレピ&クラヴィネットでクールに音を刻むキーボード、そしてS.マリオット彷彿のR&Bなコクを含んだヴォーカルらがタイトにアンサンブルを組上げており、職人的ともいえる隙のない演奏は見事です。マリオットっぽいヴォーカルが映えるHUMBLE PIEカバー「RED LIGHT MAMA RED HOT!」を皮切りにファンキーなアレンジが中心ですが、華やかなコーラスワークが彩るCAPABILITY BROWNの後進KRAZY KATやROCOCOあたりに通じるモダン・ポップ、終盤に現れる前身PARLOUR BAND直系の憂いを帯びたブリティッシュ・ロックなども大いに聴き所となっています。R&B/ファンク・テイストあるロック・サウンドがお好みの方はもちろん、上記モダン・ポップ・ファンにもオススメしたい、高品質なブリティッシュ・ロックの逸品!
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