2023年4月13日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
命を振り絞るように歌い、生きたジャニス・ジョプリン。そのしゃがれた声は、いつ聴いても鳥肌がたってしまいます。
今回は、ジャニス・ジョプリンを引き合いに出される、ハスキーボイスの女性シンガーをカケレコ棚から探してみました。
初めにジャニス・ジョプリンから一曲。
♪Piece of My Heart
まさに、ジャニスのために作られたような楽曲ですね。
それではカケレコ棚へまいりましょう!
「東海岸のジャニス」ことJOANNE VENT。
69年に自身のソロアルバムをリリースしたのち、スワンプ・ロック・バンド、WHITE CLOUDに参加し、その素晴らしい歌声を披露しています。
♪WHITE CLOUD / Hound Dog
JOANNEのソウルフルなボーカル、宙にうねるスライド・ギターに腰にくるリズム隊、そして郷愁を誘うカントリー・フレイヴァー。
旨味たっぷりの東海岸スワンプ名作です!
次はポーランド出身で、米国のブラス・ロック・グループTEN WHEEL DRIVEに参加したヴォーカリストGENYA RAVAN。
70年作2ndからこちらの曲をお聴きください。
♪GENYA RAVAN / Stay With Me
このLorraine Ellison「Stay With Me」カヴァーのシャウトのすさまじさと言ったら!
ジャニスの「Cry Baby」に匹敵すると言っても過言ではない名唱ですね。
次は71年3rdからどうぞ。
♪GENYA RAVAN / The Night I Got Out Of Jail
GENYA RAVANのボーカルもさることながら、ジョン・ロードもかくやのオルガンとブイブイ吹き鳴らされるサックスのソロの応酬も凄くって、最後まで破竹のテンションで疾走していくアンサンブルに圧倒されます。
ストーンズやハンブル・パイでもバック・コーラスで参加した黒人女性シンガー、76年作の1stソロ。
♪CLYDIE KING / Punish Me
疾走感のあるソウル・ビートの中、軽快なキーボードとホーン・セクション、ソウルフルかつ陽気な彼女の歌声が炸裂!
つい体が揺れてしまいます!
「米ブルース・ロックの裏番長」ことニール・メリウェザーが結成したバンド、MAMA LIONのボーカル、LYNN CAREY。
♪MAMA LION / Ain’t No Sunshine
リン・キャリーの凄みあるパワフル・ヴォイスに圧倒されてしまいます。バンドのヘヴィーな演奏に良く合ってます!
マイク・ヴァーノンがプロデュースした69年作で知られるアメリカ出身のシンガー。
♪MARTHA VELEZ / Feel So Bad
クラプトン、ポール・コゾフ、スタン・ウェブ、ジャック・ブルース、ミッチ・ミッチェル、ジム・キャパルディ、ブライアン・オーガーといった英ブルース・ロック・オールスターといった布陣による演奏もカッコ良いし、ややかすれたソウルフルなシャウトもバックに負けていないカッコよさ!
ジャニス・ジョプリンとグレイス・スリックを足して2で割った感じ?!パワフルで伸びやかなヴォーカルが存在感たっぷりの米サイケ69年作!
♪JANUARY TYME / Rainy Day Feeling
英国のジャニス一人目、マギー・ベル。
69年~73年までブルース・ロック・バンド、ストーン・ザ・クロウズでボーカルを務めます。
♪STONE THE CROWS / Keep on Rollin’
しゃがれたボーカルがたまらないです!
英国のジャニス2人目、キャロル・グライムス。
カンタベリーロックのミュージシャンがバックを務めたキャロル・グライムス&デリヴァリーや、スワンプロックバンドのアンクル・ドッグでの活動のあと、満を持してリリースされた1974年ソロ作。
パワフル且つ少し酒ヤケしてそうなウイスキー・ボイスが何より魅力的です。
歌姫アニセッテを擁するデンマークを代表するロック・グループ、71年作。
このちょっと子供っぽいボーカルがたまらないんですよね。ジャニスのパワフルさと、ケイト・ブッシュのコケティッシュさを併せ持った、問答無用の素晴らしさ!
♪SAVAGE ROSE / Revival Day
「下北沢のジャニス」こと金子マリ。76年12月18日SABホール、22日日本青年館のステージから選ばれたベスト・パフォーマンスを収録!
♪金子マリ&バックスバニー / 最後の本音
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いかかでしたでしょうか。パワフルな女性ボーカルは、聴いていると胸がすくような爽快さがありますね!
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71年に発表されたJANISの遺作となるスタジオ・レコーディング。彼女の理想のプロデューサー、Paul Rothchildとのセッション通じて本当に自分の追求する音をみつけ、彼女の可能性は無限に広がっていきそうに見えた矢先、未完のままドラッグの過剰摂取により27才で亡くなりました…。『PEARL』はJANISが好んだニックネーム、人からこう呼ばれることを嬉しがったと言います。全米No.1アルバム。全米No.1シングル「Me and Bobby McGee」収録。新たなバック・バンドであるFull Tilt Boogie Bandを従えて制作されたが、本作が完成する前の1970年にジャニスは亡くなり、1971に遺作として発表された。ジャニスはこのアルバムの完成を待たずに死んでしまったわけですが、間違いなくロックの歴史に残る一枚。ジャニスの死によって、「生きながらブルースに葬られ」は、 歌なしのまま収録されました。全米9週連続1位。
制作途中の1970年にヘロインのオーヴァードースで亡くなり、遺作として翌年の1971年にリリースされた米ロック史上に残る傑作『PEARL』。『PEARL』全曲に加え、6曲のモノ・シングル・マスターを収録したDISC 1。DISC 2には、未発表のアウトテイクをたっぷり18曲に加え、70年のライヴ音源2曲を加えた全20曲を収録。「Move Over」のテイク6、13、17など、名曲誕生へと向かっていく生々しい記録に心が揺さぶられます。イントロでのささやきやハミングなど、まるでそこにジャニスが居るようで、胸が熱くなります。
デジパック仕様、2枚組、ボーナス・トラック8曲
盤質:傷あり
状態:良好
軽微なスレ・軽微な圧痕・ペーパーケースに軽微な破れあり
プロデューサーや作曲家としても名作を残した名ミュージシャン、THOMAS JEFFERSON KAYEのバンド、72年唯一作。まず耳につくのは紅一点JOANNE VENTのジャニスばりのソウルフルなボーカル。こぶしの効いた泥臭いボーカルに、つい前のめりになってしまいます!ぶっといスライド・ギターが宙にうねり、どっしりとしたリズム隊はリスナーの腰を揺らしていきます。スティール・ギター、フィドル、バンジョーなどの郷愁を誘うカントリー・フレイヴァーも多めにまぶされており、土臭さと絶妙なバランスでマッチしています!東海岸スワンプ・ロックの隠れた名作!
MAGGIE BELLと共に「英国のJANIS」の異名で評されたCAROL GRIMESをフロントに据えた、カンタベリー・ロック・シーンで活躍することになるメンバーを多数擁した、ブルース・バンド。CAROL嬢のパワフルでソウルフル、かつブルージーなヴォーカルを全面に押し出し、ジャジーでアグレッシヴなブルース・ロック・アンサンブルを大展開!どこか可憐味の残るヴォーカルと、一筋縄では行かないカンタベリー・ロック・ミュージシャンによる魔法のように熱くもクールな味わい深い作品です。
まるでアンプで増幅しているかのようなエキセントリックなシャウトがジャニス・ジョップリン級の存在感を放つ女性ヴォーカル、Lynn Carey擁するグループ。音楽面をリードするのは、Neil Merryweatherで、彼が率いるバンドの作品はすべて名作といえる米ブルース・ロック・シーンの隠れた名ミュージシャン。72年と73年のアルバムからは漏れたスタジオ未発表音源を収録した編集盤。
米ブルース・ロックの裏番長(!?)Neil Merryweather率いるグループ、72年1st。とにかく女性ヴォーカルのLynn Careyが強烈!まるでアンプで増幅しているかのようなエキセントリックなシャウトヴォーカルで圧倒します。ジャニスにも匹敵してるし存在感という点で間違いなく女性ロック・ヴォーカリスト屈指。そんなヴォーカルの迫力に負けじと演奏陣もソリッド&ブルージー&ファンキー強靭なサウンドを聴かせていて、この天井知らずのテンションと溢れ出るグルーヴィーなコクが堪りません。米ブルース・ロック好きには至福の一枚と言えるでしょう。
ライ・クーダー『The Border』やボブ・ディランの代表曲の一つ「Knockin’ on Heaven’s Door」にコーラスで参加した女性ヴォーカリスト、70年のデビュー・アルバム。バックはREDBONEの面々が務めており、ダイナミックなリズム隊とワウワウを多用したギターを軸に、ファンキーな跳ね感たっぷりの躍動的かつ旨味滴るアンサンブルを提供。そこに彼女のしぼり出すように歌い上げるソウルフル&エネルギッシュな歌唱が乗り、最高のフィメール・スワンプ・ロックを繰り広げます。この声量、そしてブルース由来の「凄み」の効いた存在感抜群のヴォーカルは、あらゆるロック・ファンに是非聴いて欲しい。ジャニス・ジョプリンに匹敵する、と紹介される女性シンガーは数いますが、彼女こそがその筆頭格と言って間違いないと思います。傑作!
「時には母のない子のように」のヒットで知られるカルメン・マキがジャニス・ジョップリンに衝撃を受けロックへ転身。当時18歳の若きギタリスト春日博文らと組んだグループ。ジャパニーズ・ロックの金字塔とも言われる75年の傑作。それにしてもの代表曲「私は風」。エッジと中域の太さが絶妙にバランスしたソリッドなギターとエネルギッシュなキーボードが一体となって畳みかけるイントロから悶絶。アコギのカッティングが入るところもカッコ良すぎるし、ピアノのソロ伴奏へと一転し、カルメン・マキの胸を打つ歌唱とともに日本的ワビサビが溢れる。そして、またバンドが入るとともにマキの魂の叫びが炸裂!バックの歌謡曲風コーラスがまた絶妙でクールでひたすら悶絶。エモーショナルなギターソロも良いし、ほんっとすべての演奏が神がかった名曲!
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