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名盤『ムーンマッドネス』より出発する、キャメル・ファンにオススメしたい叙情派プログレ探求☆

スタッフ佐藤です。

英国の叙情派プログレの筆頭と言えばキャメル。

後進バンドへの影響の大きさは5大プログレにも匹敵するほどで、70年代半ば頃から現在に至るまで、世界各国でキャメルへの憧憬を滲ませたグループが誕生し続けています。

そんなわけで今回は、キャメル好きの方に是非聴いてみてほしい作品を各国から探求してまいりたいと思います!
それでは、キャメル黄金期を代表するこの名盤からスタート☆


キャメル/ムーンマッドネス「月夜の幻想曲」

前作『スノーグース』も大傑作だけど、この4thも同等に素晴らしいですよね。

キーボードとフルートが幻想的すぎる「静」のパートと、引き締まったドラミングにギターとキーボードが泣きのフレーズを応酬させる「動」のパートとの鮮やかすぎる対比。

ファンタスティックさではプログレ史上最高峰!

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北欧フィンランドから届いたばかりのとっておきの一枚をピックアップ。これは素晴らしいですよ~。

VIIMA/VAISTYY MIELEN YO

キャメルやドイツのエニワンズ・ドーターがお好きなら必聴と言える24年作!

キャメル彷彿の叙情的なサウンドを、透明度の高さと温かみが調和した北欧バンドならではの音使いで綴る絶品シンフォを聴かせてくれます。

硬軟自在の引き締まったアンサンブルを土台に、幻想のメロトロンやアグレッシヴに噴き出すオルガンも聴かせる19分の大作が白眉!

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直近リリースのキャメル要素を含んだシンフォなら、この人気グループの24年作は取り上げないわけにはいきません♪

KARFAGEN/MESSAGES FROM AFAR: SECOND NATURE

前作で見せたYES的なエッセンスをより消化し、CAMELのメロディアスな優美さ、TFKのハードさやスケールの大きさ、YESの疾走感・飛翔感を絶妙に配合して、見事にKARFAGENの音として構築しています。

中でもアンディ・ラティマーとロイネ・ストルトを宿すあまりにメロディアスで雄弁なギターの活躍は必聴モノ。

15作目にして集大成的サウンドを聴かせる24年作!

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【タイトル追加】ウクライナ出身の才人Antony Kalugin&彼が率いる現代屈指のシンフォ・グループKARFAGENを大特集!

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アメリカからは、御大が参加したこの作品をおすすめ♪

DAVID MINASIAN/RANDOM ACTS OF BEAUTY

CAMELファン必聴と言える作品は数多くご紹介してきましたが、その中でも特筆モノがこちら。

なんせAndy Latimer御大が1曲に参加して名演を披露しているし、メロトロンも駆使した美麗なサウンドメイクもセンス抜群。

ずばりCAMELファン必聴です。

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もちろんユーロ・シーンにも、CAMEL愛溢れる作品がいっぱいありますよ~。
新旧織り交ぜてご紹介いたしましょう☆

ASIA MINOR/BETWEEN FLESH AND DIVINE

フランスのバンドだけど、キャメル・フォロワーとしてはかなりの上位に来る好グループ!

流麗なフルートが彩るロマンチックさと、このバンドならではのしっとりとしたメランコリーが絶品なシンフォニック・ロック名品。

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MAGNESIS/NEIGE EN DECEMBRE

フレンチ・シンフォの好バンド、「12月の情景」をコンセプトに描く23年作13th。

彼らにとって異色のインストゥルメンタル・アルバムですが、GENESIS+CAMELなスタイルに少しPINK FLOYD的シリアスさを加えたような音世界があまりにも幻想的に響きます。

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ANGEを起点に巡る、フレンチ・シアトリカル・プログレ・セレクション☆

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今回は、フレンチ・シアトリカルの代表格と言えるANGEを出発点に、フランス伝統のシアトリカルなパフォーマンスが楽しめる作品を新旧織り交ぜてピックアップしてまいりましょう~☆

FLAMBOROUGH HEAD/JUMPING THE MILESTONE

9年ぶりの作品とは思えない、何事もなかったようにFHらしさ100%のサウンドを繰り広げる22年作。

美旋律ギター&リリカルなフルートを操り「オランダのアンディ・ラティマー」の名を欲しいままにするEddie Mulderの活躍に注目!

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ANYONE’S DAUGHTER/IN BLAU

NOVALISと並ぶ叙情派ジャーマン・シンフォの筆頭ですよね。

1stや前作『ピクトルの変身』あたりがよりCAMELっぽい作品ですが、アコースティカルなタッチを強めた幻想的な本作も実に良いです。

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ROUSSEAU/RETREAT

ドイツのCAMELフォロワーならこのグループもオススメ♪

フルート奏者を擁した滑らかな肌触りを持つファンタジックなサウンドで、ドイツを代表するCAMELフォロワーの地位を確立した名作。

フルートが奏でる優美な旋律、シャープかつふくよかなリズム隊が特に良いなぁ。

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ALIANTE / DESTINAZIONI OBLIQUE

CAMEL的情景描写力に長けた繊細なタッチを見せつつ、分厚いキーボードが牽引する伊プログレらしいダイナミズムもたっぷり盛り込んだ傑作。

CAMEL的叙情パートから一転、重厚ながらも目まぐるしく場面転換していくパフォーマンスは、これぞイタリアって感じで最高!

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SICHER/SICHER

まさか「トレース meets キャメル」と言えちゃうこんな絶品シンフォがスイスの地に存在したとは…。

クラシックの引用も多用しながら、凛とした気品を保ちつつも情熱的に展開される、Wキーボードを主体とするアンサンブルが素晴らしい。

これぞユーロ・ロック秘宝盤!

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KAIPA/SOLO

ご存じロイネ・ストルトが在籍した北欧シンフォの代表的グループ。

CAMELの影響を感じさせるファンタスティックな叙情性が最も際立っているのがこの3rdなんですよね。

ロイネの音楽性が最も発揮された内容だけに、すでにTHE FLOWER KINGSへと繋がるサウンドがあちこちで聴けるのもポイント。

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QUIDAM/QUIDAM

90年代ポーランド、というより、90年代ユーロ・プログレを代表すると言ってもよさそうなシンフォ大傑作。

Camel、Genesis、Renaissanceの最良の部分を抽出して東欧らしいメランコリーで包み込んだようなサウンドは、デビュー作にして見事なまでに完成されてますね。

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WORM OUROBOROS/ENDLESS WAY FROM YOU

CAMELの豊かな情感はそのままにより緻密でテクニカルにしたような、ヴィンテージ色たっぷりのシンフォニック・ロックがもうとにかく素晴らしい。

なんと東欧はベラルーシ出身のグループ!

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『不思議音楽館』の新鋭プログレ版をカケレコが勝手にお送りしちゃいます☆

TEMPUS FUGIT/DAWN AFTER THE STORM

ブラジルはCAMELタイプのグループが結構いますが、本作はその中でもピカイチの完成度!とめどなく溢れるCAMEL譲りの美旋律と南米らしい甘美なメロウネスの調和が素晴らしい~。

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VITRAL/ENTRE AS ESTRELAS

ブラジルの名シンフォ・バンドBACAMARTEのフルート奏者が参加する新バンド!初期キャメルと重厚なバロック音楽が融合したようなスケール溢れるシンフォニック・ロックが凄い…。

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LUIZ ZAMITH / INTROSPECCAO

このギター、なんという叙情フレーズの宝庫なんだろう…。
VITRALでも活躍するブラジルのギタリストが放つ、キャメル+南米らしい柔らかなエキゾチズムと言える極上18年作!

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KAIZEN/AQVILA

QUATERNA REQUIEMのヴァイオリニストが率いるブラジル産バンドによる15年ぶり2nd。

GENESIS/CAMELからの影響を土台とする、クラシカルな気品たっぷりの奥深い響きを持つシンフォニック・ロックを編み上げます。

ゲスト参加する名手Marcus VianaとのWヴァイオリンも熱い!

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いかがだったでしょうか。
気になる作品が見つかりましたら幸いです☆

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  • CAMEL / MOONMADNESS

    前作『スノーグース』と並び初期キャメルの持ち味が最大限に発揮されたファンタジックな大名作、76年作

    Andrew Latimerを中心にファンタジックなアプローチでプログレッシブ・ロックの重要バンドに位置づけられるイギリスのバンドの76年4th。前作「スノー・グース」と並んでファンタジックなCAMELの音楽性をダイレクトに伝える作品であり、Andrew Latimerの消え入るような儚げなフルート、Peter Bardensの堅実かつ時に奔放なキーボードの妙技、そして軽やかに変拍子を紡ぐリズムセクションのトータル感で聞かせます。シンフォニックに、そしてジャジーに、肌触りの良いマイルドさを持った傑作であり、ゆったりと身を任せられるような自然なサウンドが一貫して個性的な1枚です。

  • VITRAL / ENTRE AS ESTRELAS

    ブラジル、BACAMARTEとQUATERNA REQUIEMのメンバーを中心とするシンフォ・バンド17年デビュー作、初期CAMELと壮大なバロック音楽を組み合わせたようなメロディアスかつ厳粛なシンフォニック・ロック!

    ブラジリアン・シンフォの歴史に輝く83年の名盤で知られるBACAMARTEのフルート奏者Marcus Moura、90年代以降のブラジルを代表するシンフォ・バンドQUATERNA REQUIEMのドラマーClaudio Dantasらが結成したバンドによる2017年デビュー作。フルートとギターがリードするCAMEL直系のメロディアスなシンフォニック・ロックに、BACAMARTEやQUATERNA REQUIEに通じるクラシック音楽/バロック音楽の典雅さ格調高さを加えた、構築性に富んだ壮大過ぎるサウンドが圧巻!リリカルで少し陰影がかかった美しい音色のフルート、アンディ・ラティマーを受け継ぐ一音一音から叙情が零れ落ちるようなエモーショナルなギターが紡ぐCAMEL愛たっぷりのアンサンブルと、バックで響く分厚いシンセ、オルガン、ピアノなどのキーボード群が演出するバロック音楽の厳粛な音世界が重なり合う音楽性に、シンフォ・ファンならば興奮しっぱなしでしょう。特筆は何と言っても52分に及ぶ大作組曲。キーボードもアンサンブルに加わり、テクニカルな疾走パート、芳醇に広がるシンフォ・パート、典雅な味わいの中世音楽パートを行き来しながら巧みに描き出されるスケール溢れるシンフォ絵巻があまりに素晴らしい。BACAMARTE、QUATERNA REQUIEM両バンドのファンは勿論、初期CAMELファンにも是非オススメしたい一枚!

  • QUIDAM / QUIDAM

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    ポーランドを代表するシンフォ・グループ。96年作の1st。ほの暗い叙情性を帯びたロマンティシズム溢れるキーボード、丁寧にメロディを紡ぐギター、優美なフルート、憂いある美しいメロディ、透明感溢れる女性ヴォーカル。東欧シンフォを代表する大傑作。

  • KAIPA / SOLO

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    スウェーデンを代表する名シンフォ・グループ、Roine Stolt在籍最後の作品となった78年作3rd。前2作で聴かせたクラシカルな格調高さを持ったシンフォニック・ロックと比べ、ジャケットにも表れるより親しみやすいハートウォームなサウンドが主となっています。透明感のある音色を重ね優美な広がりを作り出すキーボード、躍動感とタイトさがバランスするリズム隊、どれも素晴らしいですが、特筆はやはりRoineのギター。のちのTHE FLOWER KINGSに通じるブルージーでエモーショナルな高まりを見せる独自のプレイをすでに披露しており、作品を通じての温もりのあるファンタジックな世界観に対し、叙情的でありながらシリアスで深みもあるギターのタッチが素晴らしい対比を生んでいます。1st、2ndとともに北欧シンフォの最高峰に位置する名作です。

  • SICHER / SICHER

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    81年に自主制作リリースされた、スイス産シンフォニック・ロックの逸品。TRACEとCAMELを合わせたような、クラシックの引用も多用し凛とした気品を保ちつつも情熱的に展開される、ツイン・キーボードを主体とするアンサンブルが絶品です。スイスと言えばISLANDやDRAGONFLY、CIRCUS当たりが知られますが、こんな素晴らしいバンドが存在したとはっ!

  • LUIZ ZAMITH / INTROSPECCAO

    ブラジル、VITRALで活躍するギタリストによる18年作1st、キャメルに南米らしい柔らかなエキゾチズムを纏わせたような極上シンフォニック・ロック!

    ブラジル出身で、名シンフォ・バンドBACAMARTEのフルート奏者が在籍するバンドVITRALでも活躍するギタリストが放った18年ソロデビュー作。ズバリVITRALの17年作が気に入った方には是非おすすめ!S.ハケットやS.ロザリーに通じるデリケートで気品あるトーンで極上のメロディを次々と紡ぎ出すギター、どこかアンデスっぽい要素も漂う涼やかな風を運ぶフルート、温かくも太く存在感ある音色で70年代テイストをもたらすオルガンやシンセ。手本とする70-80sキャメルに、南米らしい柔らかなエキゾチズムを纏わせたようなシンフォニック・ロックが個性的です。エレピやオルガンが洒脱に舞うジャズ・ロック・テイストのナンバーも出色で、ギターとフルートがソロを取り合いながらスリリングに疾走するアンサンブルはかなりのカッコよさ。それにしてもこのギター、なんという叙情フレーズの宝庫なのでしょう。これまでにVITRALの17年作以外で目立った活動がないのが信じられないほどの実力派です。キャメル・ファン、初期ハケット・ファン必聴作。

  • KAIZEN / AQVILA

    QUATERNA REQUIEMのヴァイオリニストを中心とするブラジルのシンフォ・グループ、25年ぶりの2ndアルバム、Marcus Vianaが参加!

    ブラジル出身、QUATERNA REQUIEMのヴァイオリニストKleber Vogelを中心とするシンフォ・グループによる、94年の1stから25年ぶりとなる19年2ndアルバム。CAMEL/GENESISに通じるファンタジックな叙情派プログレに、ヴァイオリンがクラシカルな格調高さや古楽的な典雅な味わいを加える、奥深い響きを持つシンフォニック・ロックが素晴らしいです。クラシカルな気品高いフレーズをスケール大きく奏でるヴァイオリン、アナログっぽい温かみと艶やかさを備えたシンセサイザー、泣きを帯びた哀愁のギターらが、ドラマチックに絡み合いながら描き出していく壮大なサウンドにひたすら圧倒されます。注目はO TERCOのギタリスト&キーボーディスト、そしてSAGRADOで知られるヴァイオリン名手Marcus Vianaの参加。特にMarcus Viana参加の2曲は必聴で、VogelとVianaのヴァイオリンが左右のチャンネルに分かれてスリリングかつ優美に絡みあうパートは思わず熱くなります。QUATERNA REQUIEMやそのドラマーがが参加するVITRAL、そしてメキシコのCASTファンにオススメ!

  • WORM OUROBOROS / ENDLESS WAY FROM YOU

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    マルチ奏者2人にドラマーという編成の、東欧はベラルーシ出身のシンフォ・グループ。13年のデビュー作以来、バスーン奏者/オーボエ奏者/打楽器奏者をゲストに迎え6年ぶりにリリースされた19年作2nd。冒頭14分超の大作で、70年代プログレ・ファンなら早くもハートを鷲掴みされること必至!ジャジーで技巧的なリズム・セクション、クラシカルで清らかに鳴るピアノ、叙情溢れるオルガン、メロトロン(シミュレーション?)、流麗で色彩感いっぱいに駆け巡るギターらがファンタジックかつメロディアスに紡ぐ美麗なアンサンブル。そして大半でリードを取る麗しさとオーボエのような温かみをあわせ持ったアルトフルートのプレイが絶品です。まるでCAMELの豊かな情感はそのままに、よりテクニカルにしたような大変に素晴らしい一曲。各楽器とも途方もなくテクニカルなのですが、モダンなヘヴィさに寄らず常にヴィンテージな味わいがたっぷりなのが堪りません。随所でアンサンブルを格調高く彩るオーボエやバスーンもいい仕事です。比較的「陰」のサウンドという印象が強い東欧プログレにおいて、ここまで「陽」のエッセンスに満ちたスタイルで聴かせるバンドはほとんどこれまでいなかったはず。スペインのKOTEBELあたりにも匹敵しうる超実力派と言っていいでしょう。70sプログレ、特にCAMELファンは必聴の逸品です!

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    92年のデビュー以来コンスタントにリリースを続けるフレンチ・シンフォ・バンドが放った23年作13thアルバム。「12月の雪」を意味する題名どおり冬の情景を描くコンセプト作。「NEIGE EN DECEMBRE PARTIE 1」「〜 PARTIE 2」という20分の大曲2つで構成された実にプログレ然とした内容で、GENESIS+CAMELのファンタスティックなサウンドに少しPINK FLOYD的シリアスさをミックスさせたような、今回も彼らに期待するそのままの音を、メロトロンもたっぷりと鳴らしながらイマジネーション豊かに紡いでいます。大きな特徴は、中心メンバーであるマルチ奏者Eric Tillerotが担っていたヴォーカルがなくなり、インストゥルメンタル作品となっている点。ANGEのスタイルを受け継ぐあの耽美で濃厚なヴォーカルが聴けないのはやや寂しいところですが、そのぶん英プログレからの影響を完成度高く昇華させた彼らのあまりに幻想的な音世界に没入できる内容となっています。そういう聴かせ方を意図してのヴォーカルレスなのでしょう。上記のとおりGENESIS&CAMELファンにはぜひ聴いていただきたい逸品!

  • ALIANTE / DESTINAZIONI OBLIQUE

    17年結成のイタリアン・シンフォ・グループによる22年作3rdアルバム、CAMEL的叙情性とイタリアらしいアグレッシヴさ&ダイナミックさがバランスした傑作!

    17年結成のイタリアン・シンフォ・グループによる22年作3rdアルバム。前作まではキーボード・トリオ編成でしたが、キーボーディスト交代&ギタリスト加入で4人編成での制作となります。前作同様にCAMEL的と言える情景描写力に長けた繊細なタッチを見せつつも、分厚いキーボードが牽引するイタリアン・プログレらしいダイナミックさもたっぷり盛り込んだ傑作。ラティマーばりに泣く存在感あるギターにキーボーディストが兼任するフルートの切ない旋律が絡みCAMEL風サウンドが広がったかと思えば、スコンッと硬質なリズムに乗ってシンセがカラフルかつ緊張感を持って走り出すカッコいいパートがあり、さらにはチャーチ(風?)オルガンが鳴り響く荘厳なパートまでも飛び出して、重厚ながらも目まぐるしく場面転換するパフォーマンスは、これぞイタリアって感じで絶えずゾクゾクさせられます。叙情性とアグレッシヴさのバランスが素晴らしい、聴き応え抜群の一枚です!

  • VIIMA / VAISTYY MIELEN YO

    06年デビューのフィンランド出身シンフォ・グループ、CAMELやANYONE’S DAUGHTERのファンは必聴と言える24年作!

    06年にデビューしたフィンランドのシンフォ・グループによる24年作3rdアルバム。CAMEL彷彿の叙情的なサウンドを、透明度の高さと温かみが調和した北欧バンドならではの音使いで綴る絶品シンフォニック・ロック。北欧トラッド的な神秘性を宿した旋律を奏でるフルートとメランコリックなアコギが織りなす1曲目はCAMEL『Moonmadness』的世界観ですが、フィンランド語の少し「いなたい」響きが哀愁を醸し出していてとても良い感じ。白眉は19分に及ぶ2曲目で、繊細な1曲目から一転してオルガンがアグレッシヴに噴き出す迫力あるオープニングに惹きこまれます。タイトなリズムを土台にエッジの効いたギターとシンセが疾走するインスト・パートと、美しいエレピも活躍するロマンティックなヴォーカル・パートで描き出す、イマジネーションが溢れんばかりのサウンドに19分間があっという間に過ぎていきます。ここぞで登場するメロトロンの使いどころも見事。この硬軟自在なアンサンブルと徹底してメロディアスな旋律の素晴らしさは、ドイツのANYONE’S DAUGHTERがお好きであれば絶対気に入ると思いますよ。叙情派シンフォニック・ロック好きなら、ずばり必聴レベルの逸品です!

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