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アラン・パーソンズ・プロジェクト『EYE IN THE SKY』 – MEET THE SONGS 第168回

言わずと知れた名エンジニア&プロデューサーのアラン・パーソンズとセッション・ピアニスト&ソングライターとして活動していたエリック・ウルフソンの2人を中心に、パイロットやビー・バップ・デラックスなどアラン・パーソンズがプロデューサーとして関わったバンドのメンバーをバックに起用するスタイルで、75年から90年までの活動期間に10枚のアルバムを残したグループ。

『EYE IN THE SKY』は、82年にリリースした6thアルバムで、全米第三位の大ヒットとなったタイトル曲を含む、彼らの最高傑作とも評される代表作です。何と言っても魅力的なのが、英国的な陰影と叙情美に溢れたメロディと、プログレやモダン・ポップの延長線上にある知的でクールなアンサンブル。「Eye In The Sky」をはじめ、アルバムのハイライトといえるA面ラストの大曲「Silence And I」、そしてアルバムのラストを飾る「Old And Wise」の3曲は、特に80年代のロック&ポップスを代表する名曲と言っていいでしょう。

オープニング・ナンバーのインスト「Sirius」からベース・ラインそのままに曲間無くつながるイントロのアレンジにまず聴き手を「ハッ」とさせ、これでもかと親しみやすくポップでいて知的なひねりも効いたメロディ、ささやくように優しいエリック・ウルフソンの歌声で聴き手を感動に巻き込む名曲が「Eye In The Sky」。無機的なリズム、透明感あるメランコリックなリズム・ギター、クールでいてしっとりとしたサウンドで聴き手にそっと浸透していくようなキーボードによる静かにたなびくアンサンブルがまた絶品です。10cc「アイム・ノット・イン・ラヴ」やポリス「見つめていたい」に通じるような、クール&リリカルな名曲でしょう。

T2: 「Eye In The Sky」

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アルバムのハイライトと言えるのが、A面ラストの大曲「Silence And I(邦題:静寂と私)」。しっとりとメロディアスなピアノのバッキング、木管楽器によるリードに導かれる「静」なるセンチメンタルなバラードではじまり、中間部では「静」のパートと対を成すように、95人編成のオーケストラを起用して管弦楽器が瑞々しく躍動する「動」のクラシカルなパートへとスイッチします。ファンファーレのように勇壮に鳴る金管楽器、心躍るように弾ける木琴などが色彩豊かな音色で四方八方から活き活きと飛び出してくるアンサンブルには、ただただ圧倒されます。そこから、ギター・ソロをはさみ、しっとりとした「静」のバラードへと戻るアレンジもまた出色です。

T5: 「Silence And I」

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そして、傑出した3曲の名曲のトリを飾るのがアルバム・ラストの「Old And Wise」。何と言っても素晴らしいのがヴォーカルで、この曲を歌うのは、ゾンビーズでお馴染みのコリン・ブランストーン!「美麗」という言葉がぴったりのメロディを、まさに「切々」という言葉がぴったりに歌い上げています。アラン・パーソンズ・プロジェクトと言えば、エリック・ウルフソンという素晴らしいヴォーカリストが居るのに、曲調にあわせて英ロック・シーンが誇る名ヴォーカルを起用してしまうバブルっぷりも大きな特徴で、この曲は、エリックが歌っても充分に名曲に仕上がっていたでしょうが、コリンの歌声によりこの曲のもつ叙情美が一際きわ立っています。サックスのソロも絶品の味わいで、吹いているのはキング・クリムゾンなどでお馴染みの名手メル・コリンズ。エリックが歌う曲でのクールな装いとは違い、聴き手の感情を揺さぶる名曲に仕上がっています。

T10: 「Old And Wise」

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このアルバムが素晴らしいのは、代表曲の間に配された小曲がまた素晴らしいこと。パイロットの曲をメロウにしたようなAメロからWINGSっぽいサビへと展開するポップなT3「Children Of The Moon」(Voはパイロットのデヴィッド・ペイトン!)。ビーチ・ボーイズの「サーフズ・アップ」あたりを彷彿させるコーラスが絶品なT4「Gemini」(Voはクリス・レインボウ!)。米ウェストコースト・ロックばりにヌケの良いハード・ポップでドライヴにぴったりな感じのT6「You’re Gonna Get Your Fingers Burned」(VoはUK産ファンク・バンドGONZALEZのヴォーカルLenny Zakatek!)。アメリカンなメロディとクールなシンセが絶妙に絡んだこのバンドならではの知的&グルーヴィーな好曲T7「Psychobabble」(VoはELMER GANTRY’S VELVET OPERAのDave Terry!)。どれも一級のソングライティング、アレンジ、ヴォーカルが揃ったエヴァーグリーンな楽曲ぞろいです。

T7: 「Psychobabble」

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アラン・パーソンは、「アビー・ロード・スタジオ」にて、ビートルズ『アビーロード』や『レット・イット・ビー』、ピンク・フロイド『狂気』などの傑作に携わるなど、エンジニアとして成功しながらも、「やっぱ裏方じゃ金になんねえな。いっちょ、表舞台でひと儲けしてやるか」とばかりにアラン・パーソンズ・プロジェクトを結成したようですが、彼のスタジオを知り尽くした裏方としてのプロフェッショナリズムと技術、そしてエリック・ウルフソンとのコンビで花開いたポップ・クリエイターとしてのセンスが見事に組み合わさり、描いていた通りの成功を収めた代表作が本作『Eye In The Sky』と言えるでしょう。80年代を代表するロック・クラシックです。

ALAN PARSONS PROJECTの在庫

  • ALAN PARSONS PROJECT / TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION EDGER ALLAN POE

    ビートルズやピンク・フロイドのエンジニアとしても高名なアラン・パーソンズによるグループ、グラミー賞にもノミネートされた76年の傑作1st

  • ALAN PARSONS PROJECT / I ROBOT

    アリスタ移籍第一弾、I.アシモフ『I Robot』を題材にしたコンセプト・アルバム、77年2nd

    ビートルズやピンク・フロイドの作品を手掛けたアビイ・ロード・スタジオの名エンジニア、アラン・パーソンズ率いるプロジェクト。アリスタ移籍第一弾となった77年作の2nd。アイザック・アシモフの小説「われはロボット」からインスパイアされ、SFをテーマに創りあげたコンセプト・アルバム。アートワークはヒプノシス。

  • ALAN PARSONS PROJECT / PYRAMID

    荘厳なオーケストレーションが冴えわたる78年作3rd、ジャケットはヒプノシス

    ピラミッドの謎をテーマに取り組んだ78年作3rd。荘厳なオーケストレーションを駆使したサウンドが、神秘的な世界を喚起させる一大コンセプト・アルバム。アートワークはヒプノシスが担当。

  • ALAN PARSONS PROJECT / EVE

    79年作、印象的なアートワークはヒプノシス

  • ALAN PARSONS PROJECT / TURN OF A FRIENDLY CARD

    79年作5th、ギャンブルを題材にしたコンセプト・アルバム

  • ALAN PARSONS PROJECT / EYE IN THE SKY

    82年リリース、大ヒット曲「アイ・イン・ザ・スカイ」を含む代表作!

    全米3位を記録したヒット曲「アイ・イン・ザ・スカイ」を含む彼らの代表作。82年作6th。ヒットを意識したうえで見事に結果を出した充実のアルバム。アートワークはヒプノシスが担当。

  • ALAN PARSONS PROJECT / BEST OF(1983)

    83年発表のベスト、全12曲収録

  • ALAN PARSONS PROJECT / AMMONIA AVENUE

    代表作と言える84年リリース7th

    ギターサウンドを強調し、当時隆盛を誇ったMTVも意識したポップ・ロック・スタイルを披露した7th。84年作。ヒット曲「ドント・アンサー・ミー」を収録。アートワークはヒプノシスが担当。

  • ALAN PARSONS PROJECT / VULTURE CULTURE

    85年リリース8th

    コンテンポラリー・ポップ指向を強めながら、デジタル録音の可能性を追求した8thアルバム。85年作。最新のテクノロジーを駆使したキャッチーでシンプルなサウンドが新たな魅力を感じさせるアルバム。

  • ALAN PARSONS PROJECT / STEREOTOMY

    86年9th

    エドガー・アラン・ポーの小説「モルグ街の殺人」に出てくる言葉をヒントに制作された86年作9th。クールなロック・サウンドを展開するアルバム。

  • ALAN PARSONS PROJECT / GAUDI

    87年10thアルバムにして最終作

    のちにミュージカルとしても上演された87年作10thアルバムにして最終作。スペインの建築家ガウディをテーマにしたコンセプト・アルバムでヨーロピアン・テイスト溢れるロマンティックで繊細な作品。

  • ALAN PARSONS PROJECT / TRY ANYTHING ONCE

    93年作

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