2015年7月6日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
タグ: 日々是ロック
こんにちは、カケレコ店長の田中です。
なでしこ残念でしたね〜。
仕事は8時半始業のため、冒頭の10分ほどしか見られませんでしたが、そこでほぼ勝負ありとなってしまいました(涙)。
でも、オーストラリアやオランダやイギリスといったフィジカル面で劣る国を相手に、技術とチームワークで勝ち、決勝まで進んだことは感動的ですよね。
日本人はこういう風にやれば世界でインパクトを残せるよ、というのを改めて教えられた気がします。
個人として知識や技術を磨いた上で、多様なスタイルを認め合い、ひとつの想いを共有し、全員がハードワークする。
僕も彼女たちに負けないように、仕事とロック探求との両輪でがんばっていくぞー、と心新たになりました。
さてさて、最近入荷したCD、売れたCDの中から店長オススメの作品をピックアップするこちらのコーナー「日々是ロック」。
プログレ、ロック、ジャズ・ロック、サイケ、ハード・ロック、フォークなどジャンルを横断して世界のロックをカケハしてまいります。
連日の梅雨空に若干うんざりですが、そんな季節だからこそ楽しめる音楽を見つけるのもまた一興ですよね。ということで、梅雨に聞きたい作品を世界中からセレクトしてまいりましょう。
まずは、熱帯雨林の国インドネシアから届く涼風、ということでDewa Budjanaの2015年作からスタート!
6万人を動員するトップバンドを引っ張るクリエイターでいながら、ジャズ・ギタリストとしてパット・メセニーにも比肩しちゃう凄い作品をリリースしまくってるインドネシアの奇才。
米ジャズの名手たちと制作した2015年作、まばゆし!
【関連記事】
00年代に入ってジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロックの充実ぶりが凄い!ということで、ユーロ各国から北米、南米まで、世界中から届くジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロックの2015年新譜をピックアップ!
【関連記事】
NHK-FMの『プログレ三昧』でDISCUSが取り上げられ、プログレ・ファンにとって注目すべきエリアとなったインドネシア。DISCUSにも勝るとも劣らない硬派かつイマジネーション溢れるジャズ・ロック/プログレの名作が続々と届いておりますので、ピックアップ!
梅雨空とアシッド・フォーク。良いですよね。
イアン・マシューズが米ロックに憧れず、部屋に引きこもったら、こんな音になっただろうな。
そんな激レア英アシッド・フォーク!
数日前、雨あがりの夕日、綺麗だったなぁ。
やっぱりイギリスのしっとり叙情的なプログレが良いですよね。
ジェネシスはもちろん最高だけど、ここは新鋭をセレクトしましょう。
ジェネシスとXTCとアラン・パーソンズ・プロジェクトのピースを組み合わせつつ、憧憬に終わらず、「モダン」な音像へと高めた、と言える素晴らしい楽曲ぞろい!
ずばり00年代英プログレ最高峰と言える2013年の大傑作!
【関連記事】
90年代~00年代のイギリス屈指のプログレ新鋭バンドと言えるBIG BIG TRAINを特集。バンドのオフィシャル・サイトのヒストリーを元に、バンドのラインナップの変遷を見ていくとともに、作品を聴いてまいりましょう。
叙情的なイギリス新鋭つながりでこちらもピックアップ。
ジェネシス、キャメル、イエス、バークレイ・ジェームス・ハーヴェストあたりへの愛情が音から溢れんばかり。
メロトロンやフルートが紡ぐ幻想美。英国期待のマルチミュージシャンですね!
メロトロンも梅雨空にあうなぁ。メロトロンつながりで、ベタですが、2枚組でリイシューされたところで、やはりこの作品もあげておきましょう。
「トリプル・メロトロン」という話題ばかりで語られがちですが、この英国然としたリリカルかつジェントルなメロディの素晴らしさも特筆ですよね!
気品たっぷりのマーチング・ドラムもグッとくる〜。
ジャケは梅雨空ですが、サウンドは牧歌的でほのぼので和みます。
「田舎のビートルズ」や「英国田園ポップ」と評され、ポップ・ファンから愛されるこれぞ大英帝国ポップ・バンド。
73年作の代表作とされる3rdアルバムで、プロデュースは我らがジョージ・マーティン!
【関連記事】
ジョージ・マーティンがプロデュースした、スタックリッジの74年作3rd『The Man in the Bowler Hat 山高帽の男』をピックアップ。
家の中で空想にひたるのもまた一興、ということで現代オランダが誇る空想音楽家クリスをセレクト〜。
注目のオランダの天才マルチ・ミュージシャン。
才能ほとばしる映像喚起的でファンタスティックなサウンドと、オランダならではの柔らかなポップ・フィーリングがマジカルすぎ。
これは、傑作ですよ~。
天才ミュージシャンつながりで、アルゼンチンのチャーリー・ガルシア率いるSUI GENERISをピックアップしましょう。1stと2ndは牧歌的で梅雨っぽくないので(←それはそれで最高)、一気にプログレッシヴ&アーティスティックになった3rdをピックアップ。
例えるなら、サイモン&ガーファンクルがクリムゾンの1stに影響されて、バンド編成になっていきなりプログレ作品を発表した感じ!?
天才チャーリー・ガルシアの才能が一気に開花したアルゼンチン産プログレ屈指の大傑作。
あ、ジャケもサウンドも、雨の日にぴったりな作品がアルゼンチンにありました。
このギタリスト、ずばり南米のアンソニー・フィリップスと言っちゃっていいかな?
アルゼンチンのシンフォ・バンドHABITATのギタリストによる12年4th。
神秘的な女性ヴォーカルや流麗なピアノは梅雨空にぴったり!?
南米つながりで最近オススメの新鋭作品がこちら!
『太陽と戦慄』直系のアヴァン・プログレからジャズ・ロック、チェンバー、神秘的フォークまでめくるめく展開するアンサンブルはすさまじいテクニックと強度。
このブラジルの新鋭、凄いです・・・。
しっとりと映像喚起的な作品もこの季節に一層味わいが増します。ということで、ポーランドのこの新鋭をどうぞ。
この美しさの中に東欧特有の翳りを帯びたアンサンブル、絶品だなぁ・・。
刹那の美学という言葉がピッタリ来る美麗シンフォニック・ロックをポーランドに発見!
【関連記事】
毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は新鋭より、ポーランドのシンフォニック・ロック・グループLEBOWSKIの2010年リリースのデビュー作『CINEMATIC』をピックアップ☆
ラストはイマジネーション豊かなジャズ・ロックで締めくくりましょう。
こ、これは、まるでロバート・ワイアットのソロばりの幻想絵巻。
元マグマで、初期マグマ作もプロデュースしたローラン・チボーがベースで参加が特筆の仏女性コンポーザーによる74年作。
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
またお会いいたしましょう。
—–
聴かなくなったプログレ&オールド・ロックのCDがございましたら、カケレコを是非ご検討ください。
1枚1枚、専任スタッフが丁寧に査定させていただきます。
Gus Dudgeonのプロデュースで録音され、NEONレーベルからリリースされたイギリスのプログレッシブ・フォーク・ロック・グループによる71年作。トリプル・メロトロン・グループとしての話題性が先行しがちなグループであり、事実楽曲にはメロトロンのストリングスやフルートと言った王道音色からオルガン、チェロなどまで幅広いメロトロン・サウンドが使用されています。しかしその音楽性の基本となっているのは牧歌的で親しみやすい素朴さを持った田園フォーク・ロックといった趣のサウンドであり、むしろその点にこそ彼らの個性を見出すべき叙情的な名盤と言えるでしょう。
オリジナル・マスター・テープからのデジタル・リマスター、DISC2にデモや71年のスタジオ録音曲を12曲収録した2枚組
英国田園ポップの名グループ。73年作の傑作3rdアルバム。なんとあのジョージ・マーティンがプロデュースを担当。美しいストリングスとビートリッシュなアレンジにより、彼らの魅力である美しいメロディが瑞々しく響いています。特筆すべきは、James Warren以外のメンバーのソングライターとしての飛躍。Andy Davisによるビートリッシュな心躍る「Fundamentally Yours」、Mutter Slaterによる優美なバラード「To The Sun And Moon」など、一度聴いただけですぐに名曲と分かる優れた楽曲を提供しています。James Warrenも勿論だまっちゃいません。うっとりするほどに流麗な「Humiliation」、BADFINGERのようにキャッチーな「Dangerous Bacon」など、相変わらずのメロディ・メイカーぶり。70年代ブリティッシュ・ポップを代表する傑作です。
英国はヨークシャー在住のマルチ・インストゥルメンタル奏者Andrew Marshallによるプロジェクト。05年のデビュー作。全編インストで、ジェネシス、キャメル、イエス、バークレイ・ジェームス・ハーヴェストあたりのDNAを受け継いだ、テーマのメロディやバックのアンサンブルのすべてから英国らしい柔らかな叙情が溢れる70年代憧憬サウンドが印象的です。艶やかで格調高いトーンのピアノ、金管楽器のような壮麗さとともにメランコリーもあわせもった荘厳なトーンで鳴り響くムーグ・シンセ、淡い幻想美を醸すメロトロン。ヴィンテージなキーボードから繰り出される美しい旋律は往年のプログレ・ファンは歓喜すること間違いなしでしょう。優しく奥行きを広げるバッキングからハケット直系の気品たっぷりに鳴るアルペジオまでいかにも英国的な響きのアコギ、繊細に紡がれるエレキのリード、神秘的なフルートも絶品。これは名作です。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!